基本中の基本♪

− 2009北海道ツーリング本編その8 十勝平原うろうろのあと北上 −

さて目覚めてみると空はどんより、前ページのラスト画像のように気球は飛んでいたし風はないようですが、それでも時々霧雨が降ったり止んだりなのでよろしくない天気ですね。ただし今日の目的地は「大雪高原温泉」、それこそ直行すれば120kmあるかないかですから「法定速度厳守」で2時間で着いちゃう距離です。でもさすがにそれじゃ時間をもてあますんで、ひろーい十勝の平原、特に南側をうろうろしてみることにしました。そういやこの旅行ではあと2回この界隈を通過したような気もしますが、この日が一番濃厚系だったかな。

、いきなりの「変なところ訪問」(笑)。明確な場所がわからないし、この時は僅かながら霧雨も降っていたのでおしんこどん母子には車で待機していてもらいダッシュで探索です。この道を行けばいいのかなぁと思いつつ進んでいくと‥

一段下にあるヤブの方をのぞいてみても(これぞ薮睨み)「音は聞こえど姿は見えず」。あーここを下るのかぁ、しまったサンダルで来ちゃったんですけど(笑)。ちなみに右上画像を見るとまるで「うぶ毛のように見える草地」ですが、実際はかなり背丈のある茂みになっています(8月初旬)。ただしこの日は気温が引くかったからか虫が少なくて助かりました(ただし皆無ではない)。

しかしこんなところに湯など湧いているのでしょうか?いや音は聞こえますが?というわけでヤブを下ります。とはいえほんのちょっとです。すると‥

ん?んんん?こ、これはコレハ!地面から直立する管の先から源泉が元気よく溢れ出しています!これを見た瞬間、「つぶらな瞳の某源泉(栃木県)」を思い出してしまいました。とはいえあちらの某源泉は今はもう「封印」されてしまったらしいです(未確認だけれど残念)。ちなみにこちらは栃木よりも湧出量はかなり多いのですが、

この日は曇りとはいえ気温はそこそこあったので入ろうと思えば入れないわけではありませんが?いかんせん「入浴アイテム」を持参していないので手湯と足湯で満足することにしました。


「T温泉跡の源泉管」

これはこれで楽しかったりしたのでありました。「おおーっ、おーっ」と、ちょっと上ずったTakemaの声が嬉しそうです。

Wmv形式、2.00MB、49秒


ちなみに動画をご覧いただければわかる通り、この時期上部から源泉を直接見ることはできません。入浴アイテムを持参すれば「完全入浴」も可能?ただし実は結構住宅地から近かったりするのでそのあたりは「各氏の賢明なるご判断」にお任せします(笑)。

T温泉では僅かな霧雨でしたが、その後は結構濃厚系霧雨(つまりはただの雨)になったり、ふと気づけば完全に止んだりして結構ビミョーな天気です。でもここからしばらくは妙な湯に寄るつもりはないのでその辺は安心(何のこっちゃ)。なお前述の「妙な湯」を文字通り「みょうな湯」と読むか、それとも「たえな湯」と読むかについてはその人の温泉観が大きく影響するかと存じます(笑)。ちなみに「妙(たえ)=言葉で表せないほどすばらしい」という意味ですので念のため。

さて移動することしばしで、2006年にもバイクで来た旧幸福駅へ。おっと念のため確認しておきますがこの前後の数日はレンタカーで移動してますのでここを目的地としていたわけではないですが、せっかく来たのであれば「今やB級観光地になりつつあるも、かつては超A級だったこの駅をおしんこどん母に見せずに通過するのはよろしくないでしょう!」という算段だったのであります。いやそんなことないか「せっかくあるから寄ってもいいよね」くらいのものでしたっけ(笑)。

かといってここで何をしたわけでもなくただ眺めて記念写真を撮って終わっただけでした。ちなみに「見ているうちには雨も降らないだろう」とたかをくくっていたら、さて車に戻ろうという段になって一気に降り出しゲゲゲの鬼太郎目玉おやじも目を見開いてびっくりでありました。ダッシュで車を取りに行ったTakemaでありました。かように不安定な天気だったんですが、雨が強く降ったのはこの時だけだったかな。で、続いては「田園」のご主人からご紹介いただいたオススメポイントである「六花の森」へ。

