その6 鰻温泉で鶏一羽を丸かぶりの巻



この内風呂をご存じの方はそこそこマニアックな方であると存じます。

(2023年2月8-12日 その6)

山川港からレンタカーを走らせると同時に雨が降ってきました。しかもそこそこ本降りの雨です。途中コンビニに寄ってお茶とアクエリアス(Takemaの完全定番ペア500mLペットボトル*2です。お茶の商品については特にこだわりなしですがアクエリはほぼ必須で、宿の自販機などでポカリほかしかないと落ち込む)を買い込み、この日のお宿へ(ここからは一部時系列とは異なる画像が出て来ることもありますのでご承知下さい)。





というわけでチェックイン。予約時には覚えていませんでしたが案内された部屋は二間続きだったのでたぶん「広い部屋プラン」で予約したのでしょう。ちなみにこの時の鹿児島旅ではいわゆる「鹿児島県割」「全国割」は適用されず、初日のきのこの里で「霧島割」(市単位)が使えた以外は普通に正規料金払いでした(湯之谷温泉も霧島市内に立地していましたが霧島割の適用外@きのこの里のご主人が教えてくれました)。まぁそれでいいのです、もともと割引がなくてもお出かけするつもりだったのですから。

宿に着いてからはまずお風呂へ。暗くなる前に入りたかったので、まずは露天風呂に行ってみると幸い先客はなしでした。暗くなる直前でもありラッキー。





これは雨除けです(誰でもわかりますよね)。確かにこの日山川港到着時には強い雨、ただし雨雲にムラがあるらしくこの露天風呂にやってきた時にはせいぜいポツポツくらいに収まってはいましたが、やっぱり露天とはいえ雨の中で浸かるのはねぇ。



奥は女湯と繋がっており、おしんこどんも顔を出してくれました(笑)。

ただ、上で書いた「雨の露天風呂」についてですが、以前マレーシアのボルネオ島でまったく別の意見を聞いたことがあります。自分たちがチャーターした車のドライバーだったアンドリュー氏はこうおっしゃっていました。





(マレーシアサラワク州、メララップ温泉滞在時のページはこちら

えーっ、気になるっしょぉ!というのはごく日本的な感覚なのかも知れませんね。ボルネオ島は通年気温が高いからというのもあるかもしれません(マレーシアのカンポン(村)などでは1日数回水浴びをするという話を、村の滞在中にも聞きましたし自分も実践しましたし@拙サイト内未公開=仕事だったので)。



ただ、源泉温度はかなり高いはずの鰻温泉なのですが、露天風呂やこのあと入った内風呂にも右上画像のような保温シートがセットされていました。どうしてなんだろう?

そもそもが噴気造成泉(噴気=蒸気を水に当てて成分を含んだ湯を造成する)の鰻温泉ですが、水が少ないから?いやでもすぐ下には鰻池だってあるし?謎でした。もしかして経費節減?(それでもいいんですが)。



というわけでしばし部屋で寛ぎました(左上画像のおしんこどんは寝ているわけではなくテーブル下でスマホ操作中かと。そもそもおしんこどんは布団のある場所で寝落ちする前にソッコーで「ふとんの国の女王」になるタイプなのです)。

で、いよいよ夕ごはんということになるわけなのですが、いやぁいろいろ波乱が(大笑)。

こちらの民宿「うなぎ湖畔」は、実際は湖畔から離れていることはともかくとして、食事がある意味特別であり、それゆえ今回あえて予約したわけです。その料理とは‥





あ、「スメ」とはここ鰻温泉界隈にズビズバ湧き出る蒸気のことです。となれば「ナニ」が「蒸す」ことを意味するのはもうおわかりの通りでしょう。こちらのお宿「うなぎ湖畔さんの売り」はこの「温泉蒸気で蒸した鶏蒸し料理」というわけなのです。

ただ、いろいろと選択肢がある中でわれわれが選んだのは「小さめの鶏の丸蒸し&地魚(の蒸し)」でありましたが、上画像の丸蒸しが出てきたときでさえびっくりしましたよ。ちなみにこれを2人でシェアして(分けて)食べるわけですが、





いや実はそれ以外にはご飯とお味噌汁しか付いてこないという潔さにもびっくりしましたが(実際のところ香の物は付けてくれると嬉しい=味が単調になるので)。しかしそれにしても「小さめの鶏」とはいえ2人で半分にするにしてもそこそこの量だなぁと思っていました(まだ食べてない)。

