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- その3 野猿は思いのほかシンドイと実感しつつ上湯温泉で〆湯 -



今回はなぜか川渡りのネタが複数となりました。体力勝負ですが楽しい!

(2018年12月年末-2019年1月2日 3/3ページ)

さて南紀勝浦をあとにしてここからは内陸に進みます。いや、本当は勝浦から白浜にかけてのお湯をもう少し回りたかったんですが、いかんせんこの界隈の共同湯とかってとにかく営業開始時間が遅いんです。お昼頃からとか午後3時からとか。お風呂文化の違いなんでしょうが、温泉ファンとしては「湯めぐり有効タイム」が短いんでなかなかねぇ。それに時間が限定されると貸し切りラッキーの可能性も減るし‥。津軽の共同湯を見習えとまではいいませんが(早いところとかだと4:00オープンとか@青森の温湯温泉 鶴の湯共同浴場。営業時間4:00-22:00というのはすごすぎる)、せめて10:00くらいから開けてくれないかなぁ。

というわけでまずは川湯温泉を目指します。この時期は仙人風呂がオープンしているはずですが、われわれは水着を持参していません。いや、忘れたのではなくて別に持っていかなくてもいいかなと思ったわけで、こういうイベント系を好まないTakemaの性格がよく出ています。ただしマイナーなイベント系は大好きですが、仙人風呂は全国区ですからねぇ。

でもいざやってきてみると‥







仙人(千人)風呂も例年よりはずいぶん小さいらしく、また通路にはフレコンバッグ(大型土のう)が並べられていて「風情よりもまずは今冬も仙人風呂を開けること!」という関係者の熱意が感じられます。恥ずかしながら川湯温泉の被災、全然知りませんでした。

しかし「ないものはない(水着)」ので、かねての予定通り湯の峰温泉へと向かうことにしました。あ、川湯温泉はまた未湯のまま通過しちゃうことに(苦笑)。しまった、下流側の駐車場を通過しちゃったんで‥(ついでに川沿いの道は交互通行になってたものでつい面倒で)、共同浴場もパスしました。

で、湯の峰温泉へ。ここは「つぼ湯」が有名でもありますが、受付で先客さんがつぼ湯の状況を聞いていたので聞き耳を立てるともう何組も待っているようです。自分はこれまでに2回入ってるし、かけ流し湯とはいえ連続入湯が続けば湯汚れもあるだろうしというわけで‥ここは一発、「くすり湯」一本勝負に賭けてみることに。



一般湯よりも料金は高いが石鹸等が使えないくすり湯、午前中のこの時間は空いてるんじゃないかと‥







というわけでそこそこ熱めの湯ですが数回掛け湯をすれば問題なく浸かれました。たぶん43度後半かな?湯ざわりは特にツルでもなく引っかかるほどでもなくさらりとした感じ。含重曹・食塩-硫黄泉ですが、硫黄臭は今回それほど強くありませんでした(もちろん匂いますが)。ちなみにTakema湯上がりの入れ替わりに入ってきた3人組さん、浴室から聞こえてきたのは「うわ熱い、これ入れないよ」とのお言葉。うーん「温泉力」(謎ワード)を高めなさい(笑)。



というわけで湯上がりになかなか引かない汗を何とかクールダウンさせつつお隣のお寺(東光寺)にお詣りしたり、温泉たまご作りを見学したりした上で駐車場へ戻りました。おしんこどんは「前日のお昼ごはんで寄った道の駅で安くてよさげな地元のタマゴを売ってたよね、やっぱり買っておけばよかった」と申しておりましたがあとの祭りですね残念(とはいえここの売店等で買って作りたいとまでは思っていないんですが)。

ところで車に乗り込んで走り始めたあたりでおしんこどんがひと言。「そういえば、くすり湯撮影禁止って、すごく目立たない場所に書いてあったよね」。え、ええっ?全然気づかず、もうその時点でSNSにもアップしちゃってたし‥。というわけでどこかに書いてあったようです。知らなくてゴメンナサイ(次からは撮りませんのでお許しを)。



