- その3 奥飛騨の湯をタンノー後は雨の中神岡・八尾方面へ -



一時的に雨が止み、秋の湯浴みを楽しみました。



(2024年11月1日-4日 その3)

というわけで今宵のお宿「中尾高原ヒュッテ」に到着です。こちらのお宿はグーグルマップを眺めながら「何だかよさそう」という実にアバウトな感覚で選びました(笑)。お高くもなかったです(この翌日以降の連休では料金が上がったのかな?と思いましたが、公式サイトを見る限り固定料金のようでした)。

雰囲気はまさにヒュッテです。そもそもヒュッテとはドイツ語で山小屋(英語でいう「Hut」)を意味しますから、たとえば「涸沢ヒュッテ」などはまさに本来の意味でのネーミングなのですが、日本では「ロッジ」とほぼ同意のイメージが強いというか、ちょっとお洒落なイメージもあるような気がします(自分だけ?)。

いかにもアルプスの麓にありそうな外観でお洒落な感じです。営業を始めてから30年にもなるのだとか。でも特に古さは感じませんでしたし、1階のくつろぎスペースも落ち着ける感じで、営業期間が長くなると何かと雑然としてしまう「ありがちパターン」とは無縁でした(右上画像マウスオーバーでくつろぎスペース画像に変わります)。ただ玄関の木製扉だけはやや立て付けが悪かったのですが、雨で湿気ていたからかも。



部屋は2部屋仕様でちょっとお高いほうです。でも1部屋仕様と1100円しか変わらないのでこれくらい贅沢してもいいでしょう。われわれのお出かけではTakemaが夜更かしすることが多いので(普段は逆です)、部屋が別れていると先に寝るおしんこどんも眩しくないしね。

なお、なぜか通路部分の仕切りはかなり低くなっています。よほど背の低い人でない限り屈まなければとおれません。でもこれくらい低いと「気づかずゴッツン」というのはまずあり得ませんからこれも「あえての仕様」なのでしょう。

ところでこちらのお宿、部屋数は5部屋しかないのですが‥



だからまずもって「どこも満員」という確率ははなはだ低いはずです。この日の宿泊はわれわれを含めて3組でしたが、結局どのタイミングでも「先客あり」という場面に出くわすことはありませんでした。ではではまず内風呂を眺めてみましょう。



どちらも同じ造りで、中尾の湯がトロトロと投入されていました。もちろんかけ流しです。で、こちらはまた夜にでもということで‥露天風呂に行ってみましょうそうしましょう!



露天風呂は棟続きではなく、いったん表に出て裏庭を歩いていくスタイルです。これはこれで風情があってよろしいのですが、雪の時期はお宿のご夫婦も(除雪で)お客も(雪道歩きで)大変だろうなぁ。いや、お客のほうは雪見風呂を楽しみにいくのですから「嬉しい悲鳴」という意味でね(笑)。



こちらは岩風呂ですが、もう1つの寝湯付き露天風呂は屋根掛けがお風呂側にせり出していて、しとしと系の雨や雪であれば問題なく快適に入浴できます。岩風呂のほうは自然の摂理のままにということで(笑)。

お湯はこの界隈に共通するさっぱり系の透明湯(単純泉)で、知らなかったんですが中尾の湯は掘削とはいえ動力揚湯ではなく自噴泉なんですね。平湯から新穂高界隈にかけての温泉資源の豊富さは今さらいうまでもありませんが、大正池から上高地にかけても「掘れば出る」のかなぁ?ま、あの界隈でこれ以上「自然に手を加える」ことはないのでしょうが。



続いてもう1つの寝湯付き露天に浸かったところでひとまず終了。年末にかけては日が短くなるためこの時期からは早めにお宿に入ることが多くなります。ゆえにほかのお客さんはまだ到着しておらず、ゆっくりと中尾の湯を楽しみ、湯上がりにビールで乾杯!シアワセです。

なお以前はジャグジー風呂もあったそうですがしばらく前にやめたようです。自分はジャグジー系には全然興味がないので問題なしなのですが。

しばし部屋でくつろぎ、やがてお待ちかねの夕ごはんです。この日は朝抜きだったし、昼は普通に食べたけれど夕ごはんはお酒も飲めるしねぇ。





どうやらこちらのお宿の定番であるようで、量は半ラーメンどころか1/3もあるかどうかです。この趣向は面白いですし「高級」系では絶対に出来ないメニュー手順かと。そもそも高山ラーメンはあっさりが旨なので、当然これでお腹が一杯になるはずがありません(少食Takemaでも)。



