- その3 越後関川村の温泉でまったり -



泊まりの翌日は朝から社会科見学としゃれ込みました(珍しい)。



(2025年3月24日-28日 その3)

さて到着したのはタイトルの通り関川村。ここには5つの温泉エリアがあり、今回泊まるのはそのうちの高瀬温泉「ニュー萬力」さんです。公式サイトには「花みちる宿」とのサブタイトルが付けられていますが、ようやく雪が溶けたこの時期にお花を期待してはいませんでしたので問題なしです(笑)。

平日ということもありこの日のお客はわれわれを含めて2組4人+ワンちゃん1頭(やや大型犬)だけでしたが、部屋食ということもありちらりとすれ違ったことはあってもお風呂を含めて貸し切りレベルの静かさでした(ワンちゃんも一度も吠え声を聞かず)。



まずは当然チェックインからでしたが、レセプション前に置かれたお米‥1kg税込み550円って、このご時世無茶苦茶安くないですか?このお出かけ当時、お米は5kgで4000円をちょっと超えるくらいの相場価格でしたが、ええっと、このお米だと単純計算で5kgで2750円ですよ!しかも宿の食事で提供しているお米ということですからお味もお墨付きのことでしょう。しかし(ついさっき道の駅で5+2kg=7kgのお米を購入したことはともかくとして)、この時は1kg*2袋しかなかったんですけれどね(追加のお話あり)。



案内されたお部屋の名前は「あいこ」。2024年末に木曽の棧温泉で泊まった部屋は「ねずこの間」でしたが(その時のページはこちら)、当然「鬼滅の刃」の「竈門禰豆子(かまどねずこ)」とは一切関係がなく、「クロベ」という木の別名だったわけです。

ということで今回の「あいこ」も当然女性名ではなく地域に関係する何かだろうと思って調べてみたら、山菜の名のようですね。学名はミヤマイラクサで、秋田界隈では「山菜の女王」といわれているのだとか(秋田ではシドケも相当の人気だとは思うのですが)。

お勉強になったところでお風呂に行ってきましょうかね。





なお泉質は芒硝含有アルカリ性塩泉(ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉)で、「えちごせきかわ温泉郷」の5温泉(高瀬・雲母・湯沢・鷹の巣・桂の関)はだいたいどこも同様の泉質です。源泉温度が高いため加水しているところがほとんどだと思いますが、さっぱりとした浴感で普段使いには最高でしょう。

なお、この日のニュー萬力さんでは「適温に努めて」いたようで湯温は無難な42度程度。もう少し熱いと嬉しかったなぁ。



時間による男女の入れ替えはありませんでした。男湯の方が広い。



湯の投入は相当絞られていましたが熱い。湯口には成分の結晶が見られます。

というわけでぬくだまったあとは別室での夕食です。



まずは先付けをアテに飲み比べセットから始めます。朝食の定番である焼鮭が登場したのは面白いところですが、となると明日の朝食には鮭が登場しないってことなのか?なお脂が乗っていて美味しかったですよ。

それと、飲み比べセット注文にもかかわらずなぜか右上画像には〆張鶴の冷酒ボトルも置かれていますよね。これってどういうことだったっけ?と思って請求明細書を確認してみると〆張鶴を1本注文しているし、さては飲み比べセット特典付きのプランだったようです。あ、そうだ思い出した、「(飲み比べセットの)量は少なめですよ」ということで最初から冷酒も注文したんだった!

なお予約プランは「50歳以上限定」だったので、お料理の数は少なめだったのだろうと思いますが‥







なお天ぷらはいくつか食べたあとに撮り忘れに気づいたので、実際より品数少なめになっています、念のため。なおきちんと出来たてをその都度運んでくださいました(嬉)。

画像にはありませんがお櫃で提供されたご飯がとっても美味しかったので、女将さんにそのことをお伝えし「明日チェックアウト時に(カウンター前の)お米を買わせてください(1kg*2)」と申し上げると、翌朝にはちょっとびっくりなことに(笑)。







そして朝ごはん、予想通り焼鮭は登場しませんでした(笑)。Takemaのご飯の少なさはいつもの通りですが、それでもやっぱり「朝はごはん派」です!

で、出発までにはまだ時間があったので、この界隈に3ヶ所あるうち一番長くご無沙汰していた「湯沢共同浴場」に朝駆け入浴に出かけました(Takema単独行動)。NHKの朝ドラタイミングで行ったのですが先客さんがお1人おられてまぁ撮影はどうでもいいか。それよりも、こちらには当番(番台)さんがおられたのですね、全然覚えていなかったのでちょっと驚きましたが(あとの2ヶ所は無人共同湯なので)、お金(200円)は手渡しではなく(もちろん入浴券購入でもなく)投入口からチャリンと差し入れる方式でした。

戻って来たらチェックアウトなのですが‥あ、お米が!



