− その1 寄り道先の松阪で大人の社会見学&手作り納豆体験 −



藁つとと計量器。このあと何が始まるか、あまりにも想像しやすい絵であります(笑)。

(2011年8月11日)

全国的にお盆シーズンであります。盆正月とくれば世の中は1億火の玉的に「ふるさとへの帰省」となるわけであり、Takemaもおしんこどん実家のある奈良へと帰るのでありますが、数年前あたりから「帰省途中での寄り道」が常態化し始め、さらには「寄り道がメインなのか帰省がメインなのか皆目見当が付かない」レベルにまでその傾向がヒートアップしてきたことは改めて言を待つまでもないのであります。意味がよくわからない人はこちらのページをご覧下さいな。

しかしこれまで人類はその文明発展の過程で多くの失敗という名の過ちを犯し(同じでしょ)、その失敗を反省ザル的教訓としながらさらなる発展を遂げてきたわけであります。であるならばTakemaも人類の一構成分子である以上、当然「ちょっと調子に乗りすぎ系」の行動を自ら反省し、その次の帰省行動にその思いを反映させることが十分にできるはずなのです(バッチリ三段論法!)。

そんなわけで今回の帰省道中は本当にシンプルなものとなりました。2箇所だけ寄り道したわけですが、それとて昨年末の野放図系に比べれば生後3ヶ月の赤ちゃんのオイタくらいなもの(意味不明)、いやーやはりTakemaも人類の一員、考える葦のお仲間だったわけですね(安堵)。

そんなわけでその僅かな蟷螂の斧的オイタ系だけをご紹介いたします。でも何でそれだけで3ページになっちゃうんでしょ?(笑)。ついでに言えば、この行動が次回帰省時にも踏襲されるかどうかは全く不明です。なぜなら、今回の帰省が終了した段階で「どのような新たな反省がなされるかは全く予測不能」であるからです(大笑)。そして歴史は繰り返す‥のかもしれませんが(God knows)。



ということで2011/8/11の午前0時半ころ千葉のTakema家を出発。首都高を経由して‥あれれ渋谷(東名)方面ではなく高井戸方面へ。というのも‥

東名道はトラック物流の基幹道路でもあり、走行車線はとにかくトラックが数珠繋ぎ状態です。そんな中トラック同士の「90km/h走行での追い越し」が頻繁に行われることにより(普通車目線で考えると)追越車線での定速走行ができずブレーキを踏まざるを得ません。そうすると後続車も続々とブレーキということになり、こんな時期は嗚呼まさにその場所に「渋滞の先頭部形成完了!」となるわけです。

それならば「そもそも夜間通行量の少ない中央道の方がはるかに快適に走れるんじゃないか?」と考えての選択だったわけですが、多分絶対に正解だったと確信する次第です。また標高が高いこともあり途中の八ヶ岳PAでは気温22度!ちょいと避暑も出来ました(笑)。

土岐JCTから東海環状道−伊勢湾岸道へと進む頃には夜も明け始めました。ここまでは渋滞ゼロでしたが徐々に帰省往路におけるボトルネックとなるであろう東名阪道四日市エリアが近づいてきました(笑)。

まだ5時前なんですが、すでに四日市JCTから先は渋滞11kmとの表示(げげっ!)。また「亀山JCTを頭に事故渋滞8km」、そしてそれらの渋滞は伊勢湾岸道を西進するにつれ予想通り「合体」!あーウソ、20kmの渋滞って勘弁してクレー射撃っ!(意味なし)。

そんなわけでR23で南下していったわけですが、四日市市界隈を含めこの時間は大型車だらけとはいえ渋滞はありませんでした。しかしこの数時間後にはこちらも大渋滞となったようです。そりゃみんな考えることは同じですからね。

途中意味なく鈴鹿漁港に立ち寄ってみたり(羽虫が多くてちょっとマイッタ)、ドーナツ屋や本屋の名を騙る何でもありの店(おもしろかったけど)等で時間つぶしをしながら、下道経由とはいえかなーり早めに本日最初の目的地「奥野食品」さんに到着です!

さてこちらの奥野食品さん、創業は1950年(S25年)の納豆製造専門店なのであります。その看板商品はといえばその名も「東京納豆」(なぜ松阪なのに東京なのかについては公式サイトをご覧いただければと思います)。その他にも多くの納豆製品を製造販売なさっているわけです。

またずっと以前(2004年)には変わり納豆「クレオパトラの幸せ」をお送りいただき、2005年には百貨店の物産展で社長さんともお会いすることができました。詳しくはこちらこちらのページに載せてありますし、もちろん長年にわたり相互リンクもさせていただいています。そんなわけで奥野食品さんとは随分長いお付き合いなのでありました。

しかーししかし!これまでTakemaが三重県松阪市を訪れたことはなく(1回通過しただけ)、したがって本社工場の見学も、併設のレストラン「たぬみせ」を訪問したこともありませんでした。ならば今回是非!というわけで、「納豆作り体験」と「たぬみせでランチ」をお願いしようと考えたわけです。

奥野食品さんに事前に電話を入れると「8/11なら納豆作り体験(4日前までに要予約)はOKです、ただ社長は8/20まで東京に出張中なので当日は工場におりません」ということでありました。久々にご挨拶‥というわけにはいきませんでしたが、いざ現地で社長さんに「えーっと、どちら様でしたっけ?」と質問を受ける可能性も高いような気もしたので(直接お会いしたのは1回だけですし)、これはまぁこれでヨカッタのかもしれません(笑)。

