2020/3 早春の南東北お出かけ編

-その4 牡鹿半島を回った上で女川経由志津川。田束山はイイ!-



海岸からこの距離で標高500mオーバーの田束山。絶景です。。

この日の泊まりは南三陸志津川なので、作並温泉からは高速を使えばすいすいっと2時間程度で到着しちゃうわけですが、そりゃ駄目です早すぎます(このままだと13:00に着いちゃうもん)。というわけで、ちょっと寄り道していくことに。

どこかなぁと思いましたが、一番興味のある離島航路(田代島・網地島方面や出島・江島方面)はさすがに便数の問題もありソッコーで断念。となれば‥牡鹿半島か!もう25年くらい前にバイクでコバルトラインを走って以来です。しかし何の下調べもないんですがねぇ(いつも通り)。

石巻に到着し、まずは「サン・ファン・バウティスタ号」の見学に行こうと考えました。おしんこどんは未訪問でしたし、Takemaに至っては2013に隣接施設で行われた「三陸オイスターフェスティバル」を訪問したのにもかかわらず(この時です)なぜか船の方には行かずお酒と海幸ぱくぱくのあとバスで石巻駅に戻っちゃったわけなのです。だから2人とも見学したことがない‥しかし、



まだこの時期は新型コロナの営業自粛もなく平常営業だったのですが(臨時休館になったのは訪問2週間後の4/10-)、定休日ばかりは仕方がありません。というわけで上から船を眺めただけでオシマイ。2021/3には展示終了で解体されるということなので、その前にもう一度訪問したいものです。

さてこのあとは県道2号線を南下して牡鹿半島へ。おっとしかし、お昼ごはん食べてなかった!まぁどこかにあるだろうと高をくくっていたのですが、いやこの道、山越えのワインディング路と津波にやられた浜沿い集落とを上がったり下がったりで、浜の集落は規模が小さくて飲食店がある感じでもないのです。

そうしているうちにも時刻は13:00を回り、こうなるとこの先の鮎川だって信用できないぞと思い始めたところで‥





「食事処 かんた」さん。基本はラーメン屋さんなのですが夜の居酒屋営業もやっておられるようです。震災後かなり早い時期から(2011/8?)大原浜近くでプレハブのお店を開き、復興関係の方々のお腹を満たしていたようで、この場所に移転してきたのはそんなに前でもないようです。

造りはプレハブですが中に入ってしまえばごくごく普通のお店。この日の夕食は海幸系が予想されたので、お昼ごはんはできればそれ系ではないものを食べたかったというわけで、ここでのラーメンは大正解でありました。



おしんこどんはシンプルに「ラーメン」(550円)、Takemaは「味噌バターラーメン」(750円)を注文(また画像はありませんが餃子1皿を注文して分け分け)。それぞれ美味しかったんですが、具だくさんの味噌ラーメン、バターは要らなかったかもしれません(ちょっとしつこくなってしまいました)。

というわけでお腹も安心したところでさらに進んで鮎川へ。この界隈は復興工事の真っ最中で、あちこちで道路の付け替え作業が行われておりました。数ヶ月前にデータを更新したTakema車のカーナビですが、すでにかなり変わっていましたしこれからもどんどん変わることでしょう。三陸地域の道路は本当に日々変わっていますから、仮に震災前データのままのナビでやってきたらどんなことになっていたことかと(じぇったいわけワカメのはず)。

まずは港へと向かいました。震災後鮎川に来るのは初めてですが‥





というか、このモニュメント自体が無事だったこと自体がちょっとびっくりだったわけですが。ただ、震源地からの津波直撃ではなかったこともあり(牡鹿半島が防御)、女川界隈に比べたら津波の規模は少し(相対的には)ましだったのかなと。ただしそれでも8.6mですから絶対的に無茶苦茶なのですが!



港にはいくつもの漁船、奥では漁網の手入れが行われていました。



そのすぐ上には、ホエールタウンおしかという複合施設がそれこそ出来たてという感じでオープンしておりました。網地島や田代島、また金華山行きの船の事務所もこの施設内にありますが‥全体としてちょっとオーバースペックかなと。ここまで大きなハコにする必要はなかったのではないかと思うのですが‥。

でも、「生ミンク鯨」の販売はいいですね!販売単位が「5kg or 3kg」というのも、観光客をまったく相手にしていなくて実にイイ!え??(まぁいいんですけれど)。



このあとは半島先端からぐるっと回って太平洋側へ。御番所公園展望台へとやってきました。ほぼ無人。すぐ向かいには金華山が見えていますが、



ええーっ!?聞けば、学生時代にこっちのほうに遠征に来て、大会?が終わった後にお遊びで何人かで島に渡って泊まったのだとか。宿泊は神社か何かの云々ということだったというので、ほぼ間違いなくこちらでしょうかね。



それにしても‥この人道橋は本当に必要だったのか?



