−2014/3 ボルネオ編 その4 KKからサラワク州へ(1) 眠気と戦うアンドリューさん(笑) −


そんなわけで夜明け前に起床してベランダに出てみると‥よっしゃーMt.Kinabalu(4105m)の雄姿を拝むことが出来ました。この同じ時間、たぶん頂上には日の出を待つ登山者がたくさんいるんだろうなぁ。自分は1990年2001年にそれぞれ登っているので、もう登ることもないかなぁという気がしますが、サヤサヤの小屋から上は岩稜帯でなかなかです。夏山装備で行かれますので是非皆さん登りに行っては?

遠い昔に思いをいたしたあとは(自分も着実にジジイ化しつつあるなぁ)当然のごとく朝食です。よくわかっていなかったのですが、われわれの部屋の場合朝食は2Fのレストランでも6FのキナバルクラブゲストルームのどちらでもOKということなのですね(たまたまエレベーターで一緒になった日本人のご夫婦から聞きました=Takemaの語学力にはやっぱり難ありか)。自分は勝手にキナバルクラブオンリーだと思いこんでいましたわ(汗)。


で、せっかくなので高層階のキナバルクラブへ。さすがリゾートホテルゆえ時間の流れがゆっくりなのか、7:30のブレックファストタイムスタート時にはご覧のとおりガラガラでありました。まだ太陽は建物の陰だったので、テラス席に出てリゾート気分満開モードを楽しもうというわけです(めったに味わえませんから=貧乏性)。


ビュッフェ形式の朝ごはんも何だかお洒落です。あれ、パンは食べなかったんだと今さらながらに気付きましたが(笑)。ちなみにこのあとフルーツをしっかり摂取しました。甘いお菓子はめったに食べないけれどフルーツは大好きなTakemaです。ついでにいえば甘い飲み物も結構好きだったりするんです。お菓子だけダメっていうのも不思議なんですがそれが現実なのであまりツッコまないでくださいませ。


ちなみに見下ろせば例のアルビノだか何だかのお魚池が見えました。人の大きさからすればそこそこ大きな池ではあるのですが‥ハイ左上画像マウスオンで「濃厚なる餌づけタイムの真っ最中」画像に変わりましたね(笑)。

で、ここのテラス席にも外側に出っ張った植え込みがあり、たまたま花は少ないとはいえブーゲンビリアが。そしてやっぱりここにも巣を持っている(正確には製作中の)鳥のつがいがおりました(右上画像マウスオンで、巣作りのためにどこからか運んできた枯れ草を加えている画像に変わります)。


そんなこんなでカメラをあちこちに向けているもんですから、ウェイトレスさんが「お撮りしましょうか?」とやって来てくれるのもリゾートホテルならではなのです。内心「別にいいんだけれどな」と思いつつも「あ、いいですか?それじゃお願いします!」という展開に進めてしまう嗚呼我ら日本人!(いや、夫婦で写る画像がとっても少ないのが通例なのでこれはこれでありがたい画像なんですけれどね)。

部屋に戻って荷物をまとめ始めましたが、うちのテラスにいる例のハトくん(右上画像)、昼夜を通して全然一切出払うことなく抱卵しています。つがいの片方はわれわれが見ていないうちに食べ物を運んできていたのでしょうか?いや餌以外でもここは熱帯、抱卵している親鳥の水分補給はいったいどうなっているのでしょう?とにかくキミ、大丈夫なのかい?

さて鳥類に対しこのような応援メッセージを送ったりしてみたTakemaではありますが、ふと現実に戻れば昨日のうちにホテル経由でせかしたにもかかわらずまだ現地旅行社からの返事はなかったりするわけです(ただし昨日のコンタクト=営業時間終了後、この日=まだ営業時間前だったのですが)。

「でもなぁ、常識的には9時くらいだよな。一応現地までは約7時間かかるってことだし」というわけで、8:30過ぎに1Fのコンシェルジュに話を通しにいきました。でも現地旅行社名が書かれた紙を持っていかなかったので「あー確かこんな感じの会社です」としどろもどろになったことはここだけのヒミツです(大笑)。でも「われわれをピックアップしに来る車があるはずなのだが時間がわからないんだ」と伝えておけば、いざ車が来たときにすぐに話を通してもらえそうなのでね。

