− その2 東鳴子の阿部旅館に身を置いて‥ん?焼肉屋さんなのに海鮮焼き?(笑)。

そんなわけでまだフェスティバルは佳境はるかに手前ながらも石巻駅行きのバスに乗り込みます。路線バスゆえのんびりと途中でお客さんを拾ったり降ろしたりしながら石巻市街へ。あー、北上川の中州にある石ノ森萬画館もみえてきました。こちらも津波でひどい被害を受けながらも2012年11月に再開館したんだよなぁ。さんさんと降り注ぐ秋の日射しの中記念写真を撮るカップルなどに心を和ませながら石巻駅へ。えーっと料金は‥340円か(右上画像マウスオン)。

津波はここ石巻駅にも押し寄せたようですが、手前にある市街地が「身を以て防いだ」こともあったのか駅舎へ到達したのはさほど高いものではなかったようです(あくまで市内他地域との比較という意味で)。

その関係で、ほぼ被害を受けなかった石巻線(小牛田−石巻区間)の運転再開は比較的早く、2011年5月には石巻−小牛田間が全線復旧、同年12月にはいまだ不通の仙石線を経由しない形での「仙台直通快速」が運行されるようになり今に至っています。ちょっとびっくりしたのは現行の直通快速の所要時分がかつての仙石線快速で最短63分(49.7km)だったらしいのに、2013/10現在朝夕1便ずつ運行されている直通快速が、はるかに遠回り(71.1km)なのに何と67分と思い切り気合いを入れているところです。

石巻から小牛田まではローカル線で路盤整備もそれなりゆえスピードも出せませんが、小牛田から仙台は幹線ですからバシバシ行けます!しかもディーゼル110系ですからね(ハイパワー車)。

なお2015年予定ということですが、クネクネ系仙石線の弱点を補うべく東北本線からの接続路線を工事中で、そうなると50分ちょいで仙台−石巻が結ばれるのだとか。ただし仙石線の不通区間工事と平行して行われるということなので。‥でもこれも、震災をきっかけにして新たに動き始めたのことなのかなと前向きに考えましょう。

なお石巻線の末端部でありいまだに不通区間である浦宿−女川のひと駅(ただし山越え)についてもJR東は2015年に再開通の予定なのだとか(女川駅ほかの施設は大幅に山側に移す予定)。

というわけでやる気を見せているJR東ですが、一方で気仙沼線や山田線については「再開の意志」が全く見えません。BRT運行を始めてはいますが、JR東としてはたぶん路盤を整備して再開通させる意志はないでしょう。となれば旧沿線自治体が(ただでさえ財政ガタガタなのに)新たに3セクをというわけにもいかないでしょうし、復興交付金を新たな線路造りに回す余裕もないでしょう。ということで、

でもそれは無理でも、八戸線で運行するレストラン列車を久慈から先三陸鉄道の北リアス線まで運行してほしい!それでも今は田野畑までしか行かれませんがやがて宮古まで開通するとしたら(2014年4月予定らしい)是非とも宮古まで!そうなればある程度の回遊ルートができるはずなのでお客さんも呼べるのではないでしょうか?(今はどうも往復ベースみたいなので)。

ハイここまで思い切り鉄ベースでしたねまだ石巻から出発していないのにとてつもないこのテキスト量はいったい何?という感じで申しわけありません(苦笑)。というわけでこの時点での現実世界にワープ!

石巻駅は完全に石ノ森章太郎ワールドになっておりまして、駅の壁や屋根にサイボーグ009のメンバーが平面立体を問わずに出没しています(笑)。両上画像にマウスオンすると何やら台座だけになっているところとかポストの上とか画像に変わります)。なお石ノ森章太郎氏はここ石巻市ではなくもう少し内陸の登米市出身(出身地訪問時のページはこちら)なのですが、ここ石巻の映画館「岡田劇場」まで足繁く(自転車で)通っていたのだとか。それにしてもやっぱり映画を見るためのお金はあったんだなぁと羨ましい(氏の実家は地域の名家です)。あ、うちは名家でもなく分家の分家方面ですが、好き勝手にやらせてもらっているんで運命に感謝です(何のこっちゃ)。

