− その13 標茶から吹雪の中バスは進み、そして川湯温泉ラルゴへ −

さてそんなわけで標茶までやって来ました。でも標茶から川湯温泉の温泉街まではまだ45kmくらいあるんです。しかしうまく乗り継げる網走方面行きの列車はなし。しかもこの区間を直通するローカルバスもないのです(以前は阿寒バスが直通運行していたようですが現在は路線廃止)。こ、これは困ったちゃん?いやいや、当然のことながらちゃんと下調べしてありますって。それは‥



JR北海道が企画する冬期間限定運行のツアーバス「ツインクル号」がこのSLに合わせて川湯や知床方面へのアクセス線として運行しているのですね。詳しくはこちらのページにありますが、季節限定ゆえいつまでページが存在するかは疑問です(笑)。

で、このバスが嬉しいのは、45kmも移動するのに料金はたった1000円/人。しかも、わざわざ摩周湖の展望台と硫黄山のレストハウスを経由してくれるわけです。このバスを見つけたときには「ふ、冬の摩周湖なんてそうそう見られるもんじゃないぞ!」と感動したものです。もっともこの日は展望も望み薄でしたのではなから諦めておりましたが。

利用に際しては「JRの切符購入とセットで(またはバス予約時にJRの切符を提示)3日前までに予約すること」が条件でした。つまりバス単独では予約できませんし、また「当日いきなり」乗りたいと思っても現地でのチケット購入はできないというわけです。まぁこれは配車の都合もあるし仕方ないことでしょう。なお、昔はよく「JRを○○km以上利用し‥」というような付帯条件付きの割引切符がありましたが、このツインクルバスにはそのような条件はありません。つまり、「たった1駅だけJR線を利用しただけでも利用権利が生ずる」(たぶん同じ日じゃなければダメでしょうが)というわけですね。うーん、これはかなりお値打ちです。

おっと、1つだけ重要なことを書き忘れました。それは‥

つまり同じJRでも、たとえばJR東日本の駅や旅行センター、また各旅行会社では取り扱っていない商品だというわけです(実際断られました)。これはちょっと厄介な話です。利用日の3日前にすでに道内入りしている旅行社には限りがあるでしょうし、千葉県内にJR北海道の支店などあるわけがない‥ん?そりゃ千葉にはないけれどもしかして?

そう思って調べてみたら、予想通り仙台・東京・大阪には「JR北海道プラザ(なぜかツインクルプラザという名前じゃないですが)」があるみたいです。よって事前に東京駅地下中央口付近にある北海道プラザにてチケット購入&予約完了で事なきを得た次第。しかし、そうそうそこまで行かれない人はどうすればいいのか?謎です。

さて話を標茶に戻しましょう。この日のバスは2台で運行されるようで、われわれの乗った2号車?は川湯温泉泊まり、もう1台(1号車)は川湯温泉経由でウトロまで行くようです。いずれにせよそこそこの距離を乗りますから出発前にバスターミナル待合所のトイレに行くことに。すると、ドア付近には次のような手書き掲示物が貼られておりました。



明日の飛行機は中標津発羽田行きなんですが、釧網本線沿いのエリアから中標津方面への公共交通機関は左上画像にある阿寒バス1系統のみ。もし明日も運休とすると‥約65kmをタクシーで移動するしかなくなります。そ、それは何としても避けたいぞ!しかしまぁ、こればかりはまさに「運を天に任せる」しかありませんから、今日のところは考えないようにしましょ。ちなみに右上画像がバウチャー券です。

そんなわけでいよいよ出発です。またも先頭席をゲットしてしまったTakema、うわ−いバスガイドさんが近いっ(笑)。で、国道への取り付け道路には大型トラックが荷物の積み卸し中で道が狭いっ!まぁ何とかバスが通れる幅は確保されていましたが迷惑なトラックだ‥あ、右側の建物はパチンコ屋、ということはあの荷室に並んでいるのは‥そう、今まさに

そんなことをつぶやいていたらガイドさんもドライバーさんも軽く笑ってくれた(気がした)のでまぁ幸先よしということにしましょう(何のこっちゃ)。ということでいよいよ国道391号を北上開始です。

標茶の1つ北側にあたる磯分内駅あたりまでは天気もまだそこそこよく、雪は降っていましたが風も弱い感じでありました。だからTakemaも「あー、多和平に長期連泊していたときなどはここ磯分内の郵便局から荷物の集荷に(キャンプ場まで)来てもらったんだよなぁ」としみじみする余裕もあったわけですが、弟子屈に向かうにつれて天気はどんどん荒れてきました。風もかなり強く、電光掲示板には「地ふぶき」の文字が。確かに時折前のバスも全く見えなくなったりしておりましたっけ。ちなみにそんな時にはカメラのピントが合わず結局1枚も撮れていませんので、この前後画像は「状況がいいとき」だとご理解下さい。

弟子屈の市内もかなり吹雪いていましたが、それでもバスは摩周湖を目指し国道を右折して道道52号へと向かいます!やるなーさすが北の大地のバス会社!‥と思いきや、右折した少し先の電光掲示板に‥

とありましてやむを得ずUターン。「冬の摩周湖を眺める」というツアーはあえなく中止となったわけでありました。というかもし通行止めになっていなかったとしても、展望台界隈の暴風吹きっさらしの中で何をどれだけ楽しめたか甚だ疑問です(笑)。