というわけで女川へ。この当時新型コロナの緊迫度はさほどでもなく、写り込まないように撮影しましたが子どもたちがワイワイとはしゃいでいました。そもそも平日の午後ですからね。あがいんステーションでちょこっと買い物をして次へ進もうとしたのですが、旧女川交番周辺の整備が完了していたようなので見学することに。



実に立派に整備されておりました。何だか神戸の「慰霊と復興のモニュメント(東遊園地内)」を思い出してしまいました。周回路に小屋根でもあればとも思いましたが、それではあまりに造り込みすぎになってしまうからこのくらいのほうがいいのかな。

それにしても、今こうしてみると大きな建物に見えますが、以前は周囲にもっと大きな被災建物があったのですよね。江島共済会館とか‥



2014/7訪問時(この時)に撮影した江島共済会館。鉄骨4階建ての建物が倒壊しています。

この建物はその後2015/1までに解体され、この場所はすでにかさ上げが完了しています。駅周辺の商業施設も営業を再開し、女川の復興はそのスピードやユニークな手法も含めて「復興事業成功例」として全国各地から多くの視察者が訪れていたようです(実際、食堂などにも多くのネクタイ族の方々を見ることがありました)。

津波被災から来年で10年。今後の女川がどのように変化していくのか、時々ではありますが訪問し拝見していきたいなと思います。あー、久々にほやばくだんも食べたいぞ。



北上川を渡り、河口まで川と並走する快走路。ここも何度か道路の付け替え工事を行っていましたっけ。かさ上げもしたのでしょうが、あのような地震&津波が再来したら一刻も早く離れるべきエリアなのかと思います。近隣で起きた悲劇を繰り返さないためにも。



続いて志津川のさんさん商店街へ。仮設時代から数え切れないほど訪問していますが、平日の午後ということもあり閑散としていたのは仕方がないかな。なおもちろんわたしは観光客なのですが、この商店街で「観光客がまずめったに買わない」ものを購入したことがあります。それは「お念珠(数珠)」。

昨年(2019/3)、商店街を歩いていたらたまたま仏具屋さん(山形屋さん)が目に入り、「そういえばお念珠をどこかにしまい込んだのか見つからないままだ」ということを思い出し、そこそこのお値段のものを購入したんでしたっけ(この時です)。

さて本日の夕食にはまだ早いですし、そもそもこの日の夕食はこの近隣の「食事処 松原」さんでということが決定しているわけで、今回はコンビニだけ利用させていただきました。

なお商店街と川を挟んだ対岸には「震災復興祈念公園」がオープンしていますが(旧防災対策庁舎含む)、2020/秋頃には右上画像の橋が完成し、商店街からダイレクトに公園にアクセスできるようになるようです。

本当にどんどん変わっていきます南三陸町志津川地区。震災後最初に訪問したのは2011/8でしたが(この時です)、あの時はもう何というか「唖然」としか言葉がなかった。そして2014夏あたり(この時です)からしばしばさんさん商店街を訪問するようになったわけでした。女川同様、ここ南三陸にもおじゃまし続けることと決めています。



さてこのあとは本日のお宿へ。2年前(2018/3)と同じく下道荘(したみちそう)さんに投宿です。こちらの民宿、本業が漁師さんということで夕食がかなり豪華らしいのですが、いかんせんこの日の夕食は松原さん‥あ、そうか、こちらに2食付きで泊まり、松原さんには「昼酒上等!」ということにすればいいわけか。BRTで訪問したこともありますから(この時)それもありだなと。



なお、前回とはお風呂の場所が変わっていました。広くなった展望風呂!



さて、夕方になる頃松原さんへ移動です。歩くつもりだったんですが、何と奥さまから電話をいただき、迎えにきて下さることに!実は夜訪問の際はいつも宿まで送っていただいていたのですが(感謝)、今回はまさかまさかの往復送迎に甘えてしまいました(申しわけありません)。

この時期(2020/3)はまだ新型コロナの緊急事態宣言発令前でしたので(正しくは発令の14日前)われわれもこの旅行に出かけたわけですが、奥さまからお話を伺うと「やはり自粛による影響は多大」だとのことでした。

年度末時期ゆえの送迎会はみなキャンセルとなり、お店にやってくるお客さんの数もぐっと減少しているとのこと。確かに、この日われわれは長居していたにもかかわらず、夜の部のお客さんは数組(ひと桁)だけでした。2018/3におじゃました際にはちょうど送迎会が入っていてメインホールは満席だったことを思い出します(幸い個室があるので邪魔をせずにすみましたが)。あの規模の宴会がみなキャンセルとなると痛手はいかばかりかと‥。





