- その3 奈良田温泉、身延山、倉見赤石温泉 -




この湯に浸かれなくなるわけではありませんが‥。



そんなわけで今宵のお宿は奈良田温泉 白根館さん。2006年にも泊まりに来ておりますが(この時です)、実はこちらのお宿、2020年2月末をもって宿泊業務終了ということなのです。3月以降は日帰り入浴施設としての営業こそ継続するものの、もう泊まれなくなるというので、もう一度お世話になることとしました。



まずはお風呂へ。とはいえ浴室方面(露天風呂)から入浴中男性の会話が聞こえていたのでこの時の湯画像はなし。あとで先客さんがいない時を見はからって行ったのですが‥





しかしそれよりもびっくりしたのがお湯の素性、特に内風呂。何となくの記憶では「うっすら硫黄臭でさらりとした浴感」という感じだったわけなのですが‥


宿所有の源泉が2本あり、内湯と露天とで使い分けているということでしたが(2006年の情報)、特に内湯に上記の傾向が強かった気がします。いやぁ、この湯を泊まりで何度もタンノーできるのはこれが最後かぁ‥。



夕ごはんはご覧のとおり山御膳。鹿肉なども並んでおります。



おかずの量は少なめかと思いきや結構あってお腹いっぱい。




夕食後は男女の浴室が入れ替わるのですが、ここはやっぱり内風呂でまったりいたします。浴槽内は板で区切られていて、「熱め/ぬるめ」+涼みの無限ループを楽しみます。この日のお客さんは新館と本館合わせて6-7組だったと思いますが、さすがに食事終了1時間後だとまだどなたも温泉再入浴気分にはならないようで、ずーっと貸し切り状態でした。



そして朝。冷え込んだ中ですがしゃっきりと朝湯を楽しみます!



この日の露天湯、やや緑がかってますねぇ(湯の色は頻繁に変わると確認済み)。



朝ごはんをいただき、もう一度入浴した上でいよいよ出発です。しかし考えてみれば奈良田にもう1つある日帰り温泉「女帝の湯」にはまだ入ったことがないんですよね。今回も最初の湯上がり後のお散歩で施設前まで坂を上がって行ったんですが、お財布(とタオル)を持ってこなかったということで入浴しなかったのです。源泉はもちろん別物ですから、次回訪問時はダブル入浴かな‥。

さて出発しましたが、せっかくなので身延山に上がってみようという気持ち満々です。仕事納め直前のこの時期はどこもガラガラなので、普段なら(混雑を避けて)あまり行かないようなところにも行ってみたくなるというわけです。それと、ここにはスロープカー(斜行エレベーター)があるようなので、それにも乗ってみたいと考えたわけですが。

奈良田温泉から身延山の山麓まではさして遠い距離でもなく、順調に走って到着。一番上?のせいしん駐車場も余裕でした(半分も埋まっていませんでした)。で、その駐車場敷地の一番奥にあるスロープカー乗り場へと進みます。



「駅」というのでしょうか、「乗り場」なのでしょうか?いやそもそも「エレベーター」という分類であればどちらも使わないよなぁ(ただし公式サイトでは「上の駅」「下の駅」と記載されています)。なお、「運行ダイヤ」なるものは存在しません。エレベーターと同じようにボタンを押せばドアが開きますし、こちらの階にカゴがいなければ降りてきます。このあたりは完全にエレベーターと同じです。

ここ身延山久遠寺のスロープカーは2009年運行開始、傾斜約32度、全長65m、利用料金は何と「無料(ただし寸志ボックスあり。気づきませんでしたが)」となっています。





ちなみに「斜行エレベーター」とネーミングされていますが、エレベーターやケーブルカーのようにワイヤーケーブルを使ってはおらず、静岡県の山あいミカン畑などでとてもよく目にする「モノレール」と原理は同じ跨座式モノレールというわけで、自分は「こんなの初めて乗るわ」と思っていたのですが、実はもう随分前に秋田県湯沢市の「稲庭城」で乗っていたことが判明。あれ、ケーブルカーじゃなかったんだ!(ちなみにあちらは1993年とかなり早い時期の設置だったようです)。

