− その1 まずは戸倉国民、子安、そして湯田中のお湯に浸かりましょ −
どんなふうにぐるぐる回るのかは神のみぞ知る系のうろうろ行程なのであります。
(2010年12月末)
さて、世の中年末といえば「帰省」なのであります。Takemaは実家住まいなのでありますが(ついでに言えば自分が生まれた産婦人科からも約300m弱とやたらに至近だったりします。それによるメリットは何もありませんが)、おしんこどんの実家は奈良県ですので、この時期の帰省は必然の流れなのであります(もっともお盆には帰省する習慣がないわれわれではありますが)。
しかしここ数年の年末帰省では、「奈良に直行せず寄り道しながらダラダラ帰る」傾向が強くなってきました(笑)。せっかくの長距離お出かけなのですからちょっと寄り道をして温泉に‥というのはまぁある種当然と言えるのかもしれません。しかしその傾向には徐々に拍車がかかり、伊豆半島の寄り道くらいならまだしも時にはなぜか新穂高温泉のロープウェイに乗っていたりしたのですから、実家方面から「いい加減にしなさい!」と一喝されてもおかしくないはずなのでもあります(いや、でももう呆れ諦められているような気もします(笑))。
さてそんなわけで今年の寄り道ルートを考えます。最初の段階では「早めに休みを取って津軽方面の湯めぐりだ!」というアイデアもあったのですが、その後の帰省を考えると「わざわざ正反対の方面に向かうのも非効率的だよなぁ」ということで却下。よって、
ということに決定しました。もっともこの方針転換についてはおしんこどんとの綿密かつ口角泡を飛ばす侃々諤々耐え難きを耐え忍び難きを忍び系激論の末ようやく出た結論でもなんでもなく、出発を数日前にしながらなかなか下調べの進まなかったTakemaが「やっぱり東北方面は中止、いつもの寄り道しながら帰省ね」と一方的に通告したに過ぎないんですが。このように、旅行に関しては完全に亭主関白のTakemaなのでありますわ(苦笑)。
そんなわけで出発です。タイトルにもあるように今回の湯めぐりいや違った帰省はある種のミステリーツアー的行程なので、いきなり東名高速をまっすぐ西進するようなことはありません。ということでまずは関越道を北上し、藤岡JCTから上信越道へと進んでいきます。
やっほーいいお天気!浅間山もキレイに見えてます!
そんなこんなでまずは長野県へ突入したのでありますが、東高西低系の湯めぐり傾向のあるわれわれにとって長野県はちょうど東西の境目に位置します。よって訪問頻度もさして多いわけではないことから、要は「未湯 or 未湯に近い」有名温泉地が数多く残っているのです。
ということで高速を坂城ICで降りてまず目指したのは戸倉上山田温泉。ここは歓楽系温泉地というイメージが強く、これまでは完全にパスしていたのですが、お湯そのものはなかなかいいらしいということで、その中でもちょっとひなび系の共同湯を目指してみました。
やって来たのはその名もズバリの「国民温泉」(本当の正式名称は「戸倉国民温泉」というようです)。この外観を見るだけで「うむ、間違いなき上質湯!」と確信してしまえるような感じですね。駐車場も広く、何と24台分もあるそうです。さてそれではいざ朝湯をいただきにまいりましょう。
建物の中へ‥へ?この建物じゃなくて奥の建物が湯屋なんですね。
番台形式の受付にて300円*2の入浴料を支払い、いざ浴室へ。先客さんがいたので写真を撮るチャンスがなく、貸切になったのがほんの30秒くらいしかなかったので左下の画像を撮るのが精一杯でありました(苦笑)。
ごく僅かにタマゴ臭のあるさっぱりしたお湯で、泡つきも多少あって気持ちいいです。ちなみに源泉温度が38.5度ということで加熱しているのですが、左上画像に見えている湯口から流し込まれている湯はぬるく、どうやら源泉そのままのようです(だから飲泉用コップも置かれているのでしょう)。しかし浴槽内は適温だし、加熱循環用の吸い込み口などはないし?と思っていたのですが、どうやら源泉湯と加温湯を交互に入れて湯加減を維持しているようなのです。かなり凝った湯温維持方式ですね。
