その5 そういえば桜島って近くで見たことなかったぞ



しっかり噴火し続けてますね。バヌアツのヤスール火山よりもぐんと大きい。



(2023年2月8-12日 その5)

さて湯之谷温泉を出発し、この日は大隅半島を南進します。とはいえ最初に止まったのはお宿から5km弱の「道の駅霧島」。いや何となく景色が良さそうなので立ち寄っただけなのですが、駐車場からさらに上部にもいろいろと施設がある様子です。

では行ってみますかというわけですが、何やら気になる「乗り物」があるようです。アラ還夫婦ですから少しでも楽をしたい?というか面白そうなので、ロードトレインポッポ号で上に向かうことに(片道200円)。



まだ比較的早い時間だったこともあり(9時ちょい過ぎ)お客はわれわれのみ。時刻表は‥特になくてお客が来次第出発ということなのでしょうか、われわれがチケットを買うとすぐに発車となりました(貸し切りっ!)。トラクターベースの「機関車」が3両の客車を牽引する形で、そこそこの傾斜のある坂道を上っていきます。





というわけで上部駅に到着。ここからはさらにリフトなどで上に行かれるようでしたが、まぁここで十分かなと。またいろいろアトラクションもあるようでしたが、冬期のためなのか営業休止のものも多いようでした。とりあえず鐘を鳴らし、桜島を眺めたりして過ごします(右上画像マウスオーバーで拡大画像に変わります)。



と、鐘の近くにウサギ小屋があり、その脇には「エサ自動販売機」があったのですぐさま購入(笑)。ウサギたちも「あ、こいつらエサを買ったぞもらえるぞ!」と察したようで、わらわらと小屋から外に出てきました。



案外食いつく力が強いので、塊ごと取られると一瞬でエサやりタイム終了です。




しばしの滞在後、帰りは階段を降りていきます。途中に見学施設があったのですが、内部は開店休業状態で大して見るものもありませんでした。何だかもったいない。






駐車場まで戻ってきてパチリ。

ここからは県道31、105、491、478号とつないで錦江湾側へ(狭い道が多かった!)。あと少しで海沿いに出そうな高台に駐車場があったので少し休憩。中茶屋公園という場所で「日本百景展望所」とも書かれていました。そうなのか?



園地には東屋もあり。確かに桜島と錦江湾の展望良好。



伸びたり縮んだりのおしんこどん。

ここから少し下った先には道路脇の敷地に甕(かめ)がずらりと並べられた場所がありました(撮影のタイミングを逸したので画像無し)。あれは焼酎かなと思いましたがそうではなくてお酢なんですね(近くに酢の醸造場あり)。焼酎は高温を嫌うそうなので屋外保存(熟成)はなさそうです。考えてみればアルコール分が飛んじゃうでしょうね(笑)。



錦江湾沿いを走るR220を南下していきますが、当然ながら桜島がどんどん近づいてきます。噴煙を上げている現役バリバリの火山のこれほど近くで日常生活が営まれているということ、それは地元の方々にとっては勿論ごくあたりまえのことでも、よそ者たるわれわれにとってはやはりすごいことだなと感じます。もちろん、非常時の対策や訓練などはあるのでしょうが。



なお、この時の噴火警戒レベルは「3」でした。



そして、牛根大橋を渡っていよいよ桜島本体に上陸です。この日は反時計回りに一周&湯之平展望所訪問の予定ですが、温泉は‥時間的にちょっとキビシイかなというところです(フェリーの都合があるので)。



このあと島の北側を通って西側方面に向かいましたが、相変わらず下調べの甘いTakema、「進んでいくうちに何かがあるだろう」と思いつつ進んでいくうちに、あれま湯之平展望所への分岐まで来ちゃいましたよ。ただドライブしただけでしたね(苦笑)。




(何となく色合いがセピア系なのはご愛敬)



桜島の西側には活発に活動する火口はないようですが、そのかわり火山岩の脆さゆえか崩落が激しそうです。北岳の西斜面はかなり豪快に崩落しており、下部に構築された砂防堤をすでに埋め尽くしている状態。しかし、あの砂防堤工事だってかなり危険を伴う相当の大規模工事だったことでしょう。そして桜島がこの世にある限りこのような対策工事はいたちごっこのように世代を超えて永遠に続くわけで‥うーむ、鹿児島の皆さんは大変でしょうが頑張って下さい。

そもそも桜島はあくまで「姶良(あいら)カルデラ」(錦江湾における桜島以奥のエリア)の外輪山に過ぎず、内湾奥のそれこそ霧島界隈もその火山活動としては地面の奥深くで続いているといわれます(誤解があれば訂正します)。

