− 北大東島・南大東島旅行記(2013/2) その11 塩屋プールから星野洞、そしてランチのあと大池へ −



こちらは星野洞、さすがに有料施設だけあって見ごたえありです。

さて気象台から戻ってきたらこの日の行動開始です。北大東島よりも広い南大東島ですから移動には車が必須なのですが予約はしていませんでした。たぶん当日いきなりでも大丈夫だろうなと思っていたので(笑)。

で、いざ前日の地底湖ツアーが終わったあとで東さんに聞いてみるとこれがまたビンゴ!



すごいなー、見込みとはいえレンタカー会社を通さずにすぐさまプランニングしてくれました(笑)。当然このあとすぐに会社に電話してキープしてくださったわけですが、やっぱり地元のダイレクトラインがあると全てがスムーズに進みますね(営業時間外でも)。

そんなわけで気象台から戻ったあと、そのままレンタカー兼業の「奥山モータース」へ移動し、さっそく借り出し完了。驚いたことに「日をまたがない数時間のレンタルならばガソリン代が無料(レンタル料金に含まれる)」なのだとか。それは太っ腹ありがたや大黒天帝釈天の布袋さまなのでありました。


島の「モータース」はエンジンの大小を問わずに整備しているようです。あ、このカローラって、2001年にナミビアで借りたのと同じだ!

正式に車をレンタルしたあとはいったん宿に戻ります。「飛行機の時間まで部屋は自由に使ってかまわない」ということでしたが、基本的に「いつでも荷物をピックアップして出発できるように」というのがわれわれの小動物的ビクビク系旅行スタンスなので(苦笑)。



それにしてもかわいい造り。南大東の泊まり時には右上画像のこのバーで仕上げましょ(誰も使ってませんでしたが)。

というわけで島の周回ぐるり、ゆーらりゆーらりゆーらららー、河童の三平どーこへ行くという感じなのですが、当時の番組とは別に最近のTakemaは遠野物語系の河童になりつつあるので、いやこんなネタを書いてどうなる(苦笑)。

そんなわけで気を取り直して(全然そうじゃないけど)先へと進みましょう。レンタカーを借りてまず向かったのは‥道を間違えてのクリーンセンターでありました(大笑)。もちろんレンタカーにはカーナビなどの付帯装備はありませんし、わたくしTakemaのデジタル装備にもスマホなるこしゃく便利なナビはないのでありますがそれが何か?(笑)。


もっともそんなデジタル装備などなくても島の旅はできるのであります(「こっちじゃなければあっちでしょ」と曲がってみれば何とかなる)。そんなわけでまずは島の南西部に位置する「塩屋プール」へ。北大東島の「沖縄海」同様、こちらも「岩盤をダイナマイトでぶっ飛ばして作った」系の人工プールなのであります。

が、右上画像はそれとは別の自然の(たぶん)タイドプールです。それじゃプールはどこかといえば左上画像の道の先、何となく穏やかな海水のたまり場が見えているあそこなんです。ふーん、でも何でそのプールそのものを撮った画像がないの?といえば‥



というわけで断念してこちらで記念写真。この日は天気も良くて(少なくともこの時間は)、左上画像をよく見るとTakemaは半袖ポロシャツですね。2月中旬とはいえさすが南大東島ですわ。とはいえ昨日の北大東島では今年一番の冷え込みでジャンパーをはおっていたんですけれどね(笑)。それにしてもおしんこどんは危なっかしい場所でよくやるなぁ(笑)。

なお、こちらでは昨日の地底湖でご一緒した男性2人と再会。お2人は歩いて回っているようで元気ですねー。で、このあとはページトップにあるような島随一&唯一観光用に一般開放されている星野洞へと向かいます。


島の道路はこれまた整備されていて走るのに何の問題もありません。ただ赤土がアスファルトに流れていることもあり雨の日のバイクはちょっと気をつけた方が良さそうな気もします。で、ここでもハーベスターが活躍中でありました。こちらはハーベスター車輌に直接サトウキビを積み込むネットを装備しているようですね。

さて星野洞に到着です。入洞料は800円とちょっとお高めですが、この島にきてこちらの鍾乳洞を見ないという選択肢はあり得ません!ただ、ここに受付の方がおられないこともあり本来は「予約が望ましい」ということなのですね。えーっと予約‥してませんでしたが先客&後客さまのおかげでまったく問題なく受付完了。でも係員さんは「戻ってきてわたしがいなかったら貸し出し品をこのあたりに置いておいてくださいね」とおっしゃっていたので結構綱渡り系ラッキーだったのかと。

そんなわけで看板の前で写真を撮ってもらった上でいざ入洞です!


