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- その3 いつもの駒の湯お手伝い。 -



駒の湯近隣の森に聳える「主(ぬし)の木」。ミズナラの大木です。



(2023年7月28日-8月16日 東北編その3)

さて、明けて翌朝はさすが駒の湯というべき「朝7時前の気温が(かろうじて)10度台」という夏のご馳走温度でありました。というわけでまずは浴槽掃除を始めましょう。この日はお客さんがありますので。

爽快な朝です。真夏ではありますが湯小屋の近く、植樹の林からウグイスが鳴いていましたので、お聞きになりたい方は下のバーのPLAYボタンを押してみてください。駒の湯気分が味わえます(笑)。


この日の湯口温度はご覧のとおり38.0度。この時期には最高の湯温です。春や秋にはあと3度ほど欲しいところですがねぇ。被災前の駒の湯源泉(現在の源泉とは別)は40度を超えていたそうですが(実は入浴したことがありません)、現在の源泉は旧源泉より位置が高いからか熱い泉源からの圧力が足らないのでしょうかね。それでも現源泉が湧きだした時よりは公式データでも1度半ほど上がってはいるのですが。

ええっと話を戻しましょう、お風呂掃除でしたね。しばらく湯を抜いての掃除が行われていなかったため、浴槽底にはベールのような湯花が敷き詰められているような感じになっておりました。というわけでびしっと綺麗にしちゃいましょうね。



というわけでお掃除完了、あとは予約のご夫妻を待つばかり!



久々に暖簾も掛かりました。

で、このあとはお手伝い作業なのですが、水分補給用のスポドリを沢水を引いている流れのところにちょこんと置きました。水かさは低いのですが水温が低いのでまぁ何とかなるでしょう(なりました)。



この日(午前中)の作業は丸太割りの大仕事。山の上の方に移動し、チェーンソーでカットしてあった丸太にくさびを打ち込んで割り、さらにそれを湯小屋前まで下ろすという作業です。丸太割りは湯守の仕事で(どこにくさびを打ち込むかは素人Takemaにはわからないのと、安全を考えて(ハンマー使いにまったく慣れてない)、Takemaは丸太のセットと割った材をまずは途中の広場まで下ろすというお仕事です。

しかし山の斜面の一角で行うがゆえに足場は悪く、そもそも道がない場所からの搬出ですから大変です。というわけ--で「空中搬送」としましたが、結んだロープが薪材の重さで伸びてしまい、結局最初の7-8mしか空中を飛ばせないという状況、後は人力で移動させることとなりました。それでも、その最初の数m区間が一番の「難所」でしたから十分役にたったんですけれどね。写真がないのが残念。ちなみに全身大汗だくで、休憩中に摂取したスポドリウマー!

そうこうしているうちに入浴予約のご夫妻が到着です。自分のお知り合いであり、「自分がいる間ならば」ということで湯守に入浴&休憩&食事のセットをお願いしておりました。初訪問ということで、怒濤のオーバーフローを楽しんでいただければとお掃除にも念を入れたつもりですが‥



お風呂のあとはお蕎麦を召し上がっていただき(われわれも)、食後には‥







自分も撮ってもらえばよかったなと今さらながら後悔。

というわけで楽しんでいただけたかなと思いつつご夫妻を見送りました。また来てねぇ!

さて午後は背負子が登場です。途中の平地まで下ろした薪材を人力で下ろすのですが、ここからは踏み分け道があります。というわけで運ぶ人と背負子に積む人との二人三脚で行いました。お疲れさまでした湯守!(どっちがどの役だったかバレバレ)。しかし作業終了後、湯守から



労いの言葉(リップサービスかと)をいただきました。少しはお役に立てたのかな。



この日も暑かった!ようやく日陰になりおしんこどんも作業開始です。



スイカ休憩の後は「おしんこどんのチェンソー体験会」も催されました(笑)。なんでもやってみたがるおしんこどんですが、チェーンソーについては「うーん、これは飽きるね」とイマイチのご様子でありました(笑)。



