− その4 肘折温泉出発、途中いくつか湯をめぐりお蕎麦を食べて帰着 −



以前はスキー場に造られていた記憶のある「おおくら君」。こんな立派なお姿を見るのは初めて(翌朝撮影)。

(2017/3/22-26 その4)

というわけで肘折温泉には何と16:00に到着してしまいました。新庄から肘折温泉ってこんなに近かった(早かった)んでしたっけ?どうやら自分の中で「肘折温泉への道≒秋山郷切明温泉への道」というイメージが出来上がっていたようなんですが、実際のところは全線2車線ですし快適路なんですよこちらは!



でも豪雪地帯ですので3月下旬でも雪道への準備は怠りなくです。降らなくても凍るし。



肘折希望(のぞみ)大橋のループ橋をくるくる回れば肘折温泉に到着です。この橋はH24の地滑りで旧道が崩落したことによって建設されたものですが、結果として温泉へのアプローチを容易にしてくれました。旧道は急だし狭いしでちょっといやな区間でしたから。そういや前回はまだ橋が完成しておらず迂回路経由で来たんだっけ(こちら)。

下りた先にある「おおくら君」(ページトップ画像)はもちろん「大蔵村」からのネーミングですが、今年で23世(年目)なのだとか。それはいいとして、過去の像に比べて現在の像が「いかに小さいか」を知ってビックリしました。だって過去と比較すると‥

身長 ウエスト 体重
過去最大 29.43m 235.5m 32,000トン
23世(2017) 10.6m 63m 2,500トン

ただし上記の「過去最大」とはある年の雪像詳細ではなく各年の最大値を拾ったものですので念のため(ソースは大蔵村公式サイトです)。

場所がスキー場のある平原であったことで雪を集めやすかった時期のものと、現在の狭い場所で雪を集めてのものとを比較することに意味があるわけではありませんが、かつての初期おおくら君はさぞかし大きかったんだろうなぁ。その時代にはGWにしか来たことがなかったんで、記憶にあるのは「ひしゃげて小さくなった先々々‥代」だけなんです。



さてチェックインしてからすぐに向かったのは当然幸の湯(独自源泉)。ここは貸し切り利用システムになっているので「隙あらばいざ!」というところなのです。



早い時間にチェックインしたこともありしばらく誰も浸かった気配なしでお湯の鮮度はめっちゃ良好。肘折にしてはぬるめといえるお湯はうっすら金気と炭酸味が感じられるいい感じのお湯です。やっぱり男湯は共同源泉でもっとかっちり熱いのですが、やっぱりどっしりと腰を据えてタンノーするお湯はいいですね。

やや長めに浸かった上であがりましたが、いやぁやっぱり冷え湯の肘折です!「冷え湯」とはぬるい湯というわけではなくて「湯上がりの汗切れがいい=無駄にだらだらと汗をかかないですむさっぱり湯」のことですが、この日も部屋に戻ると身体はポカポカしているのに汗はほぼ止まっておりました。不思議だよなぁ。

さて、この日は湯治夕食(おかず3品+汁とご飯らしい)をお願いしていましたが、提供時間までには時間があるので温泉街の散策へと出かけることに。



定番スポットの旧肘折郵便局と上ノ湯浴場へとやって来ましたが、いまや他の2共同湯がジモ化しつつある中で(それでも宿泊客が絶対入れないわけではないようですが)、当然外来のお客はこの上ノ湯に集まってきます。まぁ今回は無理をせず宿湯だけでのんびりするつもりだったので入りませんでしたが、確かにひっきりなしにお客さんが出入りしていました(土曜日の夕方でしたしね)。



続いてやって来たのはバス待合所なのですが、これまで前身の会社を含めて100年もの長きにわたってバスを運行してきた山交バスが2017/3/31を以て運行を終了し、4/1からは大蔵村営バスによる運行に変わるのです(この日は3/25)。

バス停の看板はすでに「村営バス」のものに代わっていましたが、待合所のガラス窓にはしっかり「山交バス」と記されております。4/1以降はこのロゴも剥がされてしまうのでしょうが。

