− 2013師走の東北湯旅 その3 山形に入り湯沼・りんご・舟唄の湯をそれぞれ堪能!−



さすが山形の年末、田んぼはすっかり一面のスノーフィールドに。しかしこの数日後、おそらく50cmくらいどどんと積もったはずです。

さてお昼近くになってきたのでそろそろご飯‥いや、でもその前にこの日の宿の目星を付けておかないと‥というわけでまずとあるお宿に電話を入れてみたんですが、そのお返事は「すみません、今日は源泉のメンテが入っているのでお休みなんです」との悲しい返答。このパターンが多いのがこの時期のデフォルトというわけで、しっかり事前に計画しておきましょうね皆さん!(自虐)。

で、別温泉地の別の宿に電話を入れてみたら「2食付き8000円(暖房費込み)」というわけで、近くにコンビニもなかったはずなので夕食付きにしてもらいとりあえず宿無し芳一の危機は去りました。よしそれでは北上しますか!でもR13経由では面白くないので長井から寒河江経由で尾花沢を目指します。当然ながら尾花沢までは路面の積雪完全ゼロで路面もほぼ乾燥、この時期とは思えない楽勝ロードでした(この2日後にはとんでもない降雪があったようですが)。


長井から寒河江に向かって北上するR287はもしかして初走行だったかもしれません。道の雰囲気が全く初体験系でした、ただしそれほど特徴のある道ではなかったかな?さて次の湯を目指していたところで「肉そば」の看板を見つけてUターン。この界隈(本家は河北町のようですが)は肉そばがソウルフードの1つだということをのら師匠から聞いていましたし、まだ今回の湯めぐりではお蕎麦を口にしていなかったこともありこりゃ立ち寄らなきゃというわけです。

この時にはもう身体が冷えていたこともあり「温かい肉そば」を注文しましたが、その3秒後「あ、すみません、やっぱり冷たい方で」と注文訂正。地元の通は冬でも冷たい肉そばだから‥というような粋な理由ではなく、わたしゃ食事をしていると汗をかくんですよ。ラーメンとかだともう汗ダラダラで(笑)。でもざる蕎麦とかだと何とかなるのでその延長線の発想というわけです。

おそばは不思議な感じのツル感があってよし、ただ肉(鶏肉)はもうちょっと歯ごたえがあってもよかったかな?(右上画像マウスオン)‥いやこれはたった1回だけ食べた前回との比較なんですが(知ったかぶり大苦笑)。そのうち河北の本家肉そばも食べてみたいものです。が、「恐怖の伊勢そば呪縛」もあるのかなと(大笑)。


さてお腹も満ちたところでかねてから気になっていた「りんご温泉」へ。一部で有名な朝日町のゆるキャラ「桃色ウサヒ」、実は東北芸工大からスタートしていたのですね(ずいぶん前ですがわたしのずっと上の先輩がこの大学の教員になったんだっけ=今はもういないみたい)。

 

長逗留を決め込んで湯縁でおしゃべりに興じる常連さんが4名ほどおられたので浴室画像はありませんが、噂に聞いたアブラ臭+りんご温泉の名の通り湯船に浮かぶリンゴ*15個に感動!お湯は甘塩味でやや苦い感じでした。浴槽内のリンゴは人の動き&湯の投入による流れによって隊列を組んでプカプカしており、何だかひょっこりひょうたん島を連想してしまいました(笑)。ただし常連の方々にとっては別に目新しいモノでもなく単なる邪魔者なのか、そのお客さん方面に進んでいた単独行動のリンゴはグワシと捕まれて湯船の遠くの方に放り投げられていましたが(笑)。

この時期は露天風呂が冬期閉鎖中ということでちょっと残念です。内風呂も含めてかけ流しの湯ですが、露天風呂の方がコンディションがいいという話もあったので‥まぁまた来ることもあるでしょう。

 

さて快晴の中さらに北上しますと大江町。ここにも気になる温泉があるのでもう1湯立ち寄りをば。舟唄温泉には有名な「テルメ柏陵」があり300円で入れるのですが、自分が選んだのはやっぱりそのすぐ近くにある老人福祉施設「柏陵荘」でありました。こちらはさらにお安く入浴料200円!(右上画像マウスオンであまり意味のないエントランス画像に変わります)。

 

この日は平日でしたが農閑期のお年寄りには平日も休日もないということなのか、先ほどのりんご温泉同様「どっしりと構えた御方々」が(笑)。ただし内風呂の方が熱めだからなのか長湯にはあまり人気が無いようで、皆さん続々と奥の「眺望風呂」へと吸い込まれていきます(あっちのほうがぬるい)。これは‥撮れるか?ということで急いで脱衣場に舞い戻り、とりあえず右上の湯足画像を1枚だけ撮ったところで次のお客さんがやってきて「撮影タイム瞬時に終了」(笑)。まぁ1枚だけですが撮れただけ良しとしましょう。ちなみに湯の色は日によって違うようですがこの日はご覧のとおりのエメラルドグリーンでありました。

