− その5 鬼首で気持ちほんわか、秋の宮温泉と泥湯で湯ったり −



この辺の紅葉はまだまだ先のようでした。この時はまだ10月の前半でしたからね(2014)。
さて連泊湯治とはいえやっぱり昼間はお出かけしちゃうのがTakemaの悪しき業というべきか。しかも鳴子温泉の湯だってまだまだ入浴していないところはそれこそいっぱいあるのに(農民の家も早稲田もまだなんです。東川原湯に至っては間に合わず廃業しちゃったし)ついつい遠出してしまうのが悲しき性(さが)だったりするのです。

というわけで鬼首方面へ。見た限りですが神滝温泉は道路際の看板も外され休業中のようでした(東日本大震災後お湯が出なくなったとか?源泉が涸れたのか、それとも引き湯パイプの問題?)。こうしてそうっと、でも確実に古くからの宿がなくなっていくのですね(神滝温泉のかつての宿泊ページはこちら)。

さて鬼首のバイパスを過ぎ、いよいよここから本格的に上り始めますよといったところで右側に何かが見えた?何だか幟もいくつかあったような?というわけでUターンしてみたら、地元の直売所の「やまが旬の市」でした。特にお祭りというわけではなかったのかも知れませんが(無雪期の週末常設)、さすが3連休の中日ということで誘導員の方も出ておられたし、これは是非のぞいてみましょう。

常設母屋のお隣にはテントも張られています。どんなものが売られているのでしょう?(まぁ地物農産物であることは間違いないですが)。

地の新鮮野菜はもちろんのこと、塩漬けしていたわらびを戻したものも売られておりました。わらび、買いたかったですがまだすぐ帰るわけじゃないのでねぇ。でもゆで山くりは2袋買いましたよ。

また、ここで「大物」を衝動買いしました。それは‥(右上画像マウスオン)「菊の大鉢」です!かなりのボリュームがある鉢なのですが何と一番大きいサイズでも1000円!よーしというわけで勢いで購入(笑)。そのほかにもちょこちょこと買って総額が2000円を超えたところで‥



抽選券がそれぞれ手書きというのも何だかとっても味があっていいですね。ただこちらの直売所について調べてみたら、近年は参加者が減ってきて運営も大変なのだとか。みなさん、鬼首地区の繁栄に力を貸してください!アレレ系の衝動買いをなさってください!(笑)。

ちなみに菊の大鉢はまぁみごとにわが家の家の前で花を咲かせています(11月中旬現在)。あ、なるほどねこまめに終わりかけた花を摘み取るとまだまだどんどん咲くんですねわかりました(独り言です)。

「お茶とかコーヒーとか飲んで休んでってぇ」のお言葉に甘えてテーブル席に腰掛けると、すかさず「豚汁飲んでってぇ!100円だから!」とのお声が。すでにプラ容器に盛られて持ってこられてましたからうっはぁ拒否権なしの強制豚汁ですね(大笑)。もちろんいただくことに(まだお腹空いてないんですが)。がっ、これがまた!



(まだ朝ごはん絶賛消化モード中でしたし)
ちなみにたまたま同席した仙台からの方が、「これ入れたらどうだい?」と、購入なさったわらびを差し入れてくださいました(中央画像)。こ、これ、水で戻した塩漬けわらびとは思えぬほどに新鮮そのものなんですがっ!(感動)。やっぱり地元の方は保存法を心得てるんだなぁ。

なお休憩席には自由に食べていい漬け物のお皿が並べられておりました。これも間違いなく運営関係者各氏の自家製ということで、これまた美味しくいただきました。

そんなわけで食べ終わってまったりしつつ周囲を眺めていたら、ん?近くの木に実が鈴なりなんですが?(右上画像マウスオン)。お店の方に聞いてみたら「グミですよ、ちょっと渋味があるので誰も採らないんですけれどね」とのこと。

ただし好んで食べるかどうかとは別問題であるという結論に達した次第です(笑)。わらびを振る舞ってくれた方もついパクリのあと同じような意見を下さいました(こういうパクリ系チャレンジは大切だと個人的に思っているTakemaです)。さてこのあとは鬼首道路を越えて秋田県側へと進んでいきます。


