− その10 某野湯断念後あの湯をタンノー、野湯の悲喜こもごものあと阿寒方面へ −
お天気サイコー、野湯訪問日和そのものなんですが‥。
さてこの日は川湯温泉まで行くわけなんですが、ご覧のようにとってもいい天気なのでこの界隈の某湯に入ってから出発することにしました。その湯は自分としても初訪問なんですが、まずはその前に‥
ご主人のご逝去により休業となってしまったホロカ温泉旅館の前まで来てみました。わたしは幌加温泉にはかなりの思い入れがありまして、それこそ三国峠がまだダートの頃から何度も何度も訪問し、かつて存在した川沿いの露天風呂はもちろん、ホロカの宿自体にも何度も宿泊してきました。いわばTakemaにとって「十勝訪問時の定番温泉」だったんですが、あぁ、こちらは本当に営業をやめてしまわれたんですね。
もちろん幌加温泉にはもう1軒、鹿の谷旅館さんがあります(なぜかこれまで2回しか入浴したことがないのですが)。こちらの女将さんも今はもちろんお元気ですが、いつの日か運営を引き継ぐ人は必ずや必要なはず。「幌加温泉」の灯を消さないためにも頑張ってほしいものです。「津軽湯の沢の二の舞」だけは見たくありません。
さて、ここからは隠密行動です。夏のこの時期到達できるのか?
探索を開始し、しばらく迷いましたが、手持ちの資料によりまずここで間違いないだろうと思われる入口までやって来ました。ここからは歩きです‥。しかし、どうしても車から出られませんというか出たいという気持ちになれません。というのも‥
いや、わたしもこれまで北海道のアブとはずいぶん格闘してきましたよ、でもですね、この時のアブはこれまで見たこともないようなとてつもない数、何と形容していいかわかりませんがあえて言うなら「カオス状態」だったんです!ここ数日は天気も悪く涼しい(というか寒い、昨日の陸別町でも最高気温16度だった)日が続いていましたから、この日になって一気に待機組と羽化組が一斉出動したのでしょうか。
しばし検討しましたが、ここからは少なくとも数十分歩かなければならないわけであり、その道中の困難を考えるに「こ、コレハ‥」と躊躇。そして‥今回は断念といたしました。無念ではありましたがしょうがないかな。ここはやっぱり冬から春にかけて訪問すべきなのかと‥。でもいつか!
そんなわけで時間がたっぷり余ってしまいました。そこで、今回は全く考えていなかったのですが(それだけ天狗の湯に行く気満々だったのです)、ひっさびさに「岩間の湯」に行くことにしました。
この道を走るのも10数年ぶりです。前回の訪問はまだ独身時代で、CBの400スーパーフォアで川渡り手前まで走ってきたんだから元気がありましたねー。ま、さすがに渡りませんでしたが(笑)。その後どんなに現地が変わっているのか、まぁネットで見ているのである程度の状況把握はしていましたが、せめてキャンプしている人がいなければいいんですがね。
で、今回は四輪駆動のフォレスターということもありええーいと川を渡りました。で、渡った先の道が結構荒れてましたがまぁ今さらどうしようもないし、これくらいの荒れ方なら問題はないのでそのまま進みます(Takemaの車の使い方は時々結構荒いのです)。で、いざやって来てみると!
最後に川を渡る橋はしっかりしていました。そこを渡ると‥
とはいえ、途中で抜いたレンタカーの方々がやがて追いついてくると思われるので(セダンだったので川渡りはしてこないでしょうが)、とりあえず今のうちに湯をタンノーするにしくはなしというところです。そんなわけで‥
にゃほー、最高です。適温の硫黄泉が身体を包み込んでくれます!
