[2023夏北海道編もくじへ]



- その5 長万部から、日本海経由で真狩村まで -



歌うことをやめてしまっていた細川たかし像。ちょっと残念。

(2023年7月28日-8月16日 その14 北海道編その5)

というわけで長万部温泉大成館を出発です。この日の宿は前日よりもさらに近距離の虎杖浜温泉なので、真っ直ぐ進めば1.5時間もあれば到着してしまうわけですが、われわれは長万部町内からR5経由で黒松内、そして道道9号経由で日本海側の寿都方面へと向かったのでありました(笑)。もちろんこれには理由があったわけですが。



森の中を走り、そして日本海へ!

当然ながら道中の通行量はぐっと少なくて快走でした(飛ばしたわけじゃないよ)。ただこの日もお天気はイマイチで、左上画像では薄日が射していたのかうっすら木の影が写っていますが、この日太陽さんを直接見ることはありませんでした(太陽を直接見ると目に悪いよ!=よい子たちへのアドバイス)。なおなぜかメインロードの長万部ではなく黒松町内のGSにてガソリン補給(お値段高めだったろうに)。

日本海側に出ると、あちこちに風力発電のプロペラが見えてきます。自分はいわゆる自然エネルギー由来の発電に関してはあまり積極的なスタンスには立っておらず、あくまで補助的な発電方式にしかなれないという考えなのですが(発電量の不安定さゆえにベース電源にはなり得ませんので)、何だか「夢見る人&その他諸々の思惑で動く人たち」のせいで日本の電力インフラは岐路に立たされているような気がします。もちろん補助電源としては有用なのでしょうが‥。



海沿いを北上していくと、道南の日本海側定番の?ニシン漁に関係する建物(佐藤家)がありました。明治前期に建てられたというこちらの建物はいわゆるニシン番屋ではなく、網元の自宅及び地域の公的な役割を担っていたのかなという感じです(番屋は別にあったらしい)。



現在も郵便受けや表札がかかっており個人宅のようなので(脇には車も駐まっていた)入口だけを撮影させていただきましたが、寿都町の公式サイトによると建物自体はすでに寿都町に寄贈されているそうで、内部の整備なども行われているようです。総桧造りに漆が塗られた豪奢な内材なのだそうで、往時の繁栄ぶりが偲ばれます。

と、その向かい側、海に面した道路際には「冬の日本海の荒波及び潮害」を防ぐべくフェンスが設置されているのですが、その板素材が木であることに納得です。鉄製では塗装が剥げれば腐食してしまうし、木であれば取り替えるにしても安価でしょうし。



蘭越町の道の駅「シェルプラザ・港」にて小休止。屋外では「アンモナイト クリーニング教室」なる有料イベントが行われていました。クリーニングとはいっても、どうやら「岩の中からアンモナイトの化石を掘り出す(取り出す)」作業のようで、「やってみませんか?」と誘われましたが、たぶん30分やそこらで終わるタスクではなさそうなので丁重に辞退しました。

そうそう、駐車場に鹿児島ナンバーの250ccバイクが1台止まっており、戻ってきた親子(お子さんは中学生)にお話を聞くと、「鹿児島からタンデム、しかも全て下道で」ここまでやってきたのだとか。すごい親子さんでした。



最後にお手洗いをと思って再び館内に入ってみると、左上画像のような掲示物が。そう、2023/6、蘭越町の山の中で地熱開発に関わる掘削作業中に蒸気が噴出した事故にかかわるものです。長万部での温泉噴出は予告なしに突然起こったものでしたが、こちらは掘削作業中に「寝た子を起こしてしまった」事故だったわけです。

この日(8/5)時点では蒸気噴出がまだ続いていましたが、この数日後(8/7)からはこの日これから通る道道を日中通行止めにして徹底的に工事を行った結果、8/18には蒸気の噴出を止め、その後井戸をコンクリートで「封印」して事態を収束させたようです。

どこかで買った元山牧場牛乳(美味しい)を手に岩内町へ。さて、こちらの方面を目指したのには理由があると書きましたが、そのうちの1つはこちらでありました。




(さすがに洗濯物もたまっていましたんで)

長万部界隈にはオープンなコインランドリーがないのですよ!で、「南に戻る&東に進む(この日の宿に近づく)」という選択肢なしだと「北」しかありませんよね、でも北に向かうとなると大きな町は岩内しかなかったというわけなのです(大笑)。

