− その4 清水を汲んで、お蕎麦食べて、お風呂入って、SL見て、んでもってまたお風呂!−

さてどういうルート取りにするか。雨も降り出したし山越えの細道舗装路であるR401は通りたくないなぁと考え、ちょっとほかの理由もあり田島まで戻ってR400経由で北上することにしました。この道も以前は酷道系でしたが今はトンネルもできた関係で随分走りやすくなりましたよね。

さて「ほかの理由」なのですが、それは言わずもがなの「名水汲み」なのであります。このR400沿いには「白森清水」という湧き水が出ている場所があるのですが、ここの水はまだ賞味したことがなかったんです。もちろん10Lポリタン*2を持参していますので持ち帰る気満々(笑)。

「この一帯は地域の水道水源になっているので汚しちゃだめよ」との掲示もあります(ただし文言はデフォルメしてます)。基本的に伏流水なので今降っている雨をそのまま汲んでいるわけではありません(笑)。あ、過敏系放射脳過激派の方々からすると「あんた何て危険なことしてるのさ!」とも言われそうですが、そもそも奥会津の放射線量は東京とほぼ変わりませんし、わたしはわたしのやりたいことをやっているだけですので念のため。

ちなみに家に帰って製氷器に投入したところ、極めて不純物の少ない良質の氷が出来ました。もちろんそのまま飲んでもウマーイ!この界隈にはいくつか湧水を汲める場所がありますが、ここはポイント高し!そんなわけで、地元の方もわざわざ軽トラで乗りつけてたっぷり汲んでおられるようでした。

そうそう小雨の中水汲み行動に出ている最中、ぶわっとやや強めの風がひとしきり吹きつけました。と、「枝から離れた無数の葉々が最後の空中ダンス」を披露してくれたではありませんか!動画を撮れなかったのは残念ですが、でも素晴らしき秋のひとコマであったことは言うまでもなく大満足!

さてこのあとは昭和村を進んでいきますが、ちょうど1年前、Takemaのお腹がピーヒャラお祭りエマージェンシー状態に陥ったときにその危機を救ってくれたお助け小屋「からむしの里」で何やらイベントをやっているようなので立ち寄ってみました(ピーヒャラ系についての詳細はこちらね)。



そんなわけで地元の特産品であるからむし織の製作工程実演などを見学し(実際は多少時間が前後しています。なお「からむし織って何?」とお思いの方はこちらから)、また「山のキノコっていいよね」(たぶん栽培ものですが)とついつい購入しているうちに(右上画像マウスオン)、ちょうど時間となりましたぁ!

まずは村の商工会関係の重鎮サンダーライガーの方々からお言葉をいただきます。が、お2人目ともなるとそろそろ飽きて‥というか、結構な方々がそもそも最初から拝聴せずに新そば目指して列をなしていますのでわれわれも見習うことにしました(笑)。

それにしてもこのテントは大きくていいなぁ。これなら雨のバラギでも結構ゆったりでき‥いやいやそんなことは微塵も思っていませんよTakemaオフは来年も晴れるのですから!(神仏と曖昧約束済)。

で、自分もしっかり列に並びます。朝ごはんが軽めだったので「2人で分ければ大丈夫」という結論に達し(やっぱり少食系、いやぁでもおしんこどんは昨晩(笑))、けんちんそばを1人前購入します。

はい、美味しくいただきました。この時はまさか「この日別の場所で再び蕎麦を食べることになる」とは思ってもみませんでしたが(笑)。このあとは会津川口目指して一気に北上!のつもりが、やっぱりここまで来たら立ち寄っちゃいますよねぇ「玉梨とうふ茶屋」。

ちなみに名物の青ばと豆腐はおそれ多くて手が出ないので、いつものおからドーナツを10個購入。で、実は何度も来ていて全然知らなかったのがレジの後ろに貼られていた「チョウザメ云々」。「これって?」とお聞きすると、「こっちですよー」とレジ後方側の休憩処へ。そこは‥



いやまぁ地下水が思いきり豊富なのがいやというほどわかります(笑)。何匹ものチョウザメが行ったり来たりでビックリしゃっくりどんぶらこっこというところです。それにしても、失礼ながらこのような不便な場所にありながら関東圏において知名度の高さを誇るこのとうふ屋さん、やっぱりスゴイよなぁと感動する次第です。味だけでなく営業開拓力があれば地方ベースでもやっていかれるんですよね(公式サイトはこちら)。

