− その4 八丈のお宿「タンポポ」でまったり、さて橘丸は御蔵島に?(結果バレバレですが)−



お宿は決してリゾートホテルではありません。しかし夕食後、なぜにこのようなデザートが?(笑)。

そんなわけで前回も立ち寄ったペンションハウス「タンポポ」さんへ。前回訪問時も宿泊しましたが、ここの夕ごはんは美味しいんです。いわゆる刺身ほか海モノオンパレードじゃないですし(まぁ八丈島の場合そういう宿は民宿を含めてもそれほど多くはないような気もしますが=釣り客メインの宿の場合は除く)、また経営者ご夫婦の対応もよろしかったことから「八丈1泊ならタンポポにしよう!」と今回自分の中では即決予約でした。



全館平屋のタンポポさん、夕食時に伺ったことですがご夫婦は南関東エリアからここ八丈に移住したのだそうです。当時このエリアは当時「別荘地として」売りに出されていた物件(土地のみ)だったのだそうで、でも販売状況ははかばかしくなかったのだとか。確かに島の中心部からは遠いし、ということはお店もないし、温泉が出るわけでもないしねぇ。

でも逆に、メインロードの都道(八丈一周道路)から離れていることもありとことん静かですし(ま、この都道自体通行量はかなり少ないのですが)、のーんびりするにはうってつけです。

案内されたお部屋は前回と同じく「ムロ」の間でした(「ムロアジ」の略称=右上画像マウスオン)。ただし前回宿泊後ミニベランダが増設されており、これは喫煙者Takemaにとってありがたかった!(こちらのお宿は室内禁煙ではなかったと思いますが自分は基本的にお宿では外吸い派ですので。左側画像マウスオン)。ただ今回は室内に樟脳系の臭いがキツく漂っていたのが気になりました。春先ゆえ虫でも出たのかなぁ?(換気しましたが完全には消えませんでした)。

夕ごはん前、日没の光景を見に少し車を走らせました。



どう見ても一般公開しているとは思えない永郷の灯台です。というか、一般公開している灯台って「有料でも人が来る」観光地の灯台ばかりで(銚子の犬吠埼灯台とか)、「灯台守」がいない今となってはわざわざ料金徴収員を常駐させてまで上に登らせる意味はないのでしょうね。

でも灯台って不思議です。不思議と人を引き付ける力があるランドマークなのです。地図を見て「灯台があるから行ってみようか?」となるのって結構普通の感覚だと思いませんか?別に内部の階段経由で上部に登れなくともいいですから、せめて灯台の直下までは誰でも行かれるようにしてくれると嬉しいなぁ。自分としては屋久島の永田灯台なんか実に素晴らしい観光地だと思いますけれどね!(現地訪問記はこちら)。

予想通り空は全然夕焼けの気配もないまま太陽も沈んでいきましたが、まぁこの日は春らしい陽気でぼんやりとしていましたからねぇ。でもこの日を境にして気団が入れ替わり、この翌日からは一気に冬型の気圧配置復活!という感じになっちゃったわけなのですが(苦笑)。まぁそんなわけでトロンとした夕日を見た後はお宿に戻り、夕食とまいりましょう!



最初のビールには奥さまによるお酌のサービスがついております(笑)。一連の画像が暗めでごめんなさい。



手作りのお総菜小鉢や新鮮お刺身、そしてもちろんアツアツの天ぷらなどをいただきながら飲むビールは格別です。で、食が進んでいくにつれてどどんと出てきたのは‥



何だかんだで総量はかなりありまして、この鍋が出てきた時点で「うん、白い御飯にまで手を伸ばしたらじぇったいに食べきれない」ということが容易に想像されたため、鍋ほかの攻略に全食欲を注ぎ込むことに。最近はトマトラーメンとかもあちこちでありますが、このお鍋、うん、美味しかった!また「食事適正量」と「飲酒欲」とは全く別物でありまして(笑)、ビールのあとは八丈焼酎に切り替えてロックでグビグビと(右上画像マウスオン)。相当おかわりしたと思うけれどいったい何杯飲んだだろう?

そして最後に出てきたのは‥



ハイ、こちらのフルーツ盛り合わせというわけなのです!(スマホ撮影なので明るい画像)。

このフルーツ盛り合わせ、お宿のデフォルト夕食には含まれておらず実はTakemaが特別にリクエストしておいたものなんです。実はこの日はおしんこどんの誕生日だったわけなので!(心温まる妻への愛情が伝わってきますね。え?こないって?(笑))。

予約時に「これこれの理由で、別料金にて何か一品を」とだけリクエストしていたので、自分としても何が出てくるかは知らなかったわけですが、個人的にはケーキじゃなくてヨカッタ(お腹いっぱいなのでケーキは苦しい)。おしんこどんも自分もフルーツ好きだし、美味しくいただきました!

