− その12 屈斜路野湯*2のあとはサーモン科学館でお勉強! −

さて朝です。もちろんラルゴのガツン系硫黄泉にてしっかり身体に活を入れて1日のスタート!しかしお天気は今日もイマイチで、気温もあまり高くありません。ま、そのぶん虫の活性が下がるのはありがたいんですが、やっぱり北の大地は晴れてナンボのものですよね。この旅行では、前半の北アルプス縦走で天気の運を使い切っちゃったのかも?(笑)。

まず先におとうが出発です(右上画像=根津さんとのツーショット)。夜には雨が降っていましたが、屋根付き車庫に駐車していたのでバイクは濡れていません。気温も低めなので北海道特有の「アスファルト軟化」も一切なかったわけですが、さすがにスタンドに石をかませて防備していたようです。というのも‥(左上画像マウスオン)。

その時の様子についてはこちらから。それにしても、3年の月日は深さ5cmにも及ぶ縦穴を完全に枯れ葉で埋め込み、そしてそこに「新たな生命」までも宿らせてしまうのですね。何だかスゴイですがそのうち引っこ抜かなきゃね(笑)。

さてわれわれもそろそろ出発しなきゃ。というわけでこちらも記念写真の上で出発です。あ、今回は本家の御園ホテルのお風呂に入り忘れました(無料券あったのに残念)。根津さん、今回もいろいろとありがとうございました!(右上画像マウスオンでおしんこどん&根津さん画像に変わります)。
【残念なご連絡(2012/11)】

夏の旅行記なのにこのページを作っているのはもう冬間近の11月後半だったりするのですが(苦笑)、今月に入ってすぐ、数少ないTakemaの温泉友人から「御園ホテルが営業委託」というとんでもないニュースが飛び込んできました。地元誌のネットニュースによると‥


(2012年11月2日付 釧路新聞。当該ページはこちら

なんですとぉ!記事にもあるように川湯一番の老舗として頑張ってきた御園ホテルが‥。そしてその先頭に立って走ってこられた根津さんが‥。しばらくは声も出ませんでした。ずっと以前、「いやぁ経営は厳しいですよ」とおっしゃってもいましたし、それはもちろん川湯に限ったことではなく大規模ホテルには共通する構造的問題でもあると思っていたのでしたが、外国人観光客を多く受け入れているということでしたから、東日本大震災の風評被害により2011シーズンに激減した国内外観光客のあおりを直接的に受けてしまったのかも‥

いや、こんな勝手な憶測など無意味です。今や御園ホテルの営業は根津さんが行っているわけではないということだけが事実=現実です。その一方で唯一の救いは根津さんの経営判断、すなわち「運営体力があるうちに営業委託の道を選んだ」というところにあるのではないでしょうか。にっちもさっちもいかなくなって破産または更正法手続きを申請する温泉宿はたくさんあります。しかし根津さんの判断は「その前だからこそ打てた手法」なのでしょう。雇用の完全継続などはその最たるものだと思われます。

しかし「その決断」をなさった根津さんの心中に「はかりしれない思い」がおありだったろうことだけは疑いのないところです。部外者たるTakemaがこれ以上申し上げるのは差し控えますが、2009年2月にふらりと1泊しただけのTakema&おしんこどんを、あれだけ暖かく迎えてくださった根津さん、そしてその後何度かおじゃました際もお忙しいなかわれわれ夫婦のお付き合い宴会、そしてTakema関係のお仲間ともいろいろと夜のお付き合いをいただき、そして2011/2には何とTakema&おしんこどんの両母までも!

根津さんのお人柄に敬服する一人として申し上げます。これまで本当に、本当にありがとうございました。

ちなみに旧拓銀の保養施設を買い取り素泊まり宿として営業を開始したという経緯のある「別館ラルゴ」ですが、現在のところ営業再開の予定はないようです。というか現時点では「ラルゴをどうするか」の方針も確定していないと思います(2012/11現在)。運営委託にラルゴは含まれていないと思われますが、やはり売却されてしまうのでしょうか‥。

これまで根津さんにお世話になったことを思えば、われわれが願うべきなのは「ラルゴの再開」ではなく「御園ホテルの順調運営」であるべきなのでしょう。そんなわけで、


(夕食を外で食べる「あまり利益率の高くないお客」かも知れませんがそのあたりはお許し下さい)。

そんなわけであまりにも残念なご連絡をせざるを得なかったわけですが、ここからは再び2012夏の北海道編に戻ります。
川湯の温泉街を越えてほんのしばし、仁伏温泉の手前から降り出した雨はそれこそ一気に怒涛の降りとなりました!元気よく出発していったおとうが心配だなぁ(苦笑)。

雨はますますその強さを増し、砂湯付近がそのピークだったでしょうか。しかしその後一気にやみはじめ、池の湯付近まで来ると「ほぼ止んだ」状態にまで持ち直しました。ホントに局地的な豪雨だったのね(それは同時に「大気の状態が思いきり不安定」であることを意味するわけでもありますが)。ん?池の湯?そういえば太古の昔からその存在を知っていた湯ではありましたがまだ訪問してないぞ、こんなお天気だからこそもしかして?と思いいざ行ってみると大正解っ!



