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- 2020夏 北海道(8) 一気に南下するつもりが枝幸界隈で各駅停車 -



バイクで頻繁に走り回っていた頃も、この岬には来たことがなかったかな。

(2020年8月16日-23日 その8)

この日の行程ではクッチャロ湖からはオホーツク沿いを南下していく予定なのですが、なぜかまずは内陸へと向かいます。程なくして舗装路とはいえ林道幅のローカル道路へと入り、ひと上りして‥ハイ本日最初の目的地に到着。







ご覧のとおりそれほど高い場所ではありませんが、クッチャロ湖はもちろんのこと、(左上画像を)よく見ると、奥の方にはオホーツク海もちらりと見えています。礎石には「平成8年11月8日建立」とあり、実質的な利用開始は平成9年(1997年)のはずですが、この頃はバリバリに道内を巡っていたはずなのに全然知りませんでした。たぶん「内陸の道道大好きライダー」に移行していたからかと思います。

で、このあとはその先の道を進み、オホーツク国道のR238を横切るような形で(50mくらい238を走行しすぐ右折)海沿いのエサヌカ線へ。



ここも走ったことがなかったので、浜頓別側の一部だけ走行してみることにしたわけです。すぐに終わっちゃいましたけれどね。ISUZUのトラックのCM(♪はーしれはしれー、いすずのトラック~♪のやつね)もこの道で撮影されたんですね(何バージョンもあるうちの1つですが)。



この道は南下しながら最後のあたりで直角カーブを何度か繰り返し、R238に合流したあとよつ葉牛乳の工場を過ぎると(直売所はなくホントに工場だけらしくて残念)、再び浜頓別の市内へと入っていきます。そしてTakema車は‥





前日訪問時は雨が降っていたこともあり訪問記録を載せませんでしたが間違いなく訪問しています。そして「建物は大きいが、観光客が興味を持つ施設は観光案内所しかない」こともわかっておりました(というか右上画像、コロナ対策なんでしょうがそこまで各テーブルを離さなくても‥それならテーブル数を増やす代わりに各テーブル各1席にしたほうがいいと思うのですが)。さてそれなのに再び立ち寄った理由はといえば‥


(あのね、中年後半になるとトイレが近くなるんですよ)。



あ、Takemaはついでに建屋外のプレハブ喫煙所へ。冬は厳しそうだなぁ(苦笑)。

お手洗い業務もキッチリ完了し、さーてこのあとは一気に南下!といきたいところですが、市街地から10kmもいかないところで左折、北見神威岬へと向かいます(最初間違えて手前の漁港への取り付け道路へと進んでしまったのはここだけのヒミツです)。





未整備ながら僅かな駐車スペースがあるばかりで、説明看板すらもありません。R238は内陸をトンネルで通り抜けているためこの道は旧国道というわけですが、驚いたことに今調べてみたらトンネルの開通は1999年だったのだとか。自分が北海道をバイクで走り始めたのは1990年台前半、しかも最初は(誰もが考えるように)海岸沿いをぐるりと巡るコース設定が多かったですから、自分は間違いなくこの道を(少なくとも何度か)通っていたはず!われながらびっくりです。

なお上画像のすぐ上には平場があるように見えます。ここには1985年まで国鉄興浜北線(こうひんほくせん)が走っていたそうです。さすがにその頃にはバイクでも登山でも北海道までは来ていなかったのですが、さぞかし絶景だったろうなぁ。ただ車で走ってみればわかりますが、現在よりも沿線人口は多かったはずとはいえ部から頓別を結ぶ鉄路‥収支がペイすることなどなかっただろうなぁ。



参考までに、自分が持っているポケット時刻表(1981年3月号)の北海道鉄道地図がこれです。駅名まではちょっと見にくいですが、まだ北海道に鉄路廃止の嵐が吹き始める前なので(もっとも現在も吹き続けていますが)、北海道の国鉄路線がもっとも隆盛を誇っていた時期の地図ということになります(もっとも1980年には国鉄再建法が成立し、路線廃止に向けての動きは進み始めていました)。

興浜北線は浜頓別から北見枝幸まで、興浜南線は興部から雄武まで開通していましたが、この状態ではそれぞれが盲腸線であり大きな需要は期待できないわけですが、1985年という北海道の鉄道路線としてもかなり早い時期に廃止されたわけで、地元からの存続の声も大きくはなかったわけでしょう。

運行ダイヤを見てみると、興浜北線・興浜南線とも1日6往復ながら「朝と夕方に重点を置き日中は極端に少ない」という通学高校生の利便性に重きを置いたダイヤだったようです。しかし、現在よりもさらに通学定期の割引率が高かった(安く乗れた)料金体系の中で収支均衡などは言うに及ばなかったわけですよね。

