必然性のかけらもないこの写真。
でも、もしかしたらTakemaはこの写真のためにナミビアに来たのかもしれない(うそつけ)。

いきなりのおマヌケ写真で申し訳ありません。実は、「予告編」で何やらカメラを向けていたのはこの写真を撮るためだったんですね。水の全くない砂漠のど真ん中で日本酒。「水芭蕉とドリアン」ほどじゃないですが、こういう意味のない写真が好きというのがわたくしTakemaの嗜好でございます。笑わば笑えというところですかね。

さて、まずはあらためてこの砂丘周辺の風景をご覧下さいませ。ナミビア一番の観光地であるらしいここソーサスフレイですが、時間が中途半端だったのか(朝夕が混む)客の姿はほんの数人、静かなものでした。鳥取砂丘には行ったことがないけれど、この静けさはないんじゃないかな。そうそう、自分たちの後に上がってきた3人組の一人がTakemaにこう話しかけてきました。

「Are you Canadian?」

そうかぁ、自分ってカナダ人に見えるのかな。もしかしたら白人系というかインド系というか、自分じゃ気付かないほど彫りの深い顔立ちしてるのかなぁと一瞬思った、とかいうことは全然なくて、「え、なんでそう言うのさ」と聞いたら、「だってあんたのデイパックに"MEC = Mountain Equipment Co-op"の温度計が付いてるからさ」ときたもんだ。MECはカナダの会員制アウトドア用品専門店だから、「なるほど確かにこれはカナダのカルガリーで、あそこの会員になって買ったもんだよ」と答えたら、「えっ、僕はカルガリーから来たんだよ」とのたもうた。いやいや、何だか嬉しかったぞ。



ちなみに右下に写っている人物こそが、カナダから来た彼である。
彼はこの後もどんどん先に歩いていった。先に見えている頂上までは
相当遠いのだが、この写真の後もずぅっと進んでいった。今頃は大西洋に着いたかな(笑)。

こうして見ていると、こんな砂丘エリアゆえ「雨なんて降らないんだろうし、完全に乾ききったエリアなんだろうな」と思いこんでしまいがちですが、実際はさにあらず。前のページで「Vlei=水」ということを書きましたが、実はすぐ近くに水はあるんです。というより周りはオアシスだらけ。もちろん常に水がこんこんと湧き出ているわけではありませんし、ここ数年は池が干上がるということも多いようなのですが。というわけで、このあとその証拠(というものでもないですが)をお見せしましょう(エラそうだなおい)。

その前に、知りたい人はほとんどいないと思われるけれど、この時点でのTakema@腰ヒネリの状態を。Dune45であんなに足を上げていたんだから、この時点ではもう全然大丈夫だったんじゃないのと思うなかれ。かなりの地獄でした。というわけで、当時の日記の記述を抜粋してみましょ(加筆あり)。
前かがみは不可、ここでしゃがむという行為が可能なのか不可なのかがわからなくてずっと立っている状態。背中のデイパックに入っているビールが取り出せるかどうかもわからない。トライした瞬間に「動けなくなる」危険を本能的に察知せざるを得ない。(Dune45)

駐車場からは4WDシャトルで行くのだが、荷台に立ったまま揺られていくことになり、車の揺れごとに「ピィーン!」と刺すような痛みが走る。しかし座るわけにもいかず(揺れる荷台上で「座る」という行為をおこなえるはずもなかった)我慢する。一度だけかなり衝撃的な痛みが走り、ほんの僅かだが冷や汗が出た。(シャトルトラック上)。

結構痛い、痛くなってきた腰をかばいつつ、おしんこどんに遅れながら斜面を登る。しかし最後の詰めのあたりは腰にこたえた。頂上でそうっと座りこんで写真を撮った後などは、おしんこどんに手を引っ張ってもらわなければ立ち上がることもできない(ソーサスフレイ頂上)。
そんな満身創痍のTakemaだったのですが、砂丘の下りはDune45で経験済み。腰に負担のかかる場所が違うのか、急傾斜の斜面ではかなりフツーに歩ける。走り下ることも可能なわけで、下の写真のようにかなり余裕だったわけですね。


さて、この下り写真をよく見ると、砂丘の下の部分は妙に白っぽい。そう、これらこそが「雨期には池になる(はずの)」くぼ地なんですね。しかもよく見ると遠くのほうにも白いエリアがあるのがわかると思います(Hidden Vlei方面)。今は乾期なので水こそ見えませんが、いくつかのサイトには満々と水をたたえた大池になっている写真もありました。このあたりの地下水位は浅いということなのでしょうか。ちなみに、ゲートのあるSesriumからここまでは約60kmほどありましたが、その道中にはこのような水たまり跡地のようなものは見受けられませんでした。

さて、その「大池跡地」へと進みます。


あったあった、まだ水が残っていましたよ。この広場全体が池になるわけで、この水たまりの周囲20mくらいはかなり地表が柔らかい状態。水たまりの右上にもうっすらと水が残っているのがわかるでしょうか(Totalで3ヶ所の水たまりがありました)。そしてこの写真ではわかりませんが、わずかに残ったこの水を求めてここには多くの小鳥たちが集まってきています。上の写真はロールオーバー処理されていますので、マウスポインタをのせてみて下さいね。2羽の鳥が写っているのがわかりますが、実際は常時10羽くらいいたかなあ。「砂漠の不思議」を見た思いでした。

 

さ、そんなわけで今宵の宿であるSesriumに戻ります。こんなエリアでもオリックス(右写真)やダチョウとかが時々うろうろしています。しかしこの写真を撮ったあたりには水場らしき場所はなし(ソーサスフレイから15kmくらい戻ったところ)。どこで水を補給しているんだろう?