このあとはいつの間にか旧道沿いになってしまった道の駅に寄ったりしつつ(左上画像マウスオンで拡大。顔出しパネルはおしんこどんのテンプレ行動ですんで)、つかの間の快走路たる「十津川高速」(Takemaの勝手なネーミングですので念のため)を通り、次なる目的地を目指します。その目的地はワイルド系というか体力系です。それが‥





かつては対岸に渡る際の重要な交通手段であったこの野猿、看板にもあるように現在は「観光用に開放されています」。それにしても自治体からすると事故とかのことを考えたら迂闊に開放したくないとも思うんですが(事なかれ主義)、静岡市にしろ十津川村にしろありがたいことです。

実はこれまで見ることはあっても実際に乗車(操作)したことはなかったので、今回はしっかり往復しようと心に決めておりました‥が、うわ?





夏の台風被害はこの沢筋にも大量の土砂を流し込んだようで、川湯温泉同様その後始末は今も続いているようなのです。でも年内の仕事納めが前日の28日だったようで、この日は問題なく利用が可能のようでした。ラッキョーっ!



というわけで乗り込みます。定員1名とありますがそもそもカゴのサイズ的に2名は無理です(笑)。で、最初は進行方向に向かって座ったのですが、どうもこれだとロープを引きにくい感じなのであえて横向きに座り直しました(そのためカゴは少し傾いてしまいましたが移動には問題なし)。では行ってきます!





というか、手を離したりしたら再び谷の中央部側へとじわじわ逆走しますからね(笑)。なお、1人で来ている場合はもちろん「単独貫徹」が必須ですが、複数で来た時にはいざという場合相方がロープを引っ張る手伝いも出来るので女性でも大丈夫でしょう。現におしんこどんも大丈夫でした。あ、軍手でもいいので手袋持参必須です、か弱い手のひらの人はマメができるかも(手袋が設置されているという情報もありましたがあったかなー)。



だいぶ進み、対岸まであと少しなのですが、実は最後の数mが一番キツイです(往復とも)。



というわけでカゴが動かないようにロックをかましてこれにて終了!次はおしんこどんです。




いってらっしゃーい!でもその姿勢はキツイと思うぞ。はい、半横向きになってロープを引いてますね。



対岸に着いたところでデフォルトの姿勢、その後再びこちらに向けてロープを引っ張ります。





というわけで、ご覧になりたい方は一連の野猿動画をお楽しみ下さい。



ちなみにかつては十津川の山中のあちこちにあったであろう野猿ですが、鉄線橋(吊り橋)の普及により日常の用途として使われることはなくなり(そりゃ確かに吊り橋のほうが‥)、今では公式にはここ「西川出合」「昴の郷」の2箇所しか残されていないようです。でも「公式には」であって、広大な十津川村ですからまだどこかに現役の野猿があったりするんじゃないかなぁ?以前は上湯界隈にもありましたし

このあとは野猿の汗を流すべく&帰省前最後の温泉訪問です。せっかくここまで来たのですからこのまま細い道を進んでの‥あそこ!





上湯温泉。2006年におしんこどん両親と4人ですぐ上の神湯荘に宿泊したことがあるんですが、その時にこの露天風呂の下流の河原を掘って「無理矢理野湯」入浴という自己満足に浸ったことを思い出します(その時のページはこちらと次のページ)。ただこの日は露天風呂の管理人さんもおられず無人で料金箱に500円/人を投入する方式になっていました(経営は神湯荘とは別のはず)。週末は管理人さんがいるのかなという佇まいです。でも近隣の出谷温泉はもう復活することもないんだろうかなぁ。



結構な急坂を下りてくると河原を切り拓いた駐車場が。奥にはブルが駐められていて、この駐車場もまだ完全には整備が終わっていないのかな?少なくともこの露天風呂が復活したのも2018夏明けだったらしいので‥。



屋根掛けされた休憩所があり、春や秋は気持ちいいだろうなという感じですよ。



コンクリ舗装された道を進んでいくと一段上がったところに女湯、男湯はそのまま進んだよしず目隠しの先にあります。ネット情報によると女湯は流されなかったそうですが、奥のコンクリ部はともかく、入口の木造部は新たに建て替えたのかな?

それはともかく、いざ温泉へと向かいましょう!








