- その15 恵山温泉宿泊、翌日は野湯タンノー後噴火湾沿いを北上 -



ああー、やっぱりここの湯は強烈ですがやさしいんですわ。

(2018年7-8月 その15)

函館市内をエスケープする無料高速は市内東側がまだ開通しておらず函館空港側に抜けるのに一苦労(という名の渋滞)しつつも、まぁ何とかクリア(早く空港付近まで開通させてくださいよ、平日午後なのにあの渋滞はひどい)。



そんなわけで一気に走り抜けて道の駅なとわ・えさんまでやってきました。波も穏やかだし泳げそうですが、この界隈は急に深くなっており海流も強いことから海遊び禁止だそうです。というわけで今回は海に近寄らず、関係ないですが昆布ソフトで「我慢」!

「我慢」というのは、実はこの道の駅では、2011に「根ボッケあぶり寿司」なる地物寿司をいただいているんですね。いや半ばごね得でしたが(笑)。その時のページはこちらです。ありゃー美味しかったなぁ、

しかしここまで来ればお宿までは一投足、しかももう夕方近くて夕ごはん近いしそもそもレストランは営業終了してるし。もしシェフの藤川さんがまだおられたらあの時のお礼を申し上げたい気持ちもあったんですが、さすがに時間が時間ゆえあきらめてました。



建物屋上の鉄骨は魚の干し場?ちなみに「な と わ」とは「あなた と わたし」という意味です。



そんなわけでこの日のお泊まり地である恵山温泉旅館にやって来ました。駐車場では奥さんがいうことを聞かない飼い犬(確かまだ2歳ながらすでに大型)を「ほら、ほら行くよ、行かないの?なんで?」と教育格闘中。あ、でも滞在中にこのワンちゃんの吼え声を一度も聞かなかったなぁ。おとなしいんでしょう。



夕食は部屋で、朝食は食堂でということです。で、部屋に通されてみると‥



個人的に部屋食というのはそんなに好きではないのですが、次の間にはすでにお布団セッティングも為されていて、これはいいぞ大丈夫!という感じでありました。ええ、この時はね(謎笑)。

先客さんがお風呂を上がったところで「よし行くか!」と心を新たにします(新たにする理由などありませんが)。



開き戸は左右対称に開くよう設置されています。細やかな&大切な心遣いです。

脱衣場は案外素っ気ない感じですが(右上画像マウスオン)、この先の湯を考えると必要最小限の設備にとどめておくのが大吉です。なぜなら‥





酸性明ばん・緑ばん泉は 、もちろん玉川温泉には及ばないもののかなりの強酸性泉で、お宿のサイト(こちら)にもあるように、10円玉の汚れもすぐに取れてしまうほどです。でもですね、





でも、あんまり長湯するといろいろナニなんでしょう。この日は朝湯を含めればもう3湯浸かってきましたから皮膚表面の脂はすっかり取れてるでしょうしね。シャワーはありませんがカランはあるので頭を洗ってさっぱーり。で、夕ごはんです。









前夜に続いての満艦飾、いやこれはモッタの量をも凌駕しています!

こ、この夕食の量はわれわれには苦しかったですわ。食事中におしんこどんと「これは‥無理かも知れないね」と意見一決したくらいです。美味しいんだけれど、こちらのお宿に限らずできれば「夕食のおかず少なめ」の食事付き宿泊プランを追加してほしいなぁ。いや料金は同じで構いませんし品数も同じでOK、ただ「それぞれの品の量を減らす」(たとえば「お造り」「イカめし」「煮物」「焼き物」は量や大きさを減らせるんではないかと思います。2人宿泊なら焼き物はいっそのこと一尾を半分にしたっていいくらい。

こちらのお宿の予約時には申し上げなかったと記憶していますが、自分が旅館に食事付き予約をするとき「おかずの量を減らして下さい」とお願いすることもあります(もちろん「料金そのままで」とも申し上げています)。でもなかなかそれも難しいようなんです。今回の旅行で、「夕食は併設の食堂で」というのがすでに何回かあったのも(羽幌・新しのつ・温泉旅館北都)、「自分にとって適正な量を食べたい」からなんです。そしてせっかく提供いただいたお料理を残したくないし。