ちなみにパッションフルーツは八丈島の特産品の1つでして、この時期はもちろんオフシーズンのはずですが、温泉熱を利用したハウス栽培品でもあるのでしょうか(聞きそびれました)。「実はわが家でも鉢植えで栽培しているんですよ」と申し上げたらちょっとびっくりして下さって何だか嬉しい(笑)。

わが家の場合、秋に花を付けて実が付いたのが10個くらいあったのですが、冬の寒さで完熟が遅くなるのか(腐るわけではない)、このページをタイプしている4月上旬でもまだ3つほど実が付いています。完熟すると落果するので、そのまま1週間ほど追熟させた上で食べると「ちゃーんと美味しい甘酸っぱさ」なんですねこれが。ま、さすがに夏収穫のものに比べれば酸味はやや強いですが‥ハイ以上で趣味の園芸教室オシマイ!(笑)。

このあとおしんこどんはお腹いっぱいモードによりお相撲さんモードで早々とお布団王国の女王として君臨、Takemaは部屋でのまったり飲みに切り替えましたが、そのうち自然の摂理(酔っぱらったことによる睡眠欲)に身を任せて沈没。そんなわけでそれぞれくかぁーっと寝たわけですが‥



そんなわけで夢うつつの身ながら、「こりゃ明日の御蔵島入りは無理だな‥」と濃厚なる諦めモードとなっていたわけなのでありましたよ。

さて明けて翌朝です。お天気はバッチリ快晴なれども波高しで白波が出ているようです。ということは海上はうねりが出ているということかぁ。昨日の海には白波など全く見えなかったんですけれどね。風もそこそこあるしなぁ。



タンポポさんの朝ごはんはシンプルですが自分としては必要にして十分、旅館とかの朝食によく付いてくる+αとしての湯どうふとか干物の固形燃料による焼き物って、個人的には不要です。朝からそんなにがっつりいくとお昼ごはんにも影響しちゃうので。



なおこちらのお宿には犬はいないようですがネコはおります。「たまちゃん」だったっけ、まだ生後半年のおこちゃまで、うろうろする割には人慣れしてません。あ、タヌキもおりますが残念ながら生体反応はありません(左上画像マウスオン)。

そうそう、紹介し忘れていたのでこちらのお宿の細やかな気遣いについて1つ。右上画像の三方向電源タップがおそらく各部屋に設置されていることにびっくりしました。

今や旅行者もいくつもの電気機器を持っているのが普通だと思います。自分もこの時、ノートPC、デジカメ*2、ガラケー、スマホの5つを持参しての旅行でした。そうなると気になるのがやっぱり充電です。お宿泊まりの場合電源コンセントそのものは確保できるのですが、その空きスロットが非常に少ないことが非常に多いのです。時には「すでに全部使われていて、TVのソケットを抜いて‥」ということもあったりするわけです。

だから自分は旅行に出る際に必ずこれと同じ三方向電源タップを持参しているわけです。海外の場合も「コンセント形状変換アダプター」にこのタップを接続すればほぼ恐いものなしですから(各デバイスの充電自体による電圧負荷は低いのでタコ足でも問題ないはず)。でもこちらのお宿にはデフォルトでこいつがセットされている!いやぁ小さなことかも知れませんが大きく感動しました!

さてそんなわけで宿泊のお礼を申し上げた上でお宿をあとにし、まずはレンタカーを返却しに町の中心部へと向かいます。



途中、八丈小島が正面に見えるあたりで写真を撮りましたが、やっぱり白波が一部に見えてますね。あ、そうそう思い出したことを書きますが、ここ数年にわたり八丈島周辺で獲れる魚はかなり少なくなっているのだそうです。

それは「乱獲」という誰しもが思いつく想像とは全く違う理由からです(そもそも八丈島周辺の島々を合わせたとしても漁船の数や大きさはたがが知れていますし)。つまりそれは‥


このことは前回の訪問時の八丈島滞在時にも聞いていましたっけ。その昔の黒潮は八丈島にぶつかるような真っ直ぐ進行だったようで(それでも今のような蛇行は当然あったと思いますが。たとえば今の蛇行はこんな感じのようです(こちら))。

ちなみに江戸時代には流罪の島とされていた八丈島ですが、実際の流人は今の感覚でいえば比較的軽微な罪で送られていたことが多かったようです。で、流人が様々な技術を島に持ち込み、それにより島の生活や文化レベルも向上したようで。

でも、そんな罪人の中でも重罪だったり、さらには島で問題を起こした人たちが「流罪の流罪」になったのが上画像の八丈小島だったらしいのですが、八丈島と八丈小島の間の海(まさに画像に見えている海ですね)は特に海流の勢いが強く、そうやすやすと脱走はできなかったといいます。つまりその頃の八丈島近海はまさに「黒潮のど真ん中」にあったというわけです。

豊かな恵みをもたらす黒潮が大きく南に蛇行したままの今ですが、この蛇行のシステムはなかなか複雑なようでして、今後どうなることやらです。



さてGSにレンタカーを返却し、東海汽船が出航する底土港へと出発です。そうそう、GSレンタカーの場合、「満タンにしてから返却」しなくていいので楽ですね。なお離島振興法関係なのか八丈島のガソリンは‥(右上画像マウスオン)。

