- その18 新登別から襟裳方面へ。昆布干しのほかちょっと変わった「見学」も -



これはなかなかに秀逸!でも当地にお住まいの方々の平均年齢を考えると一概に笑えません@花の湯温泉。

(2018年7-8月 その18)

そんなわけで今宵の宿は新登別温泉です。本家の登別温泉はインバウンドの聖地となっているようで?お値段もかなりお高くなっているみたいなのでここはカルルスか新登別かの2択と考えたわけですが、やっぱり硫黄泉の魔力捨てがたく新登別かなと。



ただ、かつて泊まった新登別温泉荘はすでに完全休業モードとなっていました。もともと関西在住のご夫婦が春から秋の間だけやってきて宿を開いていたわけですが、年齢を重ねるにつれてそれもままならないということになったようです。また1つの宿が閉じちゃったなぁ。



ただ、その隣にある「旅館 四季」さんはお隣とご親族らしいのですが、こちらは女将もお元気そうだし息子さんもお若く、施設もご覧のとおり古びてはいませんから今後も営業を続けてくれそうで心強いです。あとはお客さんの数次第かと思いますが、「新登別」のネームバリューがいまいちなのと、このエリア唯一の宿になってしまっていることが気にかかります。頑張ってほしい!

ではでは、まずは潮風に吹かれた身体を流しにお風呂に行きましょう!



温泉旅館ですから当然のごとく男女別です。新登別温泉荘は露天が混浴だった気もしますがこちらは完全男女別なので一般受けはよさそうです。で、いざ内風呂浴室に入ると‥かなーりむわっと暑いサウナモード。吸入が身体に効くラジウム泉というわけでもないので、しばらく露天湯に通じる扉を開けて浴室内温度を下げました。ちなみに自分はそもそもサウナが苦手なんです。

で、いざ内風呂に入浴しましたがこれがかなり熱い!45度を優に超えていたと思います。ま、それでも入浴許容範囲温度なので浸かりましたけれどね(右上画像マウスオン)。

ただ、蒸し蒸しする室内で高温湯にいつまでも浸かってはいられないので、そこそこのタイミングで露天湯へ。



とりあえずは普通に浸かりました。さすがに屋外ということもあり適温。



でもそこには何と!セルフ温泉泥マッドスパのしつらえが!というわけで、




(たぶん女湯でおしんこどんもやっていたかと)。



ところで画像はないのですが、こちらのお宿には長期滞在の方への利便性を図り洗濯機が用意されています(有料)。さすがに旅も長くなってきたので(まだ先も長いんですが)、ここで一気に洗濯をさせてもらうことに。夜のうちに外に干し、明朝は多少ゆっくり出発することにすれば乾くかなという算段です。洗濯ハンガーを貸していただき満艦飾の装いとなりました。頼むぞ夜露よ今夜はご勘弁!

あ、このけんたくん、今でこそのんびり寝ていますがここに至るまでにはいろいろな「犬生」があったのだとか。後ろ足は不自由で、その犬生ゆえ初めての人になつきにくいところもあるそうです。

自分はお犬さまがやや苦手ということを向こうも察知しているのか、カンボジアやパプアニューギニアでは理不尽ながらしっかり噛まれていますからむやみに手を出したりはしません(それでも「あ、この子は大丈夫そう」と思えばなでたりはしますよ)。ただ、そもそも小学生の時に逃げ場がないところで噛まれまくったのがトラウマになっているのは事実です。



さて夕食はご覧のとおり腹パンとはならない適量でヨロシイ感じ。あ、一番安い料金での予約ですので念のため。出来合いのものは使わず全て手造りということで、美味しくいただきました。



ところでこちらの宿の部屋には全て関西(大阪)の地名が付けられています。部屋食だったので、「いやぁ、今晩は道頓堀でメシを食べたよ♪」というような意味不明な発言を事情を知らない第三者に発したいところですが、ここ新登別温泉の宿はここ1軒だけなので、事情を知らない人は誰もおらず残念な限り(何のこっちゃ)。

というわけで明けて翌朝です。朝食前に表に出てみると、夜露攻撃はほとんどなかったようでよしよし。洗濯物の乾き具合はまだまだイマイチの感じでしたが、まだ太陽があたっていなかったので今後に期待しつつお風呂へ。



ハイ、内風呂は相変わらず熱かったですがどちらもしっかりタンノーしました。

そして朝食もいただき「洗濯物が乾き次第出発」という感じでしたが、ここで表通りに出ていたTakemaに、宿では見かけなかったジョギング姿の東洋系の男性がいきなり声を掛けてきました。



