- 2017夏 キルギス旅行編 その18 カラコル観光、家畜市場も温泉も寺院もお買い物も!-



この日は日曜日、家畜大バザールの日でございます♪



明けて翌朝、いい天気。結局天気が悪かったのはアルティン・アラシャンの時だけだったなという甘酸っぱい思いに胸を熱くしつつ、いっぽうで腹を膨らませんがために朝ごはん会場に向かいます。



前回とは違い先客さんは皆無で、結局最初から最後までわれわれだけでした。この日もまた健康そうなセレクションで、甘そうなお菓子などはセレクトしませんでした(実は甘いお菓子は基本的に苦手)。

このあと部屋に戻り荷物セット完了。この日の午前中はカラコル市内の観光ということで、おしんこどんはオレンジのワンピース(おめかし)にサンダル(ラフな足元)姿でしたが、このあとジャミラさんから「マル・バザール(家畜マーケット)はほこりっぽいですよ」とアドバイスを受けて急遽着替えたようでした。8:00に出発、マーケットまでは車で5分くらいと激近。



どこからがマーケットなのかわからない感じで、駐車場の車と車の間にも牛くんたちが繋がれていたりします。また車に乗せられたまま持ち主がいないヒツジ荷台など(右上画像マウスオン)、何やらのっけから混沌としております(笑)。



マーケット入りするヒツジくんがやってきました。持ち主の方とちょっくら写真をば(ありがとうございます)。



どうやらこのあたりがヒツジ・山羊コーナーの様子。ヒツジの相場はだいたい4000ソム/頭なのだそうで、ざっくり言って7000円弱、これなら手持ちのお金でも十分に買える額というわけですが、今ここで買ったところでどうしようもないのでありますね(笑)。



同じヒツジでもNZなどで飼育されているヒツジはロムニー種とメリノ種の2種がほとんどなのだそうですが、こちらの国では何だかもっとたくさんの種類がいそうですね。この毛色のバラエティさも何ともまた味わい深いものがあります。



続いてやって来たのは子豚販売のエリア。スペースがさほど広くなく売り手もやや少ないのは、多くのキルギス人がイスラム教徒であり豚肉を食べないということにあるのはほぼ明らかです。売っているのもロシア系の方々でありました。それにしても右上画像、車のトランクをそのままショーケースにしているというのはさすがのアイデアですねぇ(笑)。



内部にはちゃんと藁が敷かれ、子豚たちの快適性が考慮?されています。



続いて馬エリアへ。なぜか馬の写真が少ないのですが、やはり購入に際しては試し乗りが大切ということなのか、広場が用意されています。馬の相場は、左上画像の白い馬でUS$1000ほどだそう。なお馬と牛だけはドル建ての値段で説明されたのはなぜなんでしょうか?

そして最後に牛エリアなんですが、このマーケット内で一番の活況というか、とにかく牛の密度が半端ではありません。



「ボクは今日、どこか別の人に売られちゃうの?」と心配顔なのかどうかはわかりませんが、おとなしいのは確か。



こんな密度の牛たちの間を歩いていきます。コーフンさせたら大変なことになりそうです(笑)。



なお牛は馬よりもはるかに高額で取引され、成牛はUS$2000が相場だとか(雌雄による値段の違いについては確認するのを忘れましたが、おそらくは雌牛でしょうね)。ちなみに上画像のような子牛でもUS$400くらいするのだとか。やはり利用価値が高いということなんでしょう。

ちなみにどのエリアでも下は土だしそこに家畜たちの糞尿が加算されるので、足元には注意が必要です。土に見えているのももともとは糞だったものがほぐれたモノなのかもしれないし‥いやぁサンダルで来なくてよかったねおしんこどん(笑)。しかしかくいう自分が結局はスポーツサンダルに靴下履きだったのですが‥サンダルや靴下は惨憺たる有様になったことをここに告白します。じぇったい靴で行きましょう。下がぬかるんでいたらもっと悲惨だったことでしょうし(想像したくない)。

この家畜市場、毎週日曜日だけの開催ですが、こういう市場としては世界でも有数の規模なのだそうです。確かに、家畜マーケット自体あまり聞いたこともないよなぁ。

というわけでここまでの家畜マーケットの動画です。子豚エリアでは動画を撮っていなかったので悪しからずですが。





なおドナドナされた家畜たちは新しい所有者の車に積まれていきますが、このあとの彼らのことは考えてもしょうがないですね。われわれとしては「供されたものをおいしく食べる」ことで報いるしかありません。

家畜市場からふと目を遠くにやれば、氷河を身にまとった高山が見えています(右上画像マウスオン)。うーむ何だか中央アジアっぽい、というか実際にいるんですけれどね(苦笑)。



このあとは「家畜マーケットで付いた埃を払う」というわけでもないんですが、カラコル近郊のジュルガラン温泉へと向かいます。途中、これまたオブジェを目にしたのですが、これは‥鳩?そして、なぜに鳩?

