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- 2020夏 北海道(5) 大雪高原温泉、銀泉台経由で愛山渓温泉へ -



ヒグマ湯口、これはもう「とってもわかりやすい訪問湯」ですね(笑)。

(2020年8月16日-23日 その5)

さて、ここからは林道に入ります。車そのものは全輪駆動のフォレスターなので多少路面が荒れていてもまぁ何とかなりますが、とはいえ「路面が崩壊」した道を走破するのが無理なのも理の当然です。岩間温泉への直通林道は今後再整備されるのでしょうか。

今回の道内入りはかなり直前になってから決めたこともあり、下調べはほとんどしていませんでした。初訪問の湯も少しだけだし、野湯はゼロ。いまになって考えれば、まだまだ行っていない&再訪したい野湯もそこそこあるんですけれどね。まぁ次回以降の課題としますが、林道の荒廃に伴い、どんどん「到達困難湯」が増えているような気もします。今回このエリアについていえば、上画像の宿の湯をパスしてもいまだ未訪問のTの湯くらいは行ってみるんだったなぁ。前回チャレンジ時はアブ発生の全盛期で、車を下りることさえ躊躇してやめたんでした。たぶんあの先だとの目星はついていたのに‥。



最初は沢沿いに進む穏やかなダート。路面も安定しています。

というわけでまず目指すは大雪高原温泉。2009年に宿泊していますが(その時のページはこちら)、気がつけばもう10年以上前のことなんですね。

今回は沿道近くの沢筋にある「ドブ臭香るぬるい野湯」は最初からパスしました。でも「確かここから入っていったんだよなぁ」と場所を覚えていたところにわれながら温泉ファンの矜持を感じましたが(笑)。



途中工事中区間もありました。しかし、こんな立派な両側ガードレールって必要なのかな。まぁ奥に「お金を生む施設が(民営でも)があるから」ということなのでしょうが、「選択と集中」とかいう耳ざわりだけがいいやり方より、「今あるものを(少しでも)維持しつつ云々」のほうがいいと思うんですけれどね。経済もインフラも、一度切り捨てたら復活が不可能なのは共通していますし。

さて林道が上りに転じてからは路面がやや荒れ気味に。やっぱりオンロードバイクでは通りたくないなぁ。ずっと以前、薫別温泉の脇までスーパーフォア400で乗り付けたことや、糠平湖畔対岸の通称「さわと温泉」までダート路&最後は川渡りをしたこと(同じくスーパーフォアで)を思い出しますが、思えば若くて体力気力が充実していたんだろうなぁ。それを「お馬鹿」ともいうわけですが(苦笑)。

そんなわけで大雪温泉山荘に到着です。車はそこそこ駐まっていますが、おそらくは登山者関連でしょう。そしてまだ下山してくるにはかろうじて早い時間‥これはもしかして期待できる?

コロナ対策ゆえ入館時の体温計測と連絡先等の記名後お風呂へ。脱衣カゴからは先客が1名いることがわかりましたが、内風呂にはその姿なし。ははぁ露天風呂にいるのだなと理解し、その隙に内風呂の写真を撮らせてもらうことに(撮禁を示す掲示はありませんでした)。








白濁気味ですがそれほど濃いものではなく、pHは2.9ということでしたが思ったほど肌を刺す感じもないように思いました。浴室には硫化水素臭がほんのりと。あー、久々ながらいいわぁ。

さて先客さんのいる露天風呂へ。しかしこの方、湯に浸かる&湯から上がってストレッチを繰り返していて典型的な長湯モード。この露天風呂も前回訪問時と造りが変わっていることもないようであり、まぁいいかなと。

このあとおしんこどんが「こっち(女湯)は途中からずっと貸し切りだったよ」というので撮影してきてもらいましたが、



こちらも特に造作の変更はないようです。

ただ気になるのが、古いネット記録(平成17年分析)によると「高原温泉(源泉名=AB混合泉)」の湯温は71.2度、pHは2.7、成分総計は356mg/kgとあるのですが、今回掲示されていたそれ(平成27年分析)を見ると、湯温は(AB混合泉)49.1度とがくんと下がり、成分総計に至っては156mg/kgと「半減以下」になっているようなのです(そんなに薄いかな?)。ちなみにpH値は2.7から2.9へと中性側に変動しています。

そういえば前回訪問時にはお宿近隣のボッケから湯気がもうもうと立ち上っていた記憶がありますが、今回は気づかなかったなぁ。単純に気づかなかっただけかも知れませんが、もし泉源の湯温低下が継続しているとすればゆくゆくはどうなる?国立公園内なので泉源チェックにもいろいろと制限はあるだろうし‥(そして新源泉掘削ともなれば環境省とのやりとりに加えて許認可機関である保健所との地獄のやりとりも)。

