− 第2弾その1 まずは中塩原の湯、そして「行くぞ湯の花温泉共同湯(1)」 −



はいはーいこの建物はどこでしょう?お詳しい方ならもうおわかりですね!(冬モードですき間部分がブルーシートで塞がれてます)

(2009/1/24.25)

そんなわけで初湯から2週間後の週末はお泊まりでの湯めぐりとなりました(初湯第1弾編はこちら)。となればちょっと遠出もというところなのですが、行き先を考えるにスキーシーズン真っ盛りでまず間違いなく行き帰りとも渋滞する関越道方面は一番に却下、かといってノーマルタイヤの車が殺到する東海道方面を擁する東名もこれまた却下、中央道はすこーし考えたのですがそれでも多分帰りは渋滞するはずなのでやっぱり却下(これは予想通りでした)、常磐道は往復ともスムーズなのはわかっていますがせっかくだったら雪見の湯を楽しみたいという点から考えてやっぱり却下、そうなるとやはり東北道しかないんですね。え、最初から分かりきった結論じゃないかって?そうですその通りなのです(笑)。

渋滞予測を見てもこの時期の東北道はまずだいたい空いてます。いやそれでも連休だったりすると渋滞しないわけではないんですが、そんな日の他の高速は必ずもっと酷いことになっていますから冬の東北道方面はやはりおすすめというわけです。

そんなわけで9:00前にのんびり出発。外環から東北道に入るとそこそこの交通量とはいえ、春から秋の週末とはやはり車の絶対量が違います。佐野ICでまずぐっと減り(みなさんアウトレット目当てですかいな?)、鹿沼、宇都宮でぐぐんと減り、上河内SAから先では車はちらほら走っているばかり。そんなわけで走りやすかったのは確かです。

ちなみにこの日の東北道下りでバイクを見かけることはありませんでした。その昔2月上旬の東北道をひた走って福島まで行ってしまったTakemaとしては、別に福島はどうでもいいんですがせめて栃木あたりまで走りに行くツーリングライダーがいてもいいのに‥と思っちゃいましたね。ただし北西の季節風が強い日は真横から風を受けることになるのでパスですけれどねー。

さて西那須野塩原ICで高速を降り、まず最初に向かったのは先々週にも立ち寄ったお蕎麦屋さん「季流」でありました。いや、そこまで強い思い入れがあったわけでもないんですが、この日は塩原を通り抜けてそのまま国道400号を上三依へと抜けるつもりだったところ、塩原温泉界隈には心当たりのお蕎麦屋さんがないので(道の駅手前には2-3軒ほどありますが「ここぞ!」という感じはなかったので)それならばまた季流に行ってみようかという感じだったのです。

でも、「季流」に行くならやっぱり那須ICからでしたね(笑)。地図にマーキングを入れておかなかったので「ま、県道30号線の中間くらいかな?」と思っていたのですが、400号からの分岐から10kmくらいありましたし、あらためて地図を見てもやはり那須ICから来るのが自然です。カーナビ?ま、まぁまぁ(笑)。

しかしまぁ前回同様お店も空いていたし(というか前回はわれわれのみ、今回もわれわれが最初のお客さんだったみたい)、お蕎麦はやっぱり味わい深かったし(今回は大もりにしたTakemaです。ちょっと量が少なかったんで=今回も朝ごはん食べてませんから)、おまけに食事中に「これはウチで採れたものなんですがよろしければ‥」イチゴのサービスもあったし(いつもこのようなサービスがあるとは思わないでね=前回はなし)、蕎麦湯は多少そば粉を足して下さっていると思うんですがそこそこ濃くて味わいがあるしで、やっぱりここはいいですねー。さて、なかなか温泉ネタになりませんでしたがそろそろこの辺で。

さて前回2009初湯編に引き続きこの日も塩原11湯のどこかにと事前に考えた末、中塩原の湯を目指すことに。まずは国道から見える高台にある「松の井荘」を訪ねてみたんですが、残念まだお湯がたまっていないということで、看板にひかれるままに「湯の幸」さんへ。他の宿や民家とは離れた場所にあり、箒川沿いなので展望はいいです。

あれーやっているのかな?と一瞬不安になりましたが、「手でお開け下さい」と書かれた旧自動扉を開けるやいなや宿の方が出てきてくれてよかったヨカッタ。立ち寄り湯の料金700円はこのあたりの相場なんでしょうか、そういえば上塩原の公共日帰り施設も700円だというし。でも公共で700円だったら宿の湯の700円の方がいいなとも思うのですが。