なおここで「貸し出し品」の説明です。懐中電灯はまぁ当然としても、面白いのが左上画像の「ラジカセ」。洞内にはポイントごとに番号が振られており、「この番号の場所に来たらPLAYボタンをポチっとするとその場所の説明テープが流れるからね」というシステムになっているのです。われわれは神妙に聞いていましたが、各ポイントでの説明がちょっと長すぎるのか「知らないうちに番号部分を通過していた」という先人の記録もネット上に散見されます(笑)。

で、この扉から(こちらは常時開放中でした)地下道のスロープを下っていくと‥


その先にはもう1つの扉が(こちらは閉じられていました)。昨日の地底湖では洞の入り口近くの鍾乳石が乾燥のため酸化し始めていましたが、こちらはしっかり洞内の湿度をキープしているわけですね。さすがはふるさと創生基金を活用しているだけあります(笑)。

さてその扉を通り抜け階段を下っていきます。安全確保のため懐中電灯は渡されていますが、洞内には照明が点いており目が慣れればその明かりだけで十分に歩けます。というかその方が無粋じゃなくていい感じかも?ちなみに洞内は年間を通して気温18度、そして湿度はもちろん限りなく100%に近いレベルです。

で、ここからは鍾乳洞内部をタンノーしました。しばらくは画像中心でご覧下さい。




伸びゆく石筍!この洞内では今もとーっても地道に伸びてます。



そして天井からは細いストローが伸び始めてます。が、下部到着までにはまだ数千数万年?



美しき造形。右上画像は縄文&弥生時代、いやもっと後でしょ古墳時代の埴輪を彷彿と思い起こさせる形状です。



それに比べここ数十年しか生きていないTakemaの頭頂部は(大笑)。鍾乳石のように長ーいケア方法はないんでしょうか(ないない)。


そんなわけでただ単純に見ていただきましたが、このあたりから多少の説明を加えつつということにいたしましょう。前にも書いたようにここ南大東島にはかつて200を超える鍾乳洞があったそうです。その多くは埋められたということですが、どう考えても埋めたのは入り口だけのはずで、ということはこの島は表面が平らに見えても地下には巨大な空洞が広がっているのだろうと推測されます。


浸食によって空いたこのような巨大な空間では、鍾乳洞の天井部分に重力丸ごとの負荷がかかるわけです。さらに上画像のような鍾乳石はさらにその天井から「重しを吊り下げている」わけでもあり、その意味では万年単位でいえばとても危険な状況ではあります。ただし万年単位レベルなので、われわれが入洞しているまさにその時に「天井崩落!」が起きる可能性は宝くじ当選確率よりもはるかに低いんですが(笑)。


ただし大崩落が起きないわけではなく、左上画像のようにかつて落下した岩盤下部から斜めに伸びる鍾乳石もありました(かつては垂直だった)。ここに地下水がゆっくりと滴れば「く」の字型の鍾乳石が生成され始めるということなんですが、どうやらわたしが生きているうちには無理そうです(大笑)。

なおそんな鍾乳石も、織り姫と彦星のような長い年月の末に下部の石筍とめでたく合体=永遠の夫婦の誓いを遂げてしまえば、後は年月を重ねるごとにその結びつきはどんどん強く太くなっていき、天井の崩落を防ぐことになるというのですからやっぱり不思議だよなぁ。


このあたりには水脈があり、その流れ方が斜めだったんでしょうか、きれいなヒダを形成しています。ここまで出来上がるまでにはいったいどれだけの悠久の時を必要としたことでしょう。そしてわれわれ人間が初めてこの造形を目にしたのはおそらくたった数十年前のはず‥。


ここ星野洞では現在も鍾乳石の生成が進んでいます(たぶん「埋められた」鍾乳洞内などはさらに元気に生成していることでしょう)。で、そんな中に「わずかな人の営み」を感じることができるのが右上画像の不思議な放置物なのです。これはといえば‥

「実は泡盛の瓶。高校のない南大東島では中学卒業後全員が

島で生まれ育った子供たちも「15の春」はそのまま別れの春にもなるわけで、だからこそ「未来を見据えて」の準備となるわけですね。何だかこれにはしみじみしました。


そんなわけでダブル扉を通って外に出てきました。が、出口の扉でついつい未練がましくやってしまったわけです。だって反響音がすごかったんだもの。というわけで以下の動画では、最初のテープの反響音からお楽しみ下さいませ。

