− 2015/10 その4 祝復活、駒の湯温泉!お風呂掃除もお手伝い♪ −



祝復活、駒の湯温泉!2015/10/1から日帰りの湯小屋が絶賛営業中です!(冬季休業、2015は11/3まで)。









そうなんです、本日最大のイベントはこちら駒の湯温泉さんの湯に浸からせていただくことでありました!日帰り入浴を開始してこの日で10日目(営業は9日目=水曜定休)、まだ出来たての湯小屋、9/30に営業許可が下りたばかりという湯に浸からせていただく日が早くもやってきたというわけなのです!

ただ当初の営業開始は9月中旬を考えておられたようです。しかし天候不良による工事の遅れや(工事担当の業者さんの会社まで被災したのだとか=関東東北豪雨)、ガス濃度関係による保健所の認可遅れ等が響きスタートが10/1に。冬季休業ゆえ再スタートの今年の営業はひと月と少し(11/3までの営業)となってしまったようなのですが、でもでもリスタートできたことを何よりも喜びたいではありませんか!

というわけでご主人と奥さまにご挨拶。しかしさすがに三連休の初日ゆえ混むタイミングでは相当の待ち時間が生じているようでした(男女浴槽とも同じ大きさですが最大4人までで「あとはお待ちいただく」という運用をなさっておりました)。



「見学のみ」の方々がマイクロバスで到着したりすると左上画像のようなことになります(勝手に湯小屋をのぞく不粋な人もいたので「スロープに『ここから先は入浴のお客さま以外の立ち入りをご遠慮下さい』という掲示をした方がいいのでは?」と提案しました。

ただそういう一見不粋な振る舞いをする方も、おそらくはかつての駒の湯温泉(宿)のことを知っておられる方が多いのではないかなぁと。湯守たる菅原さんご夫妻もおっしゃっていましたが、「足湯を始めてから、『被災以前はちょくちょく来ていたんですよ』という方が多く訪ねてこられました」ということでしたし、この日もこの翌日も、ご主人に「前と変わらないよ、いいお湯ですありがとう!」とおっしゃるお客さんを何人も拝見しましたし。

ちなみに今年(2015)はまだ仮営業で、休憩室も右上画像のような現場系ハウスをそのまま流用したものです。しかし来年以降はちゃんとした休憩室を備える工事を進めたいというのがご夫婦の思いだそうで。うん、駒の湯温泉、着実に歩み始めてます!

ただし、かの「岩手・宮城内陸地震」(2008/6/14)ではここ駒の湯温泉が土石流の被害に遭いました。自衛隊も出動しての救助作業が行われましたが全員を発見するまでには約1年を要し、結果として7名の尊い命が失われたのです。その意味で、ここは「鎮魂の場所」であり、また「亡くなられた方々を斎き祭るべき場所」でもあるのです。

それこそ「風化」、また「そもそも当時のことをよく覚えていない(or 知らない)」方もおられると思うので、是非是非2015/10に放映されたこちらの映像をご覧下さい(約25分)。自分も知らなかったことが多くありました(事実だけでなく心情的にも)。



そんなわけでほかのお客さんもほぼ帰ったタイミングで、「満を持しての駒の湯入浴タイム」です!





いや、でもここで正直に告白します。実はわたくし、被災前の駒の湯のお風呂には入ったことがありません(苦笑)。確か一度、駒の湯の駐車場まで来たことは間違いありません。しかし(確か今回と同じ秋の連休中だったこともあり)駐車場はほぼ満杯、それでも何とか車は駐められましたが、帳場周辺もかなり混雑しており、「こりゃ浴室内は芋の子を洗う状態だぞ」と予想されたことから入浴を断念したという経緯がありました。

その後、かの「岩手・宮城内陸地震」によりここ駒の湯さんが被災しても、自分にとってはある意味他人事の域を出ず「大変だろうけれど何とか頑張って復活してほしいなぁ」と思う程度の自分。しかもその理由が「駒の湯温泉に入りそびれていたから」というのですからあきれた話です(自虐)。

しかしそんな自分の無責任意識を変えるきっかけになったのがかの東日本大震災でありまして、震災後は「自分にできること」をしようと有形無形のお手伝いをいくつか始めました。現地作業のボランティアはできそうにもないので(距離的な問題&ギックリ持ちなので)、別の形でいろいろと。休みの日に現地を訪問して、自分の見たものを拙サイト内で紹介するというのも「現地に行かれない人に現状をわかってもらいたい」という思いからでした(それは同時に自分の旅行欲を満たすことにもなりましたし)。

現地のモノを買うことも復興がある程度進み始めた段階で積極的に行い、ご存じの通り5月下旬のTakemaオフキャンプでは2014、2015と「三陸の生牡蠣振る舞い(寸志制)」をしています(2016もやる予定です)。これも自分にできる復興のお手伝いの一環のつもりです。

