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その1 まずは文明の利器を利用して楽々小沢平へ −



朝一番で千葉を出発すれば、そこそこ歩いた上でも尾瀬北部の山小屋入りできちゃうんだから今はすごいよなぁ。

(2017年6月15・16日)

さて今年度は金曜日がお休みのTakemaなのです。となれば前日の木曜日にお休みすれば「あこがれの平日連休」となるわけで、しっかり取得した連休でどこに行くかとバカの考え休むに似たり系の熟慮黙考を行った結果、「水芭蕉の時期の尾瀬」に行ってみることにしました。超有名な場所&ハイシーズンとなるためこれまでこの時期に行ったことはほとんどなかったのですが(尾瀬には少年時代を含めこれまで7-8回行ってます)、繁忙期とはいえ平日ならそこそこ空いているんじゃないかというのが狙いです。混む土日は絶対行きたくないもんヤダモン。

また、せっかくなのでこれまで歩いたことのないルートを歩いてみようと考えた結果、ちょっと変わったコース取りとなりました(そのため特に初日はいろいろ大変でしたが)。さらに「某所の探索」まで付け加えてみたわけですし、二日目には「野性の勘」がズバリ象印賞的に的中しいい思いをすることができました。さてそんなわけでいってみましょう!ちなみに今回おしんこどんは同行せずTakemaソロでの行動です。



まずは上越新幹線の始発(6:08発新潟行き)に乗るべく早起きして東京駅へ。Takemaの自宅最寄り駅は総武線の本八幡なのですが、やっぱり総武線は朝早くから走っていて便利、結婚当初住んでいた市川大野(武蔵野線)の時は結構大変で、タクシーを予約して総武線の駅まで出たこともあったような記憶があります。

東京駅にて朝ごはんのお弁当を購入。たっかいんですけれどねぇ、そりゃ安く上げるならコンビニや地元の西友(駅近くの24時間営業店)で買えばいいんですが、やっぱりこれが旅の醍醐味ってことで(右上画像マウスオン)。岩手は一関の駅弁「平泉うにごはん」ですが(なぜ内陸の平泉でウニなのかはこの際不問)、この時間にあるってことは前日の最終便で搬入したのか、それとも東京にも工場があってこっちで製造しているのでしょうか?調製日と時間を見ておけばよかった。あ、ビールはご愛敬、この日歩き出すのは10:30頃ですからね。なお指定席を予約していましたが、大宮では自由席車両に長蛇の列が=ほとんどビジネスマン。結局指定席の着席率は50%くらいでありました。皆さんお仕事ご苦労様です(心にもない発言ゴメンナサイ)。



さて、上越新幹線における「尾瀬の玄関口」たる上毛高原駅をあっさり通過し、越後国に入った先の浦佐駅で列車を降りました。今回はこれまで歩いたことのないルートで尾瀬入りしたいというわけで、魚沼=奥只見側からのアプローチを考えたわけです。

ちなみに気をつけなければいけないのが、このルートでの交通機関は要事前予約ということ。右上画像の「浦佐駅−奥只見ダム」は路線バスなので予約不要ですが、そこから先の「船」、そして「バス」は1週間前までに観光協会経由で予約をしておく必要があります。つまり直前に「そうだ、天気がよさそうなので(このルートで)尾瀬に行こう」と思い立っても基本的には駄目だというわけです(当日に空きがある場合何とかなるような気はしますが、リスクは間違いなくあります)。

なお浦佐駅で下車した数少ないお客の中で登山の格好をした人はいないようでした。10数分の余裕があるのでホームにあった喫煙所(左上画像の左側に見えている部屋)で最後の一服。あ、売店で500mLのお茶ペットボトルを購入しましたっけ。

でバス乗り場までやってきたところ、あれま先客さんがどなたもおられません!思わず「もしかして今日は運行日じゃないのか?」(そうなると当然全ての予定がリセット)と不安になり時刻表を見ると‥(右上画像マウスオン)、うん、運行日は「期間内の毎日」ですから間違いなく運行するはずです(安堵)。



