− その2 右往左往の末に大塩温泉共同湯、しかし朝食野望は見通し暗し −

さて甲子トンネルを越えて会津の地へと進みます。とはいえ奥会津から南会津エリアにかけての「気になる湯」は大方入湯済みなのでどこも再訪となるわけですが、新湯探訪が目的というわけでもないしこれはこれでいいかと。

地図を見てみると‥あ、進行先にパナソニックの湯がありますなぁ。しかしイマイチパンチがない湯でもあるので、それならば少し南下して古町温泉という手があるか。でも古町の湯は比較的最近に入っているからなぁ‥と思ったところで思い出しました!

というわけで方針転換。いざ向かうのであります‥が、場所によっては結構なガスが出ていて見通し悪っ!ただ路面には全く雪がないので走行には問題ありません(うちの車は念のためまだスタッドレスを履いています)。でもこれならバイクでも十分に走れそう。ただ、ところどころのお宅が敷地内の雪を道路上に投げているので一応注意ね(笑)。

あれー確かこの辺だったはずなんだけれど、オレンジ文字の電光掲示板が目印だったよなぁ。あ、あれか?ん?げげげっ!



しかも、その札がヒモで結びつけられているところに「いやな予感」を感じました。1日2日の休業なら、セロテープで紙を貼るくらいの掲示でいいはずです。「ちょっと本格的な台紙」を、風で飛ばないようにヒモでくくりつけるとは‥もしかして?いや、帰宅後ネットで調べた範囲では休業情報は出てきませんでしたからただの冬期一部休業くらいのものかもしれません。ちなみにこの温泉は明らかに地元住民メインで利用されているはずですから、観光客の激減はあまり関係ないと思います(笑)。

しかし残念無念の思いを胸に、かといっていまさやパナの湯や古町温泉まで戻るのもナニなので、この先にある「さかい温泉」を目指すことにしたわけです。循環湯だということでこれまでパスしてきたわけですがまぁこの際未湯ということでやってきました。え、下から見ると‥あれれ電気が点いてない?(右上画像)。あれまーここもやっていないのかというわけで退散した次第です。
ただしこれはTakemaの早合点で、この日は普通に営業していたようです。節電消灯していただけみたい?それにしても源泉温度が60度台らしいのに循環の湯使いというのはもったいない。今からでも設備改造でかけ流し(加水ありでもいいから)にしてくれないかなー。
まぁそれはともかくとして、最初のパナソニックの湯(ちなみに正式名称は「会津みなみ温泉 里の湯」)と古町温泉赤岩荘という、そこそこのダブル良泉をパスしてしまったことが悔やまれます。特にパナの方は、宿泊を前提として考えることを忘れていて失敗。行程が大きく変わったはずなのに‥。



町中を外れるとまだ結構な量の積雪があります。お、「会津のマッターホルン」、蒲生岳が正面だぁ♪

さて、只見からこのままR252を東進してしまうと今宵の宿「早戸温泉 つるの湯」に一気に到着してしまうので、その前にということで久々に大塩温泉の共同湯に立ち寄ることに。たつみ荘さんが管理する季節限定露天には何度も来ていますが、共同湯は2004年冬に1度だけ入浴したきりですからもう随分ご無沙汰しておりますからね。

最初に来たときはこの入口部分の奥に休憩室があったりしてもっと広かったのですが、いつのまにか改築して休憩室はなくなっちゃったんですよね。まぁ無人の施設ですし、冬などは暖房費もかかってしまうしということでなくしちゃったのかなぁ。ちなみに入口上の看板には1枚だけ千社札が貼られておりました(右上画像マウスオン)。

千社札については賛否両論あるようですが(特に公共物に個人名系の千社札を貼ることについては圧倒的に否定的意見が多い)、基本的にはわたしも同意見とはいえこのように個人名なしで洒落っ気のある札については「いいんじゃないのこれくらい」と思ってしまうタイプの人間であります。というわけで何だか気に入りました。

ちなみにお隣のたつみ荘さんから例の露天風呂方面に向かう道はまだまだ完全に雪の下(左上画像マウスオン)。年によってはもう自噴が始まっていてもおかしくない時期ですが、出発前の最新ブログ画像ではまだ浴槽自体に雪が見えていましたから「こりゃだめだ」と最初から諦めていた次第です。
ちなみにこの年(2011)の自噴開始はわれわれの訪問3日後の4/12だったようです。ただし周囲の残雪が多いこともあり現在のところ宿泊者限定のようです。なおこのページをタイプしている今日は4/14なので、アップ時にはすでに状況が変わっていると思います。
さて、いざ共同湯へ。入口には利用料を入れる箱がありきちんとお金を入れてっと。それでも200円(以上)という入浴料金は格安です。お隣の露天風呂も「許可を得れば無料で利用可」という太っ腹な受け入れ姿勢(by たつみ荘さん)なので、やはりわれわれは「利用させていただく」という初心を忘れないようにしなければいけませんね(教育的だなー)。

さて階段をずんずんずんと下りていき脱衣場へ。玄関の靴の数(4足)からして貸し切りモードは無理だと覚悟していましたが、念のためおしんこどんにもカメラ(防水)を渡し、いざ男性脱衣場の扉を開けてみると‥