ちなみに運行最終日には温泉宿の皆さんが道路に出てバスのお出迎え&お見送りをなさっていたようです。肘折に住む皆さんは学生時代とかに必ずや利用していたことでしょうからね。で、山交バスも実は粋な計らいをしていたようです。




もうその幕を使うことはないんでしょうが‥。このあとはとりあえず冬期休業中の羽賀だんご店&源泉公園まで行ってみることに。



風情のあるお宿が並ぶ中、上流側には心意気を示す「湯守小屋」!古ぼけたドラム缶がいい味を出しています。



まだ閉店中なのはわかっていた最上流部の羽賀だんご店まで上がってきました(2017年は4/8に営業を再開したようです)。そこから先の源泉公園側は除雪されておらず残念。で、この真向かいにはかつて「葉山館」というお宿があったんですよね。宿泊もしたわけですが(その時のページはこちら)、いまは建物も取り壊されて更地になっています(右上画像マウスオン)。



屋根の形状は「じぇったいに道路に屋根の雪を落とすまじ!」という思いを顕現化しています。確かに肘折温泉の風情である狭い路地は一方で生活道路=ライフラインなのですからね。ところでちょっと裏道に入ってみたら、湯治客用の無雪期移動販売屋台を見つけてほっこりしました。海鮮系なのね(笑)。



で、橋の上から川を見てみたら、中州にあたる雪の部分に何やら動物の足跡を発見!わざわざ中州にジャンプしてうろうろしているところをみるに挙動軽快な野生動物、しかも足跡の付き方からして四つ足系でしょうし、タヌキじゃなくてキツネかテンでしょうか?



さて宿に戻って夕ごはんです。質素と思われるかもしれませんがTakemaとしてはこれで十分ですし、その分お安くしていただいておりますしね。ちなみにご飯はちょっと多かったくらいです。で、おしんこ等をちょっと残して第一次ごちそうさま!ちょっと行ってきますよ男湯に!



土曜日ということでいつのぞいても男湯には先客さんのスリッパありだったわけで、「ならばこの夕ごはんタイミングならどうだ!」と狙っていたわけです。さすがにどなたも入っておられませんでした(笑)。そんなわけで熱めの湯にざぶんと浸かった上で戻り、残していたおしんこでチビチビやったりしたわけです(案外地味な性格)。ホントはこのあと夜に居酒屋となる店に行こうかと思っていたのですが、お腹いっぱい&身体ポカポカとなればもう面倒になっちゃいました。結局チェックアウトまでに幸の湯に4回浸かり、お湯をタンノーいたしましたよ。

明けて翌朝。もう今日は千葉まで帰らなければなりません。ページトップのおおくら君の雄姿ともお別れです(もしGWに来るとしてもそれはそれはもうあられもないお姿になっているはずなので)。で、ぐるぐる橋を渡って少し行ったところで‥





そんなわけで車を止めてパチリ(もちろん後続車両がいないことを確認済みの上での停車です)。このバスをここで見ることはもうないんだなぁと思いつつ、「結局一度も利用しないままだったよなぁ」との申し訳なさとともにしみじみ。

さてここからは‥もう少し温泉に寄ってみたいよなということでまずはこちらへ。この日のうちに千葉まで帰るんですが(苦笑)。



露天風呂はかけ流し、しかも「猫バス」があるというこちらに来てみましたが、さすが日曜日というわけで千客万来ゆえ最初からカメラは持参しませんでした。しかも浴室は日替わりなのかこの日の男性湯は「猫バスじゃないほう」でした。お湯は単純泉ということですが湯ざわりもツル感のあるいい感じ。あ、内風呂(循環湯)には浸かりませんでした。空いていそうな農繁期の平日に再訪してみたい(笑)。

このあと以前も立ち寄った地酒の品揃え豊富な酒屋さんで「楯野川」の限定酒を購入し、お昼ごはんは某伊勢そばさんまで足を延ばすかどうか迷ったのですが、並ぶ時間を考えるといやだなぁと思い、ちょうど開店時間だったので有名店の三郎兵衛さんへ。