で、その人が車止めの方に行って戻ってきたら「○○○○さん」とTakemaの名字でこちらを呼んだので「ああ、これはちゃんと話が通っているな」と一安心。なぜなら自分はこの人に下の名前しか伝えていなかったのですから(笑)。

聞けば、本日サラワクから来るはずの車は「途中道路の状況が悪くてピックアップが遅れる」との情報が入っているとのこと。じゃ、とりあえず9:30頃かなと考えつつ部屋に戻るとほぼ同時に部屋の電話が鳴りました。受話器を取ってみたら現地旅行社の人でしたので、「遅れるということは聞きました。じゃ、だいたい9:30くらいのピックアップという感じですか?」と聞いてみると「いやもうちょっと遅くなりそうです」ということなので、「それではわれわれは一応10:00にロビーに下りて待っていますので」と伝えてとりあえず目途は立ちました。それにしても、当然ながらここまでの全てのやりとりは英語なのですが、マレーシアの人の英語は聞き取りやすくてありがたいです。まるでTakema自身の英語力が向上したかのように錯覚してしまうほどです(大笑)。

さてしかし、ここでおしんこどんが「旅慣れた経験則」から1つの未来予報的な発言。それは‥


別にマレーシア人をどうこういうつもりでの発言ではありません。というか、日本ほど「時間にきっちりしているというか厳しい」国はそうそうないのですし、そもそもおしんこどんはこの時「2003年のパプアニューギニアでは5時間半も待たされた」ことを思い出していたのだとか。確かにあの時はとてつもなく待ったよなぁ(その時の様子はこちら)。

結局車が到着したのは10:50頃でありました。おしんこどんの読みはほぼ正解というところでしょう。

さて現れたドライバーさんはアンドリューさん。あとで聞いた話では37歳、サラワク州のミリ在住でお子さんがお2人だとか。で、まずは「遅れてスミマセン」系の大ラッシュ。いやそんなに気にしていませんから云々というやりとりの最中にロビーの係員さんが「早く車を動かしてください」というので3人で急いで車へ。車はといえば予想通りトヨタのハイラックスでありました。

アンドリューさんはサラワク州がベースなのでKKまで来ることはめったにないらしく、このホテルに来るのもたぶん初めてです、と言いながらホテル敷地内交差点を左折。あれれ左折はホテルの駐車場だよぉ?大丈夫かなぁ(笑)。ちなみにこの日の迎えも最初勘違いしてステラハーバーHに行っちゃったのだとか。うーむ(意味深)。


ちなみにTakemaは撮影のため助手席に座らせてもらったのですが、ダッシュボードの上には左上画像のおりのフワフワ材が載せられておりました。ボードのプラスチックが太陽光線で劣化するのを避けるためなのでしょうが、これが窓ガラスに映り込むのでちょっと邪魔かも。ま、思ったほどひどくはなかったですが。

ちなみにアンドリューさん、発車直後から話し続けてます。何でもここまで来る途中事故で道路が大渋滞していたのだとか、また昨日のうちに州境を越えてサバ州入りしておきたかったのだが、前日の仕事終了が予想以上に遅くなり州境のイミグレが22:00で閉まっちゃうのであきらめたとのこと。そんなわけで結構大変なんでしたと何度も繰り返しておりました。

お客に「疲れてまーす」と訴えてもこちらとしては選択肢があるわけでもなくどうしようもないのですが、少なくとも眠たいというのは事実のようであり、途中でタイガーバームのローカル版を取り出して首筋に塗っていたりしていたし、いやとにかく眠いらしくその眠気防止のためかひたすら自分に話しかけてきていたようです。というわけで、覚えている範囲でここで聞いた話のメモをば。