そんなわけでバスは予定よりも早く川湯方面へと向かうのでありました。まずいなーこのままいくととラルゴのチェックイン時間(15:00)よりも随分早く着いちゃうんですが‥ま、その場合は御園ホテルのロビーでぬくぬくしていればいいかな等々と考えているうちに、このバス最後の経由地である硫黄山のレストハウスにさっさと到着です。

広い駐車場には他のバスの姿もなく広々としている中、強い風と雪がびゅわーっと吹き抜けていきます。それなのに、あぁそれなのにそれなのにドライバーさん、どうしてそんなにレストハウスから遠い端っこにバスを止めるんですかーっ!(笑)。



ほーら、皆さん凍えながら‥でもそれなりに楽しんでる?(笑)。右上画像マウスオンで、レストハウス内から見たバスの駐車画像に変わります。

もちろんわれわれの集合写真も撮りましたが、そろそろ旅も終盤なので両母はお土産の物色モードに入り始めました(まぁ当然です)。で、最後に1走りで川湯の温泉街に到着。バス停車場所の1つが御園ホテルだったので助かりました。同着のみなさんがチェックインをしているところを見ると、こんな時のアーリーチェックインは問題ないのでしょう。

さて皆さんのチェックインが終わった頃、フロントの方に「あのぉわれわれはラルゴの予約をしている者なんですが‥」と申し上げると、「それでは、係の者がご案内しますのでしばらくお待ち下さい」とのこと。うわー、てっきりここではチェックインだけで、あとは自分たちで歩いていくもんだと思っていたのでこれは嬉しいっ!今日は天気も悪いので有り難いなぁ。

そんなわけでしばしロビーで待っていたら‥

と、「ラルゴ担当の」(この表現に間違いはないですよね)根津さんがお越し下さいました!そんなわけで根津さんの車に乗りこんでほんの1-2分、いよいよ今冬の北海道最後の宿、御園ホテルさん別棟 ラルゴに到着です!天気が悪かったので全景写真は取り忘れましたが、今回3度目の宿泊にしてもう気分はすっかり常連、「帰ってきたなぁ」という気にもなってくるから不思議です(笑)。ちなみに「御園ホテルさん別棟 ラルゴ」についての詳細は公式サイトの紹介をご覧下さい。リピーターが多いのも肯けます(あ、われわれもか)。ちなみにわれわれの訪問記はこちら(2009冬)とこちら(2009夏)以下数ページです。



こちらはユーティリティスペース。宿泊客は自由に利用可能です。

さて、まだ夕食時間までにはたっぷり時間がありますし、外は相変わらずの吹雪模様なので「大鵬記念館にお出かけ」という気にもなりません。あ、両母の意向を聞き忘れたことを今思い出しましたが、聞いたとしてもたぶん「いいよ、部屋でのんびりしてるよ」という返事が返ってきたことでしょう。となれば、久しぶりの「濃厚なる硫黄泉」をタンノーしに行かなくちゃっ!



なお、御園ホテル系列の宿であってもこちらは独自源泉。「1源泉=1湯」という数え方をなさっている温泉マニアの方にもここは外せない?なお川湯温泉の河原にあるメイン足湯の湯は御園ホテルさん所有の源泉です(それぞれ前に来たときに伺いました)。湯量が豊富なんですね。

ちなみに館内(各部屋含む)では無線LANも無料で利用できるのでネットPC等持参の方にも便利です。2Fには共用冷蔵庫や湯茶の準備もあり、マイペースでのんびり過ごしたいタイプの方には最高の宿です(逆に「上げ膳据え膳系」の方には向きませんので念のため)。おっと話がそれてしまいました、お風呂の話でしたっけ。

宿自体は全5室とこぢんまり系施設であり、しかも男女別浴室(一応男女別にはなっているが基本的には貸し切り入浴スタイル)のため、「多くの人々の入浴によるお湯のへたり&湯よごれ」はほとんど考えにくい世界です。お湯自体は上画像の通り僅かに白みをおびた透明湯なのですが、ふっふっふ、湯口の反対側の底には結構湯花がたまっていたりするんですよね。えーいかき回しちゃれ!とお茶目行動に出てみると‥おお、白濁湯に早変わりっ!(右上画像マウスオン)。これは何だかかなーり楽しく嬉しいっ!(ほぼ毎回やっているような気がします)。

さてそんなわけで湯上がりにはビール!根津さんから「日本源泉かけ流し協会」などのお話を伺いつつお話させていただくうちにビールが進む進む!結局3本いただきました。ふと見ると敷地内の通路には除雪車が。先ほど根津さんが頼んだということでしたが、やはり積雪期はいろいろと費用がかさむようで大変ですねー。

そうこうしているうちに玄関先に何やら人の気配が。むむ、もしかして‥?お、運び込む荷物の中に暖炉にくべる用の薪が!こ、これは間違いない!

実はこの夜、拙サイトをよくご覧下さっている網走支庁内在住の「くまげらさん@女性(うふふ)」とのオフ会を企画していたわけですよ。事前の打ち合わせでは「地元から離れた別の場所から移動してくるのでちょっと遅くなるかもしれません」ということでしたが、あにはからんや順調なる道中というわけでわれわれの夕食出発前に到着できたというわけです。

え、日本海側の留萌増毛方面から一気に戻ってきたんですって?そりゃー大変だと思って聞いてみたら、この日は小清水側よりも野上峠を越えたこちら(川湯)側のほうが大荒れだったそうです。

でもこれで心おきなく飲めます食べられます歌えます(それはナシ)よぉっしそれでは、



この時間にはだいぶ天候も落ち着いてきましたが、左上画像のような「雪の踊り」は相変わらず。味楽寿司さん前でも雪かきの真っ最中。

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