それにしても浴室の明るさにはびっくりです。共同浴場においてこれだけ日差しが入り込むところは少ないんじゃないかな?そんなわけで、まずは1湯完浴。ふぅ。
次に目指す湯までは多少距離があるので、食いっぱぐれないうちにということで国道沿いのお蕎麦屋さんへ。失礼ながら「国道沿いのお店だし、あまり期待はできないかな」と思っていたのですが‥お蕎麦もうどんもしっかり美味しかった♪
おしんこどんが頼んだのは「名物 おしぼりうどん」(右上画像)。何が「おしぼり」なのかというと、つけ汁が「ダイコンの搾り汁100%」なのでありますね。付け合せに味噌も添えられていて、「好みの味にしてお召し上がりください」ということなのですが、
しかしおしんこどんはどこかのTVで見た記憶を元に「もうすぐ辛味も落ち着いてくるはずだから‥」。そう、大根おろしの辛さ加減は時間と共に変化していくのです。というわけでしっかり完食。うん、満足です。
さて続いて目指したのは子安温泉。実は今年(2010)の6月に山田温泉に泊まったんですが、その翌朝「朝一番湯をいただいちゃえ!」と気負いながらこの温泉に来てみたら、営業時間が変わっていて涙を呑んだ湯なのであります。しかもこちらの温泉施設は「2011年5月をもって閉鎖予定」ということなので、何とかその前にきっちりとバンバンしておきたかったのでありますよ。
おお、今日は問題なく営業してますね。安心安心。
ちなみに場内(館内?)は撮影禁止とありましたので浴室等の画像はありませんが、黄土系茶色のにごり湯がかなり嬉しいです。メイン浴槽は加温湯ですが、すぐ脇に小さな源泉槽もありました。こちらは透明ですので、時間が経つにつれて成分の酸化でこのようなにごり湯になるのでしょうね。味は「やや塩苦鉄味」といったところでしょうか。
ちなみに脱衣場内の貼り紙には「トド禁止」「2時間以上の湯浴み禁止」とありました。わたしはトド教の信仰崇拝者ではないつもりなのですが、確かに浴室の風情からするとトドりたくなる気持ちはわかります(笑)。
休憩室はないのですが(別棟に有料の休憩小屋はありますが)、湯上がりには受付の方が「コーヒーと暖かい麦茶、どちらがいいですか?」と声を掛けてくださいました。どうやら入浴者へのサービスのようで、出入り口脇のベンチに座っていただきました。
そうこうしている間に、雪がちらちらと舞い始めました。入浴に来た地元の方が受付の女性と「天気はこれから崩れるっていうし、いよいよ根雪になるかな」と話していましたから、いよいよ本格的な雪のシーズンに入るわけですね‥。
さて、時間的にはかなり早いですがそろそろ今宵の宿に行ってしまいましょう。目指すは湯田中温泉です。実は湯田中・渋の温泉っていまだに1つも入ったことがなかったのでありまして、せっかくなので今回お泊り&外湯を楽しんでしまおうという魂胆なのであります。あ、スペシャル食事も合わせて楽しんじゃえってことで(後述)。
この日のお宿、湯田中温泉星川地区に位置する「志なのや」さんに到着したのは15:00を少し回ったあたりでした。と‥旅館のすぐ脇に源泉が湧いているではありませんか!(右上画像マウスオン)。源泉至近、これはコレハ!というわけで気分をよくした上でチェックインをお願いすると‥
あれましまった大失敗(苦笑)。ん?でもちょっと待て、もしかして‥というわけで次のような申し出をしたTakemaでありました。
実は早めに宿に到着したのは、暗くなる前に外湯での入浴を終わらせておきたかったからなのです。で、すんなりと鍵&プラ湯桶をお借りすることができました。ではでは外湯でぬくまってくることにしましょう!