駅構内のNEWDAYSでお酒を買い込みホームにて列車を待っていると、来ました来ました浦宿始発の列車♪三連休の中日なのですが車内は快適ガラガラで4人掛けボックス席を小牛田まで専有キープ!それにしてもお隣の2人掛けボックス席って最近はポピュラーなんですか?何だか不思議な感じでした(自分が知らなかっただけなんですが)。

駅の売店で「石巻っていったらこれっしょ!」系の地酒「日高見」を購入しました。ローカル線の旅といったらコレですよね。ただし紙コップを付けてもらうのを忘れたのでラッパ飲みなのはご愛敬(笑)。幸いご覧のとおりの乗車率なので人目をはばかる必要はありませんでしたとさ。さて、途中の鹿又駅で列車交換です。



すぐさま調べてみたら普通列車ではあるのですが、マンガ列車「マンガッタンライナー」号でありました。なかなか頑張ってるじゃないさJR東日本仙台支社。願わくはその勢いで只見線と山田線を何とかしてほしいところですがね。

刈り取りを間近に控えた、黄金色に輝く田んぼを目にしながら口にする日高見はサイコーです。とはいえ飲みきる前に終点小牛田に到着してしまいました。乗車時間36分の「つまみなし一本勝負」ですからしょうがないですね。

しかし、この列車はかなーり絶妙に陸羽東線鳴子温泉行きに接続します。13:27着/13:38発ですからね。今はどうだかわかりませんが、鳴子温泉には海沿いに住む人たちが多く湯治に訪れていたということですし、この連携の良さはその名残かも(考えすぎかな?)。

こちらの列車では二人掛けボックス席を確保。連休中だし混むかなと思ってこちら側を偶然選んだのですがこれが大正解。なぜってこの列車にはブラインドおよびカーテンがないんです!何でも(今調べたところによると熱線吸収ガラスを採用したためカーテンを省略したということですが「眩しさ」まではカットできませんよね。このあと窓際に座ったグループさんは帽子をかぶったり手持ちの本で顔を覆ったり‥つまりは、

そんなわけで新幹線との接続駅である古川にてなぜか23分の停車。ま、これは新幹線との接続を狙ったものであり、時折定期的にどどっとお客さんが降りてきましたね。でも、Takemaの二人掛けボックス席の向かいまで埋まることはありませんでした(ラッキー)。

そんなわけで出発して最初の交換駅まできたところで「日高見」完飲!(笑)。おつまみなしでよく頑張りましたということで許してくださいませ。あ、サン・ファンパークではビールしか飲んでません。あ、でも仙台までの新幹線で(以下略)。



さてしかし、Takemaは終点の1つ前、鳴子御殿湯駅にて下車。ちなみに下車したのは自分一人だけ。駅舎には夕方まで人がいますが乗降管理は一切やっていないらしく出ても来ませんでした(このあとトイレを利用したところで奥の部屋に人がいるんだと初めて知った)。失礼ながら「コレジャダメデスヨ!」。

どんなお客が下車したのか、そのお客のニーズは何なのかをさりげなくつかんで案内すべきことがあるかどうかを確認すべきなんじゃないですか?そしてそこで得られたデータベースが東鳴子の新たなニーズの発掘につながるんじゃないですか?この日は連休の中日だったんだし‥。なのに誰も出てこないどころか気配を殺して部屋にこもったまま??こんなんだったら完全無人駅でいいですよ!こんな立派な駅舎も一切不要!観光協会さん、今のままならこの駅への人員配置は無駄ですし観光協会さん自体の営業姿勢を疑いますよ?全然振興に勝負掛けてないもん。かなりキツイ書き方ですが、もちろん観光協会さんへの敵意は一切ありません。東鳴子のこれからを考えて、初めて列車でやってきた今回の印象をそのまま綴った次第です。

そんなわけでかなり憮然としながら「さーてどうしようかなぁ」。。この日は阿部旅館さんに泊まりの予約を入れてあったので宿泊についての案内は不要だったのですが、いかんせん前々日にようやく東鳴子訪問を決めたので日帰り入浴までは全然調べていなかったのです。ここでは「まだ入浴したことのない旅館の入浴事情」あたりを聞きたかったのですが‥。とはいえまだ15:00と早めの時間でしたから「この時間だったらどこでもOKでしょ」と勘ぐってはいましたけれど(大笑)。