これについても女将さん(と若女将さん)の話によると、前夜の夕食後にわれわれが「フロント前のお米を買いたい」と申し上げたあと、女将さんはご友人の農家さんとコンタクトを取り、追加で5袋を作ってもらったということでした。ただ農家さんも兼業なのか仕事があるので「できれば3日くらいまでに言ってくれると助かる」とのことだったそうです。

わかりました、次回訪問時には事前に「お米購入希望」を申し上げます!(笑)。

ところで覚えておられるでしょうか、1つ前のページ(前日)に胎内の道の駅でお米を購入していたことを。価格は特に安いわけではありませんでしたが、2kgと5kgで計7kg。それに加えてこちらのお宿で5kg。美味しいお米とはいえそこそこ長い保管となると劣化や虫が湧く等の懸念が生じますよね。というわけで!



基本的にほとんどのお米が真空パック保存モードとなりました!本当はそれを冷蔵保存するともっと劣化が防げるそうなのですが、まぁまだ3-4月ですしね。お米の購入にこれまでとは違う懸念がある中、こういうやり方もありなのかなと思います。ま、お米の場合流通の事情もあり、これからも「産地に行けば普通に手に入る」とは思うのですが(そうでもない?)。

さてこの日は前日に比べて移動距離も短く時間的に余裕があるので、関川村役場の正面にある「重要文化財 渡邉邸」を見学することにいたしました。9時開館ということで待ち時間なくそのまま見学できそうでしたので。



渡邉家は江戸時代の豪商農にあたる家で、山林経営や米農家(700ヘクタール)としての経営により、この邸での最盛期には75人もの使用人を抱えていたそうです。思うのですが、ここまでの規模のお宅でなくとも、会津や新潟には蔵持ちの家の比率がかなり高いように思います。そのような家は小作人を抱える地主さんだったということでしょうかね。ではでは、見ていきましょう。



まずは入場料(800円)をお支払いして内部へ。広い座敷はよく見ると段差があり、一番高いところにある畳敷きの座敷は家主一族やお客を上げるところで、奥の板の間は使用人たちのスペースだったそうです。この日この時間にはまだ他に見学客は来ておらずわれわれだけだったので、係員さんがわざわざ説明して下さいました。





これらは地元の豪農が子どものために作らせた人形だということで、中には馬に乗った軍人さん人形などもあり、歴史を感じさせるものです。3月ということもあり、別の間にはひな人形の展示もありました。



奥側は台所。このあと奥のプライベートスペースへと移動しますが、気になった造作が1つ。座敷を仕切る引き戸なんですが、開け閉めの戸の重さを軽減するため、何と戸ではなく敷居溝の側にコロ(滑車)が設置されていました。これはありそうでなかなかない造作ですね。「敷居すべり」などの摩擦軽減材などなかった時代に、よく考えられています。それでは奥に行ってみましょう。



















2階からも庭園を見下ろせる部屋があるのですが、気になったのは2階部分の屋根です。



右上画像の説明によると、この屋根の造作は石置木羽葺屋根というものらしく、この邸全体では杉の薄板を22万枚(!)並べ、その上にご覧のような石を15,000個載せることによって屋根としているのだとか(屋根上のミニ小屋みたいに見えているのは「烏(からす)止まり」というのだそうな)。地震に弱そうに思えますが、新潟地震(S39、M7.5)でも石は1個も落ちなかったのだとか。というわけで、2Fにはこんな説明掲示もありました。





受験生はもちろんのこと、高所作業者やクライマー・登山者、航空関係者、立候補者など、いろいろな方に幸運を授かる石として紹介されているところが面白いです。「石にさわって」とありますが、とりあえず持ち上げてみたところ当然ながら重い‥。ん?どこかで石を持ち上げたことがあったなと思ったら、ミャンマーはモニワ(モンユワ)のタンボッデイ寺院でしたっけ。



この石は邪念がある人は決して持ち上げられないとの
こと。Takemaは‥セーフ!(この時のページは
こちら)。

それにしてもこのミャンマー(2016)にせよウクライナ(2019)にせよ、2025現在旅行者にとっては「すっかり遠い国」になってしまっています。今後の状況好転を祈るばかりですが、なかなか先行きは難しい状況だと言わざるを得ません。そこにアメリカのトランプ大統領が世界を混乱させる施策を繰り出しており、もう何だか今後どうなっていくのやら‥。

さて話を渡邉邸に戻しましょう。



欄間も襖絵も当時の豪奢さをホーフツとさせるものばかりです。

さて再び1階に下りてくると、掃除をなさっていた係員さんがこんなことを教えて下さいました。





平成の職人さんたちもスゴイ!しかも床板に魚を泳がせるという発想はなかなか出てきませんよね。かなーり感動した次第です。さて最後に庭に出て外から建物を見てみましょう。




というわけで渡邉邸の見学終了です。最後の方に次の見学者が来たようでしたが基本的に貸し切り状態で、ゆっくりと見学することが出来ました。年度末の平日(ばりばりのシーズンオフ)だったのでお客さんが少ないのは仕方のないことでしょうが、維持管理にもお金がかかることでしょうしもう少しお客さんが入るといいなぁ。

このあとは峠越えで山形県へと向かいますが‥いやちょっと待てその前に!

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