「星野洞入り口で人生を叫ぶの儀」

いや人生とかそんなレベルじゃなくただのバカ(苦笑)。


そんなわけで貸し切りタンノーの星野洞から外に戻ってみると‥うわ、小型バスで団体さんが到着っ!いやぁアブナカッタ(笑)。洞内のあの静けさを楽しめてよかったなぁ。でもその一方で、この団体さんはおそらく見学予約を入れていたはずで、だからこそ係員さんもスタンバイしていたのかも知れません。もしこの方々の予約がなかったらもしかしたら見学しそびれたかも知れないと思うと、もしかしたら感謝すべきなのかも知れません。

南大東島とはいえ1年で一番寒いこの時期ですから花はほとんど見られませんでしたが、道路の反対側に栽培ものではなさそうな植物が赤い花を咲かせていました。何という花でしょうね、おそらくとりたてて珍しい種類でもないとは思うのですが。


このあとは海沿いの園地で一休み。この場所もけっこう最近整備されたのだと思うのですが、南北大東島ともにちょっと残念なのは、こういった公共の場所に結構な確率でタバコの吸い殻が放置されていることなのです。吸うのはいくらでも結構。でもあとに訪れる人の印象を悪くするような吸い殻ポイ捨てはやめてほしいものです(かく言うわたくしTakemaは喫煙者です)。しかしその量と種類の少なさ(同じデザインのフィルターが多い)から考えるに、一見の観光客が捨てたものではない気もします。

その昔の日本ではポイ捨てはあたりまえでしたが、もうそういうご時世ではないので‥犯人捜しをするのではありませんが、気持ちを切り替えてもらえたらなぁと。


さて、海岸部と内陸を接続する道路沿いには前ページでも書いたテリハボクが防風対策として植えられていました。この時期が新芽の季節なのか、それとも年間を通して新芽が出ているのかはわかりませんが、若葉はいいですねぇ。

で、ここから少し行ったところには、まさに「植えたばっかりの防風林」を見ることができました(笑)。




(右上画像にマウスオンすると給水作業画像にズームインします)

うーん、古今東西を問わず人類の歴史上「大切に大切に育てられた子供はしょせん使いモノにならずに終わる」というのは厳然たる事実であります。日本でいえば「蜻蛉日記」の作者の息子である藤原道綱などは母の溺愛のもとで育てられた結果か、いい年になっても「一をだに知らぬ人(=漢字の「一」という字さえわからない人)」と陰でこき下ろされたりもしましたし、現在で言えば(以下記載自粛。アレとかコレとかね)‥。

でもそれは人間に限ったことではなく動物も植物もみんな同じ。大地に水がなければそれだけ深く根を張ろうという「心理?」が働きますが、苦労せずに水を得られることに慣れてしまった防風林幼木の根っこはどんなことになるのでしょう。見かけは立派でもいざというときは‥東さんがおっしゃっていたようにちょっと心配になる光景でありました。

さてここでちょっと困ったことが。それは、2つ持ってきていたデジカメ用充電池がほぼ容量ゼロに近づいていたのです!今回は荷物の軽量化に努めた結果車のDC電源を使った充電器アダプターを持ってきていなかったので、これはちょっとやばいなー。

いや、でもそろそろお昼なので問題はありません。この日はまだ宿のチェックアウトをしていませんので(チェックアウト=キーの返却は帰りの空港で行うことになっていました)、部屋のコンセントはお昼でも使用可能(荷物も置きっぱなしでしたし)。また、北大東島よりも人口が多く栄えているここ南大東島でも、昼食が食べられるのは「在所」という地名を持つ中心部に限られています。よって、いずれにせよ戻らなければいけなかったわけなのです。


そんなわけで宿に戻り、完全に放電したほうの電池を充電器に装着した上で「島の繁華街」へと進みます。繁華街ですからスゴイですよ、右上画像は一見するとお店には見えにくいと思いますがここは「島のコンビニ」。マウスオンすると営業時間表示に変わりますが、日本で営業開始当初のセブンイレブン(=営業時間7:00-23:00)よりも営業時間が長いんですから!島のメイン交差点角にあるのでいつでもどうぞ。



しかしセブン周辺とちょっと違うのは、お昼時だというのにメイン交差点付近にまったく人通りがないことでしょうか(笑)。


さて昼食です。南大東島といえば左上画像の通り「大東そば」が、たぶんごく一部の島通の方々には有名なはずです。炭と海水を練り込んで作るという独特な麺なのだそうですが、実は前夜東さんに「跡継ぎは那覇でずいぶん前から大東そばの店を出してますからね。こちらの先代もしばらく前までは海水を汲みに行っていましたが、今はもうどうなのかなぁ?」というようなお話を伺っていましたので‥。

そんなわけであえて王道を外し、その前の路地を入って20mくらいの所にある「ちょうちん」へ(右上画像マウスオンで別画像に変わります)。確か事前調査ではここもそこそこいい感じだったとTakemaメモに書かれていたので(=飲みながらネットで情報を読んだ印象をその場の勢いでメモしているので、仮に「ここはいい!」とメモされていてもシラフの頭では「何がいいのか全然わからない」という自縄自縛モードに陥ることが多いのですが)、それを信じてお店に入ると‥



そんなわけで正直言ってこの時は「お店の選択を間違えたか?やはり王道たるあちらの店に行っておくべきだったのか?」と思いましたよ。でもですね、出てきた2品にもうビックリ!