で、こちらにやってきました「勘七湯」さん。外観の雰囲気的にこちらがヨロシイのではないかと勝手に感じ、入口で入浴を乞うと「どうぞどうぞ」と丁寧なお言葉が。この雰囲気からすると世代交代してますね、でも温泉宿がきっちり引き継がれているというのは何よりなのであります。それがうまくいかない事例を多く見聞きしてきましたから‥この界隈でも。

いざお風呂へ。やったー貸し切り!時間が早めだとはいえ連休中日の夕方直前ですからこれは嬉しい!肝心の温泉はほぼ無色透明で案外クセがなくあっさりした浴感。これは意外でしたが、実は大浴場の湯は共同源泉なのだそうです(東鳴子の湯は各宿がみな独自源泉だと思いこんでました)。家族湯はもう少しアブラ臭もあるらしいのですが、でもこのお湯も嫌いじゃないです。源泉温度が高いので加水はしていると思いますが。

さて「ここまで来たならもう1湯」などという湯望は封印し(湯疲れするタイプじゃないんですが近年は全然がっつき感がなくなっているのと、そもそも鳴子界隈ならまだこれからも来るだろうしなという思いから)、火照った身体をクールダウンすべく阿部旅館まで歩きます。

買わなかったけれど「なるまん」の看板と幟を目にした上で橋を渡ります。何で買わないのかというと実はTakemaは「甘いお菓子やケーキ」が苦手なんです。コーヒーには必ずミルクと砂糖を入れるんですけれどね(笑)。おしんこどんがいたら迷わず買ったことでしょうが‥。

橋の上を歩いていたらちょうど列車が川を渡っていくのが見えました。時間的に考えてたぶん間違いなく自分が乗ってきた列車の折り返しでしょうね。頑張って帰るんだよー(たぶん間違いなく大丈夫だと思う)。

そんなわけで東鳴子−鳴子のメイン温泉街の対岸をぽくぽくと歩いていきます。もちろんこの道は何度も通っていますが、歩いての移動はさすがに初めてです。のどかなんですがそこそこ車の通行量は多くて、道幅が狭いこともあり多少キンチョーするかも。ただし川向かいの国道の比ではありません(大笑)。

とぼとぼ歩いて本日の宿泊地赤這温泉阿部旅館に到着です。なお「赤這温泉」は源泉名ですがエリア的には東鳴子温泉に属しています。エリア的には微妙なところですがまぁそんなことは地下の湯脈のみぞ真実を知るということで人間世界ではどうでもいいことです。

で、「ごめんくださーい」とおじゃましました。こちらのお宿は基本的に素泊まりメインのようなのですが、お願いすれば食事もOKらしいということで、立地の関係上朝ごはんをお願いしての予約をしておりました。

お風呂以外の設備は特に気にしていなかったんですが、TVも冷蔵庫もありましてまったく問題なし。建物は少し年季が入りつつあるようですが、清掃が行き届いていて快適です。そしてトイレは完全にリフォームされたウォシュレットタイプでこちらも快適。なるほど、温泉ファンのリピーターが多いというのもうなずけます。そしてもちろん、素泊まりユースを考えてのお宿ですから自炊設備も充実しています。

窓の外には倉庫が見えましたが、よく見ると「旅館 赤這」とあります。昔は「赤這旅館」という名前で営業していたのでしょうか。阿部旅館さんは1966年創業ということなのでもしかしたら別のお宿だったのかも。

さて、夕食前にお風呂といきましょう。こちらの宿では源泉を2本保有しているのですが、最近はそのうちの1本だけを使っているのだとか(赤這3号泉)。で、浴室は2つあるのですが男女別の固定利用ではありません。というか「使い方はお客が決める」というなかなか珍しい方式なのです。

脱衣場入口ドアの脇に「入浴表示札」なるものが置かれています。その種類は3種類。つまり‥

「男湯」 普通の男湯。男性であれば先客がいても入浴可。
「女湯」 普通の女湯。女性であれば先客がいても入浴可。
「貸切」 男性であれ女性であれ、この札が出ているときは先客による貸し切り中。

というわけなのです。貸切り入浴という選択肢はもともとお年寄りや障がい者の方の入浴に配慮したものかも知れませんが、現代湯治の貸し切り志向にもマッチしていてなかなかヨロシイかと。ただ、脱衣場から出るときに札を外すのを忘れると下手すれば「どっちも空いているのにどっちにも入れない」という無間地獄にハマってしまいますのでお風呂上がりには忘れずに。ま、どなたも忘れていませんでしたけれどね(ちなみにこの日は満室御礼でした=Takemaが最後の1室にすべり込みましたんで)。さてお風呂‥