約3万年前に破局噴火を起こしたこの地での火山活動は、関東エリアにおいても約10cmもの降灰をみるほどのものであったほどとんでもないものであったようです(地層に残っているので間違いない)。単発火山としての富士山や浅間山が可愛く見えるレベルです(いや富士山の噴火だってすごかったんですけれどね)。

そうそうおまけの話ですが、このページの一番上で「バヌアツのヤスール火山」と書きました。ヤスール火山の火口縁に腰掛けながら火山活動を呑気に見学していたときのページはこちらです。



さて、鹿児島市中心部と桜島を結ぶ連絡船は何と「24時間運航」です。さすがに深夜は1時間に1便ということですが、それでもとにかく1日約130便が運航されているというのですから驚きです(左上画像でも出入港するフェリーが見えています)。

これも大噴火の際の避難対策なのかなと思ったのですが、桜島住民の利便性対策(急病人搬送や物流搬送)が主目的であり、もちろん非常時には避難手段として考えられているようで、基本的には「日常の使い勝手」がメインのようです。

24時間運航ですから、島の(港近くに自宅がある)人たちは鹿児島市内中心部の繁華街で「終電ならぬ終船を気にせず飲める」らしく、一定の需要もあるそうですが(笑)。ただフェリーのオペレーションセンターを24時間動かしておくことにより「緊急時の対応力」も高められている感じです。桜島の周囲には地区ごとに20ほどの「避難港および付随する避難施設」が整備されており、緊急時にはこのフェリー(5隻?)が対岸まで緊急輸送をすることになっているようですから。

島の南部までやってきました。現在活発な火山活動をしている南岳周辺から流れ落ちる川は、まさに砂防工事で「直線で泥流を海まで流し落とす」という整備が成されていました(右上画像)。大規模な泥流が起きた際にこの幅で大丈夫なのかという一抹の不安はありますが、対策がすでに成されていることは大切です。

さて結局湯之平展望所しか立ち寄らずに桜島をあとにしました。桜島港にも寄らなかったし一周にこだわってちょっと失敗したかな感が残りましたがまぁまたおいおいということで。

このあとは大隅半島をさらに南下したわけですが、おそらくは南に下がれば下がるほど「お昼ごはんポイント」は少なくなるわけで、上でも同じようなことを書きましたが「下調べが甘い」Takemaなのです。特にランチポイントについてのチェックは基本的にいつもほぼ皆無のまま進行していくわけです。ゆえに!


(下調べなしなのであくまで国道沿いにですが)

そのことを考えると、「海沿いの大きなところで食べておこう」と考えたのはごく自然かと(なお垂水市より南にはさらに市勢の大きな鹿屋市がありますが、市街地は完全内陸なので立ち寄るつもりはなかったのです)。で、基本的にお出かけラーメン派ではないわれわれが入店したのは‥





でもですね、このお店はなかなか面白かったのです。焼肉ロースターもありつつ寿司も頼めるというか、その二巨頭で勝負しているというか(笑)。

あとで調べてみたところこのチェーン店は鹿児島と宮崎限定に出店しているようでした。北海道の「とんでん」と同じような感じなのかなという感じです(ただしとんでんは北海道ベースながら関東にも数多くの支店を展開しています。わが家から徒歩圏内にもありますし)。



というわけでおしんこどんは焼肉ジュージュー系のランチ定食、Takemaは和系ランチを注文して分け分けしました。まさか無煙ロースターを稼働させつつ寿司を食べるとは思いませんでしたよ(笑)。

で、ご覧のとおりランチメニューなのに寿司のマグロがむっちゃ大トロ!おしんこどんが大好きなのですよ。うーん、C/Pでは和ランチの勝ちだったかも知れないな(お汁が選択できるのも好感で、具沢山の貝汁旨し!)トータルとして十分満足でした。焼肉ジュージューとお寿司ってすごすぎる。



そのあとさらに南下してこちらの温泉へ。閉鎖直前にまで傷んでいた共同浴場を新オーナーが再整備して現在の営業継続に至るというわけです。すごいな江之島温泉。



建物正面の壁面は昔のままでしょう。ただし受付はお隣です。



レトロな外観ですが脱衣場や浴室内部にはしっかり手が入れられています。先客さんがおられたので浴室画像はありませんが、こちらのサイトが参考になるかと。ちなみに泉質は単純硫黄泉とありますが、硫黄分由来のタマゴ臭はあまり感じませんでした。なおpHが9.3とかなりアルカリ寄りなのを含めてなかなか珍しいのかなとも思います。お湯は大量ドバドバかけ流し系で、湯口がゼットン系というか‥