と、われわれの隣にソロの男性がやってきて座りました。そしてほぼすぐに「料理」が提供されたわけですが‥





お隣の男性は配膳の瞬間とにかく絶句状態で、われわれが声をおかけすると「こ、これって‥」といまだ唖然モード。すかさず上の比較画像を撮らせていただきました。

ええっと、しつこいようですが「左=1人前、右=2人前(2人でシェア)」ですからね(大笑)。もちろん上の上画像にあるようにわれわれには魚(2人で1匹)もあるわけですが、それを考えてもまったく勝負にはならないというか勝負するつもりもありません(大笑)。



というわけでわれわれも食べ始めることにしました。ええっとですね、自分はグルメ系サイトに書き込みをする趣味はないのですが、蒸し鶏について感じたことを述べておきます。それは‥



お隣の男性(大物成敗中)も同じことを感じていたそうで、「自分はそもそも鶏は好きなんですけれど、味が単調になってきていて、味変の味噌汁ももう飲んじゃったし、そもそもとてつもない量だしかなり苦しい状況です」とおっしゃっていました。

もう少しだけ工夫が必要なように感じた次第です。いや香の物を増やすとか、追加可能な調味料を4-5品テーブル上に置いておくだけでもだいぶ変わると思うのですけれどね。マヨとかドレッシング系とかポン酢とか。

結局われわれは何とか完食しましたが、あとで聞いたところ男性は残さざるを得なかったそうです(そこそこ大食いだとおっしゃっていたのに)。うなぎ湖畔さん、よろしければご検討をお願いします。



スメのお魚、カツオのたたきは美味しかったです。



このあとは部屋に戻ってしばし休憩。あ、TVでたまたまあの温泉映画をやっていたので観賞し、お風呂にも入ってゆっくりしましたが、入浴可能時間が案外早く終わるのでちょっとあたふたしました。まぁ民宿なので仕方ない部分もあるかと。

夕食後、それまでは繋がっていたWiFiが突如として不通になりました。しかし、なぜか翌朝には問題なく再開通しており、どうした?と思ったら、そこには「奇跡の人(風呂ジェクトX氏)」の存在があったのでした。



明けて翌朝、この日は最終日です。朝風呂から上がり、クールダウンを兼ねて道路に出てみたら、あちこちから湯気が上がっているのが見えました。右上画像は坂を下った鰻池方面を撮影していますが、坂の上の方でも上がっていましたし、




(お宿が所有する蒸し釜です)



と、ここで昨晩の「一羽丸ごとと格闘」なさったお隣さんと再会しました。あの後の格闘記(食べきれなかった&お土産持ち帰りは衛生的観点から不可だった)をうかがいました。そもそも今回は法事関係でお泊まりになっていたそうなのですが‥



確かに前夜のお風呂上がりに彼氏とお宿の人が一緒に歩いていたのを目にしていましたが、まさかそんなことをなさっていたとは思いもよりませんでした。鶏成敗は出来なくてもお宿のWiFiは成敗なさったわけですね(スゴイ)。結局お名前も聞かないままでしたが、あなたこそ「風呂ジェクトX氏」だったわけです!(大感謝)。このあと早い時間に出発して行かれました。

さてお宿に戻って朝ごはん。案外サラダがボリューミーでしたが美味しく完食。チェックアウトのあとは車に荷物を入れた上で鰻池の界隈にお散歩していきます。



西郷隆盛の石像及び犬の像は相当にデフォルメされている感じでしたが(右上画像マウスオーバーで拡大)、実は西郷隆盛は犬好きで、実際にここ鰻温泉に13頭の犬を連れて(これすごい)滞在したことがあったのだそうです。

温泉の各所にはそのそれぞれの犬の石像があるようでしたが、西郷像のエントランスに鎮座していた犬の名前は「ジョウイカ」。「攘夷か」と掛け合わせた名前らしく、ネット情報によると外国人にだけ吠えかかったのだとか。その真偽はともかくも、西郷どんが地元で愛され続けていることがわかります。