すでに店内の休憩所には炭火が熾されておりました。まだ寒いほどではなかったですが、やはり奥会津の秋は駆け足でやって来ます。そして同じく駆け足でやって来る冬はこの地で「長い長い休憩タイム」をとるのですからそれはそれは大変なのです。とはいえ、だからこその恵みも忘れてはならないのでしょうが。

あ、いつもながらお店の前には豆腐作りに使うのと同じ湧き水が流されておりました。これまでは気付かなかったのですが、ペットボトルを利用した「大量お持ち帰り用ホース」が備え付けられていたんですね。混雑時の独占使用は自粛すべきなのが当然ですが、いざとなればここでも水汲みが出来ることがわかりちょっとお勉強になりましたテヘペロ。

続いては玉梨八町の温泉なのですが、八町の混浴共同浴場はこの年の4月にも入浴しているので(不思議なことにおしんこどんと一緒に行くといつも貸し切り)、実は随分前に1度きり入浴しただけの玉梨の共同湯に行ってみることにしました。

こちらは男女別ゆえ女性でも安心して入浴できるわけですが八町のような開放感はあまりありません。でも、源泉温度が45.9度ゆえそのままドカティ投入なのが嬉しいですし、入浴料が「1人100円以上」というのもまたこのご時世にして何とやらというところです。

そうそう、この共同湯のすぐ上に位置するお宅ですが、何と烏骨鶏を放し飼いにしています(大丈夫なのかしらん?)。と、それについては確認済みだったのですが、知らなかったのは「千客万来」と書かれた小さな小屋(画像はありません)。引き戸も閉まっていたので見るだけでしたが、実はその引き戸を開けるとその瞬間「無人販売店ただいま開店!」となるのだそうで、この時期だとお米やキノコ、また手作りの民具なども売られているそうです。引き戸が閉められているのは日射しや雨などから商品を守るためのようで、「見えない=売れにくい」というリスクよりも「商品を大切にする」という選択をするところがスゴイです)、皆さん、玉梨共同湯へ行ったら引き戸を開けてみることをお忘れなく!(この情報は「金山町観光情報センターOASIS」さんのブログを参考にしました)。

というわけでいざ入浴です。実は男湯には先客さんがおられたので最初は撮影アクションなしで掛け湯‥おお、結構熱いです!44度くらいかな(この時は身体が冷えてましたんで)。先客さんは地元の方のようでしたが、何回か掛け湯をして(もちろん肝心系の洗い儀式は済ませた上で)ささっと湯にどっぷり浸かったTakemaを「こいつ、なかなかやるな」系の視線ビームでチェックしたことを念のためご報告いたします(わたしは先客さんが1人だとだいたい自分から話しかけるのですが、この時はなぜかお互い無言のまま終わりました)。

で、その先客さんが湯から上がったのでアクションスタート!(先客さんが上がるまで粘るつもりでいたので最初からカメラを持ち込んでいました)。



(右上画像マウスオンでもはやマンネリともいう湯足画像に変わります)
さてそんなわけで会津川口駅へ。ちょっとした休憩のつもりだったのですが(上記OASISの方に「拝見してますよ」とだけお声掛けしようと思っていました)、普段は休日でも結構閑散としている駅前広場にはテント屋台が並び、駐車場の誘導員の方までいてちょっとビックリ。で、車を止めようとするとかの誘導員の方から思いがけない質問が。

何ですかそれ?と思ったので、なぜだか強調系で「いいえ、全然違いますが」とお返事申し上げたところ、「ではあそこへ」と、一番入口近くのベストポジションスペースに誘導されました。ちなみになぜ「全然」という修飾語を用いたのかはわかりません)。



しかしバス等は駐まってましたが駅前は関係者以外閑散モード。このイベントって?ちなみにここから只見まで、路線復旧の見込みは全く立っていません。

というわけでOASISの方に「拝見してますよ」と申し上げるミッションを完了し、さぁてそろそろ行くかぁと思ったところで思いがけないアナウンスが!

そんなわけで駐車時に「SLですか?」と聞かれたものですから「いや全然違います」と答えたわけですが、あと15分で来るとなればやっぱり見ておきたいですよね。というわけで「もともと下心はなかったけれど結局SL入線見学」と相成った次第です(苦笑)。終着のSL列車が入線してくるのを待合室で眺めつつ‥(この時はそこそこの雨が降っていましたんで)。



来ました来ました、来た来たぁ。C11の3両編成ですっ!