なおこの日は8/18でしたが、不思議なことにアブの姿がほとんど見られませんでした。どこかのサイトで「アブって一気にいなくなる」という記載を拝見した記憶がありますが、かんの温泉でも「前々日まではすごかったんですが、昨日からがくんと減りましたねぇ」とのことでした。結果として、今回の北海道でアブにやられた箇所は‥ゼロでした!これもびっくりです。



湯を上がって外に出たところでパチリ。ハイシーズンが終了し、車の数も少ない。

このあとは再び国道へと戻り、今度は銀泉台方面へと進みます。こちらも片道13kmのダートですが、そもそも高度経済成長期時代に大雪山系を越えて旭川方面へ抜ける観光道路として計画されたこともあり(尾瀬を抜ける国道と同じ発想ですね)、計画が中止されたあとも道道として維持されており、道路幅も路面状況もかなり良好です。

気がつけば70km/h近くで走行していたこともありました(いやダメです安全速度で進行しましょう)。で、ふと思い出したのがその昔のナミビア(この時です(2001))。

最初はカローラ2WDで幅広直線ダートを70-80km/hくらい、それでもおっかなびっくり走行していたのに(スピード差50km以上で四駆に抜かれてた)、やがて100km-110km/h巡航に。やがてむっちゃ路面状況のいいダートでは150km/hで巡行していたことを思い出します(よい子の皆さんは真似しないでね、ナミビア現地で事故ってヘリ&セスナで搬送されて長期入院した人もいますので=後日そのご夫婦とリアルにお目にかかり酒を酌み交わしました)。

さてそんなわけで銀泉台へ到着です。







もっとも銀泉台は景色を眺める展望台というよりは、大雪山系への登山口なんですよね。でも今回は散策する時間は取っていません、どんなところなのかを見に来ただけです。ちなみにおしんこどんは睡魔大王とのバトル中でした。

このあとは層雲峡方面へと進みます。この日の宿は素泊まりのみなのでどこかで食べ物を買い込まねばなのですが、まぁ途中に上川町があるから大丈夫でしょう。



途中の駐車場でくつろぐ猛禽類。トンビかノスリか、はたまたタカか?顔と脚が白いんですが。

さてしかし、ここである意味予想通り?の失敗。そのむかーし昔(たぶん25年くらい前)、上川で買い出しをしようとしたら国道沿いにスーパーや食料品店がなくて、小雨の中街中をさまよった記憶がありました(ちなみに小さなお店しか見つけられず買い物の選択肢が少なかったことも記憶にあります)。

小さな町ならメインロードもその町の中心部を貫いていますからある意味買い出しは簡単なのですが、そこそこ大きい町だと通過交通路(バイパス)と市内交通路とが分離されていて、当時から上川は後者だったというわけです。

しかし四半世紀もの幾星霜、さすがに国道沿いにも「郊外店」が出店しているんじゃないの?と予想しつつR39を進んでいったわけですが‥(実はその後もR39を利用して上川界隈を通ることはほぼなかったんです。走って面白いエリアじゃないし交通量も多いし、くるくるパンダさんも潜んでいそうだし=今回通過時も潜んでいました)。



いや、大きなスーパーの存在を期待していたわけではなく、「セイコマないかな」っていうくらいだったんです。でもそれだったらセブンだって問題なしじゃない?と思われる方々も多いかとは存じます。でも、でも、セブンだけは避けたかったんです。何となれば‥


(セブンの弁当種類は全国一律モノが多いですから)。

そんなわけで町内に戻ってセイコマへ。もっとも、いくらでも検索できるんだからスーパーに行ってオリジナルの総菜という手もあったんですが、なぜか検索せず。まぁいいかというわけで、今宵のお宿へと向かいます!





「え、まだ行ったことなかったの?」とおっしゃるなかれ。独身時代バイクで走り回っていた頃に行こうと考えたりもしたのですが、当時は最後の集落から先がダートだったんですよ(かんの温泉もそうでした。道道の分岐からいきなりの深砂利ダート)。

というわけで、満を持しての訪問というわけです。最後の方はカーブも傾斜もきつく、オンロードバイクだったら当時はやっぱりきつかっただろうなと思いつつ、とはいえ全舗装路なので今なら楽勝ですね。