アンドリューさんの生まれはサラワク州のラワスだが、以前はインドネシアで塗装工として働いていたこともあったという。そのときに今の奥さんと知り合い、奥さんが大学を卒業したあと結婚。カリマンタン側の最大の都市は人も多すぎるし仕事はあっても給料は安い。ならばということでサラワクに戻ってきて、最初はふつうの雇われガイドとして働き始めた(それでもカリマンタンで働くよりは明らかに高給。)。で、この車を買って「足つきのツアーガイド」として旅行社と契約しているらしい。足つきになってからは仕事の受注も増えて特にハイシーズンは月に2回くらいしか自宅に戻れないこともあるらしい。今日疲れているのもそんなタイトなスケジュールがあるのかもしれない。「もうとにかく、1日中仕事のやりくりのことばかり考えてます」とのことだが、奥さんの受けはやはり芳しくないらしい。

実は昨日のうちにドライバーの交代要員をキープしていたのだが、当日になってその人から「叔父がブルネイで事故を起こしてしまい本人は大丈夫なのだが車が大破しちゃったので今日は一緒に行かれない」という連絡があったとのこと。

車の話。ハイラックスサーフは登録から16年のものだがさすが日本車、故障もなく助かるとのこと。特にエンジンはいまだに新車レベルのパワーが出るよとのこと。ちなみにこの車の最初のオーナーだった華人は車を何台も持っていたので「ならばコンディションも悪くないに違いない」と考えて購入を決めたとのこと。「1台しか持っていない人の中古だと、基本的に毎日乗っている(から距離が伸びてる)もんねぇ」とのこと。120kmくらいまでしか出ないが、ラフロードではちゃんとトルクがあるとのこと(エンジン特性の問題か?)。

直進状態でステアリングが全然まっすぐでない件。修理側「運転中は前を見て運転するのでありステアリングを見ながら運転するわけじゃないでしょ。だからノープロブレム」というとんちのような自己正当化に負けたみたい。ちなみに走行中のステアリング角度については左上画像マウスオンで確認できます(笑)。

ボルネオにおけるプミプトラ(マレー語で土地の子=移住民ではない民族)のうち一番数が多いのはカダザン・ドゥスン族で、カダザン族は平地に、ドゥスン族は山間に住んでいる。そのほとんどがクリスチャン。たぶんアンドリューさんもそうなのではないかな?

テングザルは海近くの森に住むので今日泊まる宿付近にはいない。理由は彼らがマングローブ系の葉っぱを好んで食べるからとのことでなるほどと納得したが(スカウとか)、でもダナンバレーでもテングザルを目撃したんだっけ。ちなみにロッジ付近は森林保護区ではあるが野生動物の保護までは含まれていないらしくハンターが入るらしい。


ところでKKの周辺部にはラウンドアバウトも多いのですが、主要道では車の増加によりそろそろ機能しなくなりつつある=かえって渋滞の元凶となりつつあるような感じです。真ん中の円形広場にはモニュメントがあることも多く、左上画像のそれはカダザン・ドゥスン族の帽子をかたどったものなのだとか。

少し郊外に行ったところには大きな病院があり、広い駐車場はほぼ満車。どこの国も総合病院は同じような感じだなと何だかしみじみ。そこからしばらく行ったラウンドアバウトで右折したのですが、すぐに「すみません、道を間違えました」とのことで逆戻りして今度は直進方向へ。しかし15分ほど進んだところで「スミマセン、やっぱりさっきの道で正しかったみたいです。往復で30分もロスしちゃいましたごめんなさい」。いえいえ、もうとにかく今日中に目的の宿に到着できればいいんです。でもカーナビは装着してもいいかなぁと(笑)。

それにしても、この日はアンドリューさんにとって眠いだけじゃなくていろいろとツキがなかったようです。このような道の間違いだって、結局は「疲れている身体に余計負荷をかける」だけなのですから‥もっとも、運転中うとうとするそぶりを微塵も見せなかったのはさすがプロですね(いざという時は運転を変わってもいいと思っていたんですが)。

