- 2017夏 キルギス旅行編 その26 バーニャ(モンチョ)堪能、夕&朝ごはんパクパクで出発 -



モンチョ内部の図(ちょっとピンぼけ)。灼熱のサウナなのでこの時の画像は数枚のみです。

さて突然ですがモンチョです。ロシアンサウナの一般的呼称は前ページでも書いていたように「バーニャ」なのですが、キルギス語では「モンチョ」と呼んでいるようなのでここからは基本的にモンチョで統一します。いずれにせよ蒸し風呂=サウナです。ジャミラさんも普段はモンチョを愛好しているらしく楽しみなのだとか。おしんこどんも「あつ湯と水風呂を交互に楽しむの大好き派」なので、たぶんバーニャもお気に入りの範疇でしょう。

しかし一方でわたくしTakemaは、水風呂は大の苦手であるだけでなく(たぶん小学校のプール開き時期に寒かったトラウマもあるのかと)、実はサウナもかなり苦手なほうなのです。あの熱気、鼻腔から入ってくるあのねっとりした熱い空気、そしてよせばいいのに誰かが水を掛けてさらに湿度を高めるものだから、「もうダメ、堪忍して」と尻尾を巻いて出てきてしまうのがいつものパターンだったりするわけです。

しかし郷に入りては郷に従えというか、ここでしか体験できない系にはめっぽう弱いTakemaですから、ここは勇んでモンチョを体験しなければ!(そういえばブータンでは石焼き湯沸かし系のお風呂「ドツォ」に入ったっけ。あれはお湯に浸かる系だったから気持ちよかったなぁ。その時の様子はこちら)。



まずはモンチョ(バーニャ)の外観から。あ、ここからの画像は翌朝(浴室内が冷えてから撮影した)画像を含みますので念のため。なぜだかどこぞの御紋を髣髴とさせる飾りの付いた物置小屋の隣がモンチョです。



まずは脱衣場へ。ここにストーブの焚き口がありますから寒い冬場でも着脱衣時のヒートショックとは無縁そうです。ちなみにモンチョは日々火を入れるわけではなく、あるキルギス情報サイトによると1週間から2週間に1回くらいなのだとか。だからこそキルギスの人たちにとっては楽しみなのでしょうね。ブータンのドツォもたぶんそんな感じの頻度なのでしょう。

ちなみにサウナ室全体を十分に温めるにはそこそこの燃料が必要です。薪だとすると1回に相当量が必要になるはずですが‥こちらで使われている燃料は‥(左上画像マウスオン)、



なるほど、これならある意味在庫は無尽蔵ですなぁ(こちらのお宅では牛も馬も飼っています)。それを考えると、ネパールの山岳部あたりは草も少ないし厳しいなぁ。もう20年近く行っていないけれど当時だって薪拾いは大変そうだったし‥(その時のページはこちら)。



内部はこちら。ストーブ上にはほかほかアツアツの石たちが「よく焼け」の状態でスタンバイしています。奥にはベンチもあり、ここに座ってじっくり汗をかくというわけです。右上画像にはあかすり用のタオルも見えています。お湯も用意されているので、石にジャーっとかけたり(前述のとおり自分は結構苦手)、身体の汗ほかを洗い流したりすることができます。



でもですね、サウナ室内温度が狂暴ではなかったせいか、何だか快適なんですよこれが(笑)。いやもちろん汗はどんどん出てくるんですが、だからといって逃げ隠れたいというほどではないんです。キルギスの人はモンチョに30分から1時間くらい入っているということですが、この感じなら自分でも大丈夫かも。

途中焼け石に自分でも湯を掛けたりしてじっくり汗を出し、そして流しました。この日はすでに温泉にも入ってますが、これはこれでいいなぁ。

湯上り後はほかほか感の中少しお散歩となりましたが‥




(特に加工はしていませんがカメラ側での自動補正はあったと思われます)



さてそうこうしているうちにマントゥも蒸し上がったようです(右上画像マウスオンで味見をするTakemaのアホ画像に変わります)

ちなみにわれわれがモンチョ(バーニャ)から出たあとにジャミラさんが「入浴」したのですが、「湯上がり」には「すっごく気持ちよかったです!」とご満悦の様子でした。やっぱりキルギスの方々は大好きなんですねモンチョが♪



そんなわけで夕ごはんは20:00ちょい前から。マントゥもボルソックもその他のおかずも美味しくいただきました。が!何とこの時の夕ご飯画像は全く撮っていなかったのでありました!(あとから見てびっくり)。というのも、



こちらのお宅はある意味教育関係のご一族で、確か親族のどなたかが元校長先生とおっしゃっていたような。そんな先生一族だけに地元だけの視点のみならず、こうしてわれわれが泊まれる宿の経営を通して「キルギス旅行の良い点悪い点」を旅行者の観点から教えてほしいというのです。



いちおうながら「旅行者代表」としての発言になるわけですからね。で、いいところとして「制約なくいろいろな体験ができる」とかを申し上げましたが、問題は「悪いところ」なんですよ。

とりあえず挙げたのはカラコル市内に代表される道路インフラです(舗装はかなり荒れています)。でもそれは政府の問題であるのである意味しょうがないというかここで言ってもはじまりません。ここでご主人のお言葉。



うん、それはそうですというか、まさにそうです!ユルタの宿泊施設などにもいえることですが、われわれのような旅行者は、不便であることよりも「滞在自体を楽しみたい」ことを優先して宿を選ぶわけですから。モンチョの体験などはその最たるものでしょう。

それと同時に、日本における民泊解禁論議がどうして「民宿の拡充(あくまでオーナーがそこに住んでいることを前提とする)」ということにならないのかが不思議です。それだからこそ「風紀の問題」とかに論議が集中してしまうと思うのですが。宿泊者自らがゴミ出しをするっていう前提自体がオカシイと思うのですが。