有名な無料野湯ゆえこれまで訪問をためらっていた池の湯でしたが、ほぼお盆期間に突入したともいえる8/11にこのガラガラ度はこのお天気ならでは。少なくとも池の湯に関しては「天の配剤」があったとしか思えません(笑)。

ただし、湯へのエントランス部分がとてつもなくツルツル滑るのには気をつけなければなりませんし、湯の表面を緑藻が悠久の時を超えるがごとくのんびりと漂っているのもご愛敬というところです。ま、そういうのが苦手な人はそもそもここに来ないでしょうし(笑)。湯は適温なれどある意味ハードル高し‥あ、この時期ならではの次なるハードル「じぇったい水着を着用するに違いない家族連れ」がやってきたのでさっさと上がったTakemaでありました。しかし先客のライダーさんはわれ関せずの超然的姿勢=当然マッパーのまま湯縁に上がって涼み中モードで迎撃態勢。やるなー(笑)。

さてこのあとは源泉施設を見学など(外観だけね)したりしながら和琴へ。屈斜路湖岸の野湯取りこぼしをクリアしようと思ったからなのですが、それはもちろんオ○コツ地獄ではなくてもっとジミーヘンドリックスなところなのであります。

しばらく歩いていくとその先にありました○慶岩の湯‥うーん、右上画像はほぼ「湖に浸かると同義」、しかし左上画像にマウスオンすると出てくる人工系湯だまりは、湯の表面のみならず内部もかなり植物系生物により「おどろおどろしいビオトープワールド」状態になっているわけで(苦笑)、池の湯くらいならいいけれどここはなぁと躊躇。よって右上画像のエリアで入浴を敢行することにいたしました(根性なしなんですよ)。




(どうせどこも腰湯がせいぜいの場所なんで‥)

実は駐車場からもさして遠くない場所にある弁○岩の湯ですが、実際にはカヌーの皆さんの行き来が激しい場所ですのでくれぐれも公序良俗にはお気をつけ下さいませ。あと、あんまり期待しないことね(笑)。

さてこのあとはお昼ご飯。昨年までの北海道では海鮮モノを除いて食にあまり頓着しなかったTakemaですが(でもコンビニ飯は基本的に避ける=特に昼食)、おしんこどんの思いを汲んで「たまにはお洒落な一軒家レストランで」と一念発起(するほどのものでもないですが)。そんなわけで国道から300mくらいダート路を進んだ先にあるイタリアンレストランへ。

弁慶○の湯で時間を取ったこともあり(伏せ字意味なし芳一)すでにこの時点で正午前。席数が多くないこともありすでに満席でしたがそれほど長くない待ち時間で座ることが出来ました。そもそもTakemaが「待ってまで食べる」というのは滅多にないのですが、極端なハイシーズンであるこのお盆という時期、需要と供給のバランスが明らかに崩れてしまう道東では「食べるために並ぶ」というのもやむを得ないかと思います。

そんなわけで「北海道ペスカトーレ」なる海鮮パスタトマトソースと「知床鳥とキノコのクリームソース」をいただきました。どちらも美味しかったですというかおしんこどん絶賛(笑)。それにしても北海道の田舎の場合、本州に比べて「ハズレ店」に遭遇する確率が少ないと思うのは気のせい?(都市部は知りませんが)。この他にパンのセットと飲み物を注文。と、ふと気がつけば‥‥

正午前に入店したからそれほど長く待つこともなかったわれわれですが、待機している皆さんの多くは「大人数家族連れ」が多いようで、あちゃーそれじゃわれわれ2人が席を立ったところで焼け石に熱湯(=全く状況改善に役立たないことの形容)ですね。大人数であればあるほど先入れ先出し、いや違った、食事については早め早めを心がけてくださいねー。

食事のあとは一路東進。中標津の湯にもいろいろ心惹かれる場所があるんですがゴメンナサーイ通過系で、到着したのは標津のサーモンパークでありました。いや、でも実はここは「そういや行ったことないし」系の単純な寄り道だったんですが、かなーりヨカッタ!

雨こそ降っていませんがご覧の通りどんよりした天気の中到着。そこそこの数の車が止まっていたとはいえ、その数も駐車場キャパシティ全体の1/5というレベルなのでやっぱり維持管理はいろいろと厳しいんだろうなぁ(上にも書きましたがこの日は8/11、土曜日だったのです!)。

でもそんな内部事情を考えない旅行者という立場からは「空いててウレシイ」なんですけれどね。ちなみに「混雑=イヤだ、大混雑=絶対イヤだ」というあまりにもわかりやすい心理方程式を標榜するTakemaからは、当然ながら「ここ、かなりイイじゃない!」という計算結果が導き出されたことは言うまでも有馬兵衛の向陽閣だったのであります(苦しいな&向陽閣訪問予定は未だないのですが)。

さて、この立地にして入場料610円/人という強気な料金設定をモノともせずしっかりにこにこ現金払いを敢行し、入浴、いや確信犯的に間違えました入場です(左上画像マウスオンで拡大画像に変わります)。ここはサーモンメインの水族館でありますが、最初の方にある巨大水槽にはこの界隈の水域に生息するいろいろな魚が泳いでおりましてこれはこれで見ごたえありかも。



レンズが暗いコンデジでの撮影なので緑色に見えていますが実際はもっと明るい水槽です。左上画像の大型液晶TVから実際の大きさがおわかりかと。

このほかにも中型水槽もあり、また絶滅危惧種イトウの水槽もありました。ですが、われわれのハートというか「餌付け大好きおしんこどん」のハートを射止めたのはこちら!



