- その2 ツルヌル湯タンノーの翌日は川内村経由で富岡町廃炉資料館、Jヴィレッジ。 -



今回宿泊の最大目的はこれ!何と谷地温泉の源泉をかけ流し(加温)で楽しめる陶器風呂♪

(2018年12月1日-2日 その2)

さてそんなわけで田村屋さんにチェックイン完了。お部屋は前回よりも多少小さいとはいえ二間続きの新館VIPルーム、そして、こちらのお部屋だけに備え付けられているのが上の陶器風呂というわけです!この陶器風呂の日帰り入浴プランはなく、この部屋指定で予約宿泊しないと入れません!というわけでちょっとだけ奮発してあえてこちらのお部屋を!と考えたわけです。



さてさて、まずはTakemaがお先にいってみましょう。



陶器の壺風呂なので大きさは推して知るべしですが、やはり浸かると怒涛の溢れ出しが嬉しいです!ちなみにその溢れ出し量を想定して脱衣場とはそこそこの段差が設けられています(そりゃそうだ)。湯口をひねると適温湯が投入されますがこれが加温のみのかけ流しツルヌル湯というわけです。いやぁ良いなぁ♪

なおこの陶器風呂には一般的な追いだき(保温)機能も付いており、オンにしておけば湯が冷えることもありません。まぁ時間の経過により湯は劣化するはずですが、結局今回は減った湯を補充しつつ4回入浴しましたっけ。もちろん塩素臭とは無縁です。



風呂を上がったTakemaが夕食前ビールをお願いすると、ご主人が「冷蔵庫内に瓶ビールが入ってますよ」と教えて下さいましたが、そのあとあらためて「生ビールもありますがどうしましょうか?」とおっしゃって下さいました。というわけで生 de GO!そうしたらおしんこどん、「風呂で生」画像を撮ってくれというので撮りましたよハイ(笑)。



このあとしばらくのんびりしてからいつもの大浴場で身体洗い入浴です。広い方がいいもんね。

さぁって夕食!そこそこのお店やお宿でやっている「地酒飲み比べ3種」を頼んだわけですが‥





いやぁこれは嬉しかったです!まさか「6種のお酒」を試せるとは!なお自分とおしんこどんとはお酒の嗜好がそこそこ違いますんで、このあとそれぞれの好みのお酒に分け分けしていただきました。




お料理、もちろんこれで全てではありません!まだまだ大物が、‥しかし食べるのに夢中で撮り忘れました(苦笑)。お腹いっぱいで釜飯を残さざるを得なかったTakema、そして完食したがその結果としていつものように速攻で睡魔ダウンのおしんこどんでありました(いつものこと)。

このあとはもう一度陶器風呂に浸かり就寝。静かな場所にあるお宿ですし、泊まりも2度目なので勝手もわかっていてのんびりできました。そうそう、こういうのんびり感が大切なんですよ。新規湯とかだとがっついちゃうので実は落ち着いていられなかったりして(苦笑)。



明けて翌朝。朝ごはんはゆっくり目でお願いしたのでごはん前にちょこっとお散歩。谷地温泉で初めておじゃましたのは左上画像の石川屋さんでしたが(その時のページはこちら)、まだ復興業務に従事する作業員さんの宿舎となっているそうです。

いっぽうで、近隣にある久之浜温泉たきた館さんは息子さんが戻り、一般客