(もちろん豪雨被害を受けていろいろ手は入っていますが配置的には)。

というか、2018には屋外休憩所が木造の屋根掛けとなりましたがかつても同じ位置にテントが張られていたようですし、露天風呂も湯縁が自然石からコンクリに変わっただけのようにも思えます。オーナーさんが同じなので基本配置は変わることもないということでしょうか。さてそんなわけで浸かります!



この直後に常連さん(関東圏から奈良に移住したそうです)がお越しになったので画像はこのくらい。おしんこどんは2Fの?女風呂から顔を出してますが、身を乗り出せば男風呂丸見えですね(笑)。

ちなみにかつて自分が掘った湯はやっぱり現在の露天風呂のすぐ下流側みたいで、うーむあの源泉(完全に埋まってましたが掘れば出るはず?)、また浸かりたいような、いやこの湯で十分満足なような?(笑)。

ちなみにこちらの湯は上湯温泉の源泉らしく、硫黄臭もあるしツル感もあり実に素晴らしいお湯なんです。湧出地はここなのかなぁ?でもそうなるとすぐ下流で掘った湯はそこまで熱くなかった記憶があるし‥まぁ川の水か地下水の関係があったのかも知れません。今回は掘りませんでしたんで。



こちらが出谷温泉の母屋だったのかな?でも建物に直接バス停の掲示板って珍しいよね。

さて、でもふと気づけばもう午後1時半近くになってます。お昼ごはんを何とかしなきゃですが‥ここは十津川村ですからねぇ‥。どこかに何か食堂はなかったっけな?しかしネットで調べるまでもなく思い出しました。





というわけで13:20到着ですべり込みセーフ!(ラストオーダーが13:30ですので)。もうほかにお客さんはいませんでしたが快く迎えていただき感謝。この夜(12/29)からはおそらく繁忙期なんでしょう、お客さんが多く見込まれるからか併設の温泉も日帰り入浴時間を短くする旨の掲示が出ていました。いや、われわれはもうさっきの湯で十分です(笑)。



ちなみにこの不思議なまでの平地は、思いきり湾曲していた川の流れを真っ直ぐに通し、その部分を平らにならしたのだそうです。たぶん左上画像の山もあの部分だけ削ったんでしょうね。それにしてもこの平地とあの野外ステージ、ついつい北海道は西興部村の野外ステージ付きキャンプ場を思い起こします(関係ページはこちら。ステージは写っていませんが)。でもここはキャンプ場ではありませんけれどね。あっちでは「雨が降ったら屋根の下のステージにテントを移動してもいい」ということだったよなぁと。

ちなみに右上画像にはフェンスにサルが張り付いてますが、当然群れで活動しているのでもっと何頭も目撃しました。というか、湯の峰温泉の駐車場上部にもたくさんいたしなぁ。猿だけでなく鹿も増加している中(北日本では熊も)、今後どうなっていくんでしょう日本の山間部‥。



さてこのR168ですが、ホントにここ10-15年でずいぶん新道整備が進んだように思います。でもしかしでもまだ旧来のままの区間もあり、左上画像などは「ここが国道である」とは思えないような感じですね。右上画像、うわ、対向からバスが来た!(バス側に広い場所があり少し下がってくれました=右上画像マウスオン)。

でも新道のバイパスには生活のにおいがありません(集落をパスして山の中を通っているんですから当然)。特にこの十津川村界隈はそれこそブータンのような「斜面にへばりつく」ような立地というか形状の家が多く、貴重な山里の風景が続きます。左上画像マウスオンで出てくる画像なども、「そ、そこに石垣を積んで平地を造り家を建てたんですね!」という感じでかなりインパクトがあります。もちろん住むのは大変でしょうが慣れてしまえばあたりまえの暮らしなのかなと。

東京都内でも奥多摩の日原(にっぱら)界隈は同じような雰囲気だったと思いますがもうずっと行ってないからなぁ、今はどうなっているのやら。



そんな旧道から新道のバイパス区間に入るとバビューンとトンネルで通過するだけです。

まぁ旅行者のいだくノスタルジックな思いと、この地に住む人の日々の利便性やいざという時の安心度を秤にかけるつもりもありません。少なくとも集落や畑のある区間についてはこれからも道路として機能していくはずですから、今後「たまにはあえてゆっくり旧道をいく」という選択肢もありなのかなと思ったりします。