その名前から察せられる通り「六花亭」による維持管理が行われている美術館なんですが、敷地に隣接する場所には工場もあるので「これは一体どちらをメインとして造ったのだろう?」と思いましたが、あとで調べたところによると「もっと大規模な工場にする予定だったのが、六花亭ゆかりのこの土地に何かを残そうということでこのような施設構成となった」ということだそうです。オープンは2007年ということで、まだまだ穴場?(ツーリングマップルには出ていますが)。500円の入場料を払っていざ園内へ。

ここ六花の森のメイン展示館は坂本直行氏の版画や水彩画、そして油絵などで、それらがそれぞれのHut(独立した小屋)ごとに展示されています。そしてその他にも坂本氏が表紙絵を描いていた「サイロ」(児童詩雑誌)の特集室など、全5Hutの展示室からなっているわけです。もちろん氏の作品は六花亭の包み紙に今でも使われております。

ちなみにTakemaとしては「坂本直行という作家名を随分昔によく見たことがあるなぁ」という程度だったのですが、雑誌「山と渓谷」で何度も(絵画とともに)見ていたのだと今さらながら思い出しました。表紙に使われていた時代もあったかと。たぶん1980年代前半だったかな?(確証はなく雑記憶のレベルです)。

各Hutは完全に空調が行き届き、氏の作品を傷めないように管理されています。そして驚くのが各Hutに管理者がおらず、訪問客が自由に鑑賞できるというシステム。もちろん遠隔監視はあるはずですが(そういう目で見ていなかったので記憶はありませんが)、とかく美術館にありがちな「整然としているけれど冷たい感覚」が感じられなかったのはとてもよろしいですね。

なお、「サイロ」展示Hutなどを除いては撮影禁止です。その掲示すら見ていなかったTakemaは数枚撮影してしまいましたが厳に慎みましょう(六花亭さんゴメンナサイ)。

さて休憩棟に戻ると、そこにはとっても嬉しいサービスが。



ちなみに雑誌「サイロ」は自由にお持ち帰りできるようです(係員さんに「よろしければどうぞお持ち下さい」と言われましたんで)。でもそれだけではありません、カフェテリア系のテーブルと椅子がしつらえられた館内には、

坂本氏の絵画をゆっくり鑑賞できるだけでなく、六花亭のお菓子をいただきながらコーヒータイムまで楽しめる、しかもよほどの繁忙期でなければ結構ゆったりと。「田園」のご主人が「あそこを見学すると元が取れちゃいますよ」とおっしゃっていた意味がわかりました。と同時に、これほどまでに社会事業に力を入れておられる「六花亭」さんに感謝申し上げなければ。

さてそんなこんなでの続きとしては、ツーリングマップルの表示に引かれるまま「想いやりファーム」へ。ちなみに限られた旅程で各地を回る多くの旅行者はこの界隈を回る時間的余裕がないのか、またははなから回遊ルートに組み込もうとしないのか、とにかくこのエリアを回る旅行者自体はぐっと少ないですね。Takemaも初めてのエリアでした。



あ、この黒いカローラフィールダーがわれわれのレンタカーです。なぜか一番手前にヤギがいたのはなぜ?(右上画像マウスオン)。

事務所の周辺は基本的に無料で見学可能です(とはいえ見学可能なエリアは事務所の近くだけですが)。で、すごいなと思ったのは、何と生後間もない仔牛を惜しげも不安もなく公開しているということでした。

一般に牧場では外部者の進入に対してとても神経質です。それはもちろん「現地に存在しない未知の菌やウィルス」が持ち込まれるのを防止するためなのですが、その中でも特に免疫力の低い生後ひと月少々の仔牛を「一番あぶなっかしい場所」で公開するというのはかなり勇気がいることなのではないでしょうか?(仔牛はいわば「牧場の宝」ですから‥)」。

もちろん「考え得る最大限の準備と方策」を考慮した上での公開であることは間違いないところですが、でも「実はとーっても驚いたーっ!」のも動かざること山の如し系事実なのでありました。その理由は、このページの下の方を読んでもらえればおわかりいただけるかと。「国内唯一の牛乳なのよ」

ちなみに左上画像にマウスオンすると「シラタマちゃん」のプロフィールが「読めるサイズ」にズームインされますが、6/18生まれということは(この日は8/1でしたから)まだ生後45日目なんですね。ふひょー、かわいい♪

