− その5 富士見峠〜アヤメ平〜横田代は最高のプロムナード! −



アヤメ平に向けて緩やかに登っていきます。展望もよくそよ風に吹かれながらの漫歩です。



緩い登り道を進んでいくと、後方に富士見小屋が見えてきました。この小屋も先年(2015)閉館し現在利用することはできませんが、元湯山荘で伺った話によると「売りに出ていたが新しい買い手がついた」そうです。

新しい経営者は現在の老朽化した小屋を建て替えて(もっと小規模になるらしい)、秋の時期だけ営業する考えらしいのだとか。

尾瀬の登山口として古い歴史を持ちながら「一人負け」の様相を呈している富士見峠ですが、考えてみれば富士見小屋までは林道が続いているわけだし、大清水〜一ノ瀬のようにしゃらくさい(笑)低公害車などの専用車を走らせて峠までのアクセスを確保すれば利用者は一気に増えると思うんですけれどね。それが無理でも、「宿泊予約者のみ送迎あり」にするだけで小屋の利用者は(秋に限らず)激増すると思うんですが、できないものですかね?

それにより鳩待峠のオーバーユース状況を多少なりとも分散させることもできるし、アヤメ平へのミニハイクという新たな需要を喚起することもできるでしょう。そして何よりも富士見峠は「尾瀬沼にも尾瀬ヶ原にもダイレクトにアクセスできる」地の利があるわけですから、交通の問題さえ解決できればものすごく便利な登山口になると思うのですが=「古豪の大復活」。

話は変わって、右上画像のように木道を補修している箇所が何ヶ所かありました。痛んだ木道にはマーキングが為されていて、補修対象としてチェックされているようです。かつて踏み荒らされて裸地化が進んだアヤメ平が復活(少なくとも見かけ上は)したように、木道のあるなしで登山道の荒れ方は大きく変わりますから、本当に有り難いことですよ。



続いて目を遠くにやってみると、眼下には戸倉の集落が見えています。また東の方に目をやると‥あの遠くに見えているのは奥白根山でしょうか(両上画像ともマウスオンで別画像に変わります)。やや霞んでいて峠の名ともなっている富士山は見えませんでしたが、いやいや十分な展望です。そしていよいよアヤメ平へと進んでいきます。







この上天気、半袖シャツ1枚で暑くもなく寒くもなく気持ちいい!しかもしつこいようですが平日だけにハイカーの数も極少で(右上画像にかろうじてお2人写り込んでいますが)、こんな天気や景色もほぼ独占状態です!



魚沼方面の山々もしっかり見えていますし、池塘越しに見る燧もいいですねぇ。



足下に目をやれば、早々と花を咲かせるタテヤマリンドウ、ショウジョウバカマにチングルマ♪





いやぁ、至福の時間を満喫しました。そんなわけでのんびりと降りていくことにします。もう登りはないし気楽なものです。



アヤメ平を抜けると樹林帯に入ります。ご覧の通りまだまだ雪がたんまり残っていますが、かえってたんまりですので踏み抜きの恐怖におびえることもなくのんびりと歩けて爽快です。実は今回日焼け止めを忘れてしまったのですが、この天気だと結構焼けそう(実際はそうでもなかった)。



横田代に向かう途中に小さな湿原があり、立派なベンチが設置されていたのでこれ幸いと休憩することに(全然疲れてませんが)。珍しくセルフで写真を撮ったりしましたが、オデコが太陽光を激しく反射するばかりの画像となりました(自虐)。

ここからは2時間もあれば鳩待峠に余裕で到着できると思うのでのんびりしましょう。とりあえず水でも飲んで‥ん?そういえばそういえば!





出発前日に買い出しをした際、何の気なしに「こんなのもたまにはいいかも」と購入したにも関わらず、夜のお供は芋焼酎だったので出番がなかったスパークリングワイン、うん、まさにこの時のために買ったようなものです!

というわけでプシュっ、ごくり、ぷっはぁ!至福も至福、極上の休憩タイムです!(ハイキング中の飲酒はその後の行動に支障をきたすことがあり得るため気をつけましょう(苦笑))。あ、ここで飲んだのはふた口だけでしたがもうこれで十分。そのままお昼寝態勢へと移行します(右上画像マウスオン。ただし横になったのは10分くらいね)。で、このあとは横田代へと向かいます。



シブいところでは笠ヶ岳や平ヶ岳なんぞもしっかり見えてますねぇ。



さて横田代までやってきました。このあとは樹林帯になってしまうので、ここでのんびりお昼ごはんといたしましょう。本当は昨日のお昼ごはんにするつもりだったパンなのですが、うんここでラーメンという流れにしなくて正解。まずはトースターでパンを両面焼いてと‥







ぬわぁんというゼータクなお洒落ランチ!お飲み物は例のスパークリングですし、何とデザートにブドウまで持参している念の入れよう!いかに無駄な荷物が多かったかがよくわかります(大笑)。

パンは3枚、レタスはカットレタス1袋で十分な量があり(少し余った)、生ハムも12枚あるのでもう何の不足もありません。たまに通り過ぎる人が「すごいごちそうですね」と声をかけてくれます。2012の北アルプス剣沢小屋ランチと同じ感じでしたが、あの時は無念にも写真を撮らなかったんだよねぇ。

スパークリングを半分くらい飲み干したところでランチも終了。さて残りは鳩待峠で一気に飲み干すことにして出発です。登りがないとこんなに気分が楽なんですね(脳天気)。



さて横田代エリアもそろそろオシマイです。水芭蕉を見るのもこれでオシマイかなということで最後にパチリ。いざ樹林帯へと進んでいきます。



木の間越しに至仏山が見える場所もありますが、基本的には展望のきかないうっそうとした森の中を緩やかに下る道です。と、木道をよく見てみると‥(右上画像マウスオン)、お、こちらは東京電力が前年に敷設したものなんですね。