このすぐ下で熊が道路を渡っていたですって?事情を聞いてみると、中国からのこの男性は登別温泉に泊まっていて、朝のジョギングでこちらの方に上がってきたのだとか(結構な坂なのに元気あるなー)。すると前方に「熊らしきもの」が横断(1頭だけだったらしい)するのを見てにっちもさっちもいかなくなり、たまたま通りかかった車をとにかく止めて「近くの家まで乗せて」と頼み(英語で)、それがたぶんカルルス方面に向かう地元の車だったようで、登別に戻るのではなくここ新登別にやってきて宿の前で下ろされ、そのタイミングで宿からのこのこ出てきたのがわたくしTakemaだったということのようです(笑)。

まぁ、まずは宿のご主人にご報告。若旦那も英語はあまり得意ではないらしく、行きがかり上自分が仲介役となり、結局は「警察を呼ぶ」ことに(出没情報とかの現場確認もあるのでしょうね)。しかし警察がなかなか来ない‥。登別から上がってくるのかと思ったら、この時間だとまだ早いから室蘭から来るのかもとのこと。そりゃ遠すぎるっしょ!

まぁようやくやってきたのでわれわれのお役目は終了しましたが、英語もそれほど堪能ではなかった方ゆえ、警察の方もそこそこ意思疎通には苦労したんじゃないかな?ちなみに若旦那曰く「このあたりに熊が出るという話はほとんどない」ということでした。でもエゾシカと見間違えるということもないよなぁ?

さてそんなこんなのうちにほぼ洗濯物が乾きました!北の大地の太陽パワーは朝から炸裂というわけです。この日は襟裳岬方面へと向かうのですが、ええっとその前にね。



ハイ寄り道して幌別ダムのダムカードをしっかり手に入れます。こちらも記念カードと合わせて2枚いただきまして感謝。

このあとは一路襟裳岬へと進むのですが、苫小牧から先には一気に温泉が少なくなりますから(というか心惹かれる温泉はほぼ皆無)、それじゃ白老界隈で新規湯の1つも開拓しておきましょうかねというわけで‥





「一応日帰り」と書いたのには理由がありまして、ここの温泉は何と24時間営業なのであります(よく見ると「花の湯温泉」と書かれた看板の前にちゃんと「24時間」と書かれています)。どういうことなのかはまたあとで書くことにしましょう。

駐車場の車の数(軽自動車1台)からしてガラガラなのはわかりましたが、車種が軽トラだけにおっちゃんが入っていそうな気もします。こちらには家族風呂もあるということなので「ほんじゃ、家族風呂に」ということにしましたが、番台のおばちゃんに入浴状況をなぜ聞かなかったのかとちょっと後悔。もしかしてこの人の軽トラだったかも知れないのにね。



エントランス付近はこんな感じで、マニアックな展示物(非売品)もあったりします。

鄙び系の施設ですが清掃はしっかりなされていて好感が持てます。そうわたしゃこんな感じの湯が好きなんですよ。というわけでいざ家族風呂へ。ちなみに家族風呂料金は1230円ですが、そもそも男女別浴場の料金が530円なので2人で1060円ゆえにさしてゼータクというわけでもありません。



もちろん昔ながらの施設ですから設備の立派な家族湯を期待してはいけません。でも脱衣場にもこの長椅子はなかなかお洒落?(実際には後傾の椅子は高齢者にはややつらいと思いますが細かなことは言いっこなし)。

じわじわとオーバーフローしている浴槽は浴槽内段差の関係もあり大人2人が適正サイズかと。ハイわれわれは2人ですので問題なし(右上画像マウスオンで意味なし湯足画像に変わります)。浴感はここ虎杖浜界隈の湯に共通する「ややツル感のあるさっぱり湯」。というかあまり特徴がないのですよね(苦笑)。普段使いの湯に最適かと存じます。

湯上がりには2Fの休憩所に上がってみることに。すると‥









なお、ここ花の湯の休憩システムはちょっとユニークで、入浴料530円を支払えば朝6:00からこの休憩室の利用が可能です(ここまではある意味よくある話です。1回入浴と休憩込みを分けているお宿でなければ)。で、その休憩権利は21:00まで有効、というかそこからあとは「ご休憩じゃなくてお泊まりねフフン♪」。

というわけでさらに追加料金530円がかかります。でもそうなると布団や毛布とかも貸し出してもらえるようで、要は「お泊まり料金」として530円、これってべらぼうに格安じゃないですか!(温泉床暖房もあるらしい)。たとえば19:00とかに入館してもトータル1060円で泊まれるというわけですから!(なお宿泊リミットは6:00までで、それを過ぎるとさらに翌日の休憩料金530円が追加されてしまうのでご注意下さい)。

ただし周辺には飲食店もコンビニもありません。そして「カップラーメン等の持ち込みは不可」の付帯条件もあります。滞在の場合「1時間までに戻ってくれば追加料金なし」ということですが、自前のアシを持っていれば外食も可能でしょうがそうでなければ不可能な話です。となると右上画像にある「館内軽食コーナー」が気になるわけです。