湯の幸、時間的なこともあるのですが館内の照明を最小限に絞ってあるのでちょっと暗めです。でもホントはそれでいいんですよね。というわけで浴室に向かうわけですが、館内の廊下もうすら寒いです。館内の雰囲気からすると「ロビーや廊下が寒い」のはちょっといただけない気がしますが、泊まりのお客さんが到着する時間帯には暖房を強めるんでしょう。1日中暖かくしておく暖房費もこのご時世馬鹿になりませんから。

さてそんなわけでお風呂です。まず間違いなく貸し切りだろうと予想していた通り先客さんが利用した形跡すらありませんでした。んでもって浴室の扉を開けてみると‥

浴室はかなり広く、「全ヒノキ」の浴槽が窓側に設置されています。「全ヒノキ」とことわったのは、最近は「湯船の縁だけヒノキで浴槽内部は石造り」というところが結構多いんでそうじゃないよ、という意味です。

浴槽はやや深めで落ち着ける感じ、お湯は‥ややぬるめで長湯にいい感じです。そんなにぬくまった気はしませんでしたが汗がなかなか引かずにびっくり。あたたまりの湯ですね。なお、独自の源泉を所有しているようですが冬場は加温しているという掲示がありました。

そのまま露天風呂に出られるのでドアを開けてみると、冬の寒気にブルルっ!(この時の気温はもちろんマイナスでした)。うはーこりゃ早く露天に浸からなきゃと思って入ってみると‥

源泉はそこそこの量が注がれているのですが、寒気のせいでどんどん冷やされてしまうみたいで、源泉投入口のあたりで肩まで浸かってしまえばかろうじて何とか‥という感じでした。ちなみに湯船は二つに仕切られているのですが、手前側からのあふれ湯で成り立っていると思われる奥の湯船に浸かる勇気はありません(笑)。



風情はあるんですがいかんせん湯温が(苦笑)。ちなみに湯船の向こう側の池では鯉が泳いでおりました(右上画像マウスオン)。

内湯でもう一度きっちり温まってからこの宿を後にした次第です。さーて、ここからは尾頭トンネルと山王トンネルで2つの峠を越えて一気に南会津湯の花温泉へと向かいます。

しかし驚いたことに道路上には全く雪がありません。凍結箇所もなきに等しく、正直言って寒さを抜きにすればバイクでもここまで問題なく来られそうです。ま、ひとたび降っちゃったら春まで冬眠ということになっちゃいますけれどね(笑)。そんなわけでせっかくのスタッドレスタイヤが雪を踏みしめたのは今日の宿「末廣」さんの駐車場入口でありました。



湯の花温泉に至る道もご覧の通りの夏道モード。しばらく降っていないんでしょうね。そんなわけで到着です!

宿には15:00を少し回ったくらいの早め到着。角部屋に通されしばしはくつろぎモード‥とはならないのであります。この時間に到着したのももちろん理由があってのこと、すなわち、

という野望というか下心に満ち満ちていたのです。



ぬくぬくのお部屋コタツでくつろぐのは共同湯めぐりのあと!

そんなわけで完全防備の中タオルを首にぶら下げていざ出陣です。まず最初にしなければならないのは「入浴券」の購入。他のサイトにも書かれていますが、2008年4月からここ湯の花温泉の共同湯利用方法が以下のように変更となりましたので説明しておきましょう。いきなり湯小屋に向かっちゃダメなのよ。
まずは集落内のお店や民宿で入浴券を購入します((1枚200円)。ちなみに一部の旅館では購入できません(今回泊まった末廣さんがそうでした)。「秘湯を守る会」加入の集客力のある末廣さんで扱えば、そこのお客はみな末廣さんで買ってしまうでしょう。お金が集落全体に回るようにこのような扱いにしたのでしょう。大賛成。

購入すると、その日の日付が記入されます。この入浴券はその日1日間有効となります。つまり、その日のうちならこの入浴券1枚で「1つだけ入っても4つ全部入っても」同じ料金となるわけです。