標高はそこそこ上がりましたがやっぱり紅葉はまだまだです。旧道ならともかくとして‥。
さてそんなわけで秋の宮へ。平成の大合併によりここも「拡大湯沢市」の一部となりましたが、その湯沢市は市の組織に「まるごと売る課」を設置し、「民間に売れるものは売り、売れそうにないものは閉鎖」というあまりにもわかりやすい施策(コンパクト化)を実行しています。

その結果、木地山キャンプ場は温泉施設のスケールが詰まった(要再掘削)ことを契機に閉鎖、じゅんさい沼キャンプ場も利用率低迷により閉鎖。その結果、毎年GWにはこれらのキャンプ場を利用してきたわれわれは、ここ数年さまよえるオランダ人のごとく「どこでキャンプするか」を最大の懸案としているわけなのです(自分としては秋田にこだわりたいのですが‥)。

また宿泊施設も、「秋田いこいの村」は無償譲渡で民間に引き受け手を求めたが応募ゼロで休業中、さらに秋の宮の県営「秋の宮山荘」も指定管理者が「(株)秋の宮山荘」に移行したようなのですが、湯沢市が筆頭株主のようであるので今後どうなるかわからない‥(施設的に新しいので維持の方針のようですが、稲住温泉が共立メンテナンス=全国にドーミーインホテルを展開、によるリメイク&再開業をしたらお客の取り合いでどうなるかわかりません)。

まぁいずれにせよ秋の宮山荘にお世話になることは今後ともなさそうです。われわれ庶民は地元民間経営のお宿風呂に入れていただくことにします。せっかくなのでまだ入ったことのないところへ‥というわけで。

温泉旅館「太郎兵衛」さんへ。庭先の木にはこれまた何やら実が付いています(右上画像マウスオン)。おしんこどんに「これは何の実だろう?」と聞いてみたら「ナツメじゃないかな」というのであとで宿の方に聞いてみたら正解でした。wikiってみたら「熟すと乾燥してしわが出来る」とのことですから、こちらの実はほぼ「完熟」ということのようですね。

しかし収穫している様子はなく地面には落ちた実が多数。失礼してまだ木に付いている実を口にしてみたところしっかり美味しかったんですが‥。おしんこどんいわく「わたしが子どものころよく食べていたのと同じ味だわ」ということでした。まぁ今はほかにいろいろと美味しいものがあるからといえばそれまでですが(笑)。

やや年季の入った建物ですが内部は手が入れられていて綺麗ですし、清掃も行き届いています。入浴料は北東北デフォルトの格安系でスバラシイ(もちろん外税などという不粋なことではありません)。また、左上画像マウスオンで魅惑的なミニ湯治企画が!

こちらは税別ということですのでこれに消費税、そして入湯税150円/1泊*3を足し合わせると‥「\11,196」ということになりますね。いやぁこりゃ安いわ。というか、仮にこのプランで丸々1ヶ月滞在しても11万円ちょい、しかも90食中朝夕の60食&電気もガスも水道も無料だと考えれば、首都圏の賃貸マンションにしがみついて住む意味ないし!(ま、もちろん収入の途は無視した話ですが。ただしそんな長期滞在の場合はさらに割引があると予想されます)。

話が長くなりましたのでさっさとお風呂に行きましょう。先客さんはおられませんでした(よしよし)。


入口の扉が渋いです。脱衣場もシンプルで脱衣カゴはありません。




昭和を感じさせる男女別浴槽のしきりにはガラスのブロックが嵌め込まれており、変な話「シルエットクイズだって出来ちゃう系」なのですが(笑)、この浴室を整備したころはこういうのが流行りだったんでしょうね。そういや東根温泉の松の湯旅館さんも仕切りがガラスブロックだったなぁ(上画像マウスオン、当時の旅行記はこちら)。