ふと思い出しましたが今年(2018)にはここ十津川村から移住した方々が開拓した北海道の新十津川町にも行ったんだっけ。あちらは学園都市線の末端区間が廃止予定で新十津川駅もなくなっちゃうんですよね(もっとも車社会だし近隣に大幹線の函館本線が走ってますが)。何だか同じ年に両方を訪問しているって不思議な気がします(関係ページはこちら)。



さらに五條方面に北上していくと、何と雪が見えてきました!前日からこの日の朝にかけて降ったものでしょう。ここから五條市にかけては旧大塔村で峠越えのため標高が上がりますからまぁさもありなんという感じなのですが、地元の車はともかく都市部から来る車はノーマルタイヤでやって来ている場合もあり得ます。でもね、



参考資料として挙げられるのが2014/1/2未明の名阪国道大渋滞、新名神通行止め、国道1号大渋滞を目の当たりにしたこのページです。大阪や神戸に帰ろうとしていた人たち、当時コンビニで何人かとお話ししましたが皆さんノーマルタイヤでしたし、自分が反対方向から来たと言うと「この先ガソリンスタンドありましたか、実は残量があまりなくて‥」とおっしゃる方もおられました。1/2の未明にオープンしているGS、たとえR1沿いでもかなり少ないはずですが‥(自分が見た限りどこもやっていませんでした)。

ええっと、冬道の怖さをわかっていない太平洋側在住ドライバー各氏、少なくとも帰省などの遠出をするのであればタイヤを履き替え、そして「この先雪云々」とあったらとにかくソッコーでマソリンガンタン or フル充電!自分の車は動ける状態でも、自分より前に動けなくなった車がいたら自分も待つしかないのですから。

ま、雪の降った首都圏でなぜ道路が混むかというと、「雪が積もっているから、駅まで(ノーマルタイヤだけど)車で送るよ」系の大馬鹿ドライバーが必ずいるからなんですけれどね。頼むしやめて!



話を戻しますと、この日の十津川国道は少なくともわだち部分は雪が溶けていましたんで走行には問題なしでした。でもそこそこ積もったんだろうなと思いつつ大塔の道の駅で休憩。車を降りた際にちらっと両サイドの車タイヤをチェック。よしよしどちらもスタッドレスを履いてました。でもここまで来る途中でなぜかTakema車に進路を譲った車、あの車はたぶん‥。



道の駅の階段にも多少の雪がありましたが、もう降っていないのなら徹底的に階段の除雪をした方がいいんじゃないかと思った次第です。凍ったら転んで落ちて怪我するし。で、おしんこどんはその階段の隅っこに雪だるまを2基設置しましたとさ(笑)。



五條の市街地にむけてぐんぐん坂を下りるにつれて雪は影も形もなくなりました。大相撲の地方巡業で五條にも来るんだと思いつつ、その先でちょっと道を間違えつつも奈良盆地の南側が開けてきました。いよいよ「帰省」です!(「 」を付ける意味があるほどいつもそこに至るまでの前行動が長いんですよね。まぁ今回は帰省前2泊だけなんで十分短い?のですが)。

そんなわけでおしんこどん実家に到着したのは12/29夕方でした。そのあとはまったりと庭の雑草抜き(いつものこと)。そして‥





実はおしんこどんのお姉さん夫婦&お子さんが急遽不参加となってしまい3人だけの新年迎えとなったわけですが、まぁそれはそれでしょうがないので楽しみました(ええっと、カニの分け前も増えたし=それかよ(苦笑))。

さてプライベートは省略して1/1の22:00に奈良の実家を出発します。この時間の出発であればTakema自宅の千葉県市川市@500kmちょいまでも、気象状況がとんでもないことになっていない限り渋滞なしで帰れるわけで、1/2お昼からのTakema親族新年会にも出られるんでというわけです。



出発前にも仮眠しておきましたが途中のPAでも1.5hくらい仮眠して、4時過ぎに足柄のSAで朝ごはん。おしんこどん、朝から食べる気満々のうどん&カレーセットですなぁ(自分には無理)。

無事にTakema宅へ到着し、荷物を運び込んだタイミングで屋上へ(喫煙タイム)。





というわけで2018年末の帰省行動、これにて終了です。お読みいただきありがとうございました。

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