しかしこの湯は強食塩泉ですからしょっぱいのはもちろんですがそれよりも強烈な苦さが印象的です。りんご温泉はいわゆる「甘塩系」でしたがこっちは「さらに塩味を強くして、ついでにニガリも入れちゃったからね!」という感じでぶったまげました。ゆえにというか、りんご温泉以上に湯上がりの汗が引かず難渋しましたが、まぁそれでもこの時期ですから外にいれば強制冷却されるのでありがたいです。夏はキツイだろうな(笑)。

 

さてこのあとはさらに尾花沢方面に進むわけですが、セットしたナビが距離優先モードになっていたからか、なぜかR347ではなく平行する旧道の県道を道案内してきます。まぁいいかそのうち戻ればと思いながら走っているうちにちょっと迷い込んでみたら何とこんな立派な三重の塔が!こちらは746年開基である慈恩寺の三重塔(1830年建立)なのですが、一般車が通れる車道の脇にいきなりあってちょっとびっくりです。あらためて調べてみるとどうやら本堂も桃山時代建立の藁葺き屋根で国の重要文化財に指定されていたらしく、しまった、ちゃんと見に行けばよかったとちょっと後悔。まぁいわゆる「そば街道」から目と鼻の先にあるわけですからまた行くこともあるでしょう(何だかこればっかし)。

で、さらに県道を進んでいくと広い駐車場のある「紅花資料館」が出てきました!門が開いているということは開館中だろうということで当然見学することに。さて見学料は400円か、あれ、でも誰もいないんですが?いや、これか!(右上画像マウスオン)。


そんなわけで係員氏がお越しになったところでめでたく料金をお支払い。このあと少しお話しする機会があったんですが、ここでは「そうですよねやっぱり維持管理は大変ですよね」というくらいにとどめておきます(笑)。ちなみに「ここ4-5年は雪の降り方がハンパじゃない」ということでした。気候変動の影響がこのあたりにもあるのでしょうか。もっとも地球温暖化云々の話に収斂させるつもりはありませんが(個人的には地球規模の気候変動について今の科学は「あーだこーだと断じるレベルにはない」と思っています。地震予知だってそうです。そしてそんな人間が作り出した原発だっておんなじです)。

 

さて堀米四郎兵衛の屋敷跡という場内にはいくつもの往時の建物や展示資料があったのですが、展示資料は撮影禁止だったので見るだけにとどめました(当然)。でもおしんこどんが喜びそうな展示もあったし、明らかにオフシーズンゆえ紅花の畑などは雪の下(ビニールハウス内では育てられていましたが)。やっぱりここに来るなら夏ですね。

このあと付属の物産館でちらちらと紅花で染めた商品を見たのですが、江戸時代には紅花の交易で莫大な富を得たこの地であるならば、もうちょっと「ここならでは」の現在進行形展示や実践もあっていいのじゃないかなと。知名度としても山形の紅花って結構全国区なんですから、過去の展示だけでなく「今も新たに紡がれる紅花文化」をアピールできないものでしょうかね(またもエラそうに)。わたしが仕事で使っている名刺入れは「黄八丈」なんですが、時々「すみません、その名刺入れってもしかして‥」と反応があったりするわけです。名刺入れって実は第一印象として結構インパクトがある小物なので、特に女性の外回り営業職の場合などは受けると思うんだけれどなぁ(一昔前は「チャラチャラしている!公私混同!」とかで一喝されたかも知れませんがもはやそんな時代じゃないでしょう?)。

 

さて尾花沢に近づいてきましたんで「どこかで今宵の酒を‥」という感じになってきたときに「地酒」の文字がぱっと目に入ったので「いとうや」さんへ。何だかコンビニのような店構えで確かにお酒以外の食品も売っていますが、何だかお酒のラインアップもちゃんとしてるじゃないですか!

最初はそんなつもりもなく「躊躇無くどこかの芋焼酎4号瓶を手にして会計」したんですが、車に戻ったところで「ちょっと待てよもう少しちゃんとお店を見てみよう」と思い直して再び店内へ。うん?これは?


というわけで購入酒変更!やっぱり地元に来たら地元のお酒でしょ!(ま、菊勇は酒田の蔵ではありますが)。で、さらに見ていると焼酎でもしっかり三岳があったりするんですが‥うーん、お正月用に「初孫」も購入!さらには米沢の「泉氷鑑(いずみひょうかん)」、何でも特約店以外には卸していないらしく山形県内では数店だけというレアなお酒も一緒に購入!これでお正月の親族新年会を乗り越えられそうです!(笑)。

 

さてすでに薄暗くなってきましたがまだ時刻は16:20くらい。ここからは尾花沢の市街地を通り抜け、県道28号線経由で赤倉温泉「三之を目指します。実はこの日の予約時には最初中山平の同名の宿に電話を入れたのですが休業日ということで、ガラケーでの検索でこちらを予約したわけなのですが‥いやはや、あの宿だったのね!(驚)。

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