あ、「長万部温泉ホテルなら館内にランドリーもあったはずだよ」というような重要情報は受け付けられません。外来利用は駄目だったでしょうし(あとで知った時にはがっくりしましたが)。

ただ、ここ岩内にやってきたのはそれだけではありません。ランドリー標準の76分(洗濯+乾燥)という時間を利用して‥





喫茶&洋食のこちらのお店は、前回おじゃましてママさんからいろいろお店のことをうかがって以来「また来たい」と思っていたお店だったのです。最初は室蘭でお店を開き、室蘭工大?の学生御用達のお店となり、その後ここ岩内に移動してからも、数十年前の「学生」さんが今でもやってきてくれるのだとか。すごいなぁ。



いい感じの作り、そして店名です。

そういえば室蘭で同名にて開業した時には「何でこんな店名で?」とある意味納得いかなかったママさんでしたが、今は「気に入っています」とのことですから、マスターの命名正解というわけですね。



おすすめのタマゴサンド、そしてなぜかわれわれには定番のピザ。ほら、各お宿のご飯はおいしいけれど少々ワンパターンなので、たまにはこういうのを食べたくなるというわけです。仕上げにデザートもね。



一山本関って岩内出身だったのか。頑張れ!

なお、この日(8/5、土曜日)と8/6の日曜日は「いわない怒涛まつり」だったようで、しかも「第50回」祈念の復活祭だったようです。全然知らなかったのでお昼過ぎに町を離れてしまいましたが、やっぱり事前にいろんなところのイベントについては調べておく必要がありましたね(特に週末)。しかし「怒涛まつり」というネーミングはすごいな、第1回からそうだったのでしょうか?(公式サイトを確認してみましたが特に記載なし、でも何だかそんな感じだった雰囲気ありでした)。

ここからはニセコパノラマライン(道道66号)経由でニセコ方面を目指します。



と、とある場所で車が止まっており、ドライバーさんがどこかを見ていますね。そう、この道道からは上記の掲示物にあった「蒸気噴出」が遠望できるようなのです。

ただしかし、ご覧のように上記の蒸気ならぬ「ガス」がすぐ上空まで下りていて、実は「あれかなぁ」とおぼしきものも見えたのですが、ガスも風に乗って動いていることから明確に「あれだ!」と特定はできませんでした。まだ噴出していた時期だったのですが。

この2日後からは7時から19時まで通行止めになったこの道ですが、もう少し下ったところに見慣れぬ構造物がありました。



左上画像だとわかりにくいので少し場所を移動してズームで撮ってみたのが右上画像ですが‥



真偽はもとより不明ですが、もともとあの場所にあんなものはなかったはず‥って、なぜ知っているかといえば、実はこの界隈、2年前の2021にかなり歩き回っているんですよ、ええ「小湯沼へのショートカットルートを探せ」というミッションで。その際、あちこちに測量の真新しい杭やピンクテープを目にしていたのです。この時ですね。

だからこの、藪が伐採された区間も実際に歩いたことがあったのです。結果としてその時はルートは見いだせず、一度宿に戻って朝ごはん、そのあと今度は「かつて歩いた旧ルート」経由で本懐を果たしたというわけです(おしんこどんは「エライ目に遭うたわ」とのたまっておりましたが)。

帰り道はショートカット経由で道道に出てきたのですが、このルート沿いには工事用の構造物はなかったので今でも小湯沼には行かれそうです。ただ、すぐ近くで大規模な収束工事が行われているわけですし、さすがに今回は行こうとも考えておらず、そのままスルーしました。

ニセコではバブリーになってしまっているホテルが立ち並ぶエリアには入らず、「安定のあの湯」を目指すことに。





運営は代替わりして、現在は息子さんを中心とした地元の若手により運営がなされています。名物の手打ち蕎麦こそなくなりましたが、喫茶や軽食の提供はありますし、今回訪問してみると農業用ビニールハウスを転用した炭火焼きジンギスカンコーナーまであり、これは「お昼ごはんをここで食べ(ラム肉・野菜も地元産、お米に至ってはこちらのお宅の自家産米をおにぎりにて提供)、多少煙に燻された身体を黄金温泉の湯で流す」という利用法も大いにありそうです(それにしてもどこかで聞いたような流れですな)。

到着時はご覧のように車も駐まっておらず、案の定先客さんなしの貸し切りでした。よぉーしよしっ!