そんなわけで楽をして久遠寺の本堂までやって来ました。三門からきつい階段を上がるというのが本来なのでしょうが、「それが無理となった信者の方々」への配慮としてこのスロープカーが設置されたということなのでしょう。われわれは「ただの無精者」に過ぎませんが。そんなわけで‥





この画像に写り込んでいるのはたった1名、まさにガラガラの境内です。この数日後には押すな押すな系の年始となることでしょうが。宗派は違う自分ですが、御仏の存在はどの宗派でも完全肯定されているはずなので、しっかり手を合わせます。というか、そもそも日本人のような「多神教徒」は他宗教の寺院でも邪念なく祈れるのでよいなぁ。キリスト教会でもモスクでも違和感なく祈れますし実際にいろんな場所で祈ってきましたし。



さて、スロープカーだけではなく、ここからはロープウェイで奥の院を目指します。いや本音は参拝ではなく眺望を楽しみたいからなのですが。あえてレトロ感を前面に出したロープウェイはなかなかいい感じ。と、乗車前に係員さんが‥



飴は普段からほとんど口にしないTakemaですが、まぁせっかくだしというわけでロープウェイ内でパクリ。結果、気がつけば上の売店で大袋と小袋を買い込んだわれわれでありました(笑)。飴らしくないホロホロと崩れる食感が気に入ったのと、ごま感しっかり甘さ控えめだったのでね。たぶん「これならママもOKさ!」と往年のCM少年もにこやかに言ってくれるはずです!(もう知らない人のほうが多いはずなのを承知の上であえてタイプするTakemaは「何と言われてもオレ流さ」と言い放って本を出したあの人と似たようなところがあるのでしょう。え、それも古すぎるって?(笑))。



同じ便に乗り込んだのはわれわれを含めて2組6人ほど、やっぱりガラガラです。まだ時間的にも早めですからねぇ。というわけで一気に763mの高低差をショートカット(楽を)して、標高1153mの頂上駅へ。そしてそのまま、ほかに参拝客の姿もない奥の院へと向かいます(右上画像マウスオンでおしんこどんお約束の顔出し画像に変わります)。



階段を登って奥の院思親閣へ。御線香を捧げた上で参拝。

なおご覧のとおり、参道こそ雪かきがなされていますがそれ以外の場所は雪がたっぷり。そういえば白根館の方も「今年は雪が早くてねぇ」とおっしゃっていました。場所柄それほど雪が積もるエリアではないのですが、この時は確かに‥。

このあとは各展望台を回ります。東側展望台から見えるはずの富士山方面は雲がかかっていて残念。続いては最後はツボ足モードで北側展望台へ。




(またも激古ネタなのでそっとスルーしてね)

そういえば南アルプスって自分にはあまり縁がなくって(北アルプスばかり行っていたので)、北岳から茶臼岳まではテント背負ってソロ縦走してますが、実は農鳥岳には行ったことがないですし、もっと言えば甲斐駒ヶ岳も仙丈ヶ岳も光岳も未踏なんですよ。

北アルプスでも餓鬼岳と焼岳は未踏ですが、正直言って「甲斐駒や仙丈、農鳥」のメジャーさとは比べものになりませんよね。すっかり山から足が遠のいている自分としては、今後行くことはあるのか??

で、すっかり身体も冷えましたので山頂駅2Fにある食堂へ。コーヒーでも飲んで温まろうという算段です(なお2F食堂ではコーヒーを販売していませんが、1F売店で購入したものをそのまま持ち込めます)。と、その前に脇の展望台へ。





しかしピンぼけだし画質が荒いのはお許し下さい。今回はほぼすべての撮影をスマホで済ませたのですが、やっぱり望遠とかはカメラ専用機じゃないとダメですね(自分の場合特に手ブレがひどい)。

しかし自分の目で見た富士山はブレることもなくスッキリくっきりと見えていたので大きな問題はなし。このあとはコーヒーを飲みながら暖かい食堂窓際でまったりし、往路に比べて3倍くらい混んでいたロープウェイで山麓駅へ。そこから下りのスロープカー、往路で失敗した動画撮影(何といきなりバッテリー切れ、最後だけ撮影)、お暇な方はご覧下さいませ。



このあとは名古屋方面に向かうのですが、高速に乗っちゃうとSAPAで食べるしかなくなるので、何とかよさげなお昼ごはん処はないかなーと目を凝らしつつ南下していきました。しかしよさげどころか、身延から南のR52区間にはそもそも飲食店がほとんどないのですよ(ラーメン屋さんはあったかな)。

