- その20 襟裳の海に出て、陸でパンダに捕獲され、最後は温泉でまったり -



いざ襟裳岬の海へ!ええっと、これは乗り終えたあとの画ですが。

(2018年7-8月 その20)

今回の北行きには「海に出るイベント」が多くなっておりまして、天売・焼尻のフェリー往復はもちろんのこととして、天売島での漁船クルーズとかもありましたし、数日前には室蘭イルカウォッチングなんてのもありました。そしてこの日は最後の&一番キンチョーする海イベントなのであります。それは‥



というものであります!残念ながら前日まで続いた上天気もこの日はちょっと崩れましたが、それでも雨は朝方わずかにポツポツきたくらいで基本は曇り。海は岬の東側はそこそこ波が高いですが襟裳岬の沖合に続く岩礁帯が自然の防波堤となり西側の海域は上画像の通り穏やかであります。というわけで予定通りツアー催行決定、えりも岬集落にあるクリフカヤックスさんへと向かいます。



こちらは受付のある「クリフハウス 柳田旅館」さん。道路沿いにシーカヤックが立てられているのでそれとわかります。予約の旨を申し上げるとまずは正式な参加申請書を記入。保険とかも含まれますのできちんと確認しながらの受け付けです。どうやらこの日の午前ツアーはわれわれ2人だけみたいで、ご主人(ガイド)と3人での行動となるようです。



続いては実際に乗り込んでみて感覚を知る感じです。なぜかお隣には馬魂碑が。



そしてそれぞれウェットスーツに着替えて出発準備完了!カヤックの乗船場所まで車で移動です。

ちなみに私物の持参についてですが、別に何を持っていっても構いません。とにかく大切なのは「海に落とさないようどうやってガードしておくか」ということに尽きると思います。

荷物ですが、入れるものといえばカメラのほかはせいぜいミニタオルとか飲み物くらいでしょうから小さめのバッグがいいです。ウェストバッグは腰回りには装着できませんが(乗船前にライフジャケットを着用するし乗船時にカヤックとのカバーも装着するので)。ただしカヤックの座席前には荷物を固定できるゴムがありますので、ウェストバッグをそこにカチッと固定しておくと便利です。

ただ、海上では「手元不如意」になりがちです。ただでさえ「片手はパドルに添えられている」ところに「濡れた手」「揺れる海上」という大きなおまけが加わります。カメラなどには首から提げるストラップ(身分証とかを入れるアレ)を装着しておくと安心感が断然違いますのでお勧めです。自分は防水デジカメ+首提げストラップでした。

なおスマホで撮影したい方も多いと思いますが、最近のスマホケースってそもそもストラップ装着用のホールが開いていないものが多いように感じます。その場合は「自己責任にて」というしかありません。かくいう自分のスマホもそうなので、海上に持参はしましたがやっぱりおっかながってほんの時々しか取り出しませんでした(まぁデジカメがあったからでしたが)。また「揺れる」カヤックからの「ズーム必須」の撮影になりますから、こういうシチュエーションではやっぱり「片手で操作できる防水コンデジ」に分があるように思います。



いざ、乗船場へ。右上のカヤックはご主人(ガイド)のものですが。



何とわれわれのカヤックは「2人乗り」でありました。おまけに何と!足で操作する楫まで付いていて、これが実に便利でした。パドルは普通に両側の水をかきながらでも楫で曲がれるんだもん(楫の写真がないのが残念)。あ、持参する荷物の固定方法については上画像が参考になるでしょうか。



さていよいよ漕ぎ出します!もちろんご主人のカヤックについていくのですが、「離れないで、もっと漕いで!」等の熱血系ではなく、「はいとりあえずついてきてね、あ、写真とか撮って遅れるのは構わないよ」的なユルめガイディングで助かります(笑)。



さらに漕いでいくと‥お、まるで「露天風呂絶賛入浴中」のようにも見えるゼニガタアザラシ1号ハケーン!

