おお、いわきJCTの案内板も「仙台」に変わってた!

(2015年3月15日 その1)

タイトル通り、千葉から南相馬まで日帰りでお味噌を買いに行ってきました(笑)。いや、こちらの青バタ味噌が美味しいんですよ!それと、常磐道が2015/3/1に全線開通したでしょ、せっかくなのでそれを利用して便利さを実感してみたいと思いましてね(まぁこっちがメインともいいますが)。なお今回もTakemaの単独行です(最近のおしんこどんは「忙しい女性」になっています)。

そんなわけで一気にいわきJCTへ。震災後はずっと交通情報版に赤ランプ点灯で「いわき四倉(広野)−常磐富岡 災害通行止」の表示が出ていて、特に震災からしばらくの間は「常磐道の全通も夢物語になっちゃったなぁ」と完全諦めモードの自分だったわけで、まさかこんなに早く(沿道放射線量の問題はありますが)全線開通にこぎ着けるとは思ってもみませんでした。

いわき四倉PAを通過して北上です。2011/6にはこのPA内でタイベックススーツに着替える自衛隊員の方々の姿を見て「『最前線』が近いんだなぁ」と感じたものですが(その時のページはこちら)、今考えれば当時はここから先に着替えられる適当な場所がなかったのかもしれません。



2014/2に広野−常磐富岡間が再開通した際、同区間の放射線量リアルタイム電光掲示板が設置されましたが、全通後はこんな広域掲示板も設置されたのですね。最大5.4μSv/hという線量値は決して低くはない数値ですが、これでも国道6号沿いよりは相当低く抑えられていると思われます。

さて広野ICを過ぎてしばらく行くと、2015/3/1の全線開通とともにオープンしたならはPAがあったので立ち寄ってみることに(PAが出来たことも知りませんでした)。



トイレと自販機だけの簡素な設備ですが、しっかり線量計は設置されています。また、非常時にはここから一般道に降りるための連絡道路も整備されています(右上画像)。平時は当然閉鎖されていますが、この時は女性が犬の散歩をなさっていて何とものどかな雰囲気でありました。また何と簡易へリポートまで設置されていて(左上画像マウスオン)、このPAが単純に利用者の利便性を考えただけではなく「非常時の拠点として整備」されたということがわかります(もっとも整備計画自体は震災以前からあったようです)。



そんなわけで常磐富岡ICを通過!ここから先は「帰還困難区域」を通り抜ける新規開通区間です。



はい、少しずつ線量値も上昇していきます。エリア的にはまだ「避難指示解除準備区域」ですが‥。



沿道には除染で出た汚染土等が仮置きされています。ここのものはカバーがかぶせられているので大丈夫だと思いますが、除染廃棄物の多くは袋(フレコンバッグ)に入れられたままむき出しで置かれているものが多く(右上画像マウスオンで表示される画像で遠くに見えている黒い袋がそう)、そうなると袋そのものが紫外線等で劣化して破れ穴が開いてしまうわけで、各地のバッグも実際にそうなり始めているところがあるようです。今後集積させるにしても作業は決して簡単ではないように思われます。



仙台まであと110kmしかないのか、これなら日帰りできちゃうなぁと思ったところでおっとっと。右上画像の看板には見えにくいですが「ここから帰還困難区域」と表示されています。あたりの風景はごく普通の「里山のある田園地帯」なのですが、もう4年以上、この一帯には一切の「生活の営み」がありません(ごく一部を除く=「希望の牧場」等)。

家の屋根には震災直後に緊急補修のため載せられた土のうが、これまた長年の放置により劣化して破れています。聞くところによると、家屋(木造)は雨漏りが始まると一気に劣化が加速するのだとか。そうでなくともネズミ等小動物の侵入による被害も多いでしょうし、少なくとも帰還困難区域内の木造家屋は(見た感じは問題ないように見えても)そのまま住める状態ではないのかも知れません。そもそも高線量区域ゆえに除染作業自体が行われていませんから、ここに「再び住む」のは現段階ではまさに「夢のまた夢」というわけです。



そして226.9kmポスト手前に設置されていたここ(左上画像)が、「5.4μSv/h」と一番高い線量を示していました。そこから先約6kmには浪江インターがありましたが今回はここでは下りません。このICも帰還困難区域内にあるため料金所は一般レーンも含めて全て無人(自動料金収受器設置)なのだとか。





ここからさらに北上していくと、線量が一気に下がり始めます。あの日の風下エリアを抜けたということなのでしょうが、何だか複雑な気持ちにもさせられます。もちろんこの高速道自体が念入りに除染されているはずですから、この数値を以て沿道エリアの数値と考えてはいけません。裏を返せば上のエリアでは「除染をしても5.4μSv/hまでしか下げられなかった」のが実際のところと考えるべきなのでしょう。



左上画像の数字はほとんど見えていませんが1.3μSv/h(234.0kmポスト)、右上の原町トンネル手前では0.2μSv/h(243.1kmポスト)でした。



左上画像のすぐ先(234.2kmポスト)で帰還困難区域を抜けることとなります。そしてここから20kmほど走ったところにある南相馬鹿島SAで高速を下りることといたします。



このSAにはETCスマートICが併設されていて、本日の目的地たるお味噌やさんまではここから約10分だと若旦那から聞いておりました。しかし「あれれ、施設といえばGSとトイレだけ?何でもこのSA施設を南相馬復興の拠点にするとかいうニュースを見た気がしたんですが?」。‥というわけで帰宅後調べてみたら、物販施設は2015GW前にオープンなんだとか。確かに気になる建物がありましたしね。GWにまた立ち寄ってみようっと!

そんなわけで、あまり意味はないと思いますが常磐富岡IC−南相馬鹿島SAまでのダイジェスト動画をご覧下さい。


さてそんなわけでやってきましたこちらのお店、「若松味噌醤油店」さん!



ふとしたことからこちらのお店を知ることとなったわけですが、現在Takema家で使っているお味噌はこちらで作られている青バタ味噌であります。前回(その時のページはこちら)購入したお味噌が残り少なくなってきたのでここまでやって来たというわけです(あ、「ネット経由でも販売しているのにどうしてわざわざ買いに行かなきゃイケナイの?」という質問には残念ながら明確にお返事をすることが出来ませんので不悪(笑))。

この日は若旦那が出張中ということを事前に伺っておりました。ご家族の方にご対応いただきましたが、「これこれこうこう」と前回訪問までの経緯を簡単にお話ししたら‥





というわけで青バタ味噌と冬期限定の甘酒を購入したわけですが、家に帰ってみるとおしんこどんが「そろそろ醤油がなくなりそうなんだよね」とひと言。何だ、それがわかっていたらこちらで醤油も買ってきたのに!(苦笑)。まぁそれは次回のお楽しみかな。たぶん次の訪問はGWあたりになることでしょう!

さてお店をあとにしたのは11:30あたり。ここから南下し原町地区を過ぎてしまえば原発関係の制限エリアに入ってしまうので、今のうちにお昼ごはんを食べておかなくちゃ。というわけで、前回訪問時と同じ手打ち蕎麦のお店へ。



というわけで「えび天 木音セット」を注文。会津産の蕎麦粉を使用したお蕎麦と、うどん、まぜ御飯のおにぎりのセットです。それにしてもこちらのお店は人気がありまして、テーブルが5卓とお座敷も4卓以上あるにもかかわらず12:00前にはすでに席待ちの行列が出来ていました。前回もこんな感じだったよな、やはり「お昼ごはんは早めが一番」なのですよ。

さてこのあとはR6経由で南へと向かいます。

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