でもネットで見る限りこの軽食コーナーで注文した料理画像とかが全くヒットしないんですよね。厨房内の整頓具合をみるに営業していることはあるのだと思いますが、実際のところはどうなのでしょう?この軽食コーナーで、たとえばメニューにある「力餅入り鍋焼きうどん」は食べられるのか?ご存じの方は是非お教えいただきたいところです。



花の湯の裏側には何やらアクティビティ施設がありましたがまだ準備中でしたので残念。



ずっと前から名前だけは知っているのにまだ入ったことのない民宿(左上画像)や、残念ながら2018/8で休業してしまった食堂付属の温泉(右上画像をクリックすると訪問時のページが開きます)など、いろいろ興味深い温泉が多くあるエリアですが‥



「北海のパンダ」はこのR36付近に多数生息していることをお忘れなくというわけです。ここは前にも捕まってるのを見たよなぁ、ご愁傷様です。嗚呼(近未来的謎)。

さてここからは白老のICから高速道に乗り、そのまま日高道(無料高速)をひたすら進むことにしました。一般道で苫小牧市内を突っ切る意味もないですし。



そんなわけで一気に日高厚真ICへ。このあたりはこの約ひと月後の2018/9/6に起きた北海道胆振東部大地震で大きな被害が出た地域でもありますが、この時はもちろんそんなことになるとは思いもしませんでした。

と、写真はないのですが、対向車線脇に、前面が凹んでライト部分が壊れたアルファード?がやや斜めに止まっているのが見えましたんで徐行。ん、その先にはわれわれの車線脇にも2台の駐車車両(と人の姿)が見えます。「ははぁ接触事故か、脇見運転か何かかな」と思いつつふと路肩を見ると‥



進行直前でのシカの飛び出しは避(よ)けようがなく、「運が悪かった」というしかありません。せいぜい「前の方で1頭飛び出してきたら、2頭3頭と続く場合があるので要注意」するくらいしか対策がないでしょう。現に北海道ではほぼ毎年?「バイクとシカの衝突事故」でライダーが命を落としているのですから‥。

さて出発がいつもより遅めだったこともあり、新冠のあたりでもうお昼前になっちゃいました。というわけで何か食べようか、ラーメンは避けたいなー、でも海鮮でもないなー、洋食系とかないかなーと思っていたらありました(別にネットで検索したわけではなくたまたま見つけた)。



何軒か飲食店が並ぶ中の端っこに「BENCH TIME」。ん?そのさらに奥に見えているのは?





馬の画はあとから貼り付けたもののように見えますが、それにしても大きなオブジェというか‥馬好きの人にはたまらないだろうなー(自分はそうでもないんですが)。

さ、それではごはんにいたしましょう。ちなみにこのお店、Tマップルにも載っていたことをあとで知ってびっくり。そこそこ有名店だったのね(もっともわれわれがいる間にライダーさんの姿はありませんでしたが)。



店内は「個人経営の洋食屋さん」然としていて(ほめ言葉です)、レジ横では自家製?パンの直売もしていました(おしんこどんが購入)。ええっと、まずは「牧場ミルク」ね。500mLで300円という激安です。さて、セットのサラダも出てきまして、



はい、左上画像はお値段的にこちらのお店のフラッグシップメニューたる「ハンバーググラタンセット 1400円」、右上画像はおしんこどんが注文したサラダピザ(だったかな)。

地元の新鮮牛乳を使ったマカロニグラタンとこちらのお店イチ推しメニューのハンバーグのコラボ!念のためグルメサイト界隈をのぞいてみましたが、比較的新しいメニューのようですね。うん、美味しかった!

ちなみにピザのほうはイマイチだった様子。焼いたピザ生地の上に野菜や生ハムが載せられているんですが、カリカリのはずの生地に上の野菜から水分が浸みてきて‥あと、ずっと同じ味なので飽きたということでした。ま、ま、そんな時は牛乳でも飲んでね(笑)。

で、実はこれまであまり意識していなかったんですがおしんこどんは「ハスカップ大好き」なんだそうで(覚えておきます)、この地域はハスカップの一大生産地(最大の生産量を誇るのは厚真町)というわけで、ハイよろしいですよデザートにハスカップアイス!(右上画像マウスオン)。というわけで出発しましょう。



ええっと、「新冠泥火山」は、ごく一部の方々が期待してしまうような場所ではありません(笑)。



サラブレッド街道とも呼ばれるこの界隈ゆえ、いろんなところに馬がいたりして目が離せません(笑)。



おわ、静内駐屯地の対空射場、射撃中ですか!(右上画像マウスオン)。まぁ、ピリピリしてますから‥。

途中の総合治水事務所で高見ダムのダムカードを入手し、さらに襟裳岬に向けて車を進めます(しかし、「ダムに行かずしてダムカード入手」というのも複雑ではあります。人員配置の関係で仕方ないことなのではありますが)。

