− その5 某湯探訪のあとは八甲田温泉「遊仙」で湯ったり −

さてこれから向かう某湯は、えあさんがこっそり伝授して下さった源泉たれ流し系の場所。某宿源泉の貴重な「結構な量の余り湯」をいただける場所ということで、ここまで来たなら是非とも訪問をと考えていた場所だったのであります。しかし今回は自分でも「青森まで北上することはないだろう」と考えていたので、

まさか八甲田まで来るとはなぁ。というわけでどこにあるかは行ってみなけりゃわからないこともあり、おしんこどんを某所に放置して山道を彷徨すること○○分。いきなりありましたねーこんなところに!



もちろん超激熱系のため「ここでの入浴=茹でTakema」を意味します。ただ、このまま源泉を放置するとポンプ小屋に影響があるということからかちゃんと水路が作られていて、湯はそのまま沢に流し込まれるようになっています。となればその合流点が唯一の入浴可能域となるわけなんですが、熱々源泉とツメツメ沢湯とをどう混ぜるべきか?かつて訪問した祖母谷温泉における、

の記憶が図らずも甦ってきます。でもまずは両者の合流地点を確認してから全てが始まるわけですね。あー、やっぱりスコップは持ってくるんだったか?(面倒なので車に置いてきました)。

ちなみに合流地点直前(中央画像)においても湯の温度は50℃を優に超えているようです(温度計も置いてきてしまったので正確にはわかりませんが)。しかし沢の本流の流量が勝り、合流地点すぐ下の流れ込みに手を入れてみても「こりゃただの水だ」という感じです(右上画像)。「こりゃ大工事が必要だなぁ、今回は無理か?」と思いつつ、右上画像中央の浅瀬部分に手を入れてみると‥

合流地点の脇には大きな岩があるんですが(左上画像左側の岩=上流側から撮影)、そのすぐ下流側の一部が適温になっていました(それでもやっぱり「あつツメタイ」の部類ですが)。ただ、これなら多少本流側からの流れ込みをせき止めれば何とか「入浴に堪える」場所を作れるのでは?というわけで、器材なしの手作業でいくつかの石を取り除き、砂を掘り返し(もしかしたらこのあたりからも湯の湧出があるのか、掘り出した石は結構熱かったりしました)、それらの石を本流との壁に使いつつ作業すること約10分、ようやく腰湯が出来るほどのスペースが出来たので‥入浴!(右上足画像がそれですね)。

スコップ等を持ち込んで本流の流れを多少調整するなど、本格的に作業すればかなりいい湯になりそうな気もしますがどんなもんかなー。でも時間があったらやってみたいですね。河床は泥もなく砂ベースなので結構快適な湯船になるかもしれません。

戻ってきてみると、おしんこどんは某無料屋外温泉施設にてまったりしておりました。というか完全に寝ておりましたね(笑)。時間的にほとんどお客さんも来ないタイミングでしたが、やっぱりやってくれますな(右上画像にマウスオンすると「声をかけたら起きあがったおしんこどん」画像に変わります)。



さてこのあとは一投足で八甲田温泉「遊仙」へ。

少々年季の入りつつある建物ですが、掃除は行き届いて宿泊するについては何の問題もありません。ちょっと「施設が広すぎる」のが難点といえば難点でしょうか。聞けばオーナーも随分代わっているのだとか(このことで、翌朝驚愕の事実を耳にしました)。仲居さんに案内されて棟続きの宿泊棟へ。うわ、部屋の入口でいきなり口元がほころぶ系の不思議感が!




(左上画像、スリッパの大きさからこのスペースの広さがわかると思います)

場所柄、「登山客がザックを室内に持ち込まないでいいように」というような心遣いで設計されたのかも知れませんが、この奥行きにはぶったまげました。でも室内はごく普通、すでに布団が敷かれていたのは好感度大で「宿はこうあるべし、夕食の最中に布団を敷きに来るのはあまり意味なし」と考えるTakemaにとっては嬉しいことです。人件費も馬鹿にならないわけですし、こういう宿に泊まりたいよなぁ。

ちなみに部屋の窓からは八甲田連山が眺められ、この眺望はかなりポイントが高いです。この日は天気がイマイチでしたが、晴れた日の朝などはかなりいい感じだろうなぁ。このあとのお湯の感触、そして従業員さんの対応をも含め、かなり好感を持った宿でありました(ただしこの日の宿泊客がわれわれを含めて5名しかなかったことは考慮すべきかも知れませんが)。何だか宣伝不足ですよ「遊仙」さん!(今見たらTVの取材なども来ているみたいですね)。

さ、それではお風呂に行きましょう!