列車が完全に停車する前に撮った1枚です。このあと各ドアから怒涛のごとく人々が走ってきました(笑)。



両上画像撮影時にはこの位置から列車を撮影する人たちで思いきりごった返してました。よってTakemaもこの後すぐ撤収。

さて駅前に戻ってみると、テント屋台は「来るべき時が来た!」とばかりに「いらっしゃいませどうぞー!」の大合唱。そしてハンドマイクだったか何だかで「昭和村の秋味まつりにおいでの方はこのバスです!」「あっちのイベントに行かれる方は云々でーす!」と今を盛りの大合唱!なぁるほど、この臨時列車で現地を訪れる観光客を計算してのイベントだったわけですね!(納得)。

さてしかし、われわれはすでに昭和村でお蕎麦は食べたしキノコも買ったし実はじゅうねんのドレッシングも栃餅も手作りこんにゃくも買ったし(結構買ってるでしょ)、もはやご赦免されてもいいかなと勝手に判断し、この旅行の最終&ある種最大のイベントともいえる場に向かうのであります。

しかし、川口から西進するにつれ雨はその強さを徐々に増し‥うーん、これじゃ「入欲」もなえるよなぁというビミョーな気持ちのまま、温泉ファンの方々にはとみに有名な民宿さんに到着です。SNS経由で訪問についてはお伝えしていましたが、「午前中に」のつもりが気がつけばお昼時になってしまい大失敗‥。

こちらの民宿ですが、新潟会津豪雨災害の前までは「季節限定露天風呂」で釣り師のみならず温泉ファンにも愛されてきたお宿でした。しかし2011/7末の豪雨に伴う「信じられない上流ダム放流」により、下流域の家々はもちろんのこと国道も鉄道も下流側ダムもズタズタになってしまい、その復興もいまだ半ばのまま今に至ります。こちらの民宿も一時は「全壊」の判定を受けつつも補修に注力した結果やっとの思いで復活を遂げたという「苦難のお宿」なのです。

しかし、その豪雨災害により思いもかけないことが起きました(何だかフロジェクトX系になってきましたね)。民宿のすぐ下にはもともと下流の本名ダムによりせき止められた只見川がたっぷりと水を湛えていたわけですが、ダムが湛水ゲートを開けた結果(ついでにいえば躯体に不安ありということもあり今も再湛水が出来なくなってます)、かつての只見川の川床が60年(あ、今年で61年か)ぶりに顔を出した結果‥

そうともなれば温泉ファンが多く集う場所になるのは当然の助動詞で、わたしも昨年の秋におじゃましました(その時のページはこちら)。でもそれ以外にも、2005年の春以降実は拙サイトにアップしていない(実は中だるみの時期もありましたんで)季節限定風呂の訪問は複数回に及び、でも民宿のご主人と直接会話を交わした記憶は全然なかったのです(たまたまいつも女将さんが応対して下さってました)。

で、昨年(2011年)10月に訪問したときも残念ながらご主人はお留守。「いったいいつお会いできるんだぁ!」という流れでしたが、2012GWにまさに「ほんのちょっとだけ」お話しをさせていただきました。そして夏の北アルプスは黒部ど真ん中の仙人温泉小屋宿泊(それが何なの?という方はこちらのページをお読み下さい)。というわけで、こちらの民宿さんには思いきり直接間接的にお世話になりまくりというわけなのです。

あ、そんなわけで今回はもちろん宿泊の問い合わせをしましたよ。しかし、

温泉ファンはすごいですからねー。そういえばGWにおじゃましたときには、たぶん20分くらいしかいなかったと思いますが、2011のNHKBSの収録時に初めてお会いした某氏が北陸のお米持参でいきなり登場なさってびっくらこきましたっけ。

さて回顧録が度を過ぎる長さになってしまったので当日のお話に戻りましょう。リビングでコーヒーなどをいただきつつ黒部の仙人氏関係ほかのお話をしていてしばし。ご主人が「お、雨が小降りになってきたよ、今なら河原の湯を楽しめるかも」とひと言。窓の外を見ると‥なるほど!

というわけでいざ1年ぶりに河原の湯へと向かいます!