宿から歩いて1分強のところにある星川大湯は、地区の公民館に併設された施設ですから外観上の風情はありませんが、しっかり建物脇には洗い場(人間用じゃないよ)も完備されています。
でも、地区住民への伝達用黒板には何だかほのぼのするお知らせが書かれていたりしてなかなかヨロシイじゃあーりませんか(左上画像マウスオンで別画像に変わります)。「ご厚志」の酒2本は、時期柄ゆえ地区の新年会あたりで消費されるとみた!(笑)。
鍵を使ってロックを解除し、中に入ってみると‥おお、どなたもおられない!よぉっし貸し切りだぁい!(なお女湯には先客ありのようでした。おしんこどん残念)。ちなみに湯船温度は45度ですか、この冬の時期は身体が冷えてるからいきなりのあつ湯はキツイんだよなぁ(謎笑)。
というわけで入浴前に撮った男湯の全景画像がページトップの画像というわけであります。でも、実は冬至直後だからなのか、湯船内にはこんなサービスも浮かんでいたんですよ。
ちなみにこの画像を見たおしんこどん、「女湯には柚子なんてなかったよ」。なるほど、ではこの柚子は地区の男性の方が「勝手に持ってきて勝手に入れた」ということなのでしょうかね(笑)。
さてしかし、これとは別に切実なる問題もありました。それはもちろん‥湯温であります。かけ湯をした瞬間に悟りました。
とはいえ、Takemaの中の温泉聖人がこう叫ぶのを聞き逃すはずもありません。「まさか加水しようなんて、湯道に外れたシャドーボクサー、いや違った邪道行為に走ろうなどとは思っちゃいますまいな?(かなり苦しいな)」。
ハイ、そりゃ勿論です温泉老師さま!いや、でも老師さまネタはkeiichi_wさんサイトのパクリなのでこれくらいでやめておくことにして(笑)、まぁとにかく加水なしでみっちりかけ湯をした上で‥「では行かせていただきます温泉老師さま!(だからパクるなって)」。
で、この後おもむろに「検温の儀」が始まるのでありました。まずは源泉口で検温してみると‥ほほー掲示データよりほんのちょっと低めの54.3度と出ましたか。では湯船のど真ん中ではどうでしょう?
しかしそれでもしっかり入浴できてしまう、しかも耐久レースレベルではなくごく普通に浸かれてしまうのですから、Takemaの温泉力も随分向上したものであります(笑)。
ちなみに湯口の位置からして、その両脇が対流的に一番ぬるいエリアであることは他者の指摘を待つまでもなく理の当然なのでありますが、それでも46.1度ありました(右上画像マウスオン)。おそるべし星川大湯!しかしTakemaはやりましたよ温泉老師!(以下却下)。
そんなこんなで外湯をタンノーし、気がついてみたらすでに16:00を回っていました(笑)。それにしても案外湯上がりはすっきり系でありまして、ここの湯は「冷え湯系」(比較的ポカポカ感が持続しにくい)なのかな?
というわけでチェックインも完了し、次に目指すはこちら志なのやさんの内湯なのであります!しかし温泉老師さ(以下自主的削除)。
宿の建物は外観では2階建てなのですが、浴室は地下1階にあります。でも窓の外が明るいところをみると地形が複雑なんでしょうか?(謎)。まぁそれはいいとしていざ浴室へ。むゎんむゎんの湯気が立ち込めており、浴室ドアを開けて瞬時に撮った右上画像以外は使いものになりませんでした(笑)。
こちらの湯船は手前が常時加水で45度に調整されているそうです。最初はそれを知らず「ふーん、随分マイルドでヤワな湯になってるなー」と思いつつ無難に入浴を果たしたわけです。で、お隣の湯に移動しようと思い、何気なく指をつけてみた瞬間、いきなり温○老○様からの鉄槌が下されたのであります!(伏せ字化進行中)。
というわけで現代科学の粋を集めた調査という名の検温開始!すると‥
○泉○師様、こ、これはもしかして「修行が新しいステージに入った」ということなのですか?それに対して○○○師様は「ふぉっふぉっふぉっ!」と高笑いだか高イビキだかで何も答えてはくれません。そうか!そうかのか!○○○○はあえて聞こえないふりをしながらTakemaの更なるステージアップをファイナルファンタジー的に期待してくださっている‥そうなのですね?(そうかなー)。というか、いつの間にか全部伏せ字になっちゃいましたね(大笑)。
というわけで、いよいよTakemaのファイナルコンサート、いや違ったファイナルステージが湯めぐり初日なのにいきなり幕を開けるのであります!
