− 2013師走の東北湯旅 その2 あまりにも平和な栗子越えのあと湯沼温泉へ −



や、やっぱり寒っ!ただし最低気温はせいぜい-5度くらいじゃなかったかな?。

さてそんなわけで朝は明るくなる6:30を待って起床!まだ行っていなかった屋上露天風呂へ。そういえばこちらニュー扇屋さんにはこの他に貸し切り露天風呂が2つあるようなんですが、こちらは宿泊者であっても利用権付きプランで予約しないと入れないみたいです(追加料金を払えば可能らしい)。温泉自体は混合泉ということなのでまぁあまり気にはしませんが(呟)。


さてこれで一通り全ての入浴可能浴槽に浸かったのでゆっくりと朝ごはん。でも朝から湯豆腐よりも魚の干物とかのほうが個人的には嬉しいんですが。あ、そうタイプしてきたら急に干物が食べたくなってきたぞ!(関係ないけれど)。そういえばどこかの宿で各自干物を焼く朝食があったけれどあれは結構好きだったな(どこだったかは失念)。

さて食後はせっかくなので独自源泉の「宝の湯」にもう一度浸かってからチェックアウトすることにいたしましょう。と、ん?んんん?


(左上画像マウスオンで昨晩の浴槽画像に変わります)



なるほどこんな茶系の湯花なんですね。うん、お湯も昨晩よりはずっと熱かったし満足(45度台でしたが熱いときは50度近いようです)。

そんなわけでチェックアウト。偶然の宿泊でしたがなかなかいいお宿でした。従業員さんも丁寧で気さくだしここはアタリだったかなと思います。

さて昨晩のうちにこの日の計画を立ててみたわけですが、この時期ゆえ道路の状況によってはどこまで行かれるかもわかりません。ただ天気予報を見ていると、全国的に天気が下り坂の中、なぜか山形県と福島県の一部だけがいい天気のようなんですね。これは非常にヨロシイということで、昨年ホワイトアウトぎりぎりのところで何とか通過した栗子峠を越えて米沢方面に進んでみることに(昨年=2012年末の様子はこちらから)。

 

その前にちょっとお散歩。左上画像の足湯エリア(左上画像マウスオン)はたぶん以前には宿の建物があったんだろうなぁ。土湯温泉全体の訪問客数減少傾向に加えて東日本大震災の風評被害が重なって休廃業する宿が増えたという話を聞きましたし、事実ニュー扇屋さんのひとつ奥の宿は休業しておりました。また土湯温泉の奥の不動湯温泉が2013年8月に全焼してしまうという悲しいニュースもありました。でもその一方で2013年12月には、廃業した宿を相馬市の旅館が買い取り新たにお宿「福うさぎ」として再オープンさせたという明るいニュースもあります。いずれにせよこれからも頑張って欲しいぞ土湯温泉。

さて話が寄る年波に比例して長くなったので先へ進みましょう。さて福島市と米沢市を結ぶ幹線国道R13、通称「万世大路」へと向かいます。あ、そういえばR13に接続するこの県道の先には確か?

 

そう、われわれが何度もお世話になっている「あきば果樹園」の販売所があったのですね。さすがに年末ともなると販売所もクローズしていましたが(確か前回訪問時に「11月下旬まで開けている」というお話を聞いた気がします)、なぜか建物の脇にはリンゴが置かれていました。これは‥??

さていざR13に合流し峠道を上っていきます。が、しかし、何と!

 


いや確かに去年の場合はまさに「寒波襲来絵詞」とでもいうべき大荒れ状況真っ盛りでの通過でしたから極端な例なんですが、それにしても驚いた!これなら夏タイヤで来てもよかったんじゃないか?(うそです、人様に迷惑をかけるだけですって)。

それはともかく、東北中央道の建設がガンガン進んでます。長大トンネル(新栗子トンネル=8,975m)の先進坑(避難用トンネル)が貫通したという話もありましたし、2017年には開通なのだとか。北海道の日勝峠ほど激しい道ではないですがこちらも交通の要衝ゆえ、やはり早い開通が期待されます。というか道東道もここ東北中央道もそうなんですが、なぜ先に真っ平らな場所から整備するのでしょう?その費用を峠越え区間に集中投下した方がはるかに現実的な道路需要に応えるものとなったでしょうに!(以下略)。ちなみに例のよくわからない「直轄整備」により開通後は無料通行区間となる予定らしいです(ホントかな?)。

 

このあと米沢のバイパスからその先行整備区間である米沢南陽道路へ。早く整備されたのがあだなのか何なのかこの区間は有料ということもあり左上画像の通りほーらご覧のとおりのガーラ湯沢状態。しかしそれよりも何よりも、峠を越えて米沢盆地に入ると天気予報通りの青空が素晴らしんこどん!というわけで、山形最初の温泉「湯沼温泉」へと向かいます。

 

無雪期には一面の田んぼと思われる中を潔いほどの直線舗装路で温泉施設へと一直線です(天気がいいこともあって何だかトキメクマヤコン)。やがて目指す湯沼温泉が近づいてきました。うむっ!