そんなわけでいざ湯へ浸かります。源泉は各宿ごとに違うということなのですが、総じてやさしい湯ざわりなのが秋の宮の湯の特徴で「味がないところに味がある by サトウハチロー」的な感じです(もう知らない人の方が多いよね)。こちらの浴槽では源泉を浴槽底に直入でしたので味見はしませんでしたが、たぶんあっさり系だったんじゃないかなと。あと、思っていたよりも「ひえ湯系(湯上がりのポカポカがそれほど長く持続しない)」であるようにも感じました。

このあと、秋の宮から少し下がったところには毎年GWに行っていたお蕎麦屋さんがあるはずなのですが(当時も1年に1回しか行かなかったのに覚えてもらえていた)、すでに通常の朝ごはん+具だくさん豚汁とでとても食べられるはずがないので訪問を諦め、よーし行くか久々の山越え!

このあとは県道310号線で泥湯方面へ。道は狭いけれどそこそこマイナーな峠越えゆえ楽しめました。

整備された斜面にはススキが綺麗になびいております。狭い道ゆえあとから来たライダーさんに道を譲りましたが(右上画像)、こんな日のバイクは気持ちよいこと間違いなし!Takemaのブラックバードは‥実は乗り換え検討中です。まだ通勤で毎日乗っていますけれどね。数年前から「出先で押しがけ」とかで居合わせた皆さまにお手伝いをお願いしてたしなぁ。いまだにエンジンはいい感じで回るんですが、その周辺のパーツ‥センサーとかホースとか‥ん?

「エンジン=原子炉」とするならば「制御系基板および各種配線配管」がバイクだろうが原発だろうが同じであることはいうまでもありません。Takemaのバイクはエンジンは元気ですが周辺制御&器官部が劣化しているので「これ、いよいよとなったらブレーキが効かなくなることもあり得ますよ」と警告も受けています(今すぐということはないそうですが)。

原発の場合だって同じことだと思います。長年使えば使うほどへたりが出てくるのはどんな機械でもプロジェクトでもはたまた人間の組織でも同じでしょう。となれば、それを無理に使い続けるとどうなることか。局所的な交換や対応だけで本当にうまくいくのでしょうか。というわけで、40年を超える原発の運転延長許可だけは絶対にやめてもらいたいと思うTakemaでありました。

ハイ話がそれましたねいつものことですね。というわけで峠道を上がっていくと‥



県道310号線は最高高度が標高1000mほどありますから、その上部では紅葉がしっかり見ごろを迎えていたというわけです!もしかしたらと思ってはいましたが、ここは車の通行量も少なく、車を止めてのんびりと紅葉狩りを楽しみました。それにしてもいい天気で風もなく、台風がこちらに近づいているとは思えません(この時点で「翌日の夜、東北地方に最接近」との予報でした)。

さてここから徐々に下り始めてしばらく進むと川原毛地獄上部に到着です。ここには泥湯温泉側から多くの観光客が上がって来ており、車を止めるのにもちょっとだけ難儀しました。


でもまぁ、別に地獄めぐりをするつもりもないのでざっと見ただけですが。
そしてここからは一気に泥湯温泉へと下っていきます。相変わらず奥山旅館周辺は混雑していましたが、われわれはお隣の小椋旅館を目指していたので問題なしです。みなさーん、どんどん奥山旅館へ!(笑)。

小椋旅館。たしか1990年代前半、まだ全然温泉に興味すらなかったころにバイクでやって来てたまたま1泊した記憶があります。確か部屋にはTVもなかったような気がしまして、「いやぁこりゃ秘境の湯だ」と唖然としたというか何というか。

しかしまさかその約10年後にはこの界隈が自分のホームグラウンドになるとは思いもしませんでした(大笑)。「GWは皆瀬村だ湯沢市だ」というわけで木地山キャンプ場やじゅんさい沼キャンプ場をベースにしてうろうろし、午後キャンプ場に戻ってくると「んじゃ、ちょっとひとっ風呂浴びてきますわ」というわけでここ泥湯に来てたりもしたんですよね(その頃の様子はこちら)。でも時代は流れ‥



