明けて翌朝。朝は比較的のんびりと起きて、最上階で朝食を食べ、ついでに朝風呂もいただきました(おしんこどん)。しかしまだこの時点では今日どこに向かうかは決まっていなかったのであります。

帰りのフェリーはこの翌日の23:45に苫小牧発ですから、いざとなれば一気に東進して多和平に泊まっても帰ることは十分にできるはずです(疲れるけれどね)。というわけでこの日のお泊まり候補としてTakemaの中で考えていたのが「YAMANONAKAカムイミンタラ」。何度も訪問していて(199920022004)、管理人さんご夫妻との気心も知れているつもりになっていましたからねぇ。この場合も、今いる帯広よりもさらに遠くに移動することになります。

しかし一方では、少しでも苫小牧に近い方が最終日に楽だよなぁと思うのも事実です。しかしこの日は8/15。ほぼお盆真っ盛りのこの時期はどこのキャンプ場も混んでいるはず、しかも大都市札幌に近い場所となれば混雑は必定。うーむ困った!

そんなこんなのうちに気がつけばうわ、チェックアウトの時間!とりあえずチェックアウトを済ませ、そのままロビーで「うーむどうしようか」と悩み続けました。その時、おしんこどんの「神の声」が!

なるほどそりゃそうだ!確かに雨でもカムイミンタラから苫小牧までは一日で走ってこられるけれど、ただでさえ疲れるタンデムツーリングで、ずっと雨、下手をすれば土砂降りというのではこりゃしんどいはず。となれば、今日中にフェリー乗り場近くに移動という発想はかなり正しい!よし、西へ向かうことに決定!

となればどこに?ツーリングマップルを眺めていますが、なかなか結論は出ません。何せ、苫小牧周辺に泊まったことといったら市内の健康ランドくらいしかないし、そもそも道南方面には足をのばしたことのないTakemaなので(積丹方面はあるけれどね)、土地勘もあまりないわけです。

しばし悩んだあげく出した結論。

「蟠渓温泉」。どこかで聞いたような名前だったので目を付けたんですが、場所的に穴場っぽい雰囲気が地図から読み取れたのが決め手でした。ちなみにこの時点でこの温泉に関する情報は全くなし。宿の電話番号を聞こうと104に電話したくらいですから。

ちなみに番号案内の方から「蟠渓温泉には登録が二軒ありますが、どちらの宿でしょうか?」と聞かれたときには一瞬往生しました。とりあえずそれぞれの宿の名前を聞いて、宿名の雰囲気から選択するという荒行に出ました。選んだのは「ひかり温泉」。さっそく電話を入れてみると泊まりはOK、ただし「今晩は諸事情により1泊2食は不可、1泊朝食のみなら可」ということでした。

全く問題はないので予約完了。ちなみに朝食付きで確か3500円だったっけ?(3800円だったかもしれません。ちなみに素泊まりは3000円)。ちなみにこの時の選択が「あまりにも適確だった」ことを数時間後にとことん納得することになろうとは思いもよりませんでした!(笑)。

なお宿泊まりが決定したので、不要な荷物はここから全部自宅に送り返すことにしました。



結果として、トップケースのみのこんな軽々バイクになったわけですが‥

何と、送り返した荷物の数は「5つ」。その中にサイドパニア=2つあるのは当然、それにプラスして「トップボックス on トップケース」=1、まではわかります。しかしそれらプラス2箱の段ボール箱を送り返すところに、われわれの「スーパー過積載」の真実があったわけです(笑)。

帯広市内を出発したのは何と11:00過ぎ。ここから日勝峠を越えて洞爺湖方面に移動するのではあまりに面白くないので(ここ数年の秋訪問ではいつも日勝峠経由でしたから)、いったん襟裳方面に下って、岬をショートカットする通称(公称?)天馬街道経由で浦河に出るルートを選択しました。



途中何と!初めて「幸福駅」を訪問してみました!感想‥もういいや(笑)

帯広付近では曇っていましたが、忠類村あたりまでくるとすっかり青空&これまた暑い!道の駅の奥にナウマン象の記念館があったので、有料(300円)にもかかわらず入ってみました。感想は‥「うーむ、おべんきょになりました」というところでしょうかね。

ナウマン象の親子像の前でポーズを真似るTakema&おしんこどん。ちなみにこの記念館は上から見るとナウマン象の姿をイメージした作りになっているそうですが、ふつうに横から見ても全然わかりません(あたりまえ)。



あまりに暑いので、道の駅で今回のツーリング2回目の「かき氷注文」。

さらに豊似まで下ってきたところでお昼ご飯を食べ、いよいよ国道236号(天馬国道)に入ります。今回、「あの天馬国道でスピード取り締まりに捕まった」という話も聞いていたので一応ゆっくり目のスピード(ただし法定速度とはいいませんが)で流したのですが、やっぱりいなかったなぁ。考えてみれば今回、「その手の車」って初日に苫小牧市内で目撃しただけのような気がします。運が良かったのかな。それにしても、いつものことながら峠の野塚トンネルは寒かったぁ。



峠のあたりから青空が隠れ、曇ってきました。

というわけで太平洋側の浦河まで出てきました。ここからは海沿いとはいえ変化も少なく単調な道を苫小牧方面へと向かうわけで、しかも「苫小牧120km」なんて看板を目にすると気が重くなります。通行量は多めの道だからそうそう時間短縮できないんですよねぇ(覆面パトなんかもいそうだし)。