まずは足にチャポリとかけ湯。あちー。いやちょっと待て、何ごとも「人間辛抱だ」の故二子山親方を見習わなきゃいけません。忍者ハットリくんだって「ニンニンニンっ!」と唱えながら水上を走って行ったわけですからね(何のこっちゃ)。ここはひたすら「忍」の一文字で一歩一歩進んでいくしかないのです!
そしてさんざんかけ湯の荒行を乗り越え、今Takemaは新たな挑戦へと向かうのであります。どこかのサイトで見たことのあるキャッチコピーではありますが、これはまさに‥
(以下、田口トモロヲさんの声で読んでね)
「Takemaは決断した。もちろん困難は承知だ。しかも一つ間違えば生命に危険が及ぶミッションゆえやり直しも許されることではない。つまりは‥本当の一発勝負ということなのだ。『行くしかない、そして今しかない』。Takemaは今まさに、己自身にゴーサインを出したのだった。」
「相手は48.1度の激熱温泉。焦ってはいけない。瞬間の熱さに惑わされることなく、ただひたすら自分を信じるしかない。そして、そぉっと右足を湯につけた‥4秒、5秒。その時だった。」
というわけでTakemaの果て無きトライは「Mission Impossible!」という結論にてあえなく終了したのでありました(おバカさん)。ちなみに湯上がり後おしんこどんは「熱い方、20秒限定で入れたよ」と言ってましたが、ご主人に聞くと「あつ湯は女湯の方がぬるいんですよ」ということで、計測してみたところ「47.1度」だったそうです。うーんそれなら確かに入れそう?
考えてみればこの日の宿泊客はわれわれだけだったのですから、宿の方に断った上でトライしてみるべきだったなぁ(失敗Takema)。
それでも楽あれば苦ありの逆というか、人間バンジー塞翁が馬というか(これはだいぶ違うな)、要はハードミッションのあとにはソフトな幸せが待っているわけなのであります。
この日の夕食ですが、実は特別料理をお願いしていたのでした。それは‥
(「あの夜」がわからない方はこちらをクリック‥しなくてもいいですが(苦笑))
そう、本日の夕食はスッポンのフルコースなのであります!気がつけばTakemaの人生最初のスッポン食いは今年の3月だったので、何と今年は「スッポンを1年に2回食べちゃった」という恐るべき年ということになるのです。ちなみにこちらのスッポンは自家養殖ということでモノも間違いなし。スッポン料理はそれなりの値段がしますが、公式サイト(音が出るので注意)内のクーポンページをコピーして持参すると(予約時にその旨を申し出ておくこと。ただし休前日利用不可)1人1000円割引です。
実は予約時におしんこどんに「スッポンコースもあるよ?」と聞いたら「是非それでいこういきましょう!」ということでした。嬉しそうだったなー(笑)。
そんなわけでスッポン生血をリンゴジュース割りでいただき、まずはプルプルお肉から!
左はスッポン卵の梅酒漬け。中央は‥もしかして‥おお、スッポン頭のミッキーマウスバージョンですね!(笑)。
お肉や野菜を食べたあと、雑炊が出てきたことはいうまでもありません。最後まで美味しくいただき、食事後はこれまた予想通りおなか一杯でバタンキューモードとなったのでありました。いやー初日から食べまくっちゃいましたな。
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