実はわれわれの直前に1人のご年配男性が建物に入っていったのを見ていたのですが、あとの2人はすでに湯上がりの着衣モード。で、例の男性は‥ご年配ゆえスローモードで脱衣中‥こ、これは間に合うかも!というわけでパパパっと服を脱ぎ、カメラを手にして浴室へ。そのタイミングで撮ったのが左下画像というわけです。

しかしご年配様とのアドバンテージというか時間差は結局45秒くらいで、かけ湯をして入浴足撮影の儀にまで進むことはできませんでした(笑)。しかしまぁ、これで十分です。

一方おしんこどん@女湯はといえば、先客さんがちょうど上がるところで「ゆっくりして下さいね」というような声をかけられたそうな。そんなわけで右上画像は女湯の浴槽です。見る限り男女湯とも同じ大きさ&左右対称の造りのようです。なお、男女湯とも飲泉ができるようにコップが置かれていましたが(右上画像マウスオン)、ここの湯は時間にもよりますが一応加熱湯なので、湯口の湯を汲んで飲むのは‥(以下後述)。

話を男湯に戻しましょう。たった1枚だけ写真を撮った上で「じっくり入浴を楽しむ系」に軸足を移したTakemaですので、あとは湯っくりするのみであります。地元在住のご年配男性とお話をさせていただくといろいろなことをお教えいただきました。それはたとえば‥

というような感じでありました。あとからやって来たこれまた地元在住の方を交えていろいろと話しているうちに結構長湯になったんだっけ(しかしおしんこどんの方がさらに長湯でした。まぁそれはそれで全然構わないんですが)。

ちなみに上で書いたようにこちらのお湯は源泉温度がぬるく(37度台)、時間によっては加熱しています。入口の表示には「4-10月:午前7:30−午後9:30」と書かれていますが、このご時世からか「今は昼の12:00から加熱開始なんだ」ということでした。ちなみに非加熱源泉の蛇口(洗い場用)を捻って口に含むとしっかり薄塩系炭酸+ちょっとしたエグ味。こりゃ結構クセになる味かも知れません(笑)。

そんなこんなで本日2湯目をタンノーしたわけですが、この時点でわれわれにはちょっとした不安がありました。それは‥

しかし、只見でただ1軒見つけていた大きなスーパーを素通りしてしまったことがアダとなり、予想通りこの道中には小さな個人商店があるくらいで(お弁当やおにぎりを売っている可能性はほとんどなさそう)、旧川口町の川口駅前界隈にも「銀行はあってもコンビニはない」状態です。うーむ、何だか以前にも同じような食事難民になった記憶があるぞ(学習能力欠如)。と、ここで思い出しました!

というわけで、なかなか入浴機会に恵まれない「川口温泉 玉縄の湯」がすでに入浴OKタイムに入っているにも関わらず(この時点で土曜日の16:45)通過、そして小栗山温泉民宿文伍も玉梨八町のダブル共同湯もあっさり通過して「玉梨とうふ茶屋」へ直行!たのむー、何とか17:00まで営業していてクレー射撃っ!(ベタですな)。

お店の前に灯された灯りに「よかった!間に合った!」とホッとして駐車場に車を止めました。で、お店の入口まで歩いていくと‥


(当然のことながらいらぬツッコミは無用です)

観光客が来ないから営業していないのか、または営業時間を短縮していたのかも知れませんが、いずれにせよちょっと(いやだいぶ)悲しい気持ちになりました。われわれの明朝ご飯はどうなってしまうんだー!(笑)。ただ屋根にブルーシートが掛けられているところを見ると、多少なりとも地震の被害があったのかも知れません。

いずれにせよ失意のうちに結局この界隈のどの湯にも立ち寄らず通過(これはある意味ものすごくゼータクな行動であるということがごく一部の方々にはご理解いただけると思います。それぞれが垂涎湯ですからねー)。というのも、昼間につるの湯さんに予約の電話を入れたとき、「食堂は夕方5時とか6時とかだったら大丈夫ですよね?」という確認は入れていたのですが「何時までオープンしているのか?」という確認をしていなかったのです。つまり‥

歴史を感じさせる只見線のアーチ橋を横目にしながら走っていくと、国道のトンネル工事現場に行きあたりました。何だかどんどん道路が良くなって行き、ここでも鉄路との格差が日々開いていくなぁと思いつつ(鉄道の場合一度線路を敷設したらほとんどいじれませんから、急カーブや急勾配はそのままネックとしてずっと残らざるを得ません)、ふとトンネル名の銘板を見てみると‥(右上画像マウスオン)、

そんなわけで早戸温泉つるの湯の湯治棟に到着したのは17:20。名前を申し上げるとチェックアウトの時間を聞かれ「あー、9時より前ですとナニですので今日のうちに日帰り棟の受付で宿泊料金を払っておいて下さい」とのことでした。もちろん全く問題はありませんので、さーてまずは部屋に荷物を置いた上でチェックインとお風呂、そして夕食および「朝食になりそうなもの」の物色にいそしみましょうか。
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