ただお母さんの名前が「シルコ」であること(ちょっと安直すぎませんか?)も気になりましたし、また他にも何頭かいた仔牛(&母牛)の名前が何だかイマイチ「もう少し頑張りましょう系」のネーミングだったように思ったのはTakemaだけでしょうか?(笑)。いや別に「遠山左衛門尉景元(とおやまさえもんのじょうかげもと)」というようなむやみに重々しい名前である必要は全くないんですが(大笑)。
そういえばずっと以前の知り合いで、両親とも日本人であるにもかかわらずミドルネームを持っている人がいました。それは(そのまま本人名を書くわけにはいかないので仮名ですが)「鈴木 左京太夫 義男(すずき さきょうのだいぶ よしお)」といった感じでしょうか(もちろん仮名ですのでネットで検索したりしてもヒットしません)。

もちろん通称は「鈴木義男」で構わなかったのですが、いわゆる公式な登録や署名に関し彼&公的機関はどう対応していたのでしょう?「鈴木田中義男さん?申し訳ありません、本人確認の照合ができないのです。おかしいですね?」などと銀行の窓口で突っ込まれたり、選挙の受付で「えーっと、43ページ25行、すずきさきょうのだいぶよしおさん!?ですよね?」などと読み上げられたときの確認係員や後ろに並んでいる人の「え?何この人?」という一瞬の緊迫感に悦楽を見出したりしていたのでしょうか?(笑)。

ちなみに彼のお父さんは歴史学者だそうでしたが‥。「お父さん!凝りすぎです!」(お会いしたこともないけれど)。それと今調べていてわかったんですが、彼の本当のミドルネームの官位名も
「なぜかそんなに高位ではない」のはなぜだったんですか?生まれた直後の息子に「こいつは大した出世はしない」と見切りをつけたからなんですか?

何だか今さらながら謎は尽きません(大笑)。もう20年も昔の知り合いですが、彼は今どこで何をやっているのかなー(遠い目)。
さーていつものように脱線しまくりですが、この「想いやりファーム」の売りは「生乳そのままを飲める」というところにあります。ふとここで人生をふり返れば「生乳しぼりたて」を初めて飲んだのはTakemaが12歳と11ヶ月の時、山梨は乾徳山の中腹にあった牧場でしたっけ。ちょっとその頃の記憶を引っ張り出してみると‥。
中1で入部したばかりの山岳部の夜行日帰り山行で(6月)、「中央線夜行の長野行き普通列車のさらに臨時列車」で出発し(今からは信じられないかも知れませんがチョコレート客車が新宿駅に乗り入れていたわけです)塩山駅で下車。駅近くのちっぽけな屋根付きバスターミナルで仮眠し(当時はそれがあたりまえだったということなのかものすごい人数だったように記憶している)、始発バスで「乾徳山登山口」へ。

そこから銀晶水、金晶水それぞれの水場を越えて上がっていくといきなり開ける高原。そのど真ん中の掘っ立て小屋の前に「しぼりたて牛乳あります」の貼り紙があり、当時のクラブ部長が注文して全員が飲めたんだっけ回し飲みだったっけ(まず間違いなく後者)。その時のコップには脂肪分が浮きまくっていて「あー、ホントの生乳なんだな」と感動することは全くなく「これは腐っているんじゃないのか?」と思いながら飲んだ記憶があります。今から33年も前のお話でした。

さて本題からそれすぎの話を再び2009年夏に戻してと。いざ、生乳とソフトクリームとを購入。あれーどちらもとってもあっさり。生乳はごくごく飲めますし、ソフトはいやらしい甘さや「あとに残る味」がなくすんなり食べられました。これはなかなかいいかも?

ちなみにここの生乳は「経済効率を優先しないため高額」です。お値段は「180ml=360円、ソフトクリーム=480円」、うーん確かに。が、「高くても良いものを提供しよう、薄利多売ではなく薄利少売、身の丈に合った規模で牧場を維持していこう」というスタンスなのでしょうし、現実に一定の需要があるからこのこのファームも成り立っているわけですよね。牧場内限定で生乳を飲ませる牧場は数あれど、市場に無殺菌生乳100%製品を出荷している牧場なんて聞いたことないですわ。

ちなみに事務所内に置かれているクリアファイルには、製品の卸し先(ここの牛乳が買える店)一覧を記したシートが挟まれておりました。どれどれ千葉県は‥と思いながら眺めていると、