さてさらに進んでいったところで、ふと道路脇の掲示に目がいきました。そのまま通過しちゃったんですが‥ええっと、気になるぞぉ!というわけで折り返しました。その気になった掲示とは‥




(しかも建物の外観、何だかお洒落)。

というわけで物は試しと行ってみることに。道を曲がると、国道を走っていただけでは目にすることのなかった作業風景を見ることができましたのでまずはそちらから。







この時間は干し終えた昆布を改修&搬送する時間にあたっていたようです。



集めた干し昆布を括り、そして軽トラに「せーのー、せっ!」という感じで積み込みます(右上画像マウスオン)。





ええっと、車体から思いっきりはみ出してますし、こういう場合に最後部に掲示すべき赤布‥あ、よく見るとせり出し荷台の下部に付けられてはいるようですがこれでは実際上意味なし芳一ですね(微笑)。しかしこれはこれ、地域のデフォルトなのですから細かなことは言いっこなしでいきましょう。

ただ気になるのは長く伸びた昆布の先が「着地」していることです。先っぽの部分はこのあとアスファルト路面を「擦って」いくんだよなぁ、路面にダシ味を浸ませようという算段なのでしょうか(違)。この日泊まった宿の方によると「先端部分を捨てることはしないはずなので、たぶん昆布ダシ加工品に回すんじゃないかなぁ」ということでした。



さて話を戻して三石浄化センターです。名前の通り地域下水の浄化センターだったわけですが、館内に入ると先客さんとおぼしきお子さんの声が遠くから聞こえました。確かにワンボックスカーが1台止まってたし。公開は今日だけだというし混んでいるのかなと思いましたが‥



うっひゃーラッキーというか不人気というか!さっきのお子さん連れが「本日最初」だったというわけですね。もう午後もそこそこのお時間になりつつあるというのに‥(複雑)。ちなみに一般公開は年に1日だけで、公開を始めた最初の頃は地元の人も見学に来ていたが今はほとんど来ないから‥ということでした。確かにねー、何度来ても新たな発見が!というふうに楽しめるわけじゃないからねー。

というわけでこのあとは専属のガイド係員さん&広報撮影班お1人(というかもしかしたらガイドさんの上司?)に付いていただき、丁寧にご案内いただきました。うわーいVIP待遇♪。もちろんTakemaはわが妻おしんこどんがかつて下水処理場のIT業務担当者として通称「下水の○○ちゃん」と呼ばれていたらしいコトはおくびにも出しませんでした(笑)。



汚水に含まれるバクテリアを顕微鏡拡大画像で見たあとは、まさに未処理水(だっけ)を目視確認。



ええっと、いろんな遠心分離とかフィルターを通すとこんなふうな水になるわけです。まだ濁ってます。



説明して下さる係員さんの奥で手を広げているのはTakemaではなく広報担当?の方です念のため。



上澄み部分はこれだけ綺麗になりました。でもまだ分離は出来ていません。そこで‥



「固めるテンプル」の要領で汚泥部分を固めてしまうというわけです。



最後は固化圧縮して水分を切った汚泥を運び出して終了というわけでした。旅行中の訪問ポイントとしての必然性はないものの、「1年に1回」だという一般公開日に偶然見学させていただきありがたかったぁ!

そもそも地元住民への見学サービスなのだとは思いますが、見学後に記入したアンケートには「どこからやってきたか」の記入欄もありました。もし道外からの(われわれのような)見学者を増やすのであれば、自分であれば‥看板を増やし(出来れば苫小牧側から分岐まで2-3箇所)、看板は縦書きではなく横書きにして(運転中のドライバーは横書きの方が判読しやすい)、そして情報量(キャッチコピー)を増やすかなぁ‥たとえばこんなふうに。



分岐点にいきなり一般公開を知らせる看板だけがあっても、そこに何があるのかを知らない非地元民は心(とハンドルやブレーキ)の準備が間に合わずそのまま通過してしまいます。直前に「ふーん、何だろう?行ってみようかな」と考えさせる時間的余裕は絶対的に必要です。もしよろしければ来年はご考慮いただければなぁ。‥以上、勝手な言い分でした。



直近の牧場ではロールをどんどん積み込んでいました。北の大地の夏の風景です。

さて再び国道に戻って襟裳岬方面へと進んでいきます。が?



こ、これらはさっきのコンブ軽トラよりもさらに路面を擦りまくっていますなー。



さて浦河まで来てしまえばあともう少し。またもダムまで行かずに2枚*2のダムカードを手にした上で、いざ今宵の宿へと向かいます!

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