続いて、ご主人がお宿を始めてからずっと提供しているという「トマトのグラタン」。もちろんいろいろと工夫を加えてはいるのでしょうが、30年もの営業中ずっと提供し続けているというのにはこだわり以上のものを感じます。もちろん美味しくいただきました。

料理提供中にも関わらず隙をみてご主人が出てこられて料理の説明をなさってくれるとともに雑談にも応じてくださる、これは小規模なお宿だから出来ることではありますが、かといってなかなかできることではないよなぁとしみじみ。そういえばご主人も「今秋の紅葉は全然駄目です駄目でした」と高らかに宣言?なさっていたっけ。そしてしばし、飛騨牛のローストがどんと出てきました。

最後にフルーツ‥もカクテル仕立てで「そのままの安直提供はしない」とのご主人の意向が伝わってきます。ちなみにこのページをタイプしながら調べていて初めて知ったのですが、某旅行予約サイトにおける評価が実に高いのですね。納得ですが予約時には見ていませんでしたので(マップ上に表示された各お宿の公式ページを見比べた上で予約しました)、自分の見立てもそう悪くはないのかなと自画自賛ね(あのね)。まぁ上を見ればキリがないエリアでもありますが。



夜になるともう止むこともないしっかり雨で、入口の前に後付けの屋根があることに大感謝。えぇ、ここに灰皿があるものでね(いみじい)そして内風呂でぬくぬく。なお建物はしっかりした造りで室内は朝まで快適温度でした。



明けて翌朝朝ごはん♪これまた適量で嬉しいのですが、大食漢の方はご飯をもりもり食べることで対応してください。唯一後出しで提供されたのは「あげづけ」。ご主人、こちらが高山名物であり何軒もの店があることをご紹介いただくのはいいんですが、「これもスーパーで買えます」と実に真っ正直なご案内を(笑)。



朝食後にもお湯に浸かり、なかなか大正解の思いとともにヒュッテを後にします。なおおしんこどんが訊いていたのはヒュッテ内の内壁についてでしたが、「開業当時のまま一度も手を入れて(塗り直して)いません」とのことで自分も含めてびっくりしました。なぜこんなに綺麗なまま維持できているんだろう?



というわけでこの日の行程をスタートさせましたが‥雨ですよ雨。この日は終日雨でして、車内からの撮影画像は「ワイパーがフロントガラスを拭いた瞬間に」おしんこどんが撮っていました。やがてその努力すら空しくなるクソ雨となったわけですが(苦笑)、出発直後はまぁまだ小雨程度にて。でも前夜からの雨で川は濁ってますね。



この日が(クソ)雨だということで、前夜のうちに一生懸命屋内施設について調べておきました。というわけで最初の寄り道は道の駅スカイドーム神岡でした。というのもここには例の「スーパーカミオカンデ」に関するビジターセンター的施設「カミオカラボ」が併設されていますので、ご本尊施設の見学は無理でも雰囲気だけは味わえるかなぁと考えたわけです。




(何のこっちゃ)



左上画像の目玉軍団がまさにその光電子増倍管なのですが(さすがにダミーでしょう)、バリ文系の自分ゆえそもそもニュートリノについてよく理解しているわけでもなく(いや実はまったく云々)、そしてこの研究がどのように役立つのかもわかってはいませんが、それはかつてこの研究成果によりノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんでも同じだったようでした。

実は自分はかつて小柴さんの講演(素人対象)を聞く機会があったのですが、小柴さんも説明に苦労したでしょうし、そのご苦労に全く報いることも出来ぬまま、自分は「ニュートリノって今われわれの身体をも通り抜けてるのね」ということぐらいしか頭に残りませんでした(全然駄目)。



この「カミオカラボ」ではプロジェクションムービーによる左上画像のような3D動画による説明も行われていました。いっぽうで、おみくじ方式の協力金箱も設置されていて‥おしんこどん、「吉」ですね。そこに書かれていたご託宣いわく、