そうなのです、ただ単純にエサをやるだけでなく「チョウザメに指をかじられてみよう!」というとんでもない企画が絶賛実施中なのでありました!ひえぇ、かつての東映ヤクザ映画の指詰めを地でいくような恐怖の企画というか、JAWSに指1本で立ち向かえという無謀さというか、何しろ相手はホオジロザメではないにしろやはり「サメ」という名を冠する大型魚類なのですから!

と、ここでご安心ネタ(笑)。チョウザメはサメ科の魚類ではありません。今さっき聞きかじった専門知識によると「そもそも淡水魚」「サメが軟骨魚類(だから鮫の化石は歯しかない)のに対してチョウザメは硬骨魚類(ついでに言えばシーラカンスと同じ古代魚、ただしほとんどは軟骨)」「腎臓がないサメ肉がアンモニア臭いのに対して(アイスランドではその肉を発酵させた伝統食材「ハカール」なるモノがあります)、チョウザメは腎臓ありなのでもちろん肉に臭みはなく刺身でもいけるそう」なのであります。そもそも英語名には「Shark」という名前すら付いていないのだとか(正式な英名は「Sturgeon」)。

いや、でもだからといって安心安全原子力と簡単に納得するわけにはいきません(タブー系のネタでゴメンナサイ)。だって、最大で1.5tにもなる凄い魚なんですよ、そんな魚に自分の指をそれこそ「指し出す」なんて‥そんなわけで右上画像のガチャガチャでチョウザメのエサをしっかり購入。精神的危惧と積極的行動とが大きく乖離してますね(笑)。

「指に食いついてもらいやすいように」水槽の縁を低くしている設計上の配慮はいろんな意味で心にくいほどです(笑)。まず最初にエサを散らし入れて彼らチョウザメ一族を興奮モードへと変貌させます。そのあと指を‥うわ、まさにジョーズのように襲いかかってきました!おしんこどん指も「今ここで人差し指を失いたくない」という本能的衝動から指を引っ込めてますね。しかしこのサーモンパーク、なぜにこのような危険な行為を率先して奨励しているのでしょう?それは、チョウザメの身体的特徴に由来するのであります。右下画像をご覧いただければおわかりかと思いますが‥



そもそも野生のチョウザメは水底に潜むエビやカニその他を丸呑みする食生活を送っているそうで(たぶんこの場合のエビやカニなどは幼生および殻(シェル)の柔らかい種類のことでしょう)、ゆえに歯の進化が止まったままなのでしょう(ちなみにチョウザメはシーラカンスと同じ時代から生き続けているそうです‥って誰が調べたんだ?)。というわけで噛まれても指を食いちぎられる心配はありません。となれば‥




(これ、小学生の夏休みの自由研究ネタとして最高です。ね、お父さん!)

それじゃ、「コーフンするチョウザメたちとおしんこどん指の格闘」を動画で見ていただきましょう!
おしんこどん、ビビってます。チョウザメはエサに超興奮!
そうしてこのあとは一気に静的観察モードに移行します。両下画像は様々なサーモン類を展示するミニ水槽です。でもとっても不思議に思ったのが‥

でも全部は無理だよなぁ(苦笑)。このあたりにはいろんな裏事情が隠されていると思うのですが、まさか刺身(以下自粛)。

館内には「サケ談話室」という名のミーティングルームがありました(左下画像参照)。おそらく小中学生の教育活動に利用されているのだと思いますがサケ以外についての談話は禁止なので利用頻度は低そうです(うそです)。

右上画像の「2F-3Fが異常に長いエレベーターで展望台まで上がりましたが、しょせん今日の天気では国後島すら見えませんって(普通に晴れていればすぐ近くに見えますし、聞いた話では北海道に面した国後島西部では日本の主要携帯電話キャリアがごく普通に通信エリア内なのだとか=それだけ近い)。

さてそんなわけでサーモン科学館を退館後、たぶんほぼ全員が足を進めるであろう売店施設へ。でも、ええっとですね!



でもしょうがない、それがまさにわれわれの「原罪」なのですから‥というわけでしっかり現実肯定のあとは昆布サイダーでリフレッシュ‥うーん発泡性に騙されないようにしなければね!(意味深)。

このあとは、Takemaの中で「そろそろお風呂に入りたいぞチョップ」が炸裂する前にかけ流し温泉銭湯へと向かいます。
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