そんなこんなでお手伝い初日終了、お疲れさまの乾杯となりましたよ(いつものこと)。



明けて翌朝、デッキ付近ではご覧の通りの気温でしたが日差しは朝から強く、今日もまた暑くなるのでしょう(なった)。



朝食前にまずはお風呂掃除から始めます。あれれ、昨日掃除したはずなのに浴槽内には大量の湯花が舞っております。たった1日でこんなに湯花が出たことはこれまでなかったと思うのですが、やはり温泉は生きものだというわけですね。案外、気温の高さも影響しているのかも知れません。



朝ごはんのあとは別の場所に移動しての作業となりますが、おしんこどんが昨日のうちに草むしりを終えていた駒の湯ガーデン前にてパチリ。とはいえ、数週間もたてばまた元の木阿弥化するのでしょうが。草むしりといい薪作りといい雪かきといい、駒の湯では終わりの見えない作業が延々と続くというわけです(本当に大変だ‥)。



さて薪割りです。とはいえエンジン式薪割り機があるので力は要りません。昨年までは電動油圧マシンだったのですが、やはりパワーが違うということでこちらのマシンに変えたそうです。確かに昨年までだと「こりゃ(節があるので)うまく割れないかな?」と思ったに違いない木塊も、「おおすごいスゴイ!」とそれこそまさに「力技」で割りまくりました。



というわけで、人海戦術が功を奏しあっという間に一棚が満杯となりましたが、これらの一連の作業(チェーンソーで解体-丸太割り-運搬-薪割り-棚に並べる)を普段は湯守が一人でやっているわけですから、「山で暮らす」って本当に大変です。

ところで右上画像ですが、この年のGWにお手伝いに来たときに植樹した苗木たちです(この時)。しっかり根付いて青葉を広げていました。大きくなるんだよぉ!



作業終了後はナメコおろし蕎麦のお昼ごはんをいただきます。‥と、空いていた窓から珍しいお客さんが入ってきました。アブはしばしば入ってくるんですが(苦笑)。

元気なオニヤンマです。もちろんアブの天敵ですから逃がしてあげるわけですが、たまたま湯守のかぶる帽子に「ダミーのオニヤンマ」が付けられていたので比較してみることに。ふむぅ、ダミーもなかなかよくできていますね。



さてお昼ごはんをいただいたあとで出発です。と、湯守ご夫妻が「ハイ、出発前にこれをどうぞ」といちごジュースを出してくれました。おお、耕英産のいちごをたっぷり使用した美味しいやつだ!ごちそうさまです!




今年(2023)は3月、5月、7月と3回おじゃましました。

駒の湯訪問後は鳴子に向かうことが圧倒的に多く、その場合は市道経由で向かうことが圧倒的に多いのですが、今回は須川峠越えで秋田へと向かうので県道経由で山を下っていきます。

下っていく途中には「行者滝」のPAというか駐車&トイレ&休憩スペースがあります。ただ実は、これまでここで休憩とかトイレに駆け込んだことはあっても(その時はとってもとてもその存在に感謝したわけですが=人間の尊厳的に焦ってました=「大」のほうでリーチがかかってましたんで)、なぜそこにそんなスペースがあるのかを考えたことがなかったわけです。でも「行者滝駐車場」ということは‥滝が眺められるの?





なおこの日は夏の渇水期でしたからこんなふうな細い滝でしたが、雪解けの増水期などはこれと比べものにならぬほど威勢のよい滝になっているはずです(今度春先にまた来てみたいと思います)。そもそもかの「岩手宮城内陸地震」で多くの方々を死傷させたかの土石流は(湯守も重傷を負いました)、ここ行者滝まで怒涛の如く流れ下ったようです。逆に言えば、この深い滝壷の段差がそれらの膨大なる立方m3をここである程度押しとどめたといえるのかもしれません。

復興工事によりそれらの土砂や木石は当然取り除かれているはずで、今は震災前の雰囲気をかなり復元しているはずです。でも、震災後数年してから初めてお会いし、その後何度も何度もおじゃまし(軽)作業をともにさせていただいている湯守は、自分が知り得ないさまざまな「あの時それぞれの一瞬一瞬」を経験し記憶せざるを得なかったわけです。その記憶を自分の中でずっと抱きつつ、われわれに「ごく普通に」(何も語ることなく)接して下さる湯守、すごいと思います。