何だよ、『かも』を付ければ誰でも何とでも言えるジャマイカ!とも思いましたが、そもそも最初のカミオカンデで小柴さんがニュートリノを捉えたのもある意味偶然の要素があったようですし、ここのおみくじには何でも「かも」がついているの「かも」しれません。でもわれわれの人生って明日はすべて「かも付き」ですからこれはこれで的を射た正しいご託宣なの「かも」しれません。あんまり多用すべきではないと思いますけれどね、特に「反ナントカ」の方々が多用する「あり得ないとは断言できない」は論理表現上のお遊びに過ぎないわけですから。



最後にグラウンドマンホールカードをいただいた上でこの道の駅を後にしたわけですが、ん?地震を察知するナマズ?でもスーパーカミオカンデに関してはニュートリノ狙いであり地震は関係ないような気が‥

と思ったらナマズでもなく地震とも関係ありませんでした。この魚キャラクターはカジカ(清流部に生息する川魚)でして、現地では「ちんかぶ」と呼ばれているそうです。以下にも述べますが「清流」こそ大切なのですよという思いとともに道の駅から先へ進みます。と。





「安全」よりも前に書かれた「環境」の2文字が目を引きます。ご存じの通り、かつて神岡鉱山から排出されたカドミウムによる水質汚染によりイタイイタイ病が発生し、日本で最初の公害病として認定されたわけです。その過ちを繰り返さないようにという自戒の意味を込めての掲示なのでしょう。



途中何箇所かの片側交互通行区間があり、結果として「大名行列」での進行となりました。あまり好きではないので、途中で道路端に停車して列をやり過ごしました。その後右折して県道25号へ。このあたりから雨が強くなってきました。



ワイパーブレードが通り過ぎた直後を狙って撮ってもすでに雨粒が付着している右上画像ですが、こりゃダムですな。しかも雰囲気的に結構年代物じゃないかな、場所的に神岡鉱山への電力供給も必要だったことだし:これは違っていたことが判明。神岡鉱山は自前の水力発電所を有していたようです。







あとで調べてみたところ、このダムは「神三ダム」が正式名称で、通称として「神岡川第三ダム」の名があるのだとか?逆じゃないの?とも思いますが本当らしい。なお「黒四ダム」の現在の正式名称は「黒部(川)第四ダム」ではなくて「黒部ダム」なのだとか。おーい「四」はどこへ?

話を戻してこのダムは1955年、上流の第一&第二ダムを補完する(流量調整)とともに下流エリアへの電力供給を目的として設置されたダムなのだそうです。ダムとしては大きくもないですが、地道に頑張っていますね。このようなダムが全国には無数にあるのでしょう。

この後は強まる雨の中、八尾の資料館へと向かいました。雨が強くて屋外の見学は無理でしたので。



八尾(やつお)といえば「おわら風の盆」が有名です。もっとも自分はその名を知るのみでしたし、まだしばらくはその日程でのお出かけは無理ですのでもう少し後の楽しみにというところです。





混むのはいやですが、こういうお祭りも見にいきたい気もします。



で、室内展示はのんびりとでしたが、出口に向かう屋外通路に出たらこんな大雨でした。まぁ天気予報通りといえばその通りなのでしょうがない。

この後はお昼ごはん場所でおしんこどんと少々もめましたが(ちなみにお目当てのお店は二人ともありませんでした)、結局は旧市街エリアのこちらへおじゃますることに。







この日はお天気の加減でガラガラだったようです。駐車場は少し離れたところにありますがそこから歩いてくるだけで結構濡れました。店内は町屋を改装したようでかなりお洒落な造りで、天井には何やらトゲトゲの木の枝が。ミカンの木でしょうか?



ランチは日替わりのみのようでこの日はメンチカツ定食。口当たりサクサウとザクザクのミンチ肉がいい感じで、炊き込みご飯とすまし汁もありがたい。実に美味しくいただきました。なおこちらのお店は先代さんが駅近くでモツ鍋屋さんをやっていたそうで(だから「食道」なのか!?)、その親族さんがこちらで店を構えて営業を始めたようです。

駐車場に戻る途中で目にした「よし」はおそらく以前何らかの店舗だったのでしょうが、あえて「よし」を剥がさずにいるところがいいじゃないですか。

というわけでこのあとは山越えのあと能登方面へと向かいます。

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