そうこうしているうちにあとから来た皆さんが到着です。とはいえわれわれもすぐ上がったわけではなく、おしんこどんはすぐに着替えましたがTakemaはダラダラしていたので、気を遣った後着の皆さんは上流の湯を目指したようでした。でもまぁこういうときは湯ずりあいが大切というわけで、しばしタンノー後メイン湯船から上がり、周辺湯の探索タイムといたしました。
まず最初はすぐ下流側にある「ユーネの湯」。源泉はどこから?とも思いましたが、唯一引かれたパイプからは湯も出ていなかったのに(しかもしばらく誰も入った形跡なし)かなーりぬるいとはいえ湯温もあったので、この場所で自噴もしているのでしょうか?ぬるかったので浸からなかったのですが、ここはどう考えても「浸かるだけ浸かっておくべきだった」ですね(苦笑)。
今度は上流側‥ですが、まずは対岸に渡ってみました。というのも、この時は後着の方々がまだ恵雪の湯でいろいろなさっていたから。
恵雪の湯のちょうど対岸あたりに源泉の湧き出しがあり、湯量は少ないんですが温度があることからちょっと期待したのですが(右上画像マウスオン)、未利用のままでした。情報によるとここに「わけありの湯」があったのではないかと推察されますが、増水で埋まっちゃったのかな?(違ったらゴメンナサイ)。
対岸にはしっかり白濁した恵雪の湯が見えていますが、聞けば「熱くて入れたもんじゃない」とのこと。うーんどうしようかなと思いましたがまぁいいかということでこちらもパス。あとで三股山荘の奥さまに聞いたところによると「木金あたりから常連が入る(=手入れや掃除をする)」ということでした。この日は木曜日とはいえ午前中でしたから、いわば一番ワイルドな状態だったのかも知れません。ま、それはそれでいいんですけれどね(でも入らずというのはもったいなかったよなやっぱり!)。
さてこのあとは来た道を三股まで戻ります。あ、一応ここで川渡りの動画(帰り道)です。水量が少なかったのでフォレスターで楽勝でしたが、問題は川渡りそのものよりも「渡った後の岩間温泉側の道が荒れている」というところにあると思います。4WDでも最低地上高が乗用車と同じの場合は腹を擦るかも知れません(フォレスターの場合は大丈夫でした)。
岩間温泉手前の川渡り(帰り道) |
さて国道まで戻ってきたところでお昼ご飯といたしましょう。この界隈唯一にして美味しいランチが食べられる三股山荘に当然のごとくピットインです。
到着が早かった(11:00前)こともあり先客さんは喫茶のみでした。で、ここに来ればもう頼むものは決まってます。多くの方々がそうだと思いますが‥
今回は奥さまとゆっくり話をする機会があったのですが、この地で育った奥さまが結婚して都会暮らしを始めたこと、そしてここ三股に戻ることになった経緯(なるほどそういうことだったんですね)、そして今の生活など、いろいろと伺うことが出来ました。詳しくは書きませんが(プライバシーばりばりの内容ですので)、機会があれば是非伺ってみてくださいね(奥さんの手が空いているとき限定)。
さてそんなわけで一路川湯温泉へということなのですが、せっかくなので「Takemaバイクではじぇったい通りたくない」山越えの置戸線林道経由で東に向かうことにしました。何だかこの日はダートばっかり走ってるなぁ(笑)。
整備された林道はオフ車なら快適に走れそうでした。峠付近はくねくねでしたが(当然)、
ある程度下ってくると気持ちのいい「森の中の直線路」が多く続くようになります。
やがておけと湖界隈まで下りてきました。メモリーハウスおけとは温泉もあった施設だそうですが、それなりのお金を掛けた施設でしょうに閉鎖されていました。北海道の場合、一時期このような「甘い需要予測に基づいた(まるで「供給すれば需要は後からついてくる」というような根拠なき楽観というか希望的観測に基づいた)施設」が多く見られましたが、その多くが今やこのように閉鎖の憂き目に遭っています。そう、これは明らかに「無駄遣い」だったのです。
こういう施設の建設にゴーサインを出したいろんなトップ、そしてその親玉たる中央官庁と政権政党はどこだったのか?わたしが北海道ツーリングを始めてもう20年以上になりますが、今後どの政党が内閣を組織するにせよ(連立でも)、「地元が維持も出来ないような)」設備投資公共投資だけは勘弁です。工業用地を造成して「ハイ企業さんどんどん来て下さい」というのも、上で書いたように「供給すれば‥」の典型であり、苫東がそのいい(いや、悪いんですが)例ですよね。その予算をそれこそ新たな産業の創世などに振り分ければ少しは状況も違ったかもしれないのに‥(失敗したかもしれませんが、それは単に「今と同じ状況になっただけ」です)。そしてこのことは、地元北海道で生活している人にはかえって見えない部分もあると思うのですよ(いや別に喧嘩を売るわけじゃなくて)。
道道88号と合流したすぐ先にあった、数年前に気持ちいい湯浴みを楽しんだ「鹿の子温泉」もすでに廃業していました(建物そのものが解体されていなかったことにちょっと驚き。てっきり更地になっていると思ってましたので)。メモリーハウス建設より、勝山云々より、本当に大切だったのはここだったんじゃなかったのか?私的支援は不可能?でも「頭のいい方々」であればいろいろと条文を解釈出来たんじゃなかったのでは?