到着したバスは外見こそ普通の路線バス車両でしたが、車内の片側は全席2列シートであり「なるほど、『特急』だけあるな」という感じでしたが、13:40発のバスは『急行』なんですよね。同じ仕様のバスなんでしょうか?(多分そうでしょう)。

ちなみに浦佐駅から奥只見ダムまでは1時間15分ほどかかるのですが‥



うーん大丈夫なのか南越後観光バス?せめて銀山平にも立ち寄る運行路線にしたほうが少しでもお客を拾えるんじゃないのか?(大湯温泉には往復して立ち寄っているわけだし)。何だか心配になってしまいます。そのうち「土日祝日運行」になってしまいそうな予感が‥。



でもね、どうやら地元魚沼市も「尾瀬へのルートとして」力を入れているようです。左上画像の緑色の幟には「尾瀬国立公園 魚沼から行く尾瀬!!」(オッタマゲーションマークが2つ!)とありました。なるほど地元関係団体がその姿勢であれば(しばらくは)大丈夫かと安堵したと同時に、「それなら今日歩くルートの整備も大丈夫だよな」とちょっと安心した次第です(この時点で、この日歩く登山道は最初から最後まで「福島県内」であることを完全に失念しておりました(苦笑))。

さて奥只見ダムへ向かう旧シルバーラインへ(現県道50号線)と入ります。現在は無料ですが以前は有料道路だったんですよね。でも大湯温泉側の料金所ブースを撤去しないで残しているのはなぜなんだろう?無料化は1977年ですよ?あ、完全通行止め用の「ゲート」として残してあるのかな?

ちなみにこの旧シルバーライン、バイク乗りにとっては鬼門というか禁断の悩ましい区間です。





左上画像をご覧になればわかるとおり、トンネル内は狭く大型車同士のすれ違いは場所によっては難しかったりします。またトンネル内にはかなりの湧水がありトンネル内の路面はほとんどの場合濡れているといっても過言ではないでしょう。でも‥



ずいぶん前のことになります。ただしこの時も、進入前の会津側御池で「小出方面に抜けられますか?」と係員さんに確認したところ「大丈夫ですよ、ただし枝折峠経由でお願いします。シルバーラインは二輪不可なので。」との言質をいただいた上で銀山平まで来てみたら、そこで初めて「枝折峠は工事のため臨時通行止め」の情報掲示を発見しちゃったわけです。うそだろ!でも日帰りツーリングではるばる銀山平まで来て、再び檜枝岐経由で西那須野塩原ICまで戻れって‥あまりに酷な話です。

そんなわけで、同じく途方に暮れていたライダーさんと衆議一決し「怒られたらその時はその時だ」というわけで無理矢理通り抜けたというわけです。県が違うとはいえ、工事通行止めなどの道路情報はもっと手前(出来れば御池)にて知らせてくれよなと強く思ったことを覚えています。現在はどうなのかなと思いますが、もし当時と同じお知らせスタイルだとしたら‥頼みますよ関係各局!



さて貸し切りモードのまま奥只見ダムまでやって来ちゃいました。ということは、ここから乗り込む尾瀬口行きの船便も自分だけか?‥などという期待?は、すでに左上画像の駐車場に着いたときから打ち砕かれておりました。というのも‥



ええっと、正しくは「基本リタイア世代の団体グループ」(カタカナを直訳すると「部活観光」が主催するツアー)と、小学生の団体グループ*2で、トータルだと80人くらいいたんじゃないかな?結構びっくりしたと同時に「うわ、今回歩くルートは人が少ないだろうと思っていたのに、どうやら賑やかな山道になりそうだな」と思ったわけでした(大いなる勘違い)。



坂道を上がってダムサイトまで上がり、その先にある遊覧船&渡船乗り場へ。ここで名前を伝えてチケットを購入です。「バスを小沢平で下ります」と伝えると、バスのチケットは尾瀬口のバス乗り場で直接買ってくださいと言われましたんでハイハイと。

右上画像の浮き中央桟橋に停まっている右側の船が尾瀬口行きの渡船。結構大きな船です、そりゃそうだ、100人近くを一気に運ぶわけですからね(定員は150人くらいだったみたい)。ちなみに桟橋周辺には小さいとはいえ魚が群れてました(右上画像マウスオン)。

