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- その1 まずはとにかく「福島の桃」からスタート!-



言わずもがなですね、夏の福島といえば「桃」。あかつきです!

(2023年7月28日-8月16日 東北編その2)

マソリンガンタンで長い旅のスタートです。千葉の自宅を出発したのは特に早くもない朝6時ころでした。この日は比較的長丁場の移動でしたが、夕方までに着けばいいのですから深夜特急の必要もなし、寄り道しながらのんびり北上しましょう。



三郷ICから常磐道に入り、最初の休憩はいつもの日立中央IC。まだ8時ちょい過ぎでしたが大型車が多くそこそこ混んでいました。皆さんお仕事大変ですね(性格悪)。



で、ふだん仙台方面を目指すときはこのまま常磐道北上の一択なのですが(要は東北道の線形の古さと交通量の多さを避けたいので)、この日は久々に磐越道へと入り、郡山JCTから東北道へと進みます。理由はもうおわかりの通り「福島盆地で桃を買い入れる」ことに決まってます!

なお今回の旅行では、両上画像を見てもらえればわかるとおりデジカメ(撮影設定が知らぬ間に変更されていた)とスマホ(グーグルピクセル7aでの画像は明るく鮮やかになりすぎ)とで極端に色合いが違ったりしますがご容赦下さい。



そうそう、今回NEXCO東日本の各路線を走っていたら、車線規制区間のスタート地点にはこの子たち(男性と女性のバージョンあり)があちこちに設置されていました。福島でも秋田でも同一だったところをみると、管内で統一的に導入されたのかも知れません。最近流行りの?空気で膨らませるバージョンです。向かって左手側に緑のフラッグ、右手には赤色棒(点滅はせず)というのがデフォルトのようです。男女像とも「目が左を向いている」ところからして、基本は「走行車線への誘導」を念頭に置いているのでしょう。と思っていたら何と何と!(左上画像マウスオーバーで別画像に変わります)。



まぁ中央分離帯側の工事などもありますし、いちいちフラッグや指示棒を付け替えなくてもいいようにするとはなかなか考えられていますね。勉強になりました。おしんこどん、背面撮影お手柄です。



さて福島JCTにて東北中央道方面へと進み料金所、そのあとすぐ先の福島大笹生ICで高速を下りました。ここから先の東北中央道は米沢の先まで無料区間なのでICを下りることによる料金云々の問題はないわけです。でもなぁ、何だか「区間により有料だったり無料だったり」というのはどうも納得いかないところです。どうせなら!ま、そんなことを言うと全部有料にされてしまったりしそうなのでここまでにしておきます(苦笑)。



というわけで福島大笹生ICからすぐのところにある「あきば果樹園」直売所へそのままピットイン!

ご覧のとおりフルーツラインの中ではかなり小さめの直売所ですが(失礼)、われわれは2011の夏「福島に桃を買いにくるぞミッション」を2回行っていました。7月に来た時はまだ早くて早生種の暁星、8月末に再訪したときは大玉を購入したわけなのですが、その大玉を購入したのがこちらの直売所だったわけです(その時のページはこちら、なお7月に寄ったお店はお婆ちゃんがかなり愛想なしだったのでその後行ってません)。

リンク先ページをご一読いただければこちらの直売所ご夫婦がかなり気さくな方だということをご理解いただけると思いますし、小規模店舗なので常にご夫妻が対応して下さるというのも嬉しいところです。そして今回、実に喜ばしいお話が。ご主人いわく、



おおーっ、素晴らしい!原発事故による風評被害こそ(桃については)1-2年でなくなりましたが(というかご夫妻はそもそも当初からあまり問題にしていませんでした)、やはり日本農業の未来を考える上で「後継者」の問題は実に大きなものがあります。あきば果樹園さんはそちらもクリアというわけでいやぁめでたい!なおご主人によると‥



ということでした。プライバシーの関係でこれ以上は書きませんが、「目利きのいい息子さんに、そのお眼鏡にかなうような育成法を伝えていこうとするご主人」、これは実に今後が期待できますよあきば果樹園さん!