そんなわけで夕食「終了」。正直なところ自分よりもおしんこどんの方が限界喫食量は多いと思いますが、大食によるボディダメージはおしんこどんの方が強く受けるようで、こんな時の彼女はいつも「ダメ、もう眠くてたまらない」となってしまいます(自分は何とか耐えます)。というわけで食後しばらくネットで翌日の調べものをして、お風呂に行ってシャキっとし、だらだら芋焼酎を飲んだ上で就寝です。



明けて翌朝。朝ごはんは最初イカ刺しがない状態で提供されたので「ん?これなら適量?」かと思いましたがしっかりあとから「ハイ、お待たせしましたイカ刺しです♪」と出てきましたね。それでもこれくらいの量なら何とかなります。普段の朝食は「一汁一菜」どころか「一菜」だけのことも多いTakemaなんですが(苦笑)。イカはこの年不漁続きということですが、今後はどうなるんだろうなぁ。



もちろん最後の最後に強酸性の湯で身体を清め仕上げたのは言うまでもないことです。

さて、このあとは恵山の登山口方面へと登っていきます。今回宿泊した恵山温泉旅館までは以前にも来たことがあったのですが、その時には山頂方面に道路が続いていることを知らなかったので、今回初めての訪問です。



「海峡展望台」という駐車スペースがあったので停車。ここまでは左上画像のようにつづら折りの急傾斜路です。標高をそれだけ上げたわけですが、ご覧のとおりこの日のお天気は曇りで本州は見えません。まぁ雨が降ることはなかったのでいいかなと。ちなみに左上画像マウスオンで山頂付近のズーム画像に変わります。

で、このあとは恵山の北側へと続く道路、終点の恵山登山口休憩所とトイレにある駐車場に到着です。ん?むむむ?



ええっと、どうやらこの界隈に「野湯」があるという話がありましてね云々。というわけで探索開始です。すぐ近くを流れる川へと向かいます。







堰堤は10年前に竣工したようですが、すでにすっかり埋まっちゃってます。この地質じゃしょうがないか。

この堰堤を脇から乗り越えて進んでいくと‥




(あ、すごいエリアに見えますが思いきりズームしてます。手前には遊歩道あり)

その界隈をうろうろしてみると‥







しかもよく見るとこの場所から自噴しています!湯温もご覧のとおりでよしよし、よーしそれでは!おっと人が来たようです(先ほどの家族連れ)。

遊歩道からさして遠くない場所で自分がうろうろしていたものですから「あそこに人がいる、何かあるのか?」とお考えになったのはもちろん自然の流れでしょう。あー、でもこの人たちがいなければ!‥ん?湯に手を浸けたくらいでお帰りになっていきました!(おおっ!)、

で、実はこの時は自分1人での探索でおしんこどんは車で待機でした(眠かったんだっけ?)。ゆえにこのあと急いで呼び寄せて撮影部員になってもらい‥





こちらの方が多少ぬるいとしても寝湯もできてより快適でした。いやぁ、先人の作業に感謝。全然追加工事しないですみましたからね。



左上画像が源泉周辺の全体図。自分が浸かったのは右上画像の湯だまりでした。



このあとは来た道を戻り海沿い‥ん?そういえば宿界隈からも見えていたあの仏像はナニ?というわけで行ってみましたが基本的に廃墟系。もっとも刈り払いはされているようなので不思議でした。帰ってきて調べてみたら、どうやらバブル期に建造が始まるもあえなく頓挫したリゾート施設だったようなのです。

このページこのページが詳しいのですが、これらのページとて1998年くらいに更新されたままですし、恵山地区の方々はこの廃墟に翻弄されたのでしょう。それでも、誘致を決めた当時の町議会の方々は平然と叙勲とかを受けたんじゃないかと思ったりしますが(まったくもう)。