部活観光の方々は主に前方の船室に入り、自分は小学生の団体*2と一緒に後部の開放デッキで出発を待つことに。ちなみにそれぞれの団体は全く別のようで、子どもたちはそれぞれお互いに遠慮していたのか最初は静かでしたが、やっぱり仲良くなるのは早いね、途中から一緒に写真を撮ったりしていましたから。

と、出航時間近くになったところで向こうから「なかなかとてつもない船」がやってきましたよ。





いや、何だか背景の山々が険しいこともあり「ここはミルフォードサウンド in NZか?」と思ってしまいましたよ(参考ページはこちら)。ちなみに銀山平から回送で到着したようで、どなたも乗っていませんでした(定員は何と300人らしい)。ゴージャスランチご飯を積めばものすごくツアー客に流行ると思うんですけれど!

このファンタジア号の着岸を待って出発です。湖ゆえで波で揺れることもなく、子どもたちはおおー!と喜んでいます。いいなぁこういうのも。いつかとかとかラクダとかにも乗ってみて下さいね。あ、トナカイは乗るとなかなか大変かも。なおオジサンTakemaは、いつかダチョウに乗りたいという野望を持ってますよ(何のこっちゃ)。



さて出航してしまえばネット接続も無理だろうなと思いきや、しばらくは強い電波状態が続きました。何でだろうなと思ったのですが、おそらく奥只見丸山スキー場がある関係で近隣の高い位置に基地局があるのでしょう。



船でしか行かれない十二山神社(左上画像)、子どもたちは景色に興味津々です。いい経験してるねぇ。



それにしてもこのあたりの山は思いきり削り取られた急峻な地形をしています。というか、右上画像などは間違いなく周氷河地形なんじゃないでしょうか?奥只見恐るべしです。観光周遊船でもいいから乗る価値があるなと思いました(何も知らなくてもなかなかゴーカイですから)。

そして船がさらに進んでいくと‥





この燧ヶ岳をして「東北の最高峰」と称するのはどうかと思います(最高峰である柴安ー(しばやすぐら)の標高は2,356mですが、あまりに関東との境界に近すぎます=群馬県境までほんの3kmほど&直近の日光白根山は2,578mですから)。それはともかくとしてとても立派な山容です。船内ガイド放送にもありましたが、確かにこちら北側からの燧ヶ岳は格好イイゾ。



ところどころに釣りのボートがいるのを眺めつつ、いよいよ終点の尾瀬口浮き桟橋が見えてきました。小学生団体に付き添う先生だかガイドさんは、「はい皆さん、これからバスの駐車場まで階段を登ります。ただ、湖の水量によって階段の数が変わります。わたしが前回来た時に数えたら130段ありました。今回は何段あるか、ぜひ数えてくださいねー」とおっしゃると同時に‥



と、このお言葉を耳にした瞬間、「あ、この子たちは小沢平から尾瀬に向かうんじゃないんだ」と確信。まぁ考えてみればこのバスは御池を経由して沼山峠まで行きますから、たぶんこの子たちはこの日御池でキャンプなんだろうなと。そんなわけでこの時点では小沢平ルートの何たるかを全くわかっていないTakemaでありました(うふふ)。



さて階段の段数は数えませんでしたが(一生懸命数えながら上がっていた子どもたちに聞けばよかった=たぶん喜んで教えてくれたはずなのに)、とにかくバス停へ。行き先表示が出ていない、ある意味特別運行のバスです(要予約です念のため)。部活観光の方々はお隣のバスへというわけで、こちらは小学生とその引率者‥ん?それ以外の個人客はいたのかいなかったのか?

自分だけが小沢平までの運賃640円を支払い、さて出発してしばし。



小沢平到着です。もうこの時点では予想していたことですがここで下りたのは自分だけ。この日の行程は賑やかどころか完全にソロですね。でも他県ナンバーの車も停まっていたしまぁいいかと(この時点では実に楽観的)。

タバコを一服した上でさて出発です。お天気もいいしぬかるみもひどくなさそう、今日の目的地である赤田代まで靴を濡らさずに行かれるかな?(うふふ)という気分でありました‥が!(以下次ページ)。

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