間もなく高速入口(中部横断道南部IC)というすぐ手前に「道の駅なんぶ」がありましたんで、大外れはない(無難)だろうと考えて道の駅のレストランへ。



おしんこどんは焼津直送という「トロトロとろ丼」を注文。3種マグロのトロを載せ、しょうゆ、ごまだれで味わい、最後はまぐろ出汁をかけてさらさらとお茶漬けでという一品です。トロ好きのおしんこどんは「ウマイ美味しい」を連発しておりました。

いっぽうでTakemaの注文品はといえば‥「豚生姜焼き定食」。何のご当地性も感じられません(笑)。しかもご飯は減らしてもらっていますんでそのぶん量のインパクトも減ってます(今あらためて見ると味噌汁の量も少ないなぁ)。でも少食人種の自分は「キャパを越えて食べ過ぎるとてきめんに眠くなる」ので、このあとまだ高速経由での大移動を控えているタイミングではこれで十分です。飲み食いはこの日の目的地に到着してからじっくりとね。

このあとは南部IC~新清水JCT経由で新東名に合流して一路西へ。そうそう、この旅行は千葉から奈良への帰省なのですから、この動きはまさに「正のベクトル」というわけです。行け行けー!と思いきや、ソッコーで停車しちゃったわれわれです。



さて新東名の掛川PA。ここから歩いてとある場所へ‥と思っていたのですが、営業しているかの確認のため電話を入れてみると、何と「到着したら再度電話をくれれば迎えに行きますよ」とのお言葉が。歩くと20分以上かかりそうだったのでありがたいことです(特に帰りは上り坂が続くので難儀)。そしてご主人の運転する車でやってきたのは‥




(なお「倉真」は「くらみ」と読みます)。

以前から「ディープ系?」といろいろ気になっていた温泉です。先人の記録によると「経営者のご主人がすごい」とか、「屋上温泉サイコー!」とか、まぁいろんなメッセージが綴られておりましたので、「これは温泉以外を含めても是非訪問したい」と考えていたわけなのです。そしてその日がやって来ましたよ。



お約束?のピエロ人形は完全に真後ろを向いていました。なぜ?

そういえば車内でご主人から「予想(到着時刻)より早かったね」と声を掛けられましたが、それはTakemaが新東名をぶっ飛ばしたわけではなく、カーナビのデータが古くて中部横断道の開通区間を認識していなかったからなのです。そりゃ予想時刻も違いますわ。ただし新東名は比較的混んでました=2車線路でトラック同士の90km/h追い抜きバトルだったので。新東名、3車線設定で建設された区間の2車線限定、はよやめて下さい無意味です!(たぶんケーサツ絡みなんだろうなぁ)。

おっと話がそれましたここは倉真赤石温泉。先客さんはもちろんなく(そうであればご主人がわれわれを迎えに来られない)、ご主人は坂の下にあるボイラー室方面へ。源泉温度が低く加温必須なのです。



しばらく先客さんがおられなかったらしく加温のためしばし待機ということになりましたが、まずその前に気になったのが温泉の看板です。ともにご主人の手作りなのだそうですが、一枚板を文字の通りに切り取ってずらしているんです。これは相当の技術が必要かと(表から見るとただの看板にしか見えませんが=左上画像マウスオン)。

そして玄関に入ると、今度は稲わらを使った凝った松飾りが!ご主人いわく「これも全部自分で作りましたよ。ここにいる時は暇なんでね」という余裕綽々のご発言(ご主人はここに住んでいるわけではなく近隣からの通いです)。しかしその発言の背景にはなかなかの「そのまた背景」があったのでした。

こちらのご主人、もともと造園会社の経営者なのだそうです(今は引退)。ご主人のお父さんも造園業を営んでおられたそうですがその規模は個人事業主レベルだったそうで(というかかつては造園業自体が小規模事業だったのでしょう)、その造園業を引き継いだご主人が規模を拡大し会社組織に。「石をあちらからこちらに」(詳しくはご主人からお聞き下さい)のなるほどWinWinなどもあり会社を一気に大きくさせたそうです。なるほどだから細工とかもお手の物なのか‥。