このあとは少し戻ることになりますがダムカード欲しさに道道41-83号線経由で矢別ダムへ。



ちょっと味のあるダムカード掲示がいい感じ。

でも、ピンポンを押しても全く反応はありません。うわー、せっかくここまで来たのにロストかなぁと思いつつダムサイト側を見てみると‥



おお、ちょうどこのタイミングでダムの保守作業中のようです。

お仕事中に声を掛けるのもどうかとは思いましたが、こちらとて次はいつ来られるのかわからない身の上ゆえ申し訳ないながら「すみませーん!」と声掛けをいたしました。

すると「はーい!」とお返事をいただき、何と作業を中断してお2人が戻ってきて下さり感謝感激。どうやら年配の方がここの通常管理にあたっている方で、右上画像に写っている若手の方はこの日の保守作業で函館方面からお越しになっている方のようでした。

千葉から来た旨を申し上げ、実は前日に狙っていたダムカードのロスト(時間的に厳しかったのでパスした新中野ダム)の話をすると、何とこの若手の方から驚きの発言が!




ま、前にも書いたとおりダムカードの配布実態は案外アバウトなのでありますが、実にラッキーなことでありました。技術者さん、改めてお礼申し上げます!

このあとは実はまだ未湯の川汲(かっくみ)温泉に入っておかなきゃというわけでこちらの湯(川汲温泉旅館)へ。



今や地方各地の温泉宿がどんどん(加速度的に)廃業しています。ここ川汲温泉も向かいの宿は廃業してしまったようですし、残るはこちらの旅館だけなのです。しかし山の中にポツンとある温泉地だけに「地元の方がお風呂セットを持って歩いてやってくる」場所でもなく、何だか先行きが不安なところでもあります。2年前(2016)の口コミでは泊まりは素泊まりのみとのこと。生き馬の目を抜く系のネット予約サイトでも宿泊プランが表示されないということは‥そういうことなのでしょうか。

ちなみにお風呂画像は先客さんがおられたので断念(長湯系の方でした)。内風呂の浴槽は2つ、42度と44度という感じだったでしょうか(体感)。無色透明湯で単純泉、さっぱりした浴感で、恵山温泉の〆湯としていい感じでした(自分の場合は野湯の〆湯ですが)。

湯から上がると、経営者とおぼしき方がどなたかと打ち合わせをしておられました。いい話(前向き系)だといいなぁ。



さて湯から上がり再び車を走らせて噴火湾沿いを走ります。でもね、この界隈のいろんな温泉は今回はパスし(既入浴地なので)、途中からは内陸を走るバイパス路を進みます。北海道の場合このバイパス路というのが曲者なのですが、ここにはくるくるパンダさんはいませんでしたね(苦笑)。



さてここでちょっとお勉強タイム。この界隈は何と縄文時代の遺跡が発掘されています。「縄文文化交流センター」なる施設(有料:300円)もあり、もしかして「縄文人も温泉に浸かったのか?」という気にもなりますが(この界隈には自噴温泉もありますし)、それはともかくとして現地から発掘された品々を展示してあるのがこの施設です。しかーし!




(なお上記画像および文章は函館市公式サイトのこのページから引用しています)

レプリカしかなくてちょっとがっかりしましたが、まぁこれはしょうがないかなと。この地で出土したものがそれだけ価値あるものとして認識されているわけですから。

さてこのあとは現実に戻って温泉‥いやすでにお昼をとうに回っていたのでご飯場所を探していたのですが、バイパスにあった個人営業のレストランをパスしたのが大失敗で、しかも森町の市内に入らずそのまま大沼国道のR5に抜けたのが運の尽き(国道沿いなら食堂はあるだろうと思ったのですよ)、見事に何もないまま濁川温泉の分岐までやってきちゃったわけです。

しょうがない、濁川温泉で併設食堂がある「ふれあいの里」まで行ってみることにしました。しかし‥



ということになり開き直ったTakemaは「もういいやとりあえず温泉に入ろ!」というわけで濁川温泉のある湯へと向かいます。

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