と、ご主人から「今回はこちらで料理を準備しましたので」とのお話が。ええっ、それってもしかして「海鮮三昧コース料理」ってことですか?(激嬉)。






お酒もクイクイ進みます。奥さまとのお話もいろいろと進みます(笑)。ただしプライバシーの関係を大いに含むので内容は残念ながら伏せさせていただきます。ボールゲームとか(大笑)。

これまでにもいろいろと地域のこと、家庭のことなどお話を伺ってきましたが、今回は(コロナ禍のことを除けば)明るい話題も多くて何よりでした。願わくはこのコロナ禍が早く沈静化し、松原さんやさんさん商店街さん、ハマーレ歌津さん、そして南三陸町全体多くの人が再び集い、楽しめる日がやってきますように!

お会計を済ませ(安っ!)、奥さま運転の送迎車で下道荘へと戻りました。いつもいつもすみません。またおじゃまします!

なお時勢柄の話ですが、このあと民宿下道荘さんは「4/7-5/31」まで臨時休業、同じく食事処 松原さんは「4/17-5/6」まで休業に入ったとのことです。このページをタイプしている時点での情報(5/9現在)とのことですから、松原さんは営業を再開なさったのかな。それとて書き入れ時のGWを全ロストなさったわけで‥(以前奥さまから「GWには来ないほうがいいですよ、もう人、人、人ですから」と伺いました。そういえば仮設商店街時代のGWにおじゃました際は、確か開店の1時間近く前に到着しておいたことを思い出しました)。



明けて翌朝、いいお天気です。この日は駒の湯温泉に向かいますが、時間的に余裕ありというわけでちょっとのんびりスタート。



まずは志津川湾に浮かぶ荒島へ。神社の鳥居も再建されました(左上画像は2018/3のもの)。

ただし今回は頂上部の神社にはお詣りせずこちらで手を合わせただけですみません。さて続いては1区間だけ三陸道を利用して歌津へ。そこから山の中に入り‥



田束(たつがね)山へと上っていきます。太平洋や志津川湾がよく見えます。

ちなみにこちらはツツジの名所だそうで、5月中旬には綺麗に咲き誇るそうですが、リタイアしてからじゃないとその時期に来るのは難しいなぁ。というかそういう「時期を選ぶ」場所が幾つもあるので、今のうちにリストアップしておこうか(笑)。

で、ここに来たのは3回目なのですが今回が一番いい天気。山頂(標高512m)に続く道があるというので(気づいていなかった)上がっていきましょう。おおっ!





この日は風も穏やかで(荒島のほうがはるかに強風でした)、お弁当持参でのんびりするのにも最高でした(何も持参していませんでしたが)。まぁまだ全然お腹も減っていなかったし。

やや古め線形のワインディング路が続くとはいえ頂上直下まで全線2車線路ですし、駐車場もいくつかあって広いし(駐車スペースは100台分あるらしい)、是非ここはお天気のいい日なら(ツツジの時期じゃなくても)上がってくることをお勧めします。最終駐車場からなら息が切れ汗が出る前に到着できますから(真夏はともかく)。



山頂手前には11の塚があり、奥州藤原氏(特に藤原秀衡)との関連があるようです。信仰の山だったんですね。そして木の間越しに西を見てみると雪をかぶった山々が。



真西に見えていたのでたぶん間違いはなさそうです。ではいざ!‥とその前に、もう少し北上させて下さい(笑)。



ところで山頂下駐車場にあるトイレはまだ冬期閉鎖中でしたが、この時点で2人とも「トイレを求めて三千里(小用)」モードになりつつありました。しかしTakemaは目にしていたのです。



というわけで下りがてらにピットイン。大きなダムではないので管理員常駐ではないようでしたが、トイレはしっかり開放されており(綺麗)、事なきを得ました。せっかくなのでダム見学をば。



小さなダムですがまだ新しく(2012竣工)、洪水調節及び上水道用に設置されたようです。

このあとは少し休もうかということでハマーレ歌津へ。コーヒータイムもいいかなと思ったのですが、コーヒーのテイクアウト店はあっても、ちょっと座って休憩する専用スペースがないのが残念。さんさん商店街のように共有のレストスペースを設けてもいいんじゃないですかね。こちらは地域密着度が高い店が多いですが、それこそ買い物に来た住民同士が「ちょっと座って世間話」という場所があってもいいような気がします。こぢんまりとした屋根掛けでいいのでねぇ。

というわけでこの続きは次のページにて。

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