- その7 天売島で海鳥さんを陸と海からそれぞれ見学 -



残念ながら夕日はイマイチのまま終わってしまいましたねぇ。



(2018年7-8月 その7)

そんなわけで天売港に到着です。天売と焼尻、お隣同士の島だし同じ羽幌町なんですが、住民同士の交流はどのくらいあるのでしょうかね。何となく双方とも対岸の本土羽幌町に目が向いているんじゃないかという気もしますが。



フェリーターミナルの建物は焼尻港のものとうり二つというか、どちらも同じタイミングで建設されたんでしょうね。で、そのそばには観光客相手のお店が数軒。地元の人向けの商店は港から離れた場所にあります。

港には、予約していた「民宿 栄丸」のワンボックスが止まっていたので予約の旨を申し上げてさっそく乗車。と、すぐさまお宿の奥さんとともに「今後の予定」についての打ち合わせです。

天売島といえば「海鳥の島」として有名です。この時期はウトウ繁殖の終盤戦ですが、まだ見られるということで夕刻の見学ツアーを予約。そして、こちらの民宿では「漁船クルーズ」なる海鳥見学ツアーを主催しているので(だからこちらの宿を選んだわけです)、翌朝のツアーも予約、そしてチェックアウト時にレンタルバイク屋さんまで送ってもらうことをお願いし、うん、すべての天売島内手配があっさり完了!(笑)。



走ること数分でお宿に到着。エントランスには花の鉢が飾られています。そしてその奥には謎のBBQスペースが(全然謎じゃないんですが)。われわれ以外にも観光客や工事関係の方など何人かが滞在しているようでした。

で、部屋に通されてちょっとびっくり。





なかなかいいお部屋ではないですか!さてその前にお風呂‥いや、このあと夕ご飯は炭火BBQだし、さらにそのあとウトウ観察ツアーにも参加しますんで、全部が終わってからさっぱりするようにしましょ(温泉じゃないのでガツガツしません)。



さてそうこうしているうちに早めの夕ごはんタイムです。ウトウのツアーは18:30頃に迎えが来るということですのでその前に食べ終わっておかなければなりません。しかし、これが何とももう‥














途中Takemaは何度か「涼みに」BBQ小屋を抜け出しました。ここまで暑いのは年に何日もないことでしょうが、せめて天井か壁の一部を開放可能式にして熱気がこもらないようにしてもらえるとありがたいんですがねぇ。



さて夕ごはん後はしばしまったり、定刻18:30にワンボックスがやってきました。車内は各宿からやってきたお客さんでいっぱい(われわれが最後の乗車で満席に)。

最初にこの日の予定と注意事項案内です。ウトウ営巣地である赤岩園地の手前にはウミネコ営巣地があるので往復とも通過には時間がかかること、撮影はフラッシュ禁止であること(そのかわりLEDライトを3つ点ける)、ウトウは低空で侵入してくるので周囲のイタドリ(植物)より高い位置に頭を出すと衝突する可能性があること云々。

右上画像はそのウミネコ営巣地通過中の図です。でも道の上に巣があるわけでもないのにどうして道に出てきているのかはよくわかりません。ちなみにウミネコとオオセグロカモメの見分け方は簡単で、「尻尾の部分が黒いか白いか」なのだそうです。もちろん黒いのがご覧のとおりのウミネコ。



さて赤岩園地へとやって来ました。このあたり、イタドリが高さ2mくらいまで伸びていますが、この下の地面はそれこそ巣穴だらけになっています。もちろん右上画像のような裸地にも巣穴がありますが、ここだと外敵に狙われやすい?でもつがいは毎年同じ穴を使うんだとか。よく覚えていられるよなぁ。

ウトウがヒナのもとに戻ってくるのは日が落ちて辺りが暗くなってからです。それというのもオオセグロカモメなどが、ウトウがヒナに与えるために口にくわえてきた魚を横取りしようとするため、あえて暗くなるのを待って戻ってくるというわけで、しかし「ということはウトウは夜目が利くのか?」という疑問も生じてきます。でも大まかな位置だけでなくちゃんと自分の巣穴まで戻れるのですからたぶん大丈夫なんでしょうね。

さ、まずは赤岩の展望台に行ってみましょう。



この付近は断崖になっていて、眼下には地名の由来となった赤岩が見えています(船が見えますが、確か生態調査関係の船だと聞いた記憶が)。



ご覧のとおりこの日の夕日は雲が多くてイマイチでした。というか、油断して上着を羽織ってこなかったので夕刻の海風はなかなか寒かったです。あたりがゆっくりと暗くなるにつれて、沖合のイカ釣り漁船の照明が目立つようになってきます(右上画像マウスオン)。今年はイカも不漁だということで、普段より北の海域で操業する船が多いんだとか。油代もかさむし大変です。







