− その2 まずは新潟港から出航、いざ小樽へ −



やっほー、本当にひっさびさの小樽便だぁい!

さて今回の旅行記はいきなり新潟港から始まります。賢明なる拙サイト常連読者の方々は「そりゃそうだろ」とおわかりのことと存じますが、「何でなの?」という方はこちらをご覧下さい。実は「北に続いてそのまま北へ」という段取りだったわけですよ(笑)。ちなみに前夜は新潟市内泊だったので朝10:30の出航も余裕です。



フェリーターミナル内には販促を狙って新潟日報の朝刊が置かれており嬉しいサービスです!(右上画像マウスオン)。

それにしても、新日本海フェリーってとてつもなく久々です。拙サイトは1999年開設ですが、北海道関連コンテンツの中でも一番古い1999夏は今はなき「東京−釧路便」のサブリナ号で釧路に直行しています。その他青函航路や太平洋フェリーでなぜか名古屋まで直行したりしたこともありますが(千葉在住なのに=太平洋フェリーは仙台−名古屋は寄港地なし)、フェリー利用は圧倒的に大洗便が多いんです(Takema自宅から一番近いので)。その一方で拙サイト内の記録には新日本海フェリーに乗船するシーンが一度も出てこないのです。

でも記憶によれば確か2回ほど往路で使ったことがあります。たぶん1995年前後の複数年だと思いますが、「くくりつけ荷物はバイクから降ろさねばならない」という会社のローカルルールにたまげた記憶があります(これは今でも同様のようです。ただパニアケースはそのままでいいみたい。パニアとくくりつけ荷物、固定形状に違いはありますが、どちらも「激しい振動の長距離移動を耐えうる」固定がなされている以上、区別する理由はあまりないかと思うんですがどうなんでしょう?)。

その後「千葉から新潟港はあまりにも遠い、特に関越トンネルを抜けて新潟県に入ってからがとてつもなく長い」という理由によりみごとに利用しなくなったフェリー航路だったのですが、今回ある種の「旅の起点」は富山なので、これは間違いなく新日本海フェリーが一番便利なのです。岩内−直江津便があったら間違いなくそっちでしたが(笑)。
【ちなみにノスタルジー的雑学】

かつて存在した「東京−釧路便」(近海郵船)に就航していた「サブリナ」「ブルーゼファー」はそれぞれ1990年あたりに就航した新造船で、いわゆる「クルーズフェリー」の草分け的存在でした。それこそ当時の大洗便とは比べものにならないほど設備が豪華&ゆったり造られており、自分としては「少なくとも往路はいつもダイレクト釧路入り」を予約していた記憶があります。航路休止前の数年は東京行きのみ広尾(十勝港)にも入港してくれていたので、単純往復をしなくて済むこともありとっても重宝した記憶があります。

しかもこの航路は確かに時間はかかりましたが、時間設定も絶妙でした(あくまで旅行者にとってという意味ですが)。東京港発23:55ということは、出発当日に普通に仕事をこなして退社してもだいたい間に合います。そして翌々日ですが釧路7:30着ということは、下船すればすでに釧路市内は街としての機能をスタートしているわけですし、その日一日をたっぷり有効利用できたのです。

しかし貨物需要の奪い合い系バトルに伴い関東側のメインターミナルは大洗となり(東京湾内の速度規制により、大洗から東京港までは7-8時間もかかったのです)、ある種勝負を賭けた当時のブルーハイウェイライン(現商船三井フェリー)が東京−大洗区間を休止し大洗発着に特化&増便したことにより、あっけなく勝敗はつきました。あのとき仮に近海郵船が鹿島港あたりのブースをキープできれば状況は大きく変わっていたのではないかと思いますが、そんなことを今夢想しても意味はないでしょう。

東京−釧路便の運行をやめたあと「サブリナ」は韓国、「ブルーゼファー」は中国へと売却され、第二の人生を送っているようです。なぜか売却後の登録総トン数が倍以上(サブリナの場合12521tが26463t)に上げられていることが気になりますが、バブル期に造船された船がそれだけ「現実の荒波」のなかで頑張っているということなのでしょう。