「鳥肉そば」を注文したら温かいそばが出てきてちょっとびっくり。勝手に「冷たい系」ででてくると思いこんでおりましたので。その場合こちらでは「温かいつけ汁に板そば」で頼むべきなのかな?でも板そばだと量が多いこともあり結果オーライだったともいえます(時折書いていることですが、Takemaは一定以上の量を食すると一気に眠くなる(いつも)&トイレ問題が喫緊の課題となる(時折)なので「量の多いご飯」はできるだけ避けたいのです。

自分が食べ終わる頃に次のお客さんが2組4人ほど来ていましたが、基本的に貸し切りで静かにいただきました(右上画像マウスオン)。以前GWに来た時には満員だったような?あれ、ここじゃなかったかな?それくらい遠い昔の話です。あ、お蕎麦の味?温かくやや濃いつゆだったゆえにあまりよく覚えていません(無念)。

さてここからは東根市へと向かったわけですがR13近くまで来たところでちょっとびっくり。




(両上画像マウスオンでそれぞれ別画像に変わります)。

そんなわけで東根まで来てしまえばこのあとは関山峠を越えて仙台宮城ICまで一直線というわけですが、せっかくならどこぞの湯‥で、またも冒険せず2012に宿泊した「松の湯旅館」さんの湯に浸からせてもらうことに。



ここでビックリしたのが女将さんのご発言。「お風呂に入れていただけますか?」と申し上げたところ、



2012/12末に宿泊して以来4年数ヶ月ご無沙汰だったわけですが‥女将さん、ものすごい記憶力です!(感動)。思わず「そうなんです、あの時のサクランボの漬け物にはびっくり感動したんですよ」と合いの手系で焦って対応するTakemaでありました(笑)。



お風呂は前回宿泊時のまま「君の瞳に乾杯@大目玉親父系」でした。しばらくどなたも入っていなかったようでお湯はかなり熱め(44度半ばくらい)でしたが、とりあえずそれくらいの「温泉(対応)力」はありますので、出たり入ったりしながら無事入浴行動を完遂しました。お湯の色は濃そうに見えますが案外それほど濃くもないですね(右上画像マウスオン)。

でも、湯上がり後しばらくしてもやっぱり汗が引かないんです。こちらの湯も大好きなんですが、肘折の湯もやっぱりすごいよなぁとあらためて実感。

いよいよ関山峠へ。仙台在住の方々からは「夕方の関山峠から仙台方面は渋滞しまくるから通らない方がいいよ」というアドバイスをいただいていましたが、まだ時間は早いしというわけで、この旅行最後の立ち寄り湯は作並温泉なのであります。



立派な温泉ホテルに見えますが残念ながら東日本大震災のダメージにより休業中だという作並ホテル。しかしお風呂だけなら「シャワーとかの洗い場設備がないんですよ、お湯だけはたくさんあるのですが」という元女将さん?の恐縮至極系ご発言に「全然問題ありませんので入れていただけないでしょうか?」と申し上げ、入浴の許可をいただきました。現状ではあくまで「ご厚意により入浴させていただける(かもしれない)湯」であることをお忘れなく(もちろん入浴料はお支払いします)。

で、階段を下った先にある浴室へ。脱衣場はちょっと無機質系ですが、その向こうには浴槽がおいでおいでをしています(右上画像マウスオン)。で、いざ浴室へ進んでみると‥





自家源泉「神の湯」は分類的には単純温泉(ナトリウム・カルシウム-硫酸塩-塩化物泉)、源泉は54.6度、湯口では42.0度に調整と掲示されていましたが、確かに体感ですがその湯温を維持していたと思います。ということは‥休業中とはいえお湯は(加水の度合いを含めて)ちゃんと維持管理されているわけです!



浴槽の底は岩がむき出しでデコボコしています。それにしてもこの緑色の岩はどういうことでこうなっているんだろう?(両上画像マウスオンで別画像に変わります)。湯ざわりとしてはカルシウム系よりも硫酸塩系のピリ感の方が強いかもしれません。

ホテル内は照明も落とされていましたが、関係者の皆さんはレセプション脇の控え室に普通にいらっしゃる感じでした。



北海道で走っていた時よりもいいとてつもない燃費平均をたたき出したTakema車でしたが、三郷までまさにあと100kmというところで事故渋滞!でも何とか物事はそれぞれに進むわけで、まぁ無事にTakema家に到着です。

ハイ今回も楽しみました!

[戻る]