バス運行に転換されたこれらの地域も(それ以外の全国各地の過疎化が進行する地域全体にいえることですが)、いまや民間バスの通常運行すらままならなくなっています。リクエスト式のオンデマンドバス(小中型バス)のみならずオンデマンドタクシー(料金を自治体が補助している場合がほとんど)が珍しくなくなってきているわけです。

北海道の場合、第一次産業(漁業や林業)や第二次産業の一部(間違いなく鉱業)によって開発が進み発展してきたという背景がある中、それらに続く各地域の振興策が「国頼み」になってきたことは否定できない事実です(同じようなことは沖縄にもいえると思います)。だって国により特別局が編成され、国からジャブジャブとお金が支給されてきたわけですから。初めて北海道をバイクで走ったときはびっくりしましたよ、「道路の幅は広いし舗装もいい、しかも歩道幅も数mあり、それが家がポツポツとしかないところに何kmも続いてる!」って。

でももうその状況は続いていない気がします(場所にもよりますが、最近道内を走ると路面状況が少し悪くなっているような気がするのです。特に道道は)。北海道はこれまでのやり方だけでは無理だということを認識し(インバウンドも新型コロナ禍においては無力でした)新たなトライをすべきだと思うのです。

新たなトライ‥。アイデアについては賛否両論があると思うのでここでは書きませんが、とにかく「試される大地」がいままさに試されているのではないかと。それも時間制限付きで。今ならできることも、たとえば10年後には「体力」がなくなって出来なくなったりもするでしょう。ま、この話はここまでということで。



海鵜って、昔からこんなにあちこちにいましたっけ?記憶にないなぁ。



岬の南側はなぜか道路が細くなっていましたが、元からこうだったのではなく、山側からの崩落によるものだとか。すでにトンネルが開通していて交通量も激減していたことから「最低限の復旧費用で」車線を減らして再開通させたということのようです。なるほどねぇ。

このあとは枝幸方面に向かって下っていきます。「どこかでお昼ごはんかなぁ」と思っていたところでふと看板が目に入りちょっときつめのブレーキ。どうやらおしんこどんも看板を見ていたようで、「何だか気になるね。行ってみる?」「うん行こう」と(ちょっと車をバックさせて@後続車接近ゼロ確認済み)右折。いや、ごはん処ではありません。



やってきたのは「オホーツクミュージアムえさし」。その名の通り枝幸を中心とするオホーツクの自然や文化、歴史などを紹介するミュージアムです。たまにお勉強モードにギアを入れるわれわれなのであります。でもね、



いや、館内のテーマ別各展示物の充実度を考えれば「これで見学無料なんてほとんどあり得ない」感じでしたよ。撮影禁止ではなかったようなのでごく一部だけを画像で紹介します。



自然エリアには様々な動物や魚類の紹介があり、特に骨格標本は丁寧な説明がありほのぼのします。歴史エリアでは目梨泊遺跡からの出土品展示に始まり、復元竪穴式住居(かなり大きい)もありかなり見ごたえがあります。



あー、左上画像はアザラシの皮を干したものですね。そういえば2013カムチャッカで似たような情景を見た記憶があったので確認してみたら、やっぱりありました右上画像の干してる画像!なお右上のはまさにまだ「干している途中」で、脂も残っていましたっけ(この時のページはこちらです)。



鉄道の歴史もしっかり、そしてリアルな馬橇も。

いやぁこのミュージアム、かなり見どころが多いですし芸が細かいです(学芸員さんの努力の賜物かと)。偶然立ち寄っただけなのですがここはよかった!訪問する価値ありだと思います(個人の感想ですが)。なおwifiも飛んでます(笑)。

ただ、お客さんの入りは‥まぁコロナ禍の8月下旬の平日ですからある程度は仕方ないのですが、われわれの他には地元の幼稚(保育)園児たち(数名)が賑やかにワイワイとやっているばかりでした。



駐車場脇にはハマナスが多く植えられており、まだ僅かに花があって嬉しかった。

実はこのミュージアムを「思いつきで」訪問する直前まで、Takemaのプランニングは「枝幸のホテルニュー幸林でひとっ風呂、そのあとお昼ごはんを市街地でバンバンして云々」という感じだったのですが、ここでほぼ1時間ほど見学していた結果、時間的にはすでにランチタイムのど真ん中突入タイム。

枝幸から先については特に調べてもいなかったので、えーいここで食べちゃえとニュー幸林の食堂へ直行!(ミュージアムからすぐ)。



観光客というよりは地元の方やお仕事の方々でそこそこ賑わっておりました。そりゃメニュー的に「和洋中華にもちろん海鮮までなんでもござれ」のバラエティに富んだメニューゆえ当然です。Takemaは右上画像の海鮮丼でしたが、お味はまぁ普通でしたかね。

しかしお腹がいっぱいになるとすぐにお風呂という気持ちにもなりませんで、結局入浴はパスしました。あとから考えれば「じぇったい空いていたはずなのになぜ?」とも思うのですが、この時は全然入浴欲求がなかったので仕方ないというわけで。