含土類石膏茫硝泉といっても、湯に浸かって気持ちよければ結構なんでもいい系のTakemaだったりするので、「おおー、この薄黄緑の濁りはなかなか」としか形容できません(苦笑)。味は‥さっぱり系ですかね(説明になってませんが)。ネットのやや古め情報を見ると「清掃に難あり、浴槽内が‥」というコメントがあったりしますが、現在はしっかり清掃も行き届き、古めの施設ですが大切に維持管理しているのがよくわかります。

ちなみにこの円形浴室は今でこそ全体が男湯として利用されていますが、かつてはこれを半分に仕切っていたようで、脱衣場も真ん中に壁があるなど独特の造りになっています。脱衣棚のない方に卓球台を置いたら‥いや、全裸で夢中になる同性の光景を見たくもないのでやめましょう(笑)。このあとは露天風呂へ。



こちらは酸性明礬泉で結構ぬるめです。味はかなりのレモン味で、長湯はお肌にキビシイ?(全然気にするたちでもないですが)。



というわけでまったりのんびり。ちなみに露天も旧男女の区分けの名残りで2つ並んでいます(ちょっと移動しにくい)。



さりげなくカエルと龍が置かれています。お湯的には龍なので、カエルくんは内風呂においてもいいかもしれません(余計なお世話)。

さてそんなわけで夕食です。山の中の宿ということで多くは期待していませんでしたし、まぁ普通の宿ご飯というところでしょうか。でも決して「うーむむむ‥」と思ったりしなかったのは、あの仲居さんの素朴なお人柄でしょうかね(皮肉でも何でもなくほめ言葉です)。でもそういうのが一番大きなポイントだったりするので。



釜飯だけは食べきれませんでした。やっぱり部屋に持ち帰るべきだったか?

このあとは部屋に戻って明日の計画を立てねばなりません。しかしここ八甲田まで北上してきた身としては、やはり何かが足らない?このままこの界隈で好き勝手にうろうろするというのはどう考えても義を欠く行動ではないのか?

あおもりくまさんとはかつてあの湯にて一晩+αでご一緒してから‥うわー、もう5年も経ってるんだぁ!左記リンクを御覧いただければおわかりかと思いますが、当時の下湯タヌキの湯を管理なさっていた方であります(現在は完全に離れておられます)。というわけでいきなりの電話!ちなみにTakema携帯のファイルでは、電話帳を開くと一番最初に表示されるのがあおもりくまさんなんです(以下、くまさんと略記します)。

お電話をすると、「あーどうも、久しぶりです」と懐かしいくまさんの声が。われわれが八甲田温泉に泊まっていることを申し上げると「何だ、市内からすぐのところまで来てたんですか!」。そうなんです、でも今日は平日だからなかなかねーと申し上げ(この日は木曜日)、その上でさらに畏れ多く「もし明日などは‥弘前方面なんですけれど(百沢温泉とか)」と勝手な都合をお話ししたところでくまさんの一決。

うっはー有り難いやら嬉しいやら!というかいきなりの申し出にさっそくの対応、本当にありがとうございます!というわけで明日の再会にわくわくしながら、すっかり爆睡モードのおしんこどんを横に見ながら明日の計画を立て始めます。

と、ここでどうしても気になるのが「田代元湯」と「田代新湯」。ただ田代元湯はわれわれ夫婦も2002年に訪問しています。気になるのはこの界隈にあるという田代新湯なのです。手作り地図(右上画像)を見ても載っているわけでもなし、ここは一番地元に詳しい宿の方に伺うべきだと思い、22:00過ぎにフロントに行ってみると‥

遅めの焼肉夕食で盛り上がる管理人室ゆえ、フロントの「チーン」も聞こえていないようです。そこで別の側から「すみませーん」と声をかけてみると、先ほどお見受けした方が出て来て下さり一安心。でもその前から聞こえていた焼き音から察するに、「ちょうど肉が焼けたタイミングで声を掛けちゃった」のではないですかね?失礼しました(苦笑)。

で、田代新湯について聞いてみると、お仲間からの情報で「大雨で流されてしまい今はもう存在しない」とのことでした。

うわー、ずっと前から気になっていた湯がまた一つ消滅してしまったのか!(但し下記参照)

でもその一方で「案外地元の方のほうが現状を知らなかったりするわけで、もしかしたらかつての姿はなくとも湯だけはコンコンと‥ということがあったりするんじゃないか?」と、万に一つの願いを星に託したくなったTakemaでありました(結果はボツでしたが&場所も勘違い)。

じゃ、明日は田代元湯かな?でも「青森=曇り時々雨」の予報であれば、ここ八甲田は‥じぇったいダメだぁ。というわけで観念系思いのままおやすみなさーい。
【追加情報】(2009/11月現在)

実は田代新湯の場所は流されても埋没してもおらず現存しております。しかしこちらの宿の方も、そしてあとで訪問したみちのく深沢温泉のご夫婦も一様に「豪雨で埋まった」とおっしゃっておりました。それでは「豪雨で埋まった湯」とはいったいどこだったんでしょうか?まさか、さらなる湯があったのか?
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