そうそう、ここ襟裳岬周辺に限らず北海道近海で見られるアザラシは基本的にゼニガタアザラシなのだそうで、基本的に同じ場所に定住して生活しているのだそうです。アザラシといえば「ゴマフアザラシ」というのも有名ですが、あちらは回遊型でいつも同じ場所に入るわけではありません(だから逆に「迷い込んでくるアザラシ=ゴマフアザラシが多い」というわけです)。ご主人いわく「ここではゴマフアザラシはここ何年か姿を見ないなぁ」ということでしたし。

さて、少しずつアザラシのコロニーの中心部に近づいてきたようですよ。



どうやらあそこの岩場にアザラシがたくさんいるらしい?あ、いた!というわけでズームしてみると‥








(ちなみに2枚とも明度調整&トリミングした画像です。)

近づきすぎると警戒して海に入っちゃうので遠くから観察するしかないわけです。しかしなぁ、昨日までのようにお天気が良ければ海の色を含めてもっと綺麗に撮れただろうに‥。



別の岩場にもたくさんいましたねー。岬周辺での生息数は約600頭ほどだとか(環境省2013)。



Takemaもゴキゲンです。海鳥のコロニーを見た上で(あまりいなかった)そろそろ帰りましょう。

映りは悪いのですが(もう10年も前の防水デジカメ PENTAX OptioW60なので)一応動画もね。編集時、AVI方式の動画ファイルを久々に見たぞ(MP4に変換しましたが)。バッテリーもそろそろ寿命だし、次の機会に新調するかな?(どんな機会になるんだか)。





そんなわけで無事帰着。いやはや、お天気も何とか保ってくれたし、何よりもやっぱり「自分たちで海に漕ぎ出してアザラシを見られた」というのが一番嬉しいです。ネット上にはもっと綺麗な動画もさぞかしあることでしょうが(未確認)、やっぱり自分の目で(揺られながら)見るというのは大切ですよ。このことはそもそも「旅行」自体にいえることですが。



さてカヤックを下りたあとは再びオフィスへ戻ります。右上画像を見ればおわかりの通り結構な急坂を登っていきます。ご主人のこの車(ボルボ)に関するいろいろなお話も伺いましたがここでは書きません(笑)。

このあとシャワーを浴びて(旅館でもありますから設備は整ってます)、コーヒーをいただいた上で帯広方面へと出発です。ちょっと失敗したのがお昼ごはんでありまして、多少観光客価格であってもやっぱりこの岬界隈で食べておけばよかったなぁと。黄金道路区間にはお店などないですし、広尾まで北上すればあることはありますが夕ごはんとの間隔を考えるとね。



というわけで黄金道路方面へと車を走らせます。上画像はえりもエリアの東海岸ですが、普通は昭和31年植樹の記録をいまだに掲示したりはしないはず(左上画像マウスオンで拡大)、やはりこれは現在の営林管理部署が「先人の功績」を今に伝えようとしているのでしょう。たしかにもはや「襟裳砂漠」とやらはどこにもないのですから。



さて襟裳岬と広尾町を結ぶ通称黄金道路、その名の由来は「黄金を敷き詰めるがごとくの建設費用をかけて云々」だったと記憶していますが、やはり古い規格&設計の道路は維持管理費用も馬鹿にならないということか、あちこちで新たなトンネルルートができていました。

北海道の主要ルートにおけるこのような更新は間違いなく必要だろうと思います。北海道をバイクで走り始めた1990年代には「何よこの、全然車も通らないのにやたら立派な道路、北海道開発庁は無駄なお金使いすぎ!」と思ったりもしましたが、そうじゃないんですよね。

社会インフラの整備がなければやっていかれない場所は北海道に限らず全国どこにでもあるわけで、すでに鉄道や道路や情報通信網、さらには病院や福祉施設などを含めて「便利な地域」に住む自分が「道路」だけを見て「贅沢だ」などと言える話ではないのです。ここでは「道路が途絶したら全てが止まる」わけです。そのために外部と直接繋がる唯一の「道路インフラ」はとことん整備しておかなければならないというわけで。