さてもう少し下りていくと(手前には古民家カフェもありましたが早朝ゆえかシーズンオフだったかで閉店中)‥





いや存在ははるか前から知っていましたが、こんなに綺麗に整備された施設だとは思ってもみませんでした。新しいなぁ。先客さんがお1人おられたので脱衣場から1枚だけね(右上画像マウスオーバーで別画像に変わります)。

お湯はかなり熱かった!さすが地域の共同湯!という感じでしたが、湯上がり後のクールダウン中に出てきたおしんこどんいわく「女湯は先客が加水したのかぬるかった」ということでした。このように同じ源泉利用なのに「男湯=熱い、女湯=ぬるい」というパターンはここ鹿児島に限らずあちこちであるようで、直近では2022秋の福島湯の花温泉湯端の湯もそんな感じだったと記憶しています(その時のページはこちら)。ええっと‥



さて、チェックアウトを終えてこの日のスタートです。と、出発して50mもいかないうちに‥






スメ=いわゆる地熱釜は伊豆諸島青ヶ島の「ひんぎゃ」この時に利用)、別府の「地獄蒸し」この時に訪問)などにもありますが、多からず少なからずの適量蒸気(多いと蒸すのではなく茹でることになっちゃうし、少ないとただの噴気でモノが乾いちゃうし)、それと成分にあまり強いクセがないことが求められるので(卵のように殻がある場合はともかく)、どこにでもある設備ではないでしょうね。

あれ?肉や魚は駄目なんですね。青ヶ島では特に何の制限もなかった気がしますが。臭いが付くからかな?タケノコは‥灰汁が出てこびりつくから?もっともこの日は見るだけでしたが。



近くには「野良スメ」もありました。「肉や魚はこっちで」と書かれていたような(記憶曖昧)。そのほか壁からも蒸気の噴出による成分の析出が見られました。



最後に鰻池の公共駐車場で池を眺めてさようなら。

このあとは再び山川の海岸沿いへと向かいます。お天気は‥このあとしばらくして一時的によくなりましたが、午後になるとまた曇りとなり、今回は天気的にはややハズレのお出かけでしたね。まぁただ、傘を出したのは霧島神宮参拝時だけだったのでまぁ何とか(ダッシュで車から宿エントランスに小走りしたことはありました@鰻温泉)。



さて鰻池から海沿いにやってくると、海沿いに何やら独特の形状の山(というよりは「岳」と表現した方が的確と思える急峻さ)が見えてきました。この山の正式名称は竹山というようで、最近付いた別称が「スヌーピー山」とか。何でも当地を訪れたタイガー・ウッズがこの一連の山容を目にして「スヌーピーが寝転がっているみたいだ」と発言したとか何だとか(真偽はともかくとしてあとで知った情報です)。たぶんこの角度からではなく指宿温泉側から見たのだと思いますが、なるほどそう言われれば見えないでもないかも。ちなみに左上画像は山川発電所(いうまでもなく地熱発電所)です。

でもこの日の最初の訪問地はそのどちらでもなく、地熱を利用した施設の跡でありました。それは‥





ここでは昭和18年から約20年にわたり温泉熱を利用した製塩施設があったそうで、その跡地の見学が一般にも開放されているというわけです(右上画像のトラロープより先には行かれませんが)。

温泉熱を利用した製塩施設としては「最後まで稼働した」工場だということです。で、ここで「ちょっと待て、青ヶ島の『ひんぎゃの塩』は今も操業しているぞ」と思ったりもしたのですが、おそらくこの施設の「原水」となる海水は真向かいの海から取水していたことでしょう。ひんぎゃの塩の原水は三宝港からローリーで運んでいるわけで「完全にその場所で完結」しているわけではありません。

いずれにせよ塩が大規模工場で安価に安定生産されるようになったことで各地の従来製塩は一旦終焉を迎えたわけですが、一方で画一的な味の塩に比べて従来型の塩の独特の風味が見直され、現在は各地域産の塩も一定程度生産されています。自分としても「この並行販売システムはありだな」と思いますし、この製塩工場だって「泉源」はご覧のとおり絶賛安定噴出中ですからねぇ(!?)と思ったりするわけです(あとはペイするかどうかですね)。



蒸気、噴きまくってますねぇ。魅惑的な色のプールも(入れませんよ)。



よく見ると、まさに源泉も噴出しまくっているではないですか!すごいな。



というわけで再び駐車場方面へと戻り、このあとは開聞岳方面へと向かいます。

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