ええっと「白箱(規格合致の贈答用)」「茶箱(規格外で家庭用)」とを1箱ずつ購入しました。え?左上画像の茶箱に比べてTakemaが手にしている茶箱のほうが圧倒的に盛りがいいじゃないかって?ええ、おまけサービスで載せて下さいました(嬉)。ただ初訪問の時からいつもそうだった気がします。なおこの茶箱桃については「この旅行中にわれわれ2人で『全部自家消費』する」と決めていました。最後の2個まで美味しく食べ終えたのは確か津軽海峡のフェリー上だったかなと。

そういや、バナナの大房を購入して、それが何だかんだとわれわれのその後のランチ難民回避に貢献したのはキューバでした(この時です)。ただあちらでは「そもそも道中に飲食店がない」ことによる救飢食として役立ったバナナでしたが、ここは日本ですから、あくまで食後のデザートとしていただきましたよ、ええ最後の方では「デザートは1人1個、丸かぶりでね」という感じでしたが(笑)。



このあとは道の駅ふくしまへ。数年前のIC開通とともに開業した新しい施設で「ふくしま」の名を冠するにふさわしく実に大きな施設です。開業直後のGWに立ち寄ろうとしたことがありましたが、もうとにかく入場待ちの車列が目に入りソッコーでパスした記憶がありました。しかしこの日は平日ゆえまぁ何とか(でも駐車場は混んでいました)。

こちらでも桃の直売はたっぷりありましたが、われわれはもう買ったばかりなので、長期保存可能品(右上画像)を購入した次第です。しかし2023の福島盆地はとにかく暑かった。桃の樹勢にも今後影響が出ないかなと心配になります。山梨なども同様な盆地地形ですし高温に見舞われてもいるわけですが。



さて桃買い行動も終えたところでお昼ごはんへと向かいますが、左上画像の山肌が広域にわたり裸地になっているのが見えました。帰ってきてから知ったことですがあそこには「太陽光パネル」が広げられるそうですよ。旅行記とは離れますがふた言み言よん言ご言。

太陽光発電には適した地域とそうでない地域があると思うのです。それはもちろん日照量の条件もありますが、日本のように(欧州とは違い)もともと定期的に台風で大雨強風に見舞われる国において、「山の斜面を切り拓いてまで」行う発電方法ではないでしょうよ太陽光発電って?

そもそも太陽光発電や風力発電などが「自然に優しい」「減炭素」などちゃんちゃらおかしな話だと思っています。左上のように山をぶっ壊してそもそも効率が圧倒的に低い発電パネルを張る、しかしそのパネルの寿命はせいぜい20年だといいますし、その間に(あの地形だと)地肌がどんどん浸食されますよね。そこで大雨が降ったらパネル斜面ごと崩壊(これはもうさんざん各地で起こっていることですし)。そしていまだに使用済みパネルの安全(かつ安価)な処理方法は確立されていないと聞きます。

しかもこれら「自然エネルギー」とやらの最大の弱点は「不安定」だということに尽きます。太陽光発電は当然日没とともに発電を終了しますし、風力はまさに風任せです。地熱発電所は確かに安定的ではありますが、運用していくうちに同じ井戸から取り出せる熱水は必ず減り、それとともに発電能力は確実に落ちていきます(なお地熱発電による電力供給量は現在の日本においても微々たるもので、決して主要電源であるとはいえません)。

つまり「不安定な自然エネルギー」よりも「安定的に(計算して運用し)発電できるエネルギー」のほうがはるかに重要なのです。それは原子力であり火力であり水力であると思うのです(ただし水力については降水量とのかね合いがありますし、火力も原子力も原材料コストの問題はあります。現在一番価格的に安定しているのは原子力発電材料だと思いますが)。

しかし世の流れはどうもそうなっていません。原発の再稼働は進めるべきだというのが現在の自論ですが(ちなみに福島第一の事故前は原発には批判的でした)、声の大きい公私の人それぞれが「再生可能エネルギーでまかなえる、いやまかなえるようにするべき」という頓珍漢なことを大言壮語しています。

本当にまかなえるの?蓄電池のレベルってそんなにすごいの?というかそもそも「電力を蓄える=移動する」ことでロスがかなり出るはずなんですが、ちまちまとした太陽光発電で回収した電力をあちこちの蓄電池に送電するだけでもロスは大きいはずなのに、それをさらに大元へと送電?無駄が多すぎませんか?しかもそもそも太陽光発電の効率は火力発電に比べて圧倒的に低いのに!(24時間の発電効率を考えてみて下さい。われわれは夜ほど電気に頼るのに)。

もうひと言だけ。こういう流れはだいたいヨーロッパからやってきます。あえていえば仏独あたり発かな。実は自分にとっては「行きたくもない両国(人はともかく政治的に)」なのですが、特にエネルギー関係でいえば脱炭素は仏主導ですよね。そりゃ国内の電力需要の70%ほどを原子力で賄っているお国ですし、EUの大国としてのご立派な大義名分を発することに長けています。