各共同湯(いずれも無人)の入口付近にはこの入浴券を入れる箱が設置されていますが、「その湯を出た後別の湯に行く」場合には決して券を入れてはいけません。逆に、「もう今日の湯めぐりはおしまい」という場合は必ず券を入れるようにしましょう(ただ、記念に持ち帰りたいという場合はどうしたらいいんでしょうね。かくいうTakemaも1枚記念にしてしまったんですが‥)。

なお、旅館や民宿に泊まっても宿泊者特典はありません。集落外在住者は皆一律に入浴券を購入することになります。また、券に記載された日付のみ有効ですから、宿泊した場合の「朝湯」をしたいという人は翌朝に再度券を購入する必要があります。

なお、各湯の入口には次のような「警告」文も掲示されています。たった200円と僅かの手間を惜しんでは絶対にいけませんよ。

そんなわけで星酒店で入浴券を購入。小学生と思われる少年が大人びた口調でいろいろと説明してくれました。場所柄、たぶん発券数が一番多いのはこのお店なのではないでしょうか。われわれの次回訪問時には別の販売所で買うことにしましょう。なお理由は上で書いた通りですから星酒店さんに対して何らの悪意もありません、念のため。

まず目指したのは4つの湯の中でも一番人気と思われる「石湯」であります。雪と氷で滑りやすくなった坂道を下り、木造の橋を渡っていくと‥ありましたありました。川沿いの、ずいぶん低い位置に湯小屋が建てられています。別サイトで読んだ話だとこの川は大雨でもそれほど増水しないのだとか。山の保水力が十分あるということなのでしょう。

しかし小屋に近づいていくと中から人の話し声が。先客さんがいるようでしたのでひとまずここは後回しにすることに。というのも、4つの共同湯(石湯・天神の湯・弘法の湯・湯端の湯)のうち石湯と天神湯は混浴なんですよね。おしんこどんは以前混浴で入ったこともありましたが特に混浴好きというわけでもないので(笑)、まぁ明日の出発までに入れればいいかという感じです。続いて向かったのはメインロード沿いにある「弘法の湯」。



広い休憩室を持つ立派な建物で、これが無人施設とは思えないほどです。

最初男性浴室には先客さんがおられたので、おしんこどんに女性の浴室写真を撮ってもらうことにしました。が、冬のこの時期は湯気で写真が撮りにくいんですよね。左下の女性湯画像、ずいぶん低い位置から撮っているところにおしんこどんの苦労がしのばれます(笑)。やがて男性湯の先客さんも上がり貸し切りになったので、カメラを持ち込んで‥うわ、すごい湯気、しかも逆光だし何だかよくわかりませんね(右下画像)。



浴槽はコンクリート造りで風情より実用といったところです。なお男女ともシャワーが2基設置されています。

無色透明の湯がどんどんかけ流されています。というか湯の花地域の共同湯はもちろん宿の湯も全てかけ流しでしょうね。集落内に源泉はいくつもあるようですが集中管理の混合泉というわけではなく、それぞれの施設ごとに利用源泉が違うというのも嬉しい話です。ちなみにここ弘法の湯と天神の湯は「清滝の湯」源泉を使用しているそうです。

時期柄なのか、それとも先客さんが加水したのかはわかりませんが、想像よりぬるめの湯でした。湯の花の共同湯には以前湯端の湯に何度か入ったことがありますが、どうもその時の記憶で「湯の花温泉の湯はかなり熱いはずだ」という刷り込みがなされていたからかも知れません。そんなわけでまずは最初の1湯の入浴終了となりました。

よし次は湯端の湯だと思いながら上流側へと歩いていきます。しかしなぜかこの時一番近い天神の湯に行こうと思わなかったのには理由がありました。それは、

何だか自分の中に残る記憶と印象が違うんです。こんなに開けた地形だったっけ??星酒店でいただいた集落内マップを見ても何だか道の記憶が違う?というわけで天神の湯のことよりも自分の記憶と道路とを照合することで頭がいっぱいになっていたわけです。この混乱は、湯端温泉の前に架かる橋を見るまで続きました。拙サイト内の記録を見ると、湯の花温泉を前回訪問したのは何と2000年の10月(この時ですね)。もうあれから9年もの月日が流れていたので、この新道のない頃の記憶ばかりを引っ張り出して「あれーなんか変だなー」と唸っていたというわけです。

さてそんなわけで湯端の湯へ向かいましょう。



湯端の湯へは旧道をてくてく。

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