ちなみにサバ州とサラワク州を結ぶ幹線道路はコンディションがあまりよくないようです。日本でいえば「古い規格で造られた幹線道路、でもその後メンテナンスがあまり行われていない」という感じでしょうか。制限速度の90km/hキロで走ると結構バンビーだったりします。ただし「まだ新しい舗装路面」でも場所によってはバンビーでしたから、そもそも「施工の質」の問題もあるような気もします。


アンドリューさんが袋から肉まんを出してきて「どうぞ食べて下さい」とのことで遠慮なくいただきます。中のお肉はマレーテイストの味付けですが悪くはありませんでした。でもさしてお腹が減っていなかったのですよ(笑)。

さて右上画像に見えている「AWAS」の文字。これはマレー語で「注意」の意味です。何で知っているのかというと、とにかく道路標識の中でもこの「AWAS」の標識が圧倒的に多いんですよ。「AWAS」看板の先には必ず穴ぼこや不整路面ありって感じなのです。


さて最初の休憩地?は干し海産物の露天が並ぶ場所でありました。そういえば最初に「途中でどこか寄りたいところはありますか?」というので「フィッシュマーケットとか」と答えたら「Dry?Wet?」と聞くのでとりあえず「Wet」と答えたあとで「ドライって何なのさ?」と一瞬考えちゃったわけですが、要はこういうお店のことだったんですね。



干し魚とか干しエビとか、とにかくいろんな「ドライ系海産物」が売られておりました。



かなり大きな鯛とおぼしき干し魚はやっぱり立派なだけあって高いですね(中央画像)。右上画像はジャコ、中央画像マウスオンで干しエビ。



さて左上画像の車ですが、こちらにもおなじみの「AWAS!」表示がありますね。ついでに見にくいですが車の右側には「ラッパ禁止」のマークが。さてこの車はいったい何でしょう?‥って、もうおわかりですね正解は‥


マレーシアでは車の免許を取得するのに、学科講習&試験が1日、実技講習は教習所などないのでいきなり一般道での練習となります。ただちゃんと教習員が同乗するそうで、この車はまさにその練習中ということのようです。ただし教習員によって練習のレベルはかなりマチマチ(アバウトだったり結構高度なレベルまで練習させられたり)のようらしいのはお国柄なのかも知れません。でも全体として極端に運転が荒かったりマナーが悪かったりするわけではない気がしますよマレーシアは。

さて続いては右上画像。こちらは数年前に稼働したばかりというガス田なのか精製所なのかなのですが、ここでアンドリューさんがサラワク人としての思いを吐露。


わたしなどは西マレーシア(マレー半島)よりもこっちの方ばかり来ているので、何だか「半島に搾取されているサバ&サラワク州」という気持ちにもなってしまいますが、でも一方で「こちらだけではいろんなコトを回せない」というのも現実なのでしょう。そもそもこちらの2州にある程度の自治権が付与されているのもいろんな事情があってのことですし(だから国内の移動なのに別の州に行くのにもパスポート提示&押印が必要。今回はマレーシア1国のみの入国だったのに、結果としてスタンプは6つも押されました)。

またその一方で、産油国であるとはいえこれまた1国だけでは経済を回すことの出来ないブルネイにも似たようなことはいえるらしく、サラワク州やサバ州とは持ちつ持たれつの関係のようです。今回途中で救急車とすれ違ったのですが、その直後のアンドリューさんいわく「今のはブルネイの救急車でしたよ。おそらくKKのクイーンエリザベス総合病院へ向かっているのでしょう。ブルネイには高度な技術を有する病院が少ないですから」ということでした。また、休日にはブルネイ国民がレジャーのためにサラワク&サバ入りすることもごく普通なのだとか。まぁ地続きですし話す言語も(ほぼ)同じですから、千葉県民である自分が連休に東北に行くのと同じような感覚だと思われます(通貨は違いますが)。


さて、サラワク州東部切手の大きな町であるBeaufortへとやって来ました。予想通りこちらでお昼ご飯ということです。しっかり踏切があり、ここは数日後、今度は列車に乗って通過することになるはずです。というわけで続きは次ページにて。嗚呼アンドリューさんの不運はまだ続く‥。

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