話を戻して駒の湯温泉です。2014/10、ちょうど1年前に被災後の初訪問(その時のページはこちら)。そこでこちらの菅原さんご夫婦からいろいろなお話を伺っているうちに、「これは‥何か自分にもお手伝いできるかもしれない」と考えたわけで、その打ち合わせと称して同年12月にも訪問(その時のページはこちら)。その後微力ながら間接的なお手伝いをさせていただくことに(ホントに微力ですが)。

そんなわけで、わずかながらでもお手伝いさせていただいた身としては今回の日帰り復活はあまりにも嬉しいことであり、是非早急に訪問をということでやって来たというわけです。

さて続いてお風呂レポ。浴槽は2-3人が適正のサイズで、連休中のこの日は「浴室に案内するのは最大4人まで」という運用でしたが、正直なところ4人だと「キレイに皆さん体育座り系で横並びすれば」という前提での入浴となります。まぁ「4人のうち1人は脱衣 or 着衣中」という前提なのだと思います。

また換気状態はとてつもなく良くて、源泉温度が低いということもありますが「浴室に入った瞬間押し寄せるムワ感」はほぼありません。上のビデオ内にもありましたが、この温泉施設オープンにこぎ着けるまでの最後の難関がガス濃度を如何に下げるかということであり、その苦心の普請は窓枠周りを見れば一目瞭然です(ここでは画像を載せませんが)。



湯口は、かつての駒の湯の浴室をご記憶の温泉ファンなら「うわー同じだ!」と感謝感激秀樹還暦するはずの風情あふれるもの。実は敷地内の巨倒木を利用したもので、何とこのサイズながら「幹ではなく枝部分の部材」なのだそうです。

で、男湯の湯口にはブナ、女湯にはミズナラを使用したそうなのですが、なぜか女湯湯口の切り口だけが一気に黒みを帯びてしまったのだとか(ご主人も理由はわからないそう@左上画像マウスオンで女湯画像に変わります)。そして何よりもこの怒涛の溢れ出しっ!小さな浴槽にこれだけの量の湯を常時投入というのですからこのオーバーフローはスゴイです。もちろんここに人が入ればさらに‥

さて続いてはお湯について。泉質は「含硫黄-カルシウム-硫酸塩泉(硫化水素型)」でありまして、泉源の場所は違うとはいえかつての駒の湯源泉と素性は変わりないそうです。浴室に入ると硫化水素系の「あのニオイ」がはっきりと感じ取れます(ただし換気がよいのでそれほど強いものではありません)。

源泉温度は現在約38度と少しといったところで、浴槽内温度は37.5度ほど。被災後再び湯が湧き出たときの湯温は30度台前半だったそうで、その後温度が上がったことが「湯小屋を復活させる」ことへの前向きな気持ちにつながったそうです。

さて入浴。まずは硫黄臭(正しくは「硫化水素臭」なのでしょうが、やっぱり「硫黄臭」のほうが響きとしてはいいので拙サイトではこっちで統一します)のトキメキに鼻をハフハフさせつつ、いざ湯船に浸かってみると、湯ざわりはツル系というよりはキシ系です(やっぱりカルシウム成分のせいなのでしょうか)。しかしそんな肌感覚よりも特記すべきなのが、源泉が体温に近いことによる「無感覚系の悦楽」ではないでしょうか。

体温より多少湯温が高いことにより入浴直後は「あったかい」ということは感じますが、しばらく入っているとその温度に肌感覚が慣れて「無感覚」に近い感じになっていきます。その間にも湯温が体の芯まで温めてくれるというわけです。そうして芯まで身体を温めれば(一部の温泉ファンの表現を借りれば「じっくり身体に硫黄を補給すれば」(笑))、仮に湯を上がった直後こそ温まった感はなくても、服を着て脱衣場の外に出てしばらくうろうろして、車に乗り込んで移動開始しても‥そのあと長らくポカポカ感が持続するというわけです!

ですから(ご夫妻もおっしゃっておられますが)、ここは「長湯でじっくりと」が大吉です。その意味では休祝日や大人数での訪問はできるだけ避けた方がいいかな。もとよりあつ湯ファンの人には不満が残るでしょうし烏の行水タイプの人にも向かないでしょう。ここはある意味「湯が人を選ぶ」温泉なのだと思います。つまり‥



そう考えると是非このまま加温浴槽なしで勝負をと思った次第です。いくつか思いつく源泉温度低めの温泉として、たとえば福島の微温湯温泉や新潟魚沼の駒の湯温泉(偶然の同一屋号)を思い出しますが、源泉温度は微温湯32度、魚沼駒の湯は33度と体温よりも明らかに低いため、それぞれ源泉浴槽の脇に加温浴槽を設置しています。

しかしこちら(栗駒駒の湯)では源泉ではなく浴槽湯口でも現状で体温以上の湯温があるわけで、それならこのまま加温せずの方が特色もあり、周辺施設との差異をはっきりさせることにもつながるわけです。このことは菅原さんご夫妻にもお話ししまして一定の賛同を得たような気がします。というわけで‥