そんなわけですっかり満足した上で宿に戻って充電池を交換、ギリギリの残量レベルで撮影していた電池を充電器にセットした上で再び南大東島周回路へと戻ります。

ただ、この日は南大東漁港周辺の道路が工事のため完全通行止めでありました。北大東島のあの巨大漁港工事とセットで行われた南大東漁港の整備事業ですから「出来上がったらどんな感じになるのかしらん?」とけっこうテクマクマヤコン的に期待していたのですが?ジャイアントロボが大作少年の「ロボ、帰ってこい!」という懸命の呼びかけにもかかわらず悪の親玉もろとも巨大隕石に突入したように、結局われわれは新造の南大東漁港を見ることはできなかったわけです(全然たとえの意味なし)。

そういえばどこかの誰かの分析によると、「人の心を持った」鉄腕アトムの人工頭脳=HDDだかSSDかはわかりませんがの容量はたった2TB(テラバイト)だったようです。もちろん現在の技術では2TBで人の心を完全に再現することはできないはずですが、このジャイアントロボは唯一の命令者たる大作少年の意向にあえて反した行動をとったわけで、ロボの頭脳構造および容量はどうなっていたのでしょうね(笑)。


さて仕切り直しのあと最初に訪問したのは「大池のオヒルギ群落」。オヒルギとはマングローブの一種類で、熱帯から亜熱帯の汽水域に生育する植物なのです。でもここ大池は「池」という名の通り島の内陸にあります。もっとも大池の深い部分には塩水が入り込んではいるのですが、その塩分濃度は汽水域とは比べられないほど低いはず。ここ南大東島がまだ環礁だったころから長い時間をかけて変化に順応してきた結果ゆえの天然記念物指定なのでしょうね。


ちなみにちょうど結実の時期だったのか、何だかキュウリのような?実がたくさんありました。熟すと右上画像のように茶色になるようです。もっと大きいのもたくさんありましたが、君たちはこの場所でどんどん代替わりしながら成長していくんだねぇ。

さてこのあとは別の場所にある大池の展望台へ。島のレンタカーにはもちろんカーナビなる先端機器は装備されていませんので(というか走っていけばいつかはスタート地点に戻れる島の道には過剰装備かも)うろうろしながら探したわけですが、ここは珍しく展望台への看板が出ていましたのであっさり到着。


ずいぶん立派な展望台(しかも木造)だなと思って近づいていったら、郵便局の簡易保険による融資施設だという掲示がありました(左上画像マウスオン)。うーん、「かんぽさん」の収益で建てられているとは‥まぁ今はこういう新規施設にお金を出す余裕はないかも知れませんが、正直いってあまりいい気分はしません。だって、北海道は下川町の奥サンル牧場監視塔のように、コストを考えずに造ってさっさと朽ち果ててしまうような気がして‥(この監視塔にまだ上れたときの画像はこちらのページ下部にあります)。


それはともかくとして、展望台の上から大池と反対側を眺めてみると、そこにはちょうど花を付けたサトウキビ畑が広がっていました。なぜかズーム写真しか撮っていなかったのが残念ですが実はかなり広くて、しかもこの時はけっこう風が強くて穂が風に吹かれている姿に、ついついどちらからともなく「森山良子の「さとうきび畑」の歌詞である「ざわわ」そのものだねぇ」と言い合ってました(笑)。ちくしょー動画も撮ってなかったぞ(苦笑)。


で、再び駐車スペースまで降りてきて、大池から延びる水門手前の水路をよく見てみると‥うーんかなりたくさんの魚の姿が。われわれが近づくと確かに逃げたのですが、一通り安全距離まで避難したあとは全然動かなくなりますからコイとかじゃないのは確かだしそもそも大型サイズはいなかったし。この魚、何という名の魚なんでしょうかね?

あ、ここでおしんこどんが突如としてスパーク!(笑)。その模様は左上画像マウスオンでお楽しみ下さい。ちなみに撮り直しで結構苦労=何度も跳び直していたというのはここだけのヒミツです(大笑)。

さて続いては、「南大東島のバリバリ伝説」系の岩場へと向かいます(笑)。

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