ただそんなおフランスも、そしてEU内最大の経済大国であり、かつ「原発廃止と宣言しつつちょっと延長、でもその前提にはフランスほか各国との電力融通という協定がある」ドイツもそうですが(長い修飾句ご勘弁)、



一番近いところでは「ディーゼル車」ですよね。クリーンディーゼル車基準を(勝手に)決めて「EU域内で販売される車はこの基準に適合しなければならぬ」と言ったところまではいいものの、そもそもVWあたりが(ほかもそうでしょ)偽のデータを出していたことがわかったところでいきなりソッコーで消えましたよクリーンディーゼル。そしてほとぼりが冷めてきた数年後にいきなりお天狗面の上から目線で出てきたのが「EVだけ!」ですもん。

しかもEU(というかおフランス)のこのご意見にはさすがにドイツ(の車両メーカー)も首肯できなかったらしく(仏はほぼ自前で電気を作れるがドイツは買わねばならない時期もある)、「水素を通じたナントカ由来のオイルは例外」という話となりましたよね。これ、「ナントカ」の範囲は今後拡大していくと思います(予想@2023/9)。

ここまで書いてきて、たぶん自分の誤認や勘違いもあるのでしょうが、自分は欧州各国の政府(特に独仏政府)の「唯我独尊&臨機応変」さが好きになれないんだろうなとあらためて自覚しました。いっぽうでイギリスにはそこまでの思いまでは抱いていません(もちろん相対的にはというところで)。あ、USA?(以下自粛)。要は「みんなワガママだなぁ」というだけですよ。

というわけで旅行記へと戻ります。



やってきたのは「裁ちそば」の紅葉亭。「裁ちそば?ナニ、このあと檜枝岐まで行ったの?」と思うかも知れませんが、もちろんさにあらず、檜枝岐のお宿「紅葉館」で勉強なさったご主人がここ福島市で営業なさっているようなのです。

実はこのお店の情報はこの旅行の数日前にいきなり知ったわけでして、X(旧ツイッター。今後は「ツイッターX」と表記します)のフォロワーさんからは「美味しいけれど、タイミングによってはどうなのかと思うこともありやなしや」というコメントをいただいていました。でもこの日は開店前の並びタイミングに到着したため、お蕎麦の不揃いや茹で加減の乱れは一番考えにくいタイミングでした!(右上画像の「営業中」は開店後に撮影したもの)。



さて開店してもいきなり全席が満員になることはありませんで、徐々に「次の○○さま、どうぞ」と呼ばれるシステムでした。厨房のそば茹でや天ぷらの揚げペースから考えてお客の流入具合を抑制しているのでしょうね。

で、前出のフォロワーさんのお勧めもあり自分は大根おろしそば(梅干し付き)、おしんこどんは天ざるそばを注文しました。




粗くおろされた大根は量も多めで十割の裁ちそばに合い、味変の大粒梅干しもいい仕事をしており大変美味しくいただきました。というわけでわれわれには珍しく「食後のデザート」まで頼んでしまいましたよ。この日も暑かったからねぇ。ちなみにブルーベリーヨーグルト、結構量がありましてちょっとびっくり。

さてこのあとはどうするか?って、温泉に決まってます!‥が、こんな真夏の暑い日に「あつ湯の飯坂で勝負ぢゃ!」というのもナニですし(根性なし)、ここは‥





母屋の前では強い日差しのもと大粒の梅が絶賛天日干し中でした。宿泊のお客さんにも丸ごととかペーストにして料理に使ったりして提供されるんだろうなぁ、うらやま美味しそう。

静心山荘には2011/5、福島第一の事故直後にしか泊まったことがないのですが、また泊まりに来たいなぁ。ここ、食事がすごく美味しいんですよ。建物は古いですが。というわけでいざお風呂へ!





床もすっかり乾いているのでしばらくどなたの入浴もなかったと思われます。で、まずはかけ湯を‥



静心山荘の湯は独自源泉ですが、高湯温泉郷の他の施設に比べてやや源泉温度が低く(それでも43.8度ということですが)、また源泉地の状況や引き湯の過程で湯温が下がります。つまり「雨が降る・気温が低い」時などはぬる湯となるわけです。

しかしこの日は「福島の夏(下手したらホース部分が熱を持ち加温効果?)」「しばらく雨も降っていない」というわけで、そこそこの湯温だったということのようです。もっとも「熱い」というほどではなく適温レベルでしたが、ぬる湯というほどでもありませんでした。