(いや、だからこそ吹雪いているときなどは行き帰りだけで大変なのでしょうが)。

これは湯上がりに見た掲示物を見て初めて知ったのですが、このあたりはもともと湿地帯でかなり地盤が悪く、今でも田んぼにはいると足元がゆらゆら動くほどなのだそうです。別の人があまりの地盤及び水はけの悪さに撤退したあとに入った先代のご主人は、ここの地盤を固めて小さな温泉療養の宿として開業したのだとか。「地盤が草のマットレス」だったという記載がありおそらくは泥炭の手前状態だったのかと。ということはその時打ち込んだ基礎杭(電柱)は当然今でも機能しているのでしょうね。

 

そんなわけで湯沼温泉へ。玄関までに階段があるのは建設当時「1.5m床を高くした」ことの延長線にあるものでしょう。ちなみに現在は区画整理と治水整備が行われたことで当時のまま洪水になることはないのではと思われます。入浴料は350円とリーズナブル。こちらは加温かけ流し湯なのでボイラー代を考えればありがたいことです。宿泊も出来るようで、うーん昨日躊躇せずここまで来るのも手だったか?いや、でも下調べが出来てなかったんで所詮無理なんでした(笑)。

なお宿の周りには雪の中に赤い実を付けた木が多く植えられていました。館内の説明によればこれが「ウメモドキ」であると思われます(左上画像マウスオン)。いま調べてみたらここ山形ではレッドリストの絶滅寸前種なのだそうで、そのこともあっての植え付けなのでしょうか?

 

脱衣場へ進むと、脱衣ボックスの脇にはしっかり貴重品を入れる専用枡が。これはちょっと珍しい造作ですが何だか飯坂温泉!(笑)。そして露天湯のぬるさを示す掲示!先客さんは1名=内風呂のみなのでここは湯っくりタンノーしちゃいますか!

 

というわけでざざっと内風呂に浸かった上で露天風呂へと移動。湯気モウモウに見えますが、この時期の露天風呂は保温&雪対策の関係で周りがしっかり囲われていますのでしょうがないかな?ついでにいえば内風呂は加温のための循環が行われていますが、宿の公式サイトによると「30分で全てのお湯が入れ替わる」ように新鮮湯を投入しているそうです。もちろんこちらも消毒臭は一切関知しませんでした。そして露天風呂。

 

こちらは内風呂と同じ源泉をかけ流しています。ちなみに源泉温度は40.8度(H21年10月計測)ということですからもしかしたらそのままかけ流しまたは僅かな加温かも知れません。内風呂には見られなった湯花キャッチャーもありましたし、そのフィルターを通り抜けた白い湯花も舞っていました(左上画像マウスオン)。

 

pHは9.1ということでそこそこアルカリ性強めの湯です。でもあまりツル感は感じません。そのかわり泡付きが多少見られましたが、なぜか「一面に小気泡」というのではなく「ポツポツ大きめ気泡」というところだったのが不思議です。でもアワアワにまでは成長しなかったのが残念でした(笑)。

 

遠方からのイチゲン系観光客はたぶんほとんど来ないであろう温泉ではありますが館内は小綺麗ですしちょっとした椅子スペースもしっかり整理整頓されています(右上画像の他にも椅子スペースあり)。またたぶん若女将によると思われるボディケア&エステ(女性のみ)も可能であり、何だかここはまた来てみたいぞ。というわけでまずは自販機で乳飲料を摂取ね(右上画像マウスオン)。そして「さてそろそろ」と思いつつ周りを見渡すと‥ん?冷水マシンが?いやしかし!

 

嬉しいことに源泉飲用マシンでありました(わーい)。となればということで紙コップで源泉水を受けて飲んでみると‥


泉質分類では単純泉なのですが、これだから油断ならないのですよ単純泉っ!(笑)。この飲泉によりここ湯沼温泉の評価をうなぎ登りに上げたTakemaでありました。あ、そしてもちろん「湯上がり後いつまで経っても引かない汗」にもびっくりした次第です(土湯温泉の方が引きが早かった)。ここはかつてのNHK「ふだん着の温泉」には取り上げられていないのか?と思って調べてみたら、やっぱり来ていたんですね(2004年)。そりゃそうかというべきか、あの番組、仙台放送局が幹事局だったのだとか。そういえばラオスのポーンサワンの宿に滞在中、NHKの国際放送であの番組が放映されていたときは何だかびっくりしました。

さて天気もいいし、ここからもうちょっと北上しちゃいますか!(明日帰らなきゃイケナイのに)。

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