ええっとまだ書きたいことはあるのですが、旅行記の本分からは離れますので先へ進みましょう。



須川峠に上がりましたがまだ先は長いので今回はお湯に浸かることはせず、そのまま秋田の湯沢市側に下っていきます。GWには冬期通行止めで通れないことを慣例としている秋田県道282号(須川湖脇を通過する道です。なおGWには例年道路の除雪は全て完了していますが、右上画像の合流地点に雪の山を築いて物理的に進入不可としているのは雪崩対策のためかな?)を通り抜け、小安峡方面へと下っていきます。

ここからの道路自体は山道とはいえ線形もよく(全部新道に付け替えられました=その昔は舗装林道レベルでGWやお盆は行き違い渋滞が発生していました)快適に走れる下り道なのですが‥



何で煽りにはアレ系が多いんでしょうかね?ハコゆえ容積的に大きく運転席も高め位置だから「オレ様エライ」と思っちゃうのかな?それとも逆説的に「オレ様エライ」と自己満足したいがためにあぁいう車格の車を買いたがるんですかね?アレ系製造の車両メーカーに聞いてみたいところですが、仲良くさせてもらっているスバルにはかのような「ハコ系」のラインアップがないんですよね、軽ハコはありますが(苦笑)。

なおハコ系DQN車ですが、小安峡付近で追いつきました。そのあたりになるとイエローラインとなり追い越し禁止、ハイ、前にゆっくり車が走っていたので神妙に行列に従っておりました。ふむ、あのハコ運転手氏とは仲良くできそうな気がしましたよ(笑)。



ところで右上画像、「白い鳥(やや茶色っぽい)」が飛んでいるのがわかると思いますが、地方(東北に限らず?)在住の方であれば「あ、これってアレですね」とすぐわかると思います。そう、これは「鳥よけカイト ダミー鷹」とでもいうのかな?(正式名称は知りません)。風に吹かれると結構自由に舞うので、わが家屋上用にもいいかなと思って同じようなものを買った記憶があります。問題は‥「買って満足してしまい、今やどこにあるかもわからない」というところでしょうか(苦笑)。たぶん倉庫だとは思うのですが‥。

そんなわけでさらに進むと、あの「ほほえみの郷 観音湯」です。こちらのお宿は、一度はわれわれを含む「GW東北キャンプ隊」(もはやキャンプではありませんが)のGW常宿にまで上りつめたお宿でありましたが(この時です)、宿泊の料金システム(連泊の場合、2泊の料金に昼間の滞在料金が加算される謎システム=確かに)+部屋はあるのにソロ客を「友だちですよね」ということからか相部屋強制(もっともこれは「稼働可能な部屋ばかりではない」 or 「手が足らないので多くの部屋の清掃が間に合わない」という事情もあったかも知れませんが)というような諸々により、たった1回で「あそこはもういいや」と宿泊パスに至ったお宿です。





立ち寄り入浴に及んだ次第です。ちなみに上記の際もわれわれ夫婦には1部屋があてがわれましたんで、2名以上だと相部屋問題はないと思われますし、この訪問時には以前のGWには閉鎖されていた奥の建物棟も使われていたようなので、状況は変わっているかも知れません。

そしてお湯。もう何度も何度も入っていますが「ツルヌル」というより「ヌル」に近い領域の浴感が楽しめます。あ、自分の浴感基準はこんな感じです。





広いほうはぬる湯、狭い方は50度近くあり入浴を断念。

なおいつも書いていることですが、自分がこれまでに「ヌルヌル」を認定したのは、中山平温泉の今はなき「丸進別館」しかありません。でも「ヌル」だって数はそうそうないですから、実に貴重な存在です。これからも立ち寄りますよ。おばあちゃん、まだまだ元気でいて下さいね(そしておそらく息子さん、できればもう少し愛想よくしてね)。

さてこのあとは一気に日本海側に出ての宿泊ですが、この続きは次ページにて。

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