こちらの愛山渓温泉(宿名は「愛山渓倶楽部」、たぶんその昔とはオーナーが変わり、現在は札幌に本拠を置く(株)りんゆう観光の管理施設です。旅行会社のようですが、層雲峡黒岳ロープウェイや札幌藻岩山スキー場の管理者でもあるようです。で、こちらに常駐するスタッフもシフト制で定期的に(1週間程度)入れ替わっているそうです。なるほど、そういう運営システムもありですね。なお今回われわれが宿泊したときのワーデンさんは札幌周辺在住の方でした。



で、チェックイン時(料金先払い)にワーデンさんが「これ、上川町が始めたんです。町内宿泊のお客さん向けってことで」と、右上画像のチケットを渡して下さいました。ん?こ、これって?というわけで調べてみると(愛山渓倶楽部はドコモ電波がかろうじて入りますが不安定)‥





ええっと、どうやら16宿泊施設が対象になっているようなのですが、たぶんC/P比が一番いいのはのはここ愛山渓倶楽部じゃないかな、何たって「素泊まりゆえ最大お支払い金額が4000円」ですからね(あとはホテルとかペンションとかなので2食付きが基本だろうし)。たぶんC/Pベストは大部屋(ドミトリーの)ヒュッテかと(それだと宿泊料金2500円なので実質500円)。ただし、宿泊時の料金支払いには使えません。料金を支払って初めてもらえるチケットです。



うわ、お盆期間はさすがにやっていなかったのですね。ちなみにわれわれの宿泊日は8/18でした。始まったばっかりだったのですね。というわけで、



なお、今回の旅行では政府肝いりの施策である「GoToトラベル」とやらは利用しませんでした(千葉県人なので利用は可能だったはず)。フェリーや一部の宿など、利用できそうな部分もあったと思うのですが、まぁいいかなと。直近に計画&予約を立てたこともあり、手続きとかを調べる余裕もさしてありませんでしたので。

でも、別の場所(宿泊)でも、「自治体の補助により自動的に割引」になったところや、「施設そのものが割引料金で宿泊提供」というところもありました。でもその裏を返せば‥



このコロナ禍の先行きは全然見えません。ワクチンの開発云々にしても臨床実証試験がいい加減のまま(=効果が曖昧なまま)仮に投与するとしてもその効果は限定的でしょう。

東京オリンピック&パラリンピックも、個人的には(2020/9現在)たぶん開催は出来ないんじゃないかなと思っている自分です(強気なIOC幹部の発言もありますが)。というか、そんな約1ヶ月のイベントよりも、日本全体、世界全体のモノや人の動きが萎縮し続けることを大きく危惧するTakemaです。何となれば、第二次大戦後の世界はまさの「モノと人」を活発に動かすことにより経済成長してきたわけですから。今後はどうなっていくんだろうなぁ。

そんなわけで(いきなり話を戻します)望外ながらいただいたお買い物券2000円*2。しかしこの翌日はソッコーで上川町の外に出ていくつもりだったので(地図を見ていただければわかりますが愛山渓温泉自体が上川町のギリ端っこなのです)、これはちょっと考えなくちゃなぁ。せっかく目の前にぶら下がった2000*2=4000円、でも有効期限の来春までに再訪する(できる)とは思えないし‥。

複雑な思いを抱きつつ、でもまずはお風呂に行きましょうか♪

(注)お宿代を支払わないとお買い物券はいただけないのですが、こちらのお宿は料金先払いなので、チェックイン後に先ほどいただいたお買い物券で生ビール等を購入するのはまったく問題ないのだとか。しまった思いが及ばなかった!(現金で購入)。ちなみにこちらの生ビール中ジョッキは500円と良心価格です)。






金気味のある湯は肌ざわりややキシ感。ナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉で源泉温度は44.2度。あとで聞いたところ、源泉設備から近いので送湯による湯温ロスは1度くらい。よって加温も加水もなしで投入し、夏場のこの時期は湯量を絞って浴槽内温度を調整しているとのことです。

なお自噴温泉とのことで、冬期休業中もお湯は出しっ放しとのこと(もちろん浴槽の栓は抜いておくそうです)。「それだと、再開前の掃除時、浴槽内はなかなか壮観なことになっていそうですね」と申し上げると、「おっしゃるとおりです」とのことでした(笑)。



夏場ゆえ湯量は絞られています。なお内風呂のみで露天風呂はありません(謎笑)。



エリアは狭いですがトド可能エリアも(笑)。平日ゆえ湯浴み客も少なく終始貸切湯状態。



成分の沈殿により字も書けました(笑)。ちなみに朝湯は8時まで。毎日湯を抜いての清掃です。

この日の泊まりはわれわれを入れて3人(つまりはわれわれ以外に1人だけ)。ただし日帰り入浴を19時まで受け付けているとのことでちょっとびっくり。R39から山道を19kmも運転して暗くなった道を往復する日帰り入浴のお客さんって‥?