ちょっと走った浦河町の市内では、なにやらイベントが催されているようだったので立ち寄ってみました。「港祭り」というらしく、夜には花火大会などもあるんだそうで。ちなみに港内ではゴムボートレースの真っ最中でした。


「ボートレース、スタート!」

ちゃんと実況アナウンス付きの決勝戦でした。そういえばミス浦河港だったかの女の人もいたんですが、決勝戦終了後一瞬気を許した隙に姿を消してました(笑)。


Wmv形式、997KB、27秒
港わきの広場には多くの屋台も出ていました。おしんこどんは「こういう場所には必ず出ている臨時郵便局」にて切手シートを購入。いつもの行動パターンですね。Takemaは見るだけでした。お腹が減っていないので食べ物屋台にも用はないですからね。



しかし、この金魚すくい看板の少年の顔は何だか恐いぞ。

ここからはただひたすらに海岸沿いを西へと向かいます。時折出てくる道路標識で苫小牧への残り距離を見ては「うーん、全然近くならないなぁ」とがっくりきます。車列全体が法定速度で動いててますからねぇ、いや時にはそれより10kmくらい遅いスピードだったりしましたし。また、どんどん交通量も増えてくるのでなかなか思うようにはいきません。たまに信号があると一気にすり抜けて先頭に出るくらいしかスピードアップの方法はありませんでした。

しかし、やはりスーパー過積載での運転に慣れた身にとっては「軽いブラックバード」はとっても運転が楽です。タンデムではあっても、これまでに比べたら全然軽いですからね。



徐々に雲が厚くなってきましたが今のところ雨の心配はナシ。静内市街地の街灯にはしっかりサラブレッドが。


「日高本線の列車と並走」

決して運行本数が多いとはいえない鉄道ですが、何だか気持ちいいよなぁ。最後は列車を俯瞰する感じになって海も見えたしね。


Wmv形式、1.20MB、31秒
しかし富川まで何とか来て、ここからは日高道の無料区間に乗りました。ここからはスピードアップ!しかし吹き流しをほぼ真横まで押し上げる風が吹いているのでちょっと緊張するときもあります。でもやっぱり50km平均の倍スピードで走れるのはいい!

しかし先はまだ長い!苫小牧から西方面にはほとんど行ったことがなかったんで、自分の頭の中には「ちょっと行けば洞爺湖だ」と思っていたんですね。でも、遠いじゃん!しかも雨は降ってくるし。結局雨の中登別東ICで高速を下りて、道道2号線の山越えで蟠渓温泉を目指すことにしました(実はこれが結構失敗だったんですけれどね)。

高速を下りる頃にはすでに日没間際だったので、一気に暗くなっていきます。しかも霧雨だし、気分はよろしくないです。おっと今日の宿は1泊朝食付なんだから、夕ご飯を買い出しとかなきゃいけないんだった!ついでにガソリンもすでに警告灯がついてるし(笑)。

というわけでパスするつもりだった登別温泉に寄り道です。しかし、精神衛生上はあまりよろしくなかったなぁ。こっちはカッパを着てびしょ濡れ、しかし一方で温泉香ただよう道沿いにはすでに浴衣姿のお客さん達がそぞろ歩いてるわけですし、そんな中セイコーマートでお弁当を買い込んで、これから雨の中真っ暗な峠を越えていくというのは‥うーん、ちょっと奮発して第一滝本館などを予約しておけばヨカッタ(笑)などと、要らぬ妄想を抱いてしまいましたわ。ま、結果的には絶対蟠渓温泉の方がよかったんだけれどね。

再び登別温泉を出発した時にはすでにあたりは完全に真っ暗。しかも、霧雨だけじゃなくて濃いガスが路面を隠してくれているじゃあーりませんか!峠越えゆえ道はきちんとワインディング、見えないカーブの先にはのんびりとエゾシカ軍団がミーティングをしている可能性もとっても高そうでビビリまくります。よって、最徐行でとろとろと。

峠のトンネルを越えてもガスはなかなかとれませんでしたが、どうやら霧雨地獄からは開放されました。この道、晴れた日ならすごく展望のいい道なんでしょう、はるか遠くの方にぽつんと灯る明かりなども見えてましたからねぇ。しかし長かった!

宿にはちょっと遅くなる旨の電話を入れてありましたから心配はしていないでしょうが、それにしてもどこなのだろう?手前にあった宿で聞いてみると、もうすぐ先だとのこと。よーし何とか着いたぞぉとラストランよろしくのんびりと走っていくと、おお、看板発見。し、しかし??!!

こ、これはコレハ一体どういうわけなのか?しかも、威勢よく流れる音楽および太鼓の音とは裏腹に、人出&踊っている人がえらく少ないんですが(笑)。

何はともあれ宿の玄関に行くと奥さんが迎えてくださり、とりあえずは部屋へと案内されました。うわ、えらく広い部屋だし、TVはもちろん何と家庭用冷蔵庫まで完備のいいお部屋でした!



ちなみに12畳くらいあったような‥これで1泊朝食付き3500円(3800?)は安い!

奥さんがおっしゃるには、今日はうちの宿主催の盆踊り大会なのでどうぞ表で楽しんでくださいとのこと。や、宿主催の盆踊りなんて初めて聞いたぞ(笑)。しかし、これは余りにも面白い趣向ではありませんか!予備知識なしにツーリングマップルを眺めながら決めた温泉にしてはあまりにも出来すぎな感じの大ヒットかも。というわけで、温泉に来たはずなのに風呂にも入らずさっさと「盆踊り会場」へ!じゃ、この続きは次のページでね。
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