途中フンベの滝に立ち寄りました。おしんこどんはさすがの足上げ(立っている場所の後ろは滝壷なのでかなりこわいはず、なお左上画像マウスオンで「おそるおそる」系の画像に変わります)。あ、。Takemaは安直にね(右上画像マウスオン)。

で、ここで前日静内の洋食屋さんでおしんこどんが購入していたパンを食べ(結局お昼ご飯難民)、あとは帯広方面へひたすら北上するだけです。



「ここが入口」という掲示を設置する必要があるほど目立たない?無料高速の忠類大樹インターです。

さて広尾道を北上し道東道の帯広音更ICで高速を下りました。この日のお宿は糠平温泉なのでこのままバイパスを‥ん、ぐぬぬ、ぐわーっ!





ちなみに覆面Pが脇から出てきた瞬間をミラーで確認していた自分なので、すぐさまウィンカーを出しました(速攻観念)。サイレンを鳴らされる前にね(苦笑)。でもなかなか停止しなかったのは「もしかしてターゲットは自分じゃないかも」というわずかな希望‥嗚呼、やっぱわたくしなのね(無念)。

片側二車線の帯広市郊外のバイパス‥「狩り」をするには一番の場所なのに、無料高速を下りてからのご覧のとおりのバイパスなのでついついスピードを出してましたね。ええっと、18kmオーバーでした。皆さまお気を付けくださいませ。あ、





あーあ、たぶん次回更新時にはゴールドのはずだったんですが‥ま、たぶん自分がバイクや車を降りるまでゴールドはないなとしみじみ思います。というか青でいいよこれからずっと!(開き直る)。

案外落ち込むこともなく、でも立て続けに捕まったりしたらとんでもないのでじんわりと(謎)先へと進みます。



はい、左上画像の近くでとっ捕まったといえば帯広界隈に詳しい方々は「あぁー、あそこね」とおわかりなのではないでしょうか?どうやら定番のスピード取り締まりエリアだったようです。

で、ここから未舗装路を進みます。向こうからオンロードバイクが走ってきますが、ここ(だけ)は観光道路なので当然ですね。このあと少し登り坂を進んだ先には‥




(右上画像マウスオンでこれまたちいちゃな展望デッキ画像に変わります)。

でもですね、周辺に比べての標高がさして高いわけでもなくて展望はイマイチという感じ。いつぞや別海町の某展望台を訪問した時も同じような思いを抱いたような。その真逆の意味でびっくりしたのが下川町の奥サンル牧場監視塔でしたが(こちら)、数年前に解体予定という話を聞きました。さすがにもうないのかな?





さてここからは今宵の宿泊地糠平温泉へと向かいます。ええっと、さっきのこともあるのでじんわり速度でね(苦笑)。もっとも、挙動不審な車がいないかきょろきょろしていたというわけでもありませんが、





ちなみに調べてみたら「第四音更川橋梁」のアーチ橋ということでした。三国峠がダート路のころからもう何十回も通っている道なのに初めて気づきましてびっくり。



さて今宵のお宿中村屋旅館さんに到着です。糠平温泉郷を活性化させようと積極的に活動しているお宿で、日曜日(平日前日)だというのにすごいお客さんの数でした。もしかして一人勝ちなのかも?(別に嫌みな意味ではありません)。



全面的にピカピカリニューアルというのではなく、「古さをあえて前面に出しつつお洒落に」という感じで(室内のしつらえはたぶん昔のまま@右上画像マウスオン)、このやり方は大いにありなのですが、「若い感性」がないと場合にとってはとんでもないことになりそうです(笑)。外国人の方々もたくさんおられました。宣伝もうまくいっているようですね。糠平にはスキー場もあり、標高も高くて雪質が良いという話ですからうまくやれば第二のニセコに?ニセコも新千歳からはそう近いわけでもないですし、こちらの場合帯広空港から直通バスを航空機の発着に合わせてきっちり出せば‥あ、でも糠平には今のところナイトライフ施設が全然ないか。