続いては垂水市最南部の海沿いにあるテイエム牧場温泉へ。以前は競走馬の牧場があったそうですが(その為に掘られた?)、現在は温泉浴場のみの運営です。



テイエムグレイト、競馬はやらないので知らなくてすみません。



浴室内は先客さんが4-5人おられたので、上画像はグーグルマップで表示された画像の借り物です。浴槽は2つあり、この日は手前側の浴槽に湯が張られていました。黄土色濁りの温めの湯で、お湯からは若干の塩素臭が感知されましたが、湯口からの湯では感じなかったので、浴槽内に直接塩素玉か何かを入れていると思われます。

近くにある源泉地での計測は「44度台」だということですが、浴槽内の湯は40度あるかないかという感じで、必然的に長湯になりそうな感じです。成分の析出も多く、湯縁はサルノコシカケみたいになっています。案の定スケールの付着によりすぐに詰まってしまうので、1年半-2年?くらいでいろんなパイプパーツを交換しなければならないとか。




少し古めのこちらへの訪問記を見ると、建物の外観が明らかに違います。一時期休業していた時期もあったということで、もしかしたら以前はこの源泉施設の近くに湯屋があったのかなぁと。今は完全海沿いですからね。

管理人さんの男性としばし話していたら、「実は今、沖合をイルカの群れがうろうろしてるよ」とのこと。ええーっ!



というわけで「天然垂水」を2本購入して海沿いに行ってみると‥









あとで調べてみたところ、錦江湾の陸近くに現れるのはミナミハンドウイルカらしく、このイルカたちもそうだったのでしょう。しかし、われわれのこれまでの各旅行において「イルカ観察の白眉」といえば、もう間違いなく「NZミルフォードサウンド」でしたね。だって、イルカウォッチングツアーでも何でもなかったのに、勝手に?船の後ろをついてきてジャンプしてたんですよ、それも何度も!この時です)。

結局20分くらいは海を見ていたでしょうか。あとから来た家族連れに「イルカがいますよ」と声を掛けたらそちらも熱心に見ていましたから、地元の方ではなかったのでしょう(または内陸住みの方)。海沿いの方ならある意味見慣れているでしょうしね。

さてしかし、あまりのんびりしているわけにもいきません。土地勘(距離感)のない場所ですし、それにタイムリミットだってあるというわけで、このあとわっせと南下して向かったのは?





そう、このフェリーで大隅半島から薩摩半島にワープしてしまおうという算段です。ただ、この日予約していた宿に事前にその話をしたところ、こんなお返事をいただきました。



というわけで、天気があやしいときはフェリーに運航の可否を問い合わせた上で、ダメなら「垂水-鹿児島便」、それもダメなら「桜島-鹿児島便」、さらにダメなら(さすがに考えにくかったですが)陸路でぐるりと回るという想定をしていました。

ただこの日は曇りとはいえ、風も弱くイルカものんびり泳ぐ波なき錦江湾だったのでまったく問題もなかったわけですが。



われわれが予約していたのは16:30発の最終便でした。2月上旬ですから東京界隈では暗くなり始めますが、鹿児島なら山川港到着の17:20でもまだ明るいだろうとの読みでした(実際、宿に着いてお風呂に行った18:00前あたりまでまだ何とか明るかったのです)。

ターミナルは小さくやや年季が入りつつある感じで、2Fには展望スペース?のような場所もありました。アイスクリームの宣伝を背もたれに記したベンチの造りって、何だか懐かしい感じの意匠です(昔よく「フジカラー」「サクラカラー」のベンチを見た記憶があります)。ついでに手造り系の顔出しもありました(右上画像マウスオーバー)。



山川からの最終便が到着。車は5-6台ほどだったかな。

山川行き最終便は乗船人数こそそれほど多くはありませんでしたが車両甲板は満車状態でした(乗れなかった車はなかったようです)。



というわけで出航です。50分の船旅、穏やかな海。



というわけで錦江湾を横断していきますが、曇りとはいえ視界はそこそこ良好で、ん?右上画像、あれは薩摩硫黄島ではないかしらん?懐かしいなぁ、もう20年以上前に行きました(その時のページはこちら)。でもその右側にも島が見えますね。ん?でも黒島であるとすれば距離が近すぎるし?

では屋久島と口之永良部島?でもそうだとすると左側に大隅半島がもっと張り出して見えていなければならない感じだし(屋久島って大きいんですよ)、開聞岳だとしたら陸地が見えていなければオカシイし?謎です。詳しい人教えて下さい。



船内に貼られた指宿の自動車学校の生徒募集ポスター、最初は「なるほど、フェリーで通えるというわけか」と思っていたのですが、ちゃんと見ると「合宿」と大書されていますね。通いでは駄目なのかな?そりゃフェリーの往復代はそこそこしますが、泊まり+3食*2週間とかよりは安いはずだし?

というわけで山川港にほぼ定時到着です。ここからはいうわけですが、このあとは次のページにて。

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