さてジュルガラン温泉に到着。門が開いていなかったので「まだオープン前?」とも思いましたが、単純に車の進入を止めているだけであって、お客は脇のドアから施設内に入っていいようなのですが‥その先には、





そんなわけで気持ちのいい並木道を歩いて行くと、源泉井戸らしきものもあったりして(右上画像マウスオン)無意味に血湧き肉躍る感じです。で、さらに進んでいくといよいよ温泉施設に到着!





うーむわれわれのような「とりあえず健康人」がここに来てよかったのか?というためらい感は、エントランス付近にいた係員の女性が白衣を着ているのを確認した段階でMAXに達しましたが、別に問題はないみたい。でもやはり病気療養の方々も多く利用しているんだろうなぁ。

ちなみにこの建物は全て個室浴場となっているのだそうで(つまりは右上画像の通路沿いの部屋も病室ではなくすべてお風呂というわけです)、利用料金は1人70ソム、また少し離れたところ(敷地内)には宿泊施設もあるようです。一般の利用が可能かどうかは確認しませんでしたが、宿泊可能であるとしても「24時間入浴OK」などは夢のまた夢であることでしょう(笑)。



案内されたのはこちらでした。バスタブは1つしかないので、おしんこどんとは隣り合わせの個室でそれぞれ入浴することになります。まずはバスタブにお湯を溜めてっと。



湯口での源泉温度は42.5度、バスタブ内では41.4度でしたから日本人には全くもって問題なしです。というかキルギスの湯温設定ってだいたい日本と同じですね(熱いのもぬるめのも)。どこかで読んだ話ですが「(そもそもどこに住んでいたのかはともかく)キルギス人と日本人はもともと同じ民族だった、その中で魚を食べたい仲間は日本に行き、肉が好きな仲間はキルギスに来た」というものがありました。なるほどそれなら温泉感覚も同じでおかしくナイ!(文化人類学者諸氏からぶん殴られそうですが)。

なおお湯はとげとげしさのないまろやかな浴感で、でも特にツル感があるというわけでもなく‥今回のキルギス旅行における温泉訪問で失敗したのは、ジャミラさんがいるというのに各温泉の成分とか特徴とかを聞いてもらわなかったことです。なかなかすぐに再訪ともいかないのになぁ‥。



というわけで成分は不明ですが「ぬくだまりの湯」であることは確かでして、汗が引くまでには時間がかかりましたよ。



さてここからは再びカラコルへと戻ります。市内まではすぐです(10分くらい?)。それにしても右上画像のデカい車両は何だったんだ?

続いてはドゥンガン人が建立したというモスクへと向かいます。何でもモスクのメイン木造建物は20世紀初頭の建立で、釘や金具などは1本も使われていないのだとか。ドゥンガン人職人が渾身の匠技で造ったというわけですね。



自分もモスクの中に入ったのはマレーシアのKL国立モスクしかなかったように思いますが、イスラム教の戒律については比較的ゆるやかに対応しているここキルギスでも、さすがにモスク入場となると女性はベール着用が義務となるわけです。

入口付近にはレンタル用の布が置かれていましたが(なぜか色が全部派手なのが不思議)、おしんこどんは‥





そんなわけで「さすがのおしんこどん」とともに「本堂」へと進んでいきましょう。あれ、えええ?







色が青ベースで屋根側にカラフルなパッチワークがあるのまではまだわかりますが、左上画像の本殿右端にそびえているのは「まさかパプアニューギニアのハウスタンバランか?」とも思ってしまうわけで(ハウスタンバランについてはこちら)、さすがシルクロードのど真ん中故かと思ってしまうわけです‥が、さすがにメラネシア海洋文化との交流はなかっただろうし、いわゆる中国寺院の様式かと。

内部は異教徒ゆえ入れませんが外からのぞき込むことは問題なしです。あれ、あの正面の円形のものは何なのだろう?何だか「偶像的象徴」に見えないでもない気がしましたがまぁあまり気にしないことにしましょう異教徒ですし(右上画像マウスオン)。