なお1つだけ、「トイレだけは水洗にした方がいい」とは思います(ご主人にも申し上げました)。下水道などのインフラが整っていなくても「簡易水洗」なら可能ですし(ただしキルギスに「簡易水洗」という概念およびそれに該当する製品があるのかどうかは不明ですが)、やはり何とかならないかなぁと思ってしまうのですがどうなんでしょう。もっとも冬季の気温が非常に低いキルギスですから、屋外一戸建て系のトイレでは洗浄というか流すこと自体ができなくなるという問題もありそうですが‥。



こちらのお宅の「洗面台」は中庭にありました。上水(たぶん井戸水)は外から汲んできてタンクに蓄え、汚水は下部に置かれたバケツで受け、いっぱいになる前に捨てに行くという方式ですが、日々の用を足すのには必要にして十分です。雨が降っていたら‥いや、歯を磨いている間じゅうこの洗面台の前に居続ける必然性もないですよね。

それよりも、庭の木に右上画像のような毛皮がぽんとくくられているようなおっとびっくり感を楽しみたいということなんです。少なくともわれわれのような旅行者は‥

その意味で、「宿泊は設備の良いホテルばかりである必要はない、キルギスらしさを感じられる宿であればそちらの方が嬉しいです」というわれわれのリクエストに応じて下さったNH Tabi companyさんは、なかなか良いセレクションをして下さったと思います。泊まる宿ごとにメリハリがありました。感謝。



明けて翌朝、朝ごはん前のお散歩です。河川敷では牛くんたちが放牧中。朝だから気温も高くなくてまさにのんびりと朝食中という感じです。ちなみに馬くんたちは高台でそれぞれ朝ののんびり中@右上画像マウスオン(柵があるので川沿いには降りられません)。

お散歩の帰り道に、こちらのお子さんが向こうからやってきました。するといきなりおしんこどんが!





そして仲良くおうちに帰っていくのでしたとさ(左上画像マウスオン)。もとより言葉でのコミュニケーションは取れませんが、さすがだなぁおしんこどん(自分には無理)。さ、朝ごはん準備OKというわけでごはん会場へ。



おしんこどんの横にはお婆ちゃんが。もちろんジャミラさんの通訳付きですが何やら会話が弾んでいるようです(笑)。このお婆ちゃんも昔は学校の先生だったということなので話術はお得意なはず。しかしどんな話をしてくれたのか、メモが残っていないので忘れました(残念)。今さらながらボイスレコーダーとかを買ったほうがいいのかも。いやスマホの録音機能でいいのか(メモリ残量次第ですが)。



末っ子長女のJちゃんは可愛い笑顔が印象的です。お兄ちゃんたちは別室で朝ごはんだったようですが、4歳のJちゃんだけは大人&お客の食事同席を許されていたわけです。

で、朝ごはんの肝心な画像がまたもないんですが、ちゃんと温かいものを提供していただき、そこに昨日のボルソックももちろん登場いたします!これまた前にも書きましたが、これが案外やめられない止まらないんですあのカルビーかっぱえびせんのように(知っている人は中高年であること決定ね)。



道路を挟んだ向こう側のトイレに向かわんとして干し草の大山を横目にすると、ご主人が作っているユルタの屋外木枠工房が。一本一本手作りですからこりゃやっぱり大変だわなぁとしみじみ。

で、用を足したあとにお越しになったご主人が手招きをする場所に行ってみると‥




(右上画像マウスオンで、掘り出した糞燃料を乾かしている画像に変わります)。



ニワトリもたくさんいますし、日々のタマゴ補給も十分ですね。わたくしTakemaは生まれも育ちも千葉県市川市の本八幡近辺なのですが、子どもの頃にはチャボ(小型のニワトリ)7羽とかウズラを飼っていたこともあり、「まだ温かい産みたて卵のタマゴかけご飯」とかはごく普通だったんです。いま考えるとありがたい経験だよなぁ。もう今のこの界隈では無理っぽいですが(未明からの鶏鳴はいまや住宅密集地ではキツイ)。

ちなみにキッチンのメインコンロはこの糞燃料を使うタイプです(前日はガスコンロを使っていましたが、普段のメインコンロはガスではないでしょう)。



母屋の外観はこんな感じです。食事は右上画像の部屋でいただきましたが、なかなかお洒落ですよね。



わが家のモノトーン系が恥ずかしくなるほどお洒落なカーテンが廊下のアクセントとなっています。白壁もいいよなぁ。そんなわけで最後にご家族の皆さんと記念写真。このお宅はTakema的にキルギス滞在中一番思い出深い宿泊となりました。ありがとうございました。そしてこの宿泊をアレンジしてくれたNH Tabiの旅行社さんにも感謝。



この日はいよいよ首都ビシュケクへと向かいます。高山の展望やイシククル湖ともお別れです。イシククル湖は標高1600m、でもビシュケクは800mですからね(あれ?600mだと思い込んでいましたが800mだったっけ)。



オートバイのツアラーは珍しいですがチャリダーはそこそこ見ましたっけ。



手作り系の交通標識はなかなか味があってよろしいです。



踏切の係員さん、滅多に列車は通らないので暇そうです。こういう仕事はいいなと思いつつバルイクチへ。



ちなみにここまでの行程をざっくりなぞってみたのがこんな感じです。一筆書きというわけではありませんがとりあえずイシククル湖は一周できたのが今回の行程です。楽しかったなぁ。

しかしビシュケクに向かうにしても?まだひとひねりを入れるわれわれでありました(大笑)。この続きは次ページにて。

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