このことについてはすでに聞き知っていましたので驚きこそありませんでしたがやっぱりねぇ‥ネットで調べてみると売却物件として出ていたのですが、「この物件は現在お問い合わせできません」と書かれていたということは現在照会があるということかな?だとしたらいいのですが‥。ちなみにここから山の上の方を見上げるとこれまた綺麗に紅葉していました(右上画像マウスオン)。

そんなわけでノスタルジックな思いを抱きつつ小椋旅館さんへ。さすが三連休の中日ということで、旦那さんが帳場に常駐していました。料金を支払い、道路を挟んで反対側にある浴室棟へ。

最初は混んでおり、しかも誰かが加水したままにしたのかかなりぬるい感じでしたが、まぁそれならということでやや長湯しているうちに皆さん入浴終了です。やったー、この時を待っていたんです!(笑)。




いやー、まだ湯はぬるめだったとはいえ、三連休の中日にこうして貸し切り入浴をさせていただけるのは至福!浴槽のすぐ隣には打たせ湯もあります(こちらはきっちり熱め)。前回は20年以上前の宿泊でしたが、また泊まりに来てみようかなぁ?(あくまで奥山旅館さんには泊まろうとしないひねくれ者)。

そんなわけで動画ですが、あくまで記録用みたいなもんですから大して面白くもありません(苦笑)。





さて続いてやって来たのは‥そう、かつてのじゅんさい沼キャンプ場です。園地内駐車場への取り付け道路には「車両通行止」の看板がありましたので道路脇に車を止めて歩いていきます。この日は風もなくて周辺はほとんど無音。たまにすぐ上を通る車やバイクの走行音が聞こえるくらいです。そんなわけで進んでいくと‥

管理棟はかつてのままにありましたが工事についての看板も。うわぁ解体だってぇ‥。ん?でも工事期間が8/28−10/31って、訪問日は10/12なのに基本的に手つかずだったんですが?もはや今シーズンは放置ということなのでしょうか?それと、今となってはもうどうでもいいことなのですが「露天風呂棟」って?浴室棟ならわかるんですが露天風呂もその昔はあったのでしょうか?(最初からなかったと思う)。

それにしても、この界隈はここ10年で観光客の訪問ポイントがほとんどなくなってしまいました。キャンプ場では木地山もここじゅんさい沼もなくなり、小安峡側のとことん山だけ?(実はまだ他にもないわけではないのですがちょっと保留)。温泉は先ほどの豊明館さん廃業はもちろんのこと、2014/8現在あのヌルヌル湯の「山の湯っこ」も休業中とのことですし、前出の両キャンプ場だって最初は温泉付きだったわけですからね。さらに保養施設「秋田いこいの村」に至っては、すぐ脇を通りましたが窓にはコンパネが張られていて寂しい光景でした。

地方にとって来るべき時が来たというべきなのでしょうか。上で書いた秋の宮山荘も先行きの明るさは微塵も感じませんし、湯沢市のこの選択は「先を見通して今のうちに切るべきものは切る」ということなのでしょう。しかし今後別の地域でもどんどんデジャブ的な状況が進んでいくのかも知れないなぁ。

となれば、今も「ふるさと納税」等の地方振興策がおこなわれてはいますが、今後は特に都市圏住まいの人びとに対して「地方に出かけて消費した(記名&番号登録制)領収書提出による税制上の優遇策」なども必要になってくるかも知れません。「マイナンバー」はこういうことにも使えますのですぐにでも導入して欲しいところです。基本的に自分としては「都市生活税」の導入も考えていいと思うのです(地方移住への手厚い補助&土地の所有権移行促進措置と同時並行で)。

このあとは小安峡のR398に出たわけですが、左上画像こそスイスイですが温泉中心部や大噴湯では(現地としては系ですが)大渋滞となっていました(笑)。年間でもたぶん数日しかないとは思いますがやっぱり連休だぁ!

さてこのあとは無謀にも「栗駒山方面へ」と向かいます。この時期南東北人の誰しもが考える紅葉のポイントですが‥どうなのよ?
[戻る] [次へ]