さてモスクの敷地内には果樹が植えられているのです。でも全然「収穫」されている感じではないんですよね。



美味しそうなプラムも地面に落ちていました。落ちていた実をちょこっと口にしてみると‥


(『森の中の果樹園』についてはこちら。公式サイトはこちらです。)

まぁ小さい実ですけれど、何だかもったいないなぁ。ちなみに洋梨はまだまだこれからという感じだったのでちゃんと収穫してくださいねモスク関係者および信者の方々!(右上画像マウスオン)。



このあとは市内中心部の商店が立ち並ぶ繁華街へ。ここでおみやげタイムなのです。それにしても鶏の丸焼き屋台、何だか言いしれぬ味わいですね。買ってみたいけれど食べきれるはずもないか‥。



やってきたのは「イシク・クル ブランドショップ」。その名の通り、イシククル州内MADEの産品を扱うブランドショップというわけで、このお店の設置には何とJICAが関わっているとのこと。店内ではそれこそさまざまなものが売られていましたが、店内の様子や販売品についてはこちらのブログが詳しいです。

もちろんわれわれもいろいろと買い込みました。部屋履きのフェルト靴(スリッパというよりはもう靴のレベル)とかもね。

なお英語OKの女性店員さんと話していたら、2017/9(この時点で「来月」)にはバイヤー向けのイベント参加のため日本に行くのだとのこと。しかもそのイベント、おしんこどんが友人の関係で何度か入場しているわけですね。実はおしんこどん、今年も行ってきたようで、会場で「8月にカラコルでお話ししましたよね」とお声掛けをしてこの女性をびっくりさせたそうです(笑)。



さて実は、この日の朝からスマホが電波を認識しなくなっていました。ジャミラさんに聞いてみると、「1週間の使用登録だったので期限切れです」とのこと。うわ、これはコマッタまた新しいSIMカード購入必須か?と思っていたわけですが、このお店の並びにあったATMみたいな機械の前に来て「では、更新の手続きをしましょう」。へ?ショップじゃなくてこんなマシンで出来るの?というかこのマシン、そのために設置されてるの?

自分はスマホについては全然詳しくないのですが、日本にはこんなマシンってあるのかな?ネット経由では更新できそうな気もしますが、そもそもそのネット接続が切れた状態では‥はいジャミラさん、SIMの情報を入力した上でちょちょいのちょい、料金を支払えば手続き完了!やがて再び電波を認識するようになったスマホ‥びっくりです。もう全然時代についていけてないTakemaですわ。



カラコル最後の観光は今度はロシア正教会のキリスト教寺院(正三位一体教会)です。ソビエト時代は宗教そのものが弾圧され、こちらの教会も閉鎖されていましたが(何でもジャガイモを保存する倉庫になっていたとかなんだとか)、幸いなことに建物の破壊は免れたため現在は立派に宗教施設として復活できたというわけです(右上画像には修道士さんが写っています)。



こちらも造作はかなり細かいです。ソビエト時代には大した手入れもなされなかったことでしょうし、これはキルギスの独立後大幅に修繕の手を入れたとしか思えないのですがどうなのでしょう‥?

いずれにせよ、同じ市内にそれぞれ唯一の絶対神をいただく宗教施設が普通にあるということ、自分とは違う「神」を信じる人がいるということ、そしてそれらの人々がごくあたりまえに同じ場所で暮らしているということ。

世界のどこかにいる「このことを『許せない』と考える人」とは付き合いたくもないなと思います。自分は自分、でも他人は他人でありその価値は同格なのですから。



さて午前中の行動終了というわけでお昼ごはんはまたも民家さんへおじゃまです。ちなみにとても大きな屋根囲い、ビシュケクだったら風も通らず夏は暑くてたまらないでしょうが、ここカラコルだから問題ないのでしょうね(現にこの日は晴れていたにもかかわらず屋根下空間でも全然暑くありませんでした)。

で、まったりする子猫に挨拶をした上でこの日のお昼ごはんはウイグル料理だそうです!





キルギスならどこでも食べられるラグマン(うどん)ですが、その発祥は今は中国側のウイグル族にあるのだそうで、その食文化がそれこそシルクロードを伝って中央アジア諸国にもたらされたということなのでしょう。

ちなみに食後にはケーキが出され、すでに甘い物好きであることがわかっているジャミラさんは狂喜しておりましたとさ(笑)。

さて昼食後はいよいよカラコルを離れ、イシククル湖南岸を西に向かいます。カラコルまで東進してきたことを考えるといよいよ折り返しのスタートと言えるかもしれません。まぁ日程的にはすでに折り返しているんですが。

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