ちなみに木道がない区間のうち一部は泥濘がややひどかったです。おそらくはその区間も、今後何年かのうちに木道敷設が図られることになるのでしょう。



程なくして(何だかあっけないくらいで)終着点の鳩待峠に到着してしまいました。そんなわけでまずはスパークリングくんを一気に飲み干します!うん、少し気が抜けたけれどオイシカッタ!今回で味を占めたので次回の山歩きでも持参しようかな(いつになるやら)。



鳩待峠からはバス便もあるのですが、同じチケットで乗り合いタクシーを利用することができるという合理的なシステムとなっています。ちなみに乗り合いタクシーは「人数が集まり次第出発」という、南部アジアやアフリカあたりでよくあるパターンの運用方法です(笑)。

予定では13:40発のバスに乗るつもりでしたが、まだ13:00少し前でしたのでタクシーを利用することに。ジャンボタクシー、ラッキー最後の1人のタイミングで、ほぼ待ち時間ゼロで出発となりました。これなら戸倉で温泉に浸かって身体を清めてからバスに乗れるぞ。



そんなわけでバス停のすぐ近くにある公共温泉施設「尾瀬ぷらり館」へ。本当はどこかの宿湯のほうが空いていそうなので好みだったんですが、何だか日帰り対応をしているように見えなかったのでまぁしょうがないかと。先客は1人だけのようだった(露天風呂)ので、とりあえず内風呂をパチリ(右上画像マウスオンでいつもの湯足ね)。

で、かけ流しの湯に浸かってみてちょっとびっくり。思いもかけずしっかりと「ツル感」を感じるではありませんか!しかも湯口付近ではうっすらと硫黄臭も感知。浴槽の大きさからしてもう少し遅い時間になると利用者が増え湯がナマるんじゃないかとも思われますが、この時間は大丈夫‥おっと、自分が脱衣場に戻り着替え終わったあと、7-8人の登山客がどやどやとご来館。あぶないところだったぁ(笑)。



あれれ路線バス、東武バスじゃなくて関越交通なんだ。いつの間にか運行会社が変わっていましたが、今調べてみたら移管されたのは1999年なんですね。知らなさすぎでした(苦笑)。

ここ戸倉から新幹線の上毛高原駅まで直通するバスは1日5本だけ。しかも所要時間は1時間46分という長丁場です。バスは大清水からやってきましたが、乗っていた登山客はなぜか全員下車。「何で?」と思いましたが、そうか皆さん車を戸倉に駐めていたわけですね。で、ここからは自分を含めて10人ほどが乗り込みました。終点まで乗り続けたのは5人だったと思います。

いわゆる普通の路線バスのため停留所がたくさんあります。上毛高原駅まで、その数何と86!途中にトイレ休憩などは含まないため、温泉上がりにビールを立て続けに数本飲んだりしてからの乗車は危険ですおやめ下さい(笑)。

で、途中の後閑駅でちょっと(イヤだいぶ)びっくりした出来事が。バスが駅前(ロータリー形状ではなくそれほど広くない広場)に乗り入れると、なぜか隅っこの方に向かって直進していきます。あれ?どうしたの?と思いきや‥





いやー、まさかこんなところにバス用のターンテーブル(転車台)があるとは思いもしませんでした。準備もしていなかったので短い動画しか撮れませんでしたが、皆さんが後閑駅を経由するバスを利用なさる場合は是非心と機材の準備を!(笑)。



さてここから先の道ですが、何とも懐かしいところを走ってくれます。このベイシアでいったい何度買い物をしたことでしょう。そう、かつてのTakemaオフはこの近隣である猿ヶ京温泉界隈にて開催していたのです!(2002-2009)。Takemaオフ以外にもミニオフキャンプのような形で何度も何度も集まりましたっけ。

そんなわけでとぉーっても懐かしいのですが、かの地でのキャンプが出来なくなり、オフキャンプ難民となったTakemaは2010、2011と「くまTakemaバラギオフキャンプ」という共催キャンプ(当時のTakemaオフ参加者の多くはくまオフにも参加していたので)をお願いし‥というような経緯をへて現在のTakemaオフに至るわけですね。関係ないですが、海鮮系に舵を切ったのは2014年からのことですので念のため(笑)。

さて上毛高原駅に到着したのは16:00を少し回ったところ。で、駅構内の発車案内掲示板を見ると‥




(左上画像はホーム上の電光掲示ですが、つまりそれだけ余裕がなかったとお察し下さいませ)。

切符も買っていないし、煙草も吸いたいし車内用のアルコール飲料も!しかしそれらの三権分立?を残り時間約10分でやり遂げるのは至難の業です。結局最後の飲料云々だけ間に合いませんでした。フンだいいのさ、ザックの中にはまだ飲みきっていない芋焼酎があるんだもんね!(いったいどれだけの嗜好品を背負ってたんだよ=自己ツッコミ)。



MAXたにがわ412号は「MAX」の名の通り二階建て新幹線です。でもこの「MAX」E4系車両って2020年度末までに全て引退することが決まっています。もしかしたら今回の乗車が最初で最後に‥ならないようにしたいです。今回は1階席でしたが、2階席グリーンとか乗ってみたいゾ(望むのは自由ですよね)。

そんなわけで1泊2日の尾瀬ハイクでしたが、なかなかいろんなイベント(いろんな意味で)に恵まれ実り多いものとなりました。楽しかった!ちなみに翌日以降は筋肉痛に悩まされるかと思いましたが、あに図らんや「ちょっとイタイかな」くらいのものですみました。よかったヨカッタ。

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