- その2 冬期閉館の数日前に秋山郷最奥へ -



今宵のお宿はこちら。河原に湯気のどん詰まり場お宿です。

(2023年11月23.24日 その2)

さてR353経由で津南に出て、ここからは分断国道であるR405経由で目指すは‥秋山郷!確か以前のこの11月下旬のタイミングで2回泊まりに来ているはず。そう、2008年に雪あかり、2012年に屋敷温泉(連泊)にそれぞれ泊まっています。晩秋の定番秋山郷というわけです。

2008年などはかなり雪が積もっていて雪あかりへは何とわだちすらなく、ゆうパックの軽ワゴンが神様に見えましたっけ。

しかし今回はほぼ雪はなく路面もわだち部分は出ておりましてスタッドレスの出番が云々ということで、あえて雪氷部を踏んで走らせることで心の平安を得たTakemaでありました(本末転倒)。



前倉橋までは完全に「秋の道」でした。ただしここから標高を上げていくので油断はできません。しばらく上がり、のよさの里のさらに上部にある天池(あまいけ)に行ってみることに。





ただこのあと転回場所を探そうとさらに上に進んだらわだちなしの雪道でしたけれどね。無事転回場所を見つけてUターンできました。

栃川橋を渡ってどんどん登っていくと、川の水を道路全面に流して強制的に積雪も凍結もなくしてしまう「流水道路」の設備が稼働していました(たしか前倉橋の上部でも稼働しているのを目にしたことがあります。あと小赤沢集落内の急坂路でも))。北側斜面の上り区間なので合理的ではありますが、豪雪地帯とはいえ本州中部で標高も1000mあるかないかゆえに極端に気温が下がらないことを前提とした設備です。北海道ではこれはできません。全面がぶ厚い氷に覆われた超危険道路が出来上がるだけです(苦笑)。



でもインパクトはあるなぁ。



ハイ、無理矢理雪面を踏ませたりしつつ‥





この時期に秋山郷に来るのは「空いているから」という要因が大きいのですが、今回も同じくで、この日の宿泊はわれわれ以外にお1人だけでした。というのも宿泊日は11/23(木祝)でしたが、こちら雄川閣の宿泊営業は11/25(土)までで「いよいよ営業の最終盤」という時期でもあるのです。

橋を渡った先に発電施設がありますから冬期間も除雪はされるのでしょうが、スキー場などのウィンタースポーツ施設があるわけでもない秋山郷ですから冬期休業はある意味当然です。お客さん来ないよねぇ。ちなみにこの日もランチ営業はもちろん日帰り入浴もやっていませんでした。



ご覧のとおり広いお部屋に案内していただきました。外は寒いですが中は当然にぬくぬく。しかしわれわれはさっそく修羅の道たる露天風呂を目指します。あ、今回は河原の野湯はいいやということで見に行くことすらしませんでした。老いたなTakema(笑)。だって面倒だったんだもん。








(脱着衣時は寒かったけれど)



河原の野湯、遠望する限りは先人の土木作業の成果が残されているようですが、おそらく湯温調整システム?はもはや機能していないと思うので激熱かツメタ系のどちらかに収斂してしまっていることでしょう。この時期は日が暮れるのも早いので、明るい時間を快適に楽しまねば!

ところで露天風呂に供給されている源泉は湯量豊富で、その大半がタンクから溢れまくっています。勿体ないけれど、全量を投入したらこれまたとんでもない湯温になってしまうのでまぁ仕方ないですね(笑)。



このあと内風呂に浸かってぬっくいヌックイ。

湯上がり後しばらくくつろぎ、いよいよ夕ご飯です。今回はちょこっと変わった夕食オーダーをセレクトしておりましたが、まずはお飲み物オーダーから。





ええっと、こちらのお宿にも「飲み比べセット」がありまして、「3種類」と「4種類」があったわけです。「3種類*2」をオーダーしたわけですが、シェフいわく「もう今シーズンの営業も終わりなので(半端に越冬させるのもナニですから)」ということで4種*2にサービスして下さったわけです。と、ここには別の事情もあったようです(後述)。というわけで夕ご飯夕ご飯♪



先付けからなかなかバラエティに富むお料理!