ま、このことについてはこの辺でやめておきましょう。で、置戸市街からR242を陸別町方面に向けて走っていくと(実は前日と重複区間)、小利別駅駅こちらの表示があったので、国道を離れて走っていくことに。
(ちなみに右上画像はかつてのプラットホーム。なお両上画像マウスオンでそれぞれ別画像に変わります)
線路部分はすっかり雑草に覆われていて、ホームの端部分が見えていることによりかろうじて往時を偲ぶことができますが、やはり廃止前に乗っておくべきだったなぁふるさと銀河線‥としみじみ。
このあとはさらに南下して、「昨日もやってきた」陸別駅へ。しかし気温が全然違います(右上画像マウスオン)。おーいおい、同じ日中なのに10度も違いますよー。
ちなみにこの日は「りくべつ鉄道」の体験運転も元気よく運行中でした(左上画像マウスオン)。ふるさと銀河線の廃止に最後まで強硬に反対したのがここ陸別町だったそうで、りくべつ鉄道の運営によりこの「駅」を今も「駅」として機能せしめている「町の思い」を強く感じます。
体験運転は2009年にすでにこなしているので今回はパスしましたが、そういえば自分がLコースにエントリーしたときも予約日程の調整には苦労した記憶があります。せめて夏期だけでも「午前S,午後L&銀河」という感じで運用すれば旅行者のエントリーも増えると思うのですが‥。
さて陸別からは山越えの道道143、カネラン峠経由のショートカットです。わたしが持っているのは2009年のマップルなので「実はもう全線舗装されてるんじゃないの?」という期待は淡い夢と消え、久々に忌まわしいウォッシュボードが連続するキビシイ峠道でありました。いやこれも車だから別に何とかなりましたが、バイクだったら力尽きただろうなぁ。そういえば2002年にそのものズバリの経験をしていたことを思い出しました。詳しくはこちら、麓郷に抜ける道道253での出来事でありましたとさ。
さてそんなわけでちょっとお茶というわけで阿寒国道沿いのドライブイン「クマゲラ」へ。ドライブインというとイメージ的に昭和のニオイぷんぷんですが、実際はログハウスのウッディなお店で、「カフェレストラン」といっても何らの違和感を感じません。ここは2009のツーリングに初めて立ち寄り「うん、ここはいい!」と気に入ったお店なので今回も寄り道することに決めていたのです。そもそも足寄−阿寒湖の区間は飲食店自体が希少なので、もう少し看板等を工夫すればじぇったいもっと流行ると思うのですが。
店内もウッディな感じですし明るすぎずで落ち着けます(逆に子ども連れだと「パパこのお店暗いねー」とか言われちゃうかも。特に窓際以外の席では)。メニューは多すぎず少なすぎずのバラエティで、でも「カレーもラーメンもピラフもそばもハンバーグも軽食もケーキも」あるわけですから十分ですね。「妙にイタリアン」だったりしないところが個人的に大好きです。
われわれはおやつタイムなのでおしんこどんは手作りチーズケーキとコーヒー、Takemaはクロワッサンサンドと牛乳セット(右上画像)を注文しました。雌阿寒連峰を眺めながらのくつろぎタイムはかなりよろしかったです(左上画像マウスオン)。
ここからは阿寒湖に向けて登っていきますが、あれれ何だか急激に曇ってきました。そんな中ちょっとセイコマへ。あ、ここまで来たらあの湯に行くっきゃないというかそもそもそれが目的ですので(笑)。
阿寒湖畔温泉の湯はその昔高校の修学旅行で浸かったはずなのですが、考えてみれば湯めぐりを始めてからはずーっとスルーでありました。いい民宿もあるらしいんですがこれまでは完全にご無沙汰‥というわけで、思いがけない場所にてきっちりかけ流しの湯を楽しませていただこうというわけです。
浴室入口に掲示された1枚の掲示物に、この湯が長年地元の方々に愛され利用されてきたことがわかります。「責任は持てませんが純度100%の温泉としてご利用下さいませ」というのはかなり面白いお勧め方法かも(笑)。世知辛いご時世ですが、これは是非飲泉しましょうそうしましょう!あ、入浴料は500円。
そんなわけで湯に突入。うほー、しばらく誰も入っていなかった&源泉温度が57度あるのに蛇口からの加水はなくて結構熱い!だいたい45度くらいかな。実はこの時男湯にはすぐ後に入ってこられた方がおられたのですが(宿泊中)、「お、ちょっと熱めだね」という程度の反応だったので「この方もなかなかやるな」とお見受けしました(笑)。ただ浴槽内をかき混ぜたらだいぶぬるくなり(体感43度半ば)問題なし。よーし、ここは交通至便だしまた今度来るぞぉ!さて湯上がりに外に出てみると‥
バイクじゃなくてヨカッタという天候急変でしたが、この時もしバイクだったら気がなえただろうなぁ。そんなわけで本日の目的地川湯温泉へと向かいます。