(あ、将来さらに源泉温度が上がる日が来たらその時はその時でキャッチコピーが変わりますがご了承下さい)。



ところで男湯の湯口は時々「息継ぎ」(投入量が一定ではなく時々少なくなる)をします。その一方で女湯のほうではその「息継ぎ」がありません(なぜそれを知っているかについてはこのページの下の方でわかりますが)。さてそれはなぜでしょう?そのお答えについては現地でご主人に直接ということで。



さて2015/10の日帰り入浴施設オープンまで「駒の湯温泉」の名を繋ぎ止めてくれていたこの足湯ですが、今も現役です(こちらは無料)。対外的な駒の湯復興のすべてはここから始まったんですよね。

ちなみに「全身入浴施設」がオープンしたにもかかわらず、この足湯だけを利用して帰っていくグループは少なからずいました。それは「世の方々誰しもが必ずしも温泉を旅行の第一目的にしているわけではない」というごく当たり前の実情を反映しているわけですが、「でも足湯くらいならちょっと行ってみようか」という気まぐれを誘導しているということであれば、これからも駒の湯さんにとっては大きな存在になり得ます。栗駒耕英地区にはほかに足湯施設はないわけですし、足湯目的の人にちょっとしたおみやげを販売できれば売り上げアップにもつながるでしょうし。

このあとは本日の営業終了というわけで、耕英地区某所にて今宵の一宿一飯を乞うことに。




(おしんこどんはこういうの大好きなのです)。

さて夕食宴会であーだこーだといろいろお話ししましたがここでは割愛します。でも4人でワイワイと、楽しかったなぁ。



さて翌朝は残念ながら小雨模様でありました。で、具だくさんお味噌汁付きの美味しくて適量の朝ごはんをいただいた上で再び駒の湯温泉へ出動です。そういえば今回のレンタカーはこんな感じでありまして、燃費は‥しまった計算もせずにレシート捨てちゃったので不明です。最近の車だからかなり高燃費なんだろうなぁ、うちのフォレスターももう12年乗ってるし(距離は168,000kmくらい)、そろそろ買い換えかなぁ(「まだまだだっ!」とおっしゃる方々、まぁそう言わずに)。



営業準備スタートです。そしてTakemaにも「嬉しきお手伝いタイム」がやってきました。それは‥





湯口が黒くなっているのが女湯の証明(笑)。

いや別に、清掃場所が女湯だからってわけじゃないですよ(笑)。かけ流し温泉浴槽&浴室の掃除なんてこれまでもちろんしたことがないので俄然やる気になったわけです(放置ポリバスの内部を掃除して湯を投入したりするのとはわけが違います(笑))。

床(たわし)、壁面(ワイパー)、そして湯を抜いての浴槽内清掃(たわし)、窓などの桟(さん)は布で拭き清めます。前日入ったときには気づかなかったことですが、黄色みを帯びた湯花が踏み込み段の下部にけっこうたまっていました。湯花の有無は人によって好みが分かれるところですが、掃除なのですから当然念を入れて流し出しました。そしてゴシゴシ。

慣れていないので男湯担当のご主人より時間はかかりましたが、一応丁寧に掃除させていただきました(あとでおしんこどんから「湯の堰き止め板が反対を向いていたみたいだよ」と聞かされましたが(汗))。

そうこうしているうちに営業時間前からすでにお客さんが到着し始めます。さすが連休中日というところですが、準備が整い次第(お湯が溜まり次第)営業開始です。ですから所謂「フライング入浴大いにあり得る」ですのでご注意を(笑)。



掃除後しばらくはいろいろやってくるお客さん(足湯のみ or 見学のみの方含む)の応対のお手伝いをしておりましたが、10:00にはTakemaの温泉師匠一行もやって来て賑やかになりました。しかし賑やかになるということは同時に「小さな湯小屋の満員御礼モードが続く」ことでもあり、「今何人入っているのか」の確認にも追われることとなりました。菅原さんご夫妻と「入浴中の人数把握」をいかに簡略化するか」というお話もしましたが、やっぱり一番簡単なのは「浴室方面土禁方式=スロープの手前で備え付けの男女別色違いサンダル等に履き替える」という感じなのかなぁと‥。

そうこうしているうちにご親族さんからの栗ごはん差し入れがあり、「たっぷりあるのでTakemaさんたちもどうぞ」といただいちゃうことに。そもそもご夫妻がわれわれ用の軽食も準備して下さっていたようで‥お気を遣わせてしまい申し訳ないです。

やがて雨は上がりましたが気温はそうも上がらず。お客さんの隙を突いて足湯(右上画像マウスオン=投入量スゴイ)も入浴も堪能させていただき、しっかと温まった上で14:00頃に温泉をあとにしました。



さてこのあとは「いつものパターン」です。ただしお宿がちょっと違うんですが。

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