ただしこれはあくまで「税制上の優遇」ですから、諸経費云々は全く別。つまりここ八丈島までのガソリン輸送費等は全く含まれていません。当然ながらそれらの経費が高くつくので、税金部分を多少下げてもまだまだ高いのが離島であります。レシートを紛失してしまったのですが、この時の1Lあたり単価は確か180円以上だったのじゃないかなぁ?(同時期の千葉では130円弱でした)。



そんなわけで底土港のターミナルへ。へ?何これ2年前と全然違って新しくなってる!(右上画像マウスオン)。全部が全部ピッカピカです!全く知らなかったのですが、新造船「橘丸」の八丈島航路就航に合わせてここ海の玄関口たる港湾施設を建て替えたのだそうです。まぁ確かに前のターミナルは昭和のニオイたっぷりだったのですが(2013/3当時の画像があるページはこちら)。

さて本日のわれわれの予定は「ここ八丈島から御蔵島へと橘丸で移動し、到着後はネイチャーガイドさんとともに山歩き、そして御蔵島のお宿でのんびりと」という内容です。でも海の状態は明らかに昨日より悪くなっているんですよね。御蔵島港は青ヶ島の三宝港と同様「いきなり海に突き出た」形状ですから着岸は海の状態に大きく左右されます(同じことは利島にもいえますし、「1島1港=風向きに応じて着岸港を選択できない」というという点も共通しています)。



というわけで御蔵島までのチケットを購入しましたが、当然の助動詞的にチケットには「条件付運行」のスタンプが押されておりました。これはつまり「港の状況が許せば入港しますが、そうでない場合はスルーして次の寄港地へそのまま向かっても文句は言わないで下さいねわかりましたね!」というチケットなのです。

もっとも各島にお住まい&頻繁に来島する観光客(釣り客さんとか)にとっては「ハイハイわかりましたよいつものことですね」系の常識であり、実際「条件付」であってもこの船は間違いなき「生活物資の輸送基盤」でもあるわけですから「頑張って着岸させちゃう」ことがあることもしばしばだと聞いています。今日の御蔵島港はどうだろう?

ただしこの日の朝、さっそくネガティブ系情報をいただいてもおりました。レンタカーの返却手続き中、御蔵島で宿泊を予約していたお宿から電話が入りました。その内容はといえば‥



という感じでした。御蔵島のお宿(現地の海の状況を眼下に見ておられる方)から「今日は無理そう」と言われてしまえばたぶんその通り無理なのですが、大本営たる東海汽船からは「スルーします」たる公式見解は出ていませんので(というか航行中に現地の状況を見て判断するようなので八丈島出航前に寄港の可否は発表されません)、それに対するお返事はといえば‥



と申し上げていたわけです。春先とはいえ3月下旬界隈の伊豆諸島航路はまだまだ海が落ち着いていませんのでそういう計画を立てていたわけです。となればあと数時間後、一瞬にしても海が凪いでくれることを期待するばかり!



そんなわけで、八丈スタンプラリーの応募用紙を投函した上でいよいよ橘丸に乗り込みました。2014/6末就航の新造船で、この日はお客さんも少なかったことから二等船室も自分たちのブースは貸切でした(右上画像マウスオン)。窓はなくともTVはあるし、快適な海の旅です。



ではではお願いしますよ橘丸、頑張って御蔵島港に着岸してよね!



フェリーの発着岸時にお巡りさんがいるのは東京都島嶼部では普通の光景です(初めて見たときはちょっとビックリしましたが)。そんなわけで離岸‥したらいきなりそこそこ揺れ始めたのでビックリ。



そんなわけで八丈島ともお別れ、風が強ぉーい!(左上画像マウスオン)



どどんと進め橘丸!御蔵島目指して!(実際この時もかなり横揺れしてました)。

で、実はですね、この時点でTakemaとしては「御蔵島上陸は無理なんだろうな」と思っていたわけなんです。しばらく船内をうろうろした上で、さすがに飽きて船室へ戻り時間つぶしをしていたわけですが、御蔵島到着が近くなってきた正午を過ぎても何の船内アナウンスもないわけで‥すると、すると、もしかするのかも?と思ってデッキに出てみたら‥





と、しかし。このあと船内外に響き渡る御蔵島港着岸断念アナウンス。あー、すぐ目の前なんだけれどなぁと思ったわけですが、おそらくこれと似た思いはこれまでに数千数万数十万もの方々が抱いてきたたはずなのでまぁ今さらかも知れません。



というわけでお別れを告げます。あー、すぐそこなんだけれどなぁ(両上画像マウスオン)。





ということで底土港出航からの動画をご覧いただいた上で、新たなる直近の目的地「三宅島」へと向かいましょう。とりあえず出港から着岸までのダイジェスト動画をご覧下さいませ。


[戻る] [次へ]