この頃にはワンオペだった調理担当の方も外に出てこられて(この日の夕食は2組3人だけでしたし)、このジビエしゃぶしゃぶについてもご説明いただきました。いわく、



ジビエ肉は当然ながら寄生虫の心配がありきちんと火を通す必要があります。いや、それも知らなかった頃に北海道の多和平で鹿肉を「生でいけるよ」というハンター氏のお言葉に従ってしこたま食べたこともあるTakemaですが、あれから20年以上が経った今、とりあえず無事ではあります。

でも今になって考えるとやばかったなぁとは思っており、こちらのシェフのお言葉にも納得でした。いわく、



聞けば、野良ハンターとは桁違いの衛生基準が求められる宿泊施設の食事ゆえ、この「ジビエしゃぶしゃぶ」の提供については地元保健所とのいろいろなやりとりがあったそうなのです。

それもまぁ当然の話で、保健所としては万が一のことを考えますし、お宿シェフだって「地元食材をいかに利用しつつ、でも万が一のことがあってはいけないし」というせめぎ合いの中で提供しているわけですからね。

というわけで、普段の各種しゃぶしゃぶよりも念入りにしゃぶっていただきました。やっぱり熊肉は硬めだけれど味わいあり、猪肉は脂身に価値あり、それに比べると鹿肉はあっさり系で個性が少ないなという感じでした。だからジビエ肉代表は鹿肉だったりするのだと思いますが(個性が弱いことでいろいろにかえって調理の幅は広がることでしょうし)。

そういえば2024現在千葉県半島部を中心に増殖しまっているという「キョン」(「八丈島の!」という冠を付けてわかる貴方は昭和世代間違いなしですね)、あれも小さい鹿ですがクセがなくて美味しいらしいですね。



〆のご飯は何と牡蠣めしでウマウマでしたし、最後のアイスも(地味に見えますが=右上画像マウスオーバーで別画像に変わります)あっさり味でよしよし!いやぁ、実はもともと食事にはそんなに期待していなかったんですが(失礼)、いい意味で裏切られました!

食事中からコックさんとソロの常連さんと4人でいろいろお話ししながらの夕食でしたが、実はこのコックさん、今シーズンの営業終了とともにこの雄川閣の調理担当から離れるということでした。そしてゆくゆくは‥ということでしたが、これについてはこの旅行とは別の後日談がありますのでそちらにて。









他のお客さんが1人しかおられないので(しかもこの方は連泊)、われわれも余裕でお風呂をタンノーしました。朝ごはんものんびりと‥







食事後は志賀高原に続く雑魚川林道(今は別名なのかも)が中津川を渡る橋の上までお散歩です。橋の上にはライブカメラが設置されており、冬期間も含めて常時現地の様子を見ることが出来ます。



このページを作成していた2024/3/18の様子はこんな感じ。

チェックアウト後は来た道を戻ります(というか戻るしかない)。以前泊まった雪あかりはすでに冬季閉鎖に入っていたようで分岐にはロープが張られていました。それと、「雪が積もる前の最後の追い込み」ということか、何箇所か道路工事をしておりました。大変ですが何とか片を付けていただければと。

さてしかし、まっすぐ帰るのもナニだなということでやっぱり寄り道立ちより湯です。まずはこちらから。





何だか日帰り入浴の料金がずいぶん高くなった気がしましたが、このご時世と時期ゆえ入れていただくだけでありがたいわけです。駐車場に他の車はなかったのでたぶん先客さんもなしでしょう。









以前宿泊したこともありますが、ここはまた泊まりに来てもいいなぁ。というか、こうしているうちにも加速度的に全国各地の温泉施設が閉じつつある昨今ですから、「思い立ったらすぐに行け」なのです。



そう考えると、夏もナントカの一つ覚えのごとく北海道ばかりじゃなくて別の場所を目指すべきなのかなぁと。

さてこのあとは大赤沢から見倉トンネル経由の道を進みます。秋山郷における貴重なバイパス路ですが、こちらもそこそこのワインディング路ではあります。

で、さらにもう一湯というわけで‥



坂巻温泉川津屋へ。しかしこちらは「本日休業」の看板が出ており残念でした。というわけでR117との合流点である津南へ。ちょっと早いですがこちらでお昼ごはんをば。どこにしようかサーチしてみると、津南駅前にカフェがあるということでそちらを目指します。



「カフェ」なのに幟旗には「新米」と「豚汁」の文字が燦然と輝いていたのはご愛敬です。お店は席数も多くはありませんでしたが何とかセーフでした。ふむふむ、何にしようかなというわけで‥





ごちそうさまのあとは、帰り道とは逆方向に少しすすんで道の駅さかえで「栄村産トマトジュース缶」を大人らしく箱買いし(ただし昨シーズンもので割引価格のほう)、そしてもう少し逆走。「あれ、このへんだったのに?」。工事で道路の付け替えが行われていて少し迷いましたが‥











特徴的な浴感こそありませんが、日々の浸かり湯としては実にいいです。アブラ臭はほぼ感知しませんでしたがこれからも長く維持していただきたい施設です。

ちなみに全然関係ありませんが、温泉にはとんと興味の無いTakema母がなぜかこの百合居温泉には浸かったことがあったりしますこの時です)。本人はもう覚えてもいないでしょうが(笑)。



この後は一気に関越道で帰りました。赤城高原SAのあたりではまだ紅葉が散り残っておりました。この日は平日のため上り線の渋滞もなく順調に南下し、




(お店は関西にしかないと思っていたのです)。

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