民宿の1階部分まで水に浸たした濁流はすぐ脇の斜面をも浸食。そしてダム機能喪失の今は「放水されなければ」ご覧の通り。

砂ベースの坂を下り、岩盤むき出しの川沿い旧共同湯へのコンクリ歩道(これも61年前まで現役だったもの)を歩いていくと‥



何がスゴイって、別に土嚢の量ではありません(そりゃそうだ)。上画像にマウスオンすると2011年10月訪問時の画像に変わりますが、ええっと「絵的には2011!」という人は横に置いといて(苦笑)、一番大きく感じたのは湯量と湯温!聞いたところによると「源泉口を試行錯誤でテクマクマヤコンしたら、あーれ怒涛の湧出がっ!」ということのようなのです。

左上画像にはなぜか全然写っていないのが悔しいのですが、両湯船の底からはそれぞれポコポコと常に気泡が上がっています。そして右上画像の湯口から流し込まれる湯を口に含むと、体感推定40度はある湯ながら炭酸がはっきりと感知できます!先ほど入ってきた玉梨の湯も炭酸を感じましたがあっちとはそのレベルがちがーう!

そして、源泉の湧出量が去年とは格段に違います!右上画像を見てもらうとわかりますが、本来の源泉投入口よはるかに左側部分が「暴れている=溢れ出ている」のがおわかりでしょう。先人各氏の奮闘努力により、この1年で河原の湯は(途中の半人為的洪水による掘り出し作業を含め)はるかに快適方面にシフト&パワーアップしていたのです!



そんなわけで大満足のお風呂なのです。浴槽底からのプクプクがまた嬉し(笑)。



おしんこどんも湯っくり浸かってました。山側の湯船はやっぱりちょっとぬるいのですが、それだからこそ永遠に浸かれる気がする(笑)。

河原の湯2012秋はこんな感じ



そんなわけで名残惜しいのですが最後に上からパシャッとね。

一方で、河原の湯から遠望できる只見線の鉄橋はまだ全く復旧していませんでした。というか、復旧工事の見込みすら立っていないというべきなのでしょう。同じ場所に再び橋を架けても、2011豪雨レベルの雨が降れば再び落橋してしまう可能性があるわけですから。しかし、そこを何とか‥ならないものでしょうか。このまま廃線というのはあまりにも考えたくない流れなのです。

さてそんなわけでしみじみしながら再び坂を上り始めたわけでありますが、実はこの段階でわれわれは「ある緊急事態」に陥っておりました。それは‥

という厳然たる事実であります!今回は1泊ということで普通なら当然充電器を持参するところですが今回はしっかり忘れました。でも、デジカメのケースの中には常に予備電池を入れてありますから大丈夫かなと思っていたのであります。

この日、SLの撮影前に残量低下の警告表示がつきましたので「では交換しとこっと」と思い、バッテリーを変えてみたところ、何とビックリ玉手箱、底抜け脱線転覆ゲームの満貫倍満役満系の事態が待っていたのです!

しまった、しばらくチェックしていなかったけれど予備の方も使ったあとに再チャージしてなかったんだということがここで判明(唖然)。実のところ、右上の画像撮影を最後にわれらがデジカメはうんともすんとも動かなくなりました。でもまぁ河原の湯の画像&動画は普通に撮れたからいいかというのがその時の思いだったのであります。しかーししかし!

会津川口駅まで戻り、さらにR252を柳津方面に進んでいくと、何やらただならぬ状況になっていました。沿道の駐車可能スペースには怒涛の駐車車両、そして人、人、人。どうやら、先ほど見たSL奥会津号がまもなく発車するようなのです。

うーん、走行動画を何とか撮れないかと、バッテリーを取り出して手で暖めたり、振ってみたりしましたが、パワーは戻りません(空しい努力)。それならばというわけでガラパゴス携帯を取り出してこっちで撮るかという次善の策を選択。しかし撮影モードに切り替えたところ‥

うっそぉこっちもかいっ!(大苦笑)。ちなみにもちろんのことケータイの充電器も忘れてきたことは言うまでもありません(ショーモナイネ)。

そんなわけで、R252が只見線をまたぐ跨線橋の真上という特等席に陣取りつつ、おしんこどんと「こうなったら仕方がない、SLの勇姿をわれわれの脳裏に焼き付けよう」と誓い合ったのでありました(笑)。今の石炭は煤煙が少ない良質のものを使っているということでしたがなるほど確かにほとんどケムリ臭くなかったなぁ。でもなぁ、やっぱり動画で撮りたかったぞ(無念)。

このあと、金山町のイベント「ごっつおまつり」にも寄り道してリンゴ3袋買い出し&新蕎麦ぱくぱく行動にも出たのでありますが、このあたりについても画像は一切ありません。あーくそ残念。

悔しかったので、ごっつおまつり会場から千葉のわが家まではたった1回休憩しただけで一気に帰ってきました(あんまり関係ないですが)。東北道は予想通り怒涛の渋滞、磐越−常磐道経由で大正解でした。ふぅ。
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