でも大都市やお祭りなどの人ごみにはほぼ近寄らずでした。

その3 20数年ぶりにトムラウシ温泉訪問!



立派になったねぇ、東大雪荘♪

そんなわけで十勝清水からトムラウシ温泉へと移動です。ただICから温泉までは70km近くあり、しかも下道ですから、718号線という3桁道道を進むにしても(謎笑)、そこそこ時間はかかりそうです。ただまぁ2食付きでの予約ですし、ICを出たのも16:00過ぎでしたからそう遅くはならないはず。道東道の開通前までは考えられなかった「その日のうちの十勝入り」です。



十勝ダムサイトの上を渡り、ダム上の橋を渡ってどんどんと進みます。



ネット上の情報通り、曙橋で分岐するヌプントムラウシ方面への林道は通行止めでした(分岐にはゲート設置なし、もう少し先までは入れるようです)。ただ、ヌプン峠から先はかなりえぐられているらしく「復旧時期は未定」というところにもその困難さが表れているといえるでしょう。

ただ、近年道内を走っていて思うのが「国道・道道を問わず路面のメンテナンスが雑になったなぁ」ということで、それは間違いなく道路予算の削減なのでしょう(1990年代はローカル道道でさえ「滑るように」バイクで走っていた記憶があります)。そうなると道路予算は必然的に生活道路に回されざるを得ないわけで‥



難しいところですね。ただ、某道南の山中に湧く野湯へと続く大規模に崩壊した林道が数年前に突如として補修されたという例もありますので(もちろん温泉訪問というコアなニーズに応えたというわけではないでしょうが)、今後が気になるところです。



下ってくる車はそこそこありましたが、この時間にトムラウシ温泉方面に向かう車はほぼ皆無の様子。まぁそうですよね平日だし。

以前バイク(CB400SF-R)で来たときは曙橋から未舗装だった記憶がありますが(ただしフラットダートで走りやすかった)、現在は舗装されていて、そりゃそうだよなぁ1990年代中頃だったものなぁと懐かしく‥いや、最後の最後のミニ峠付近から先だけはいまだにダートでありました(5kmほど)。何でだろう?あとちょっとだからやろうと思えばすぐできそうな気がするんですが?これは予算の関係というよりも何か別の理由が?

というわけで、20数年ぶりにやってきましたトムラウシ温泉!





いやぁこんな山の中に立派な建物!1993年に建てられた現在の建物は、何度も改修工事を行っているようで、確かに外見上の古さを感じることは全くありません。

とはいえ、実はこの建物自体は以前にも見たことがありました。上述「バイクで来た」時にはすでにこの建物でしたから。でもその時は少し先にあるキャンプ場泊まりだったので単純に「見ただけ」。またその頃は湯めぐり趣味に目覚めてもいなかったので、温泉にも浸からなかったのです。

でもね、でもですね、トムラウシの湯にはさらに以前に浸かったことがありますよ。それは‥




(一番奥の青屋根が浴室棟だったかと思います)。

たぶん1991年の夏だったかなと思いますが、元気いっぱい体力モリモリだった自分は、層雲峡から上がって富良野岳まで、単独で大雪~十勝連峰のテント泊縦走をしようとしていたのです。で、前半は天気にも恵まれてトムラウシ山直下の南沼キャンプ指定地までやってきたのでした。



その時の画像です。元気そうでしょ?

しかしこの日の夜から天候は急変し大荒れの天気になり、翌日は「停滞」。しかしラジオから聞こえてくる天気予報は「低気圧が立て続けにやってくるからね、しばらくは荒れた天気が続くんだもんね」などというものでした。

大雪~十勝連峰については、北部(旭岳やお鉢めぐり周辺からトムラウシ岳)や南部(美瑛岳から富良野岳)のエリアは登山者も多く登山道や避難小屋も整備されています。しかし、肝心の中部(トムラウシ岳から美瑛岳)エリアは、標高は低めで藪漕ぎや600mの大登りもあったりして登山者はぐっと少ない、また水場が少なく(これかなり重要)、かつ「トムラウシ山から美瑛富士までは避難小屋もエスケープルートもない」という、なかなかにハードルが高い区間だったりするのです。

停滞2日目の朝になっても天気は変わらずガスと風雨で、この日も天気はずっと悪いとの予報。通常食以外の予備食はケチればあと1日分くらいはあったような記憶でしたが、熟考の末‥「撤収してトムラウシ温泉に下る」という結論を出し、山を下りたわけです。旧宿舎の写真はその時に撮ったもの。確かこの時はこの宿のお風呂に入った記憶があります(何日も風呂なしだったし)。

余談ですが、この時はここのキャンプ場に1泊し、翌日バスと列車を乗り継いで十勝岳温泉まで移動し野宿、翌々日に十勝岳に登ったのであります。その時の顛末はこのページが詳しいです(笑)。



バスはまだ運行しているようでよかった。お風呂は日帰り入浴もできるようで、結構多くの人々がキャンプ場からやってきていたようです(だから日帰り入浴時間が20:00までと長めなんですね)。

この時もお風呂はそこそこ混んでいたようなので(脱衣場まで行って確認&撮禁掲示がないことも確認)、明るいうちにお散歩してきましょ。




現在、ここから登り始める人はほとんどいないそうです(短絡コースあり)。

噴泉塔はもはや湯の供給が止まっておりある意味「オブジェ」化していましたが(以前は出ていたような気がします)、そのすぐ上には天然の露天風呂源泉そのままの熱湯湯だまりが。成分の凝固により縁取りが出来つつありますし、これは長い時間をかけて大きな噴泉塔を形成していくことになるのかも知れません(素人判断です)。



何とグランピング施設まで設置されているのにはびっくりしましたが、自分が利用することはないだろうなぁ。アウトドア初心者家族などをターゲットにしているのでしょうが、どう考えても頑丈な建物内のほうが全てにおいて快適だもの。ここ数年で雨後のタケノコの如く出てきましたが、ブームが去るのも早そうな気が。

ただ、コロナ禍とともにキャンプブームなどアウトドア絡みのムーブメントが拡大しているのは自分としては痛し痒しで、キャンプ場に泊まるのにこれまで予約なんぞしたことのない自分にとっては(Takemaオフキャンプは除く=40人から70人超の団体なので)困ったなぁというところです。2020-2022のここ3年は開催していませんが、予約制になったりしていないだろうな?(当時も管理はアナログシステムだったので大丈夫だとは思いますが)。

さてこのあとは温泉ですが、やっぱり先客さんがおられたので夜更け or 早朝にターゲットスコープをオープンすることにして神妙に入浴(笑)。そして夕食です。



画像に写っているほかに(メロンを除いて)もう一品あったかと思いますが割愛。少ないように見えますが、実は十勝牛のスペアリブだったか絡みのお肉が結構な量で、右上画像のTakema膳、ご飯の盛りが極少であるにもかかわらずちょこっとだけ残しました。おしんこどんもちみっと残しだったかな。



夜遅めの時間にお風呂に行ったら先客なしだったのでとりあえず湯画像をね(笑)。それよりも、誰もいない中で黙々と懸命に働くこやつに心惹かれました。わが家だと何だかとんでもないことになりそうな気がするので導入予定はありませんが(笑)。



明けて翌朝は「万難を排して」(何のこっちゃ)4:30にお風呂方面へ。ま、着々とジジイ化が進む自分はこの時間になるとだいたい一度目が覚めるからなんですけれどね(トイレに起きるともいいます@頻尿系ではない)。

まずは外で一服&検温。おお、7/29にして15度とは!北海道に来た甲斐があったというもんです。というか、自分が奈良帰省を除き夏に西日本を目指さないのにはいくつか理由がありますが、その一つというか最大の理由はその昔から間違いなく「避暑目的」なんです(笑)。その意味では「願ったり願ったり」の気温でありました。

なおくるくる掃除機くんは「お仕事」を終えてごはん中でした。よくよく見ると真ん中に名前が。なるほど「テン太」くんと名付けられているのですね。

もちろんこのテン太くんは一介のお掃除マシンに過ぎないのですが、やはりヒトは自律的に動くモノには名付けたくなるようです。冷蔵庫やエアコンにはまず名前を付けないのに。そういえば、以前に体験航海で搭乗した砕氷艦「しらせ」にもこのお仲間がいましたなぁ。彼の名前は「紋別のクマ」だったっけ?(左上画像マウスオーバーで「テン太くん」画像、右上画像マウスオーバーで「紋別のクマ」画像にそれぞれ変わります)。なお「しらせ」のページはこちら)。

なお当該ページアップ時には知らなかったのですが、「紋別のクマ」は南極観測隊第一次越冬隊に同行し、悲しい最期を遂げた犬だったのですね。人間が帰るだけで精一杯だったぎりぎりの状況だったのかと(有名な「タロ」「ジロ」の前の回です。詳しくはこちら)。

話を戻せば朝風呂へということなのでしたっけ、よし先客なしのお風呂にいざ!



熱めもぬるめもいい感じでした。湯守さん、いい仕事しています。



露天湯もそれぞれにいい湯温でした。

泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(旧泉質名:含重曹-硫黄泉)ですが、硫黄や重曹に由来する際だった主張を感じることはなく、全体として穏やかで柔らかな湯ざわりです。源泉を熱交換により湯温を下げ、湧水で適温に仕上げているそうです。



朝ごはんのあとにものんびりと湯に浸かります。この日の行程はそう長くもないので(移動距離160km)、チェックアウトものんびりと。昨日の到着時にはあまり気にならなかったアブ軍団をはねのけつつ、さてさて出発です。と、その前に、ふと懐かしくなったのでちょこっとキャンプ場だけ見にいきましょうかね。



全景写真を撮らなかったのですが、何だか以前は園地内にもっと石がごろごろで張りにくい感じだったような気がしたのですが、いかんせん前世紀の記憶ですからね(笑)、きっと整備したのでしょう。

さて寄り道終了、まずは来た道を延々と戻ります。


[2022夏北海道のトップページへ] [次へ]