ニセコはある意味「外国人が主導」して今の活況に至りましたが(もちろんその「陰」の部分も多いようですが)、糠平は是非とも「地元主導+α」でうまく仕切っていってもらいたいものです。もちろん「α」とは東京や札幌のコンサル会社ではありませんよ。「α」の対象をどこに据えるのかで糠平の行く末は大きく変わると思いますし。自分としては千葉の「いすみ鉄道」のように、外部の人間によるハンドリングもありなのかなと思います。



さてしかし、夕食前にやって来たのは「湯元館」さん。ライダー各氏におかれましては「温泉付きライダーハウス」として有名だったかと思いますが残念ながら数年前に閉館。でもしかし、地域が糠平温泉改め「ぬかびら源泉郷」と改名して再出発を図りつつある中、こちらも新オーナーに変わり、2018/8現在日帰り入浴を再開しています(宿泊は別棟のコテージのみ)。

自分はそのむかーし昔に日帰り入浴しかしたことがなかったんですが、今回「温泉宿泊客であれば他の施設湯も入浴OK」ということで、久しぶりに訪問してみました(実は日帰り入浴は800円とお高いです)。うわ、お風呂及び休憩所とか、ピカピカにリフォームしてます!



幸い先客さんなしだったので浴室画像を撮れました。ネット上の画像を見るにたぶんこちらは狭い方の浴室だと思うのですが、照明の案配といいなかなかですね。やや熱め適温の湯がかけ流されております。ほかにお客さんがいないこともあり湯はなまりもなく新鮮ですし、換気もしっかりなされていてムワ感もなくかなーりよろしい!すっかり気に入りました。



続いて露天風呂へ。屋根掛けされた檜風呂ですが、この時は湯が絞られていたのかややぬるめでした。すぐお隣の露天風呂(以前からある?)に比べて閉塞感もあるのですぐにお隣へ。





夕食前の混雑しそうな時間ですが、最初から最後まで貸し切りでした。たぶん各宿に泊まれば「外の宿湯めぐり無料」ということと「湯元館が日帰り入浴を再開している」ということが知られていないのかな。あと、外見が以前のままの「昔ながら系」ということもあるのかも。しかし実際はたぶんぬかびら源泉郷で一番ぴかぴかな浴室のはず。いやぁ、いい思いができました。湯元館さん、入口看板だけはピカピカに新造すべきですよ!



これまたリニューアルされている休憩所でおしんこどんを待ちます。両陛下、何と利尻島訪問中でした。

さて宿に戻って夕食です。それにしてもキャンプ‥はい、一応道具は持ってきているんですけれどね。ちなみにこの旅行中にキャンプしたのは最終日の1泊だけでした。しかも雨に降られたし(笑)。




なかなかいい感じのコース風料理でした。地場の食材を使った和メインの料理で、各グループごとに配膳する料理についての説明があり(食事の進み具合によって配膳のタイミングもずれるので)、お宿のほうもかなりこだわってメニューを考えておられるのだと思います。いずれにせよ料理を「量で勝負じゃない」のには好感が持てます。足らないと感じる人はご飯をおかわりすればいいのさ!



夜遅くになってからようやくお宿のお風呂へ。先客さんはいませんでしたが、やっぱり宿泊客数が多いこともあって湯は何だかなまった感じでありました(こればっかりはしょうがない)。それにしてもさっぱりしたお湯です。もう少しだけ自己主張があったりすると個人的には嬉しいのですが、そればっかりは大地の神様と折衝しないとね(笑)。



湯上がりに宿の外に出てクールダウン。ひんやりしているなーと思って温度を測ってみたら8月上旬だというのにこの温度でした。もっとも20数年前には同じ時期のこの場所で「4度」というのも経験していますから(しかもキャンプ&雨)、それに比べたら屁でもありませんね。さ、この翌日はおしんこどんの道内ほぼ最終日!明後日からはTakemaも研修であちこち行ったりしますんで。

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