ちなみにブルーゼファーは天津(中国)から仁川(韓国)への国際フェリーに利用されているようです‥ん?もしかしたらサブリナも同航路に兄弟船として就航しているのかしらん?(未確認)。
さてノスタルジックはさておいてくそ暑かった当日の現実世界に戻りましょう。あたりまえですが乗船指示が出るまではヒマなので、ほぼ誘導を終えて手持ちぶさたな係員さんと会話。係員さんがおっしゃるには、

なぁるほどぉ!誘導員さんの心もちをしっかりお聞かせいただきありがとうございます!ちなみにこの方、Takemaがふっかける無駄話のあいだにも「あ。ちょっと(中断しますよ)!」と言うやいなやすぐに誘導業務に入り、それが終わると「さっきの話ですけれど、そうなんですよ云々」といきなり話の続きを始めるというなかなか器用な方でした(笑)。

しかし本来業務を邪魔しては申し訳ないので(もう十分に邪魔しましたが)、車に戻って待機‥いや、根がクソ真面目で融通が利かないことによりトモダチが少ないわたくしTakemaゆえ(笑)、地球温暖化に逆行するようなアイドリング状態で延々と待つのを潔しとせず、外で待っていたわけですわ(ホントよ)。

するとようやく車両の移動指示が始まったので、灼熱のサバンナRX7車内(うそ)にささっと乗り込んでエンジンON、エアコンON、ターゲットスコープオープン、エネルギー充填120%、反射グラス着用、秒読み開始‥あれ、途中からヤマトの波動砲発射準備モードになっちゃってますね(笑)。

そんなわけで無事車輌甲板へ。うーんさすがにハイシーズンですからバイクもずらりと並んでます。で、相変わらず「くくりつけ荷物は外す」のローカルルールが適用されているようで、棚の上には荷物が満艦飾状態で並んでいます。あのさー、もうそろそろ考え直してもいいんじゃないですかね新日本海フェリー関係各位!他の北行きフェリーはそんなのやってませんから!

そんなわけで「マイルーム」(うふふ)へ。もう2等雑魚寝和室はもちろんのこと2段ベッド室にも戻れなくなっているわれわれ(というかTakema)です。、

以前の北海道コンテンツにも書きましたが、国際線のビジネスクラスとエコノミークラスの差はある種はっきりしていても、ビジネスクラスだって所詮個室ではありません。なのにあの恐るべき料金の違い!長距離線であればウン十万円も違いますよね。でもフェリーに目を転じてみれば「どんな国際航空便よりも乗船時間は長い」にもかかわらず(比較的短距離の新潟−小樽便でも18時間!)、最多客期でさえ左上画像の部屋(ステートB)は25,900円/人で、大部屋二段ベッドルームとは10,000円しか変わりません。しかし、個室であるか否かを考えれば、


(ただしスイートになると52,500円/人とはね上がりますが、わたしゃ小市民なので永遠に利用することもないでしょう)。

国内の旅客フェリー業界は、貨物専用のRORO船(roll-on/roll-off ship)におされ決して経営状態はよくありません(というか基本的に悪いです。お客を乗せるとなるといろんなコストが上積みされるので)。日々フェリーを利用している奇特な御方々はともかくとして、そうでない旅行者であるわれわれは、これ以上国内の長距離旅客フェリーを減らさないためにも「せめて1ランクアップしたクラスを利用」して経営に多少なりとも貢献していきたいと思うのですが皆さまのお考えやいかに?

さて、考えてみればいまだ出航もしていないのにノスタルジーに浸ってみたり、「フェリー利用論」を唱えてみたりで全然先に進まないのでそろそろバンバンしましょう。右上画像にある越の誉の「あわっしゅ」(当然火入れしていない生酒です)、朝まで冷蔵庫保管&保冷バッグに入れていたお酒で乾杯です(左上画像マウスオン)。

実は、このあと気がついたら出航しておりました(笑)。部屋にいたときに銅鑼(ドラ)が鳴ったので「ああもういまからじゃ遅いか」という気持ちで(=「面倒くさい」ともいいます)そのまま部屋でまったりしていたので、出航時の七色テープとか「あなた、行かないで!」と泣き崩れる女性の姿などは一切見ておりません(このような大型フェリーではそもそも見たことがありませんが)。

そんなわけで船は沖合へ。港湾内を出ればすぐに外海なので全速前進面舵いっぱい、天気晴朗波もほぼなしということでわれわれを含めたお客さんも(子どもたちも含めて)ケロケロケロッピモードに陥った人はまずほとんどいなかったのでは?