さて納豆作り体験は10時からということなので、Takemaは格好だけ早めにスタンバイしてみました。

予約時に「頭を覆うもの、マスク、エプロンをご持参ください」と言われていたので、頭にはバンダナ、マスクはまぁ普通の市販品ですが、エプロンは‥ずっと以前購入して以来そのまま使うこともないままだった「宮坂醸造 真澄」の前掛けが初お目見えです!ちなみにポロシャツは宮城県石巻市の復興応援シャツですね(笑)。

そして時間となりました。まずは工場エリアをガラス越しに見学&説明を受けます。

あまり細かく説明しちゃうと企業秘密に抵触してしまいそうなので概略にとどめますが(覚えていないことはこうやって誤魔化すんですよ良い子の皆さん)、ご説明下さった方の次のような言葉が耳に残りました(説明そのままの言葉ではありませんがニュアンスとして‥)。

上の2枚の画像をよくみると‥1人が手作業で豆を計量し、その隣の人が「藁つと」を広げて納豆を入れやすいように待ち構えてますね。そして反対側の人が納豆が入った藁つとの形を整えておられる‥

えぇっと、ただしパッケージングについては当然藁つと系以外は全て機械化されておりましたので念のため(左上画像などがそうです)。でも全体としていろいろな作業行程に直接人が携わっているということはよく分かりました。ちなみに奥野食品さんでは材料となる「豆」、そして「水」にも力を入れておられます。大手では出来ない「こだわり」こそが重要だとお考えなのでしょう、素晴しい。

さて、見学終了後はいよいよ「My 納豆の製作体験」へと進みます。すでに別室には計量器と藁つとが10本ほど用意されており、早く詰めてー!と藁つとの叫ぶ声がTakemaの心の耳にはしっかりと届いておりました(間違いなくうそっぽ)。

そんなわけで蒸し上がったばかりの大豆が登場です。煮豆じゃなくて蒸し豆なのがポイントで、煮てしまうと大豆の栄養分が外に流れ出てしまうそうであります。何粒か食べてみましたが、もちろん何の味付けもされていないのに甘みがあって美味しい!この豆に醤油をさっとかけてお酒のつまみ‥いや話がそれるのでやめておきましょう(笑)。ちなみに奥野食品さんが使っている大豆は全ての製品において100%国産です。この「100%」というのがミソで、「国産大豆使用」という場合「どれくらい使っているかはともかくとして」という副題が付いたりしますが(笑)、やはり徹底した「こだわり」をお持ちなのですね。



なにやら専門的?な質問を問いかけるように見せるおしんこどん。

さてここで、このジョウロが大きな役割を果たしてくれます。あたりまえですがこの豆を熟成させれば納豆になる‥はずがありません。まだ納豆菌が付いているわけでもないので、雑菌の繁殖による「腐豆」になってしまいます(苦笑)。そう、このジョウロの中には納豆菌を溶かし込んだいわば「命の水」が入っているというわけです。でもその割には結構無造作にざざっと振りかけて終了です。

なお納豆菌はもともと自然界に広く生息している常在菌であり、また強く熱湯を掛けられても死滅しない強い菌です。それだから伝統的な藁つと納豆の場合、藁を事前に熱消毒することにより雑菌を排除し、生き残った納豆菌を利用して納豆を作るという製法が長く採用されてきたわけです。

しかし今回はその藁つと入り納豆を作るのに際して「どうして豆にあらかじめ納豆菌を付けておくのか」という疑問が生じないでもありません。それについては次のように説明してくださいました。

なるほど、製品の均質性を重んじる「近代納豆」を目指すのであればこうする方が合理的ということなのですね。ちなみに工場内でも、ビッグサイズのジョウロが使われておりました(ずっと上の方に蒸し上がった納豆の大釜画像がありますが、そこで作業員の方が右手に持っている緑色のものがそのジョウロです)。

今回作る藁つと納豆は10個です。1つのつとに105gづつ入れるようにとの指示がなされますので「え、何で100gじゃないんですか?」と伺うと、

なるほどそう言われてみると至極納得。納豆菌だって生きていくためには食べ物が必要ですよね。と、ここであることを思いついたTakemaだったのであります。

いや、言わないって(苦笑)。

そんなわけで気を取り直して先に進みましょう(自分勝手)。計量を終えた納豆をいよいよ藁つとに入れていきます。ちなみに上で書いた理由から納豆はビニールにくるんで入れていきます。今でも時々藁の中に直接納豆が入れられている製品がありますが、伝統製法そのままという点では風情がありますが、実際のところ「藁に付いた納豆の粒をこそぎ落とす」のが結構な手間なんですよね。うん近代製法ばんざい(笑)。なお藁つとはそのままでは上記画像のように横に広がってくれませんので、あらかじめ半分に折り曲げておきます。

そんなわけでここからは夫婦の分業作業です。ある種単純な作業ではありますが、いかに早く105gぴったりを載せるか、また藁つとの形を納豆が見えないように整えるかについてはやはり職人の熟練技が必要になってきます。工場内の方々はいとも手早く作業なさっていたことを思い出し「さすが‥」という感じです。要はわれわれの仕事ぶりは「幼児のままごと」レベルだったというわけです(笑)。

さてしかし、こんな感じで何とか10本の藁つと納豆が完成です!このあと納豆は室温40度に保たれた熟成室で1日かけて発酵させ、そのあともう1日かけて冷蔵され(これで発酵が止まる)、その翌日に製品としてパッキングされ完成、出荷されるというわけです(あ、われわれの納豆はTakema家に配達日指定で届きます)。

そんなわけで、大人の社会見学&手作り納豆体験、これにて終了です。さーて続いては、

[戻る] [次へ]