と思って聞いてみると「案外、旭川界隈から来る方が多いですよ」とのこと。まぁ、旭川市内は温泉がない土地柄ではありますが、それでも(たとえば旭川駅からだと)1時間15分くらいかかっちゃうんですが?手前の愛別町界隈からかな?



湯から上がり、くつろぎリビングで給水し、夕朝ごはんを冷蔵庫に収納。ここ愛山渓倶楽部は2020シーズンは食事提供なしの素泊まりのみなんですが、その関係で、本来宿の業務用であったはずの大小冷蔵庫を使わせていただけます(右上画像は「小」のほう。なおこの中身の全てが夫婦2人の夕&朝=4食分です。われわれの少食ぶりがよくわかります(ただしアルコール系はメインの芋焼酎 for Takemaが収納されていませんので念のため)。

と、そんなことをやっていたら、おしんこどんがTakemaを呼ぶ声が。いわく、



ええっと、北海道の標高1000mとはいえこの日はまだ8/18なんですが?しかもそんなに寒いわけでもないし(まぁ夜になればそこそこ気温も下がるでしょうからその準備かな。昨日も10度台前半まで下がったし)。



「着火の儀」には間に合いませんでしたが、このあとはワーデンさんを交えての4人にて宴会開始!



ワーデンさんは生ビールの注ぎ方に習熟しておられないようでしたが(泡なし芳一@1口飲んだあとの画像です)、ビールは最初の一杯だけでしたので秘技伝授(たいしたことじゃない)の機会はありませんでした。

で、19時を過ぎたところでワーデンさんも宴会に合流。もう1人のお客さんは連泊で(「今日はどうしようかなと思っていたんですが、午前中についついプシッとしてしまったのでその時点で本日が終了してしまったんです」とのこと)、長期旅行の方でありました。ゆえに北海道の小ネタについては全員で盛り上がれます!(笑)。

ワーデンさんいわく「大雪山は春スキーで来る人(道民)も多いんです。でもここまでの道は道道なので、確かに道の予算で除雪してもらえることは有り難いのですが、その除雪完了は基本的にGW明けなんですよ。ある意味『スタートダッシュで稼げる』GWは指をくわえて待っているしかないわけで、歯がゆいです」。

なるほど確かに。道庁および地元の上川町(層雲峡という大観光地を有する)としては、最後の集落から10数kmもあり、最後に近くなればなるほど道も狭く傾斜が急になり、そんな場所での除雪技術者さえも必要になる愛山渓への道路除雪は後回しにしたいというところでしょう。コロナ禍の2020では無理でしたが、


(もちろん豪雪シーズンは無理な話ですが)

「今までがどうだったか」ではなく「これからをどうするか」です。道内では「夜間の除雪はしていません」との掲示のある道路が昔に比べて増えたような気もしますが、そんな道は夏の昼間に走っても通行量は少ないところばかり。

愛山渓温泉は「需要を喚起できる」ルートなのかなと思います。駐車場もそこそこ広いし、春山スキーのベースとしてはもってこいです。スキー登山のあとは(駐車場に戻るのでほぼ全員)温泉に入るでしょうし。

運営会社は黒岳ロープウェイほかも運営しているようですが、是非愛山渓の「GW前の除雪完了」も道関係局に要望してほしいものです。GW前週のどこかで開通という感じで。なお参考例として、岩手の須川峠R342は震災以前はずっと岩手側が「GW終了の翌日から冬季閉鎖解除」という大人気ない開通日程を踏襲していましたが(除雪は終わってるのに)、それをGW初日から通れるようにしてからは秋田-岩手を抜ける車両が多数。今ではあたりまえのようにGW前から通れるようになっています(夜間凍結規制はあります=当然)。当然「お金も落ちて(みんなが使って)いる」はずです。

さて、同宿の方がハーモニカを演奏して下さるということで音楽鑑賞タイムとなりました。上でも述べたようにお客さんはワーデンさんを合わせて3人だけなんですが、かえってじっくり鑑賞できてよかったかなと(経営側としてはキビシイですが)。で、取り出したハーモニカ、何と「そんなに安いモノ!(なのにそこまで音を出せるんですか!)」(再生途中で購入価格が発表されます)。なお動画で撮影しましたが、お姿公開の許可などはいただいておりませんので音声のみにてお楽しみ下さいませ。





お酒をたんまりいただき、すっかり眠たくなりましたのでこの日は早々と就寝でした。22:00過ぎだったはず。

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