しかし標高高めの高湯温泉ということもあり、湯から上がってトド寝っぽく休憩していると心地よいです。次のお客さんが来る気配もなく、数十分湯っくりしました。あ、右上画像ではおしんこどんが女湯側から足を出してきてますね(笑)。

ところでこの日は宮城の駒の湯温泉へと向かうわけですが、高湯にも駒の湯にも共通しているのが硫化水素ガスの問題です。高湯のほうがガス濃度は濃いようで、引き湯の途中で「ガス抜き」の構造物があったりするわけですが(駒の湯には途中構造物はありません)、駒の湯湯守がガス抜きの参考にしたのがここ高湯の、左上画像のような「湯口部分での強制排気」だったそうです。

なお駒の湯の強制排気ファンは基本的に24時間、冬期閉鎖期間を含めて365日回っています。閉鎖期間中に止めたりして、その間にガス濃度が高まらないとも限りませんからね。

というわけで再び東北道に乗り駒の湯へと向かいましょう。



旧栗駒町の岩ヶ崎地区に入り、実は湯守ご夫妻御用達のスーパーにて「自分たちの飲み分」として冷えたビールを買い込みました。と、駐車場の端に何やらトラック‥ええっと、ロイズの移動販売車のようです。というわけでこちらでの購入品も(福島の桃と合わせて)お土産にしちゃいました。

ここからは山を上がり耕英地区へと上がっていきます。この日は夕方着だと連絡していたので、とりあえず暗くなる前に到着すればいい‥というわけで、これまで行ったことのなかった湧水地である「金明水」に立ち寄ることにしました。

分岐から舗装路を道路終点の駐車場まで進みます。この道を走る車はかなり少ないような感じで道ばたの樹木の枝の張り出しがそこそこありましたが、走行には支障ありません。以下は帰り道を撮影した動画です。

ここに動画


駐車場からは歩きです。緩やかな下り道ですがよく踏まれています。この道は下部の行者滝まで延びている(いた)ようで、車道が開通する前には栗駒山登山のメイン登山道だったのでしょう。ただし現在は行者滝-金明水の区間は通行止めとなっています。

ヒグラシのカナカナ大合唱を聞きつつ下っていくと金明水への分岐が。ほんの少し下っていくと‥







というわけで手持ちの500mLペットボトルに汲みました。なお、左上画像の木製足場がややへたっており、その足場と「金明水神」の土台とが干渉していることで、足場に乗ると「水神様が揺れてしまう」という状況でした。駒の湯到着後湯守にそのことをお伝えすると、この水神様の設置には湯守とそのお父様(先年ご逝去)が関わっておられたのだとか。というわけで数日後に確認に行って下さったようです。


「森の温泉~駒の湯温泉通信」から画像と文を引用しています)



というわけで駒の湯に到着。7月下旬だというのに(しかも駒の湯ですら暑いというのに)紫陽花がまだまだ元気でした。さすがに千葉ほど暑いわけではなく、また朝晩はそこそこ気温が下がりますからね。

まずはご挨拶&貢ぎ物の進呈をば(桃は右上画像マウスオーバーにて)。ところで桃ですが、この時点でわれわれはこれとは別に茶箱(家庭用)の桃を1箱+おまけ5-6個持っているんですよね。このあとどんどん熟してくるし、さて旅行中のどんなタイミングで成敗(完食)するのかできるのか?楽しみ且つ不安でもありました(笑)。



さてしかし、この日は到着してから何一つ勤労奉仕していないのに(そもそも「お手伝い」に来ているわけなのに)、まずは夕食をいただくというひどい話です(苦笑)。

円盤餃子になめこおろしにサラダ、自分としては(少食アラ還)もうこれで十分なのですが、しっかりこのあと汁もご飯もいただきました。湯守、Takemaが少食だってことをあまり気にしていないでしょ!(大笑)。

念のため断っておきますが、(小食か大食かはともかく)湯守のお宅(施設)に泊まらせてもらっていること、また食事を提供していただいていることに対しては一定の対価をお支払いしています。WWOOFのようなワークエクスチェンジではなく、あくまでボランティアとしてのお手伝いなので、われわれの滞在に関するコストは当然支払うべきですので。




(いやまだ何にも貢献できていませんが)。



というわけで食事後にお風呂を見に行きます。会員以外を受け入れていない状況ゆえ、常時新鮮湯が流し込まれてはいますが浴槽底には湯花が板のように沈殿していました。よぉっし、明朝には一気に綺麗に掃除しますからねというわけでこの日は終了です。

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