透明湯に白い湯花が舞う熱めのお湯です!(ちなみにこちら側の浴槽には加水用の蛇口がないため、熱めが苦手の方は手前側の浴室を選ぶのが無難かと)。弱い硫黄臭および微アブラ臭に包まれての入浴はシアワセそのもの、と、ここで前後の脈絡なく「そうだよなー、今日は泊まりだけれどお金さえかければ新幹線を利用して東鳴子の湯に日帰りで来ることだってできるんだよなぁ、お金さえかければ(以下リフレイン)」と、何だかしみじみと感じ入ってしまいました(笑)。

湯っくりタンノーしたあとは浴室棟上の屋上でクールダウン。あ、でもここって物干し場も兼ねているようだったし、もしかして勝手に立ち入っちゃいけなかったのかな?ベンチが置いてあったのでいいのかなと勝手に思いこんじゃったのですが(汗)。ハイ、よい子はちゃんと宿の方に確認してからうろうろしましょうね(苦笑)。

さてクールダウンを終えるといよいよ「夜の部」への出動準備です。身だしなみを整えて(さっきまで着ていた服をまた着ただけだけど)、行ってきまーす!夕闇迫る田舎道を一路東鳴子温泉の「繁華街」(笑)へと徒歩で移動です。そして目的地まで20分くらいで到着!



左上の写真を撮影していたらちょうどマスターが「出勤」してきて「お、Takemaさん、お久しぶりです」と声を掛けて下さったのでとりあえず途方に暮れることはありませんでした(笑)。というか某NORAさんを通じて「ひとり焼肉予約」を入れてもらっていたので、わたしが来ることは事前にわかっていたんですけれどね。

だがしかし、三連休の中日ということでこの夜は混雑が予想されるわけです。マスターとすれば「如何に効率的な営業=満席状態に近づけるか」が喫緊の課題となるわけで、そうなると「お一人さま」をテーブル席で相席にできたりしたらサイコーなわけで(笑)。そんなところにTakemaが出没=時は休日の夜=温泉ファンがそこそこ集う=Takemaのこのサイトを知っているお客さんが‥イタ---(゚∀゚)---ッ!(大笑)。

というわけでわたくしジプシーTakemaは、某NORAさんつながりのGちゃんさんカップルの愛の語らいの場に相席させていただくこととなったのであります(大笑)。

さて最初に「お食事」についてですが、常連の皆さまならご存じの通りこちらはただの焼肉屋さんではありません(笑)。だってさ、えーっと最初の2品は明らかに海鮮焼き屋さんですよね。で、3品め(だったか?)はようやくホルモンに突入というわけです。しかしこの他にも「焼肉の王道系」を頼んだ気がするのですが画像には残されていません。というのも、最初はビールながらそのあと焼酎ロードをまっしぐらにひた走ったからなのです!(いつものことなんですが)。で、なぜかこんなのも飲んでたぞ(右上画像マウスオン(笑))。

で、Gさんカップルももちろん温泉ファンなので、「謎の湯画像」などでこちらを威嚇してくださいます(左下画像)。うーん、実はあんまり知らないんですよ、それってどこなんですかぁ?(実は教えていただいたかも知れないけれど覚えてないヨッパー)。それはともかくとして、わたくしのような木訥で人見知りな小心者(反語?)にお付き合いいただき本当にありがとうございました!

なぜか最後に黒豆豆乳ドリンクをゲットしましたが、どういう流れで手にしたんだっけ?(笑)。で、楽しい時間を過ごしたあとは「護送車(笑)」にて阿部旅館へ戻りました。ふぅ、いろいろあって楽しかった1日の汗を温泉で流さなきゃ(ま、焼肉でしたしね)。

ええっと、この浴槽に浸かりながらツブやいた気もするんですが、湯を上がったときの記憶がないんです(笑)。気がついたらきちんと部屋に戻っていた記憶があるんで大丈夫なんですが、ちゃんと札を戻したかなぁ?ま、酔って記憶がないほど案外冷静な行動を無意識にとるらしいTakemaなので大丈夫でしょう(自画自賛)。そんなわけでおやすみなさーい!

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