しかし夏休み中ゆえ、子どもたちは長時間の船旅に退屈するはず?というわけで、15:00前あたりから‥


(別にお子さま向けじゃなかったのかも知れませんが、時期柄子どもたちが盛り上がっていたので‥)

SEOPPIこと瀬尾剛氏によるパフォーマンスがスタートです。この方はなんでもスポーツスタッキング世界チャンピオン」なんだそうですが、「すとっきんぐ?」とわざとらしく間違えるレベルのTakemaには全く意味不明でした。もっともこのことは、「のゆはいいよぉ」と言いつついざ画像を見せると「うっそぉ、どうみても泥水に浸かってるだけだし」と思いきり引き潮モードになる数多くの皆さんの表情と通じるモノがあるのかも知れません(根本的に違う気もしますが)。

ちなみにwikiによると「スポーツスタッキングとは、複数のプラスチックカップを、決められた型に積み上げたり崩したりして、1/100秒単位でスピードを競うスポーツ」なのだそうです。そういえば後半はそのパフォーマンスをしておられたような‥。でもその肝心な「プロの技」は撮れなかったので(要はその前に部屋に戻っただけなんですが)、その前の「お客寄せ用パフォーマンス動画」をご覧下さい(苦笑)。
SEOPPI氏のパフォーマンス
なお、SEOPPI氏の公式ブログはこちらです。スポーツスタッキング、なるほど確かに子どもやご老人の集中力アップに役立ちそうですね。ただしわたしの場合、カップの1つに氷と芋焼酎を入れちゃいそうな気がするのでそもそも最初から競技ルール違反で退場させられちゃいそうな気がします、いや間違いなくするでしょう(意味なき自信満載満員御礼)。



でもそんな下らない妄想に浸っている間にも、船は着々どんぶらこっこと北を目指して進みゆくのであります(ありがたや)。

さて乗船後は特に何もしていないのではありますが、われわれ人間には悩ましき基礎代謝というものがあります。わかりやすくいえば「ただ寝ているだけでも腹は減る」のです(笑)。これの裏返しでいえば、「登山のようにカロリー消費の多い運動をしていても1食の量がさほど変わらないのはかえって不思議」とも思えてしまうのですが、これについては生物学者各氏の研究を待つことにしましょう(いくら待っていても結論を出してくれないような気はしますが)。

そんなわけで激しい基礎代謝で奪われたカロリーを補うべく、われわれは船の後部甲板に設置された屋根付きのジンギスカン@夕食スペースへと移動します。

17:45段階ですでに満席でしたがすぐに空きテーブルが出ましたので問題なし。逆にわれわれが食べている間にどんどん待ち行列が出来ていました。ハイ皆さん、「常識的な時間行動」はかえって混雑や渋滞や行列待ちに巻き込まれることとなります。時間差は大切ですよ(笑)。

あ、ここはジンギスカンメインなので、そうなるとビールは間違いなく必須ですよね(すでに右上画像に生ビールカップが写り込んでますが)。というわけでカンパーイ!(左上画像マウスオン)。戦場、いや違った船上ではありましたが、それ故に冷凍のラム肉も美味しかった!(ジンギスカンセットは1000円)。

とりあえず夕食バンザイのあとは列をなしている方々のためさっさと退散、部屋に戻る途中のゲームコーナーにエアホッケーがあったのでついつい食後の運動(笑)。



おしんこどんはこういう時にとてつもない実力を発揮したりするんで油断ならないんですが、へへ、今回はTakemaがしっかり勝ちました。

そうこうしているうちに夕日タイムになってきました。太平洋側のフェリーだと朝焼け&日の出を見るのに早起きが必須なんですが、日本海側のフェリーだと間違いなく夕日が見られるので楽ですねー。

そんなわけでこの日没を眺めたあと最後のお酒で身を清め(飲みたいだけですが)、明日からの道内に思いを馳せつつ寝ることとなりました。予定では明日の到着日に増毛方面に移動して避難小屋に泊まり、明後日は暑寒別岳を往復するつもりなんですが‥どうすることやら(意味深笑)。
[戻る] [次へ]