そんな中で「滝のある広い土地」を探していたご主人、この土地を見つけて「ここだ!」と。複数の地権者がいたようですがあらかた購入。その規模は‥とにかく広い土地です(9000坪とか)。だって、掛川PAのエリアだってこのご主人の土地となっていたわけですから(ちなみに高速道路会社への用地売却によりそこそこ「買収の元は取れた」ようです)。

で、「ここで温泉を掘る」と決めた時にはボーリング会社から「このエリアでは無理です」と止められたにもかかわらず「決行」。結果、温度こそ18.3度ですがアルカリ度の高い硫黄冷鉱泉(pH9.5)を掘り当てたというわけです(掘削約700m)。すごいや。湯は源泉だと泡付きがありやや緑がかかった湯ですが、時間とともに色が変わるそうな。ただあまり加温すると色は消えてしまうそうです。

内風呂以外にも屋上にポリバスを並べて「露天風呂」としたそうですが、それは台風その他いろいろあって現在はやっていません。でも「来年暖かくなったら、屋上に個室風呂をしつらえようと思っているんですよ」とのこと。やる気満々ですね(御年80歳半ばだとか)。本当は今年(2019)にやろうと思っていたそうですが「一気に暑くなっちゃったのでやる気が失せた」そうです(笑)。

さてそうこうしているうちに「そろそろ(湯の溜まり具合も)いいかな‥」とおっしゃるので、いざ浴室へ。







加温かけ流しの湯が湛えられております。ご主人が「あまり加熱すると炭酸分も飛んじゃうからね、ぬるめレベルまでしか温めないんだ」とおっしゃっていたように、湯温は40度あるかないか(多分39度台)。でも右上画像の通りそこそこの湯が排出されています。

ただ、われわれが行くまで湯が抜かれていた(or 溜め湯状態だった)からか浴槽内タイルが冷えておりましたんで、入浴中は「腰を浮かして」おりました。というか、やはりここの湯は最低限の加温で済む(または源泉直投入でも入れる)夏の時期がベストなんじゃないかなぁ。加温のためか色付きもありませんでした。



湯の華は確かに浮遊していました。でも浴感はツル系が少しあるかなという感じであまり主張はなし。そういえばご主人も「最近は成分が薄くなった感じでね」とおっしゃっていたような。

そうであれば、やはり出来るだけ源泉に近い(弱加温)湯、真夏なら源泉入浴だって可能でしょうし、その頃に再訪したいぞぉ!もしかしたら屋上個室湯が設置されているかも知れないし!

ちなみに窓を開けると絶景です(右上画像マウスオン)。実はこの建物自体がかなりの傾斜地に建てられていますので(すごいな)。



湯上がりには再びご主人と歓談。趣味の世界でもいろいろとやられていたようですし(飛び系とか)、事前の情報通り実にいろいろな経験をなさってきた方のようでうらやましい。右上画像の書も「書きますよ」と持ってきてくれたそうですが、この方の作品も今は相当な高額で売買されているのだとか。

この日は閑散期平日だったのでご主人お1人でのオペレーションでしたが、ネット情報によると娘さん?との2オペシフトの時もあるようです。夏の時期、じっくり食事を含めて休憩入浴するのが大吉かも。その時こそこちらの湯の真価がわかる気がします。でもご主人とのお話が面白かったので満足です!



左上画像のモミジ、紅葉の時期はほぼ終わりつつある感じでしたが、これは元から自生していたわけではなく、ご主人が(家業ゆえ得意)お孫さんやらひ孫さんやらが生まれるごとに植えてきたそうで「次に植えると300本だね」ということでした。ええっと、もうそれって紅葉の見どころスポットじゃないですか!(笑)。



このあと再び掛川PAへと送っていただきます(感謝)。なおこの土地(山林)を購入した時にこのエリアには道はなく、左側画像に見えている道はすべてご主人が重機で切り拓いたのだとか。なお会社は息子さんが後を継いでおられるそうで‥すごいなぁ。

掛川PAまで戻り、ご主人から購入した黒たまごならぬ「青タマゴ」。確かにうっすら青いです。気がつけば2人ともぱくぱく食べちゃってました。

このあとはずずずいっと新東名-伊勢湾岸方面に進み、でも途中で名古屋高速に進みつつ今宵の宿へと向かいます。

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