わが家から歩いて15分強のスーパー(成城石井とか明治屋みたいな品揃えの)に「毎週土曜日のみ入荷」していることが判明!今度買いに行ってみようかな?ちなみにネット上にはこんな記載がありました。ご参考まで。
「想いやり牛乳」の種類別は「特別牛乳」。搾乳した場所で直ちに容器に詰めること、施設の衛生基準や牛乳の成分・菌数等が厳しい基準を満たしていることを 保健所が認めると「特別牛乳」と表示することができ、常時保健所の厳しい監視・指導が行なわれます。現在全国で6銘柄が特別牛乳として認められています が、他の5銘柄はいずれも低温殺菌しており、全く生のままで販売している牛乳は「想いやり牛乳」のみです。(「エコ・ピア」サイトより)
さてこのあとはややローカルな展望台へ。高さはさほどでもないんですが、展望台からは十勝平原が一望できます。幸い視界は悪くはなかったのですが、小雨が降っていてちょっと残念。こんな日は車で回るのが一番です。あーヨカッタ。

このあとは一気に北上です。と‥あまり北上しすぎると食事に困るので音更でラーメンを食べようということになり寄り道したのがこちらのお店。

「自然派ラーメン めん吉」(木野店)。帯広に拠点を置くラーメンチェーン‥いや、店舗は2店だけのようですが。何が「自然」なのかといえば「添加物や保存料を使わず地場産の材料にこだわって云々」というようなことが店内に書かれていましたが、あらためて調べてみたら「ラーメンの麺には不向きとされてきた十勝産小麦を使い、手作業で自家製麺」ということですから本格的です。ということは右上画像のチャーシューも道内産なんでしょうかね。ダシは十勝川産の鮭から取っているそうです。総合評価としては「うーんなかなかオイシカッタ」。ちなみにTakemaはみそラーメン派です(関係ないって)。ところでおしんこどん母はラーメンとミニ丼のセットをご注文。やりますなぁ。

白樺の並木道で飛んでみたり足を上げてみたり(右上画像マウスオン)したあとは、十勝西北部広域農道を利用して一気に北上します。交通量は皆無に近く、もちろん全舗装の2車線路。晴れた日のバイクだったら「ここぞとばかり」になりそうですが、曇りの四輪なのでおとなしくね。ちなみに結構「止まれ」が多い道なので、油断して走ると大変なことになります。この数日前にも「帯広空港でレンタカーを借りた旅行者の車が一時停止サインを見逃したのか空港のすぐ近くで死傷事故」を起こし、「交通安全警報」だったか何だったかが発令されていましたっけ。

広域農道を最北端まで北上した上で上士幌町市街に戻りR273へ。ここからは三国峠を越える一本道しかありません。以前であれば糠平三股林道を経由してさわと温泉やタウシュベツ橋梁に寄り道して当然ですが、かの林道は現在通り抜け不可の通行止め(そういえば数年前にも「冷や汗」をかいたっけ)。またいつかさわとでキャンプもしたいと思っていたんですが、今後は歩いてのアプローチしかなさそうですね‥残念(ヒグマの巣窟でもあるし‥)。というわけで国道をそのまま北上です。

糠平温泉から北上し、「万が一‥」の期待を込めて幌加温泉に立ち寄ります。もしかしてもしかしたりしたらもしかする野望満々で首にタオルをぶら下げて例の場所に進んでいったわけですが‥



(左上画像)もはや未来永劫にわたり、ここで「湯浴みに興じる」ことはないのでしょうか‥(在りし日の画像はマウスオンにて)。

ちなみにマウスオンで現れる画像は2002年夏のものです。翌年秋に訪問したときにはなくなっていたんですが(洪水によりコンクリート湯船破損)、もうここを知る現役ライダーも少なくなってきたのか、踏み分け道にも結構草が生えてきていました。時代は流れるのね‥。

三股山荘まで北上してはきましたが、さすがに今回は「畑のランチ」や「ビーフライス」を食べる余力は残っておりません。というかここでランチにしたら「今日の宿」までがあまりに近すぎてちょっと問題ありだったと思うので、あえて音更で食べてきたというわけですね。でも今思えば「そのぶん宿に早着してまったり」というのも手だったかな。

話を戻しましょう。この年は初夏の天候不順の影響でいろんな植物&農作物の開花や収穫がいろいろ遅くなっており(富良野界隈のラベンダーもそうでした)、そうなるともしかして、

という期待を胸に(もしそうであればおしんこどん母にも見せたかったので)三股山荘横のちょっとした広場に車を止め、旧士幌線の終点である十勝三股駅跡方面に歩いて行きました。しかし結果は右画像の通り。僅かに残っていた花を前景にして撮りましたが、背景方面に全く花が写り込んでいないことからこの時の状況がおわかりいただけるかと(苦笑)。

まぁこれじゃしょうがない、とにかく今宵の宿である「大雪高原山荘」へと向かいましょう!
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