と思っていたら、どんどん帰って来始めました。あーあ、この時に動画も撮ったんですが全部消えちゃいましたねおバカカメラのせいで‥。

このあとは駐車場側に移動します。この展望台付近ではウトウを避ける場所がなく、下手をすれば飛んでくるウトウと正面衝突しかねませんので、イタドリのあるエリアまで戻るというわけです。なおガイド氏はまさにその経験があるらしく、「それこそドンというすごい衝撃をいただきました」ということでした。聞きませんでしたがその親鳥ウトウはたぶん‥

さて駐車場のあたりで空を見ていたら、「うわ、そこにいる!」との声が。





この時期(7月下旬)はすでにヒナの巣立ちが始まっています。ガイドさんの説明によると、親鳥はヒナに飛び方を教えたりすることもなく、ヒナは「自力で」この島から海に巣立っていくのだそうな。しかし、この場所は前に書いたように断崖絶壁です。ヒナはまだ飛べないので自力で海岸まで歩いて下りることになります。なかなか壮絶な行軍でしょうし、もちろんその間にカラスやオオセグロカモメなどの餌食になる個体も多いことでしょう。実はこの駐車場周辺にもヒナの死骸が何羽も見られました。

ちなみにこの個体についてガイドさんは「大きいですね、親鳥からたっぷりエサをもらえていたのでしょう」とおっしゃっていました。



そうこうしているうちにもどんどん巣立ちのヒナが現れてきます。



いっぽうで空からはどんどん親鳥が帰ってきてイタドリの叢(草むら=イタドリは背が高い多年生植物ですが樹木ではなく毎年枯れてしまいます)に飛び込んできます。「バサバサバサっ!」という、イタドリの葉や茎に当たる音はしますがもう肉眼では見えません。こりゃ確かにぶつかったら痛いというか怖いわ。







イタドリの叢の中にはいったいどれだけの巣穴、そしてヒナがいるのでしょう?ここ天売島で繁殖のためにやってくるウトウは60-100万羽といわれています。シーズン的には終盤でしたが、それでもあれだけの親鳥帰還&旅立つヒナを見られたので十分に満足。帰りは再び眠りにつこうとするウミネコたちの営巣地を通り抜け、われわれも宿に帰還しました。

というわけで最後におしんこどん撮影の動画(Takema撮影の動画は消失)を見ていただきましょう。



なおこの夜はTakemaのお酒摂取量も多少は少なかったに違いありません(たぶん)。だって翌朝は6:00に「次のツアー」がスタートするのですから!



約1名、ソロの若者が寝坊したようでしたが無事出発。いいなぁ、最近はそんなに眠れず朝方自動的に目が覚めてしまうことが多いのですよ(ジジイ化モードまっしぐら)。

そんなわけでフェリー埠頭横の漁港でお宿の所有する船「栄丸」に乗船します。今度は海側から海鳥の生態を見ようというわけです。







この日は前日に比べてややうねりが高いということで「島の北側を進み、状況によってはそこで折り返します」とのことでした。かの若者はお値段お高め系の一眼カメラ&レンズを持参していましたが、船は揺れそうだし大丈夫かなぁ(しぶきとか)。



いざ出港すると、案外に波は高くなく「うん、これなら何とか」という感じですが、南風が入っているなか島の北側に回ったのだから当然ですね。しばらく進むと徐々に海岸沿いは高さ100mを優に越える断崖となります。



こちら側はオオセグロカモメの営巣地なのかな。ウミネコより大きい気がします。

で、海に浮いているのは‥あれはもしかして‥











左上画像はウミウでしょうが何だか色が薄いですね。若鳥なのかな?岩の上にはオオセグロの営巣地が(右上画像マウスオン)。。



断崖の上には海鳥観察舎が見えました(このあといくつもり)。で、残念ながらうねりが出ている関係で島一周とはならず往路を戻ります。今回は島のやや沖合を進んだことにより海鳥をあまり近くで見ることは出来ませんでしたが(どの画像も目一杯ズームしトリミングしています。もちろん全部手持ち撮影です)、できればウトウの巣立ったばかりの幼鳥も見たかったなぁ(幼鳥はしばらく島の沖合で生活するといいますんで)。なお、今回のような探鳥クルーズは国内では初めてでしたが、やっぱり以前行ったカムチャッカの観光日帰りクルーズって凄かったんだなと改めて実感。海鳥の数からしてとてつもなく多かったし(その時のページはこちら)。



左上画像は漁船でしょう、何を獲っているんだろう?タコかな?(タコは通年獲れるらしい)。このあと港に戻り再び宿に戻って朝ごはんとなりました。



朝ごはんは案外普通でした。いや朝だけに変にこだわりを見せつけられるとリンダも困っちゃうのでこれでいいんですノーマルで(誰がリンダだ誰が?)。

さて朝の展開が早い時間からだったので、乗船予定の船(10:25発)までにはまだたっぷり余裕があります。そんなわけで、昨日はレンタサイクルでしたが今日は一段進化してレンタルバイクといきましょうか!

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