で、このあとは「煙とナントカは高いところにのぼる」を地で行かんとせんがために一気に坂道を上ります!(車でですが)。





この前日、翌日の行程を調べているうちにたまたま発見したこの場所。標高は172m、枝幸の町から一気に上がったところにあるので展望は抜群です。またネーミングが「展望台」とか「レストハウス」とかではなく「展望閣」というのも気に入りました。

ちなみに上がってきて初めてわかったのですが、この山の南側斜面はスキー場になっていて、上画像階段手前には最上部リフトの降り場がありました。もともとはスキー場の付属施設として建設されたものなのでしょうか(でもそれにしてはこの階段、スキーブーツでの上り下りはちょっと大変そうですが)。

2F展望台にはカフェコーナーがあるようですが、こちらも入場そのものは無料とのことで、ではでは上がってみましょう!





2019年にリニューアルしたばかりらしく、展望室内は落ち着いたいい雰囲気。窓際にしつらえられたカウンターやテーブルではお茶やコーヒー、ケーキセットなどがいただけますが、実はそれらを注文しなくても着席してのんびりするのは可能です。実はわれわれ、つい先ほど食べたばかりにてお腹が一杯、ゆえに何も注文しなかったわけですが‥コーヒーくらい飲んでほっこりしておけばよかったなぁと今になって後悔(先に立たず)。

それにしてもここ、Tマップルにも載っていなかったし(ええっと、2016年版では(汗))、われわれ以外お客は誰もいなかったし(後述)、でもご覧のとおり展望はいいし寛げるし、お勧めの訪問地だと思います。ネットで検索してもどうやらそれほどメジャーではないのかな。急坂ではありますが頂上まで全舗装路なのでロードバイクでも大丈夫だし。ただし混雑期は手前の駐車場に駐めてそこから歩いて登ることになりそうです。われわれは頂上直下(リフト降り場)まで上がっちゃいましたが、そこには数台しか駐められるスペースがないので。

で、ここからはネタ系のお話なのですが、帰り際にカフェの女性店員さんにちょっと質問をいたしまして。以下その会話です。

Takema 「あの、ちょっとお伺いしたいのですが。」
店員さん 「はい、何でしょう?」
Takema 「われわれがここに登ってくる際、下の駐車場からの登り口に
「閉館中」と掲示されていたんです。でもこの建物から流れて
いる音楽が聞こえていたので、われわれは「とりあえず
上がってみよう」というわけでやってきたのですが。」
店員さん 「え、本当ですか!確かにそれは間違ってますね!」
Takema 「あ、それでは、われわれはそろそろ下りるので、掲示を
直しておきますよ。」
店員さん 「あー、それじゃお願いできますか(以下感謝の意)。」

というわけで看板の変更をやっておきましたとさ。もちろんネタとして以下のように使用させていただきましたが(笑)。なお、もしかしたらこの看板のチェンジは店員さんの担当ではないかも知れませんので、だとすればご存じないのも当然ですね。ただ国道とここ三笠山の往復中も、他の車やバイクとすれ違うことはまったくありませんでしたし、やっぱりあまり知られていないのかな、もったいない。



こんな感じで嬉しそうに作業完了(笑)。

さて「寄り道は最小限に」といいながら、すでにお昼も回っているというのにまだ枝幸でうろうろしているわけで(この段階での移動直線距離はまだ約30kmちょい)、でもこの日のお宿まではまだ200km!というわけでここからは真剣に(安全速度で)走ります!



あ、ここはトイレ休憩ね。でもお土産品販売エリアの品揃えにはちょっとがっかり。思うに、「実店舗販売かネット販売か」という2択ではなく、ここのような道の駅などで複数タブレット等を使っての商品画像展示&予約注文受付というのもありだと思うのですが如何なものでしょうか。それなら地元産の生鮮品も直接販売できるはずです。

観光客の場合購入しようとする品は基本的に不要不急であり、それなら「入荷次第出荷」(到着日は指定不可だが受け取り時間指定はOK)というのもありだと思うのですが。ネットでもそういうの増えてますし。この時代、品揃えが乾き物(非地元産品を含む)と冷凍品だけじゃ先細りになるだけだと思います。



お天気は雨が降ったり止んだり。まぁあまり見どころもない単調路なのでいいかな。

というわけで約100kmほど走ってきて紋別市へ。あー、まだ一度も見たことがなかったあそこに行ってみましょうか!



いや、道の駅に寄ろうと思ったら思いがけず着いちゃったというのが正しいのですが(笑)。

というわけでガソリンを補給した上でさらに南下します。ナビが変なルートを指定したこともありちょっと時間をロスしましたが無事想定ルートに戻りサロマ湖へ。



雨は止んだし穏やかなサロマ湖ですが、絵としてはイマイチ。

それでは本日のお宿に向かいます。あと60km!


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