内風呂も悪くはないのですが、こちらの白眉は露天風呂‥いや、この広い方じゃなくてですね‥





ご覧のようにこちらの寝湯と壷湯は完全に透明です。こちらの湯(ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉)は空気に触れると次第に黄色~緑系のにごり湯となるようですが、浴槽が小さく、かつ源泉を下からどんどん投入して掛け流していることから「濁る間もなくどんどん湯が入れ替わっている」ことがわかります。しかも、鹿も、詩鴨ですよ!





壷湯はその大きさゆえにどうしても「屈葬」のような姿勢(縁起でもない(笑))で入らざるを得ないので、やはりノビノビ入れる寝湯が一番です!のんびり浸かり、画像にはありませんが打たせ湯を浴び浴び、再び壷湯や寝湯とを行ったり来たり。



おしんこどんも喜んでいるようです(笑)。ちなみにアブがそこそこ多いからか(この日は気温が低めだったせいか少なかったですが晴れているとそこそこ襲来)、パラソルの下には例の「オニヤンマ」がぶら下げられておりました。



湯上がりには生ビール!というわけにもいかないので(麦茶は無料でいただけます)、ここは夏らしくかき氷にしようということに。さて6種類ほどあるようですが、メロンとかイチゴとかのメジャーなものはなくて‥ん?



店員さんの女性に「トマト味って‥どんな感じですか?」とおそるおそる聞いてみると、「ええっと何というか‥わたしも最初は『え?』と思ったんですが、『騙されたと思って食べてみて』と言われて食べてみたら『これ、アリ!』という感じでしたよ」とのことでした。

「騙されたと思って」のフレーズが気に入ったので「では騙されてみます」と早速注文。



トマトテイストのシロップというわけではなく、まさに本物のトマトペーストが載せられたかき氷が絶賛登場!うん、こりゃいける!酸味は強くなく甘味の中にトマトの味わいがぎゅっと凝縮されているような感じだったと記憶しています(約半年前のことなのでやや記憶曖昧失礼)。美味しくいただいたのは間違い無しです。



すぐお隣にはおそらく経営者の方の田んぼが。この年は台風も来なかったし、おそらく生育も良かったんじゃないかな?なお受付棟では自家産のお米も販売しています。



こちらはジンギスカン棟。雨の日も大丈夫だしかなり大規模です!

さらに、近隣には前回(2021)にはなかった新たな施設もできておりました。それが‥





何でももともとトラックの駐車場だったところをキャンプ場にしたのだそうで、その当時の事務所がそのまま管理棟となっているようです。料金は900円/人と(ニセコにしては)リーズナブルで、温泉からは徒歩約5分。温泉は19:00まで営業しているようですが、そんな時間だと道中は真っ暗になってしまいますね(ま、ほとんどの利用者は車かバイクで行くでしょうが)。

もともとが駐車場ということで「地面が固い」のはご愛敬、ゆえに金属ペグやハンマーは無料で貸し出しているそうです。最近は北の大地でほとんどキャンプをしていませんが、仕事を退職したらそう贅沢もできませんからキャンプに戻るかな。その時はヨロシクです。



このあとは羊蹄山の麓を通って真狩村へ。途中に羊蹄山の湧水汲み場があることは知っていましたので、空きペットボトルとともに立ち寄ります。おしんこどんはしっかり顔を洗ってます(夏の定番風物詩)。

そして真狩村を通る時は必ず立ち寄るのがこちらです。





以前には、「立ち寄ってみたら先客さんがおられて、何とその方がかつてTakemaオフキャンプにもご参加下さった温泉先達のIさんだった!」などということもありまして、「温泉ファンは細川たかし像に集うのではないか」などという仮説を立てたこともありました(何のこっちゃ)。



「熱唱」というタイトルが付された像の礎石には細川たかしの歩んできた歴史(ただし平成5年まで)が記されています。で、その別の面には‥そうですこれこれ、この手形に手を押し当てるとその曲がかかり細川たかしが高らかに歌ってくれるのです!というわけでまずは1曲‥



どうやら機器が故障してしまっているようです。まぁ考えてみれば2023年=令和5年=平成35年なわけですから、この機器が設置されてから30年が経つわけで、そりゃ壊れても仕方がないのかも知れません。ですが、ですが‥







というわけで、村も財政状況等いろいろあるのでしょうが、是非ここは手を入れて直してほしいなぁ。いや、冬の厳しい気候等を考えれば現状設備を回復させなくてもいいですから。それこそ「業務用」のあの無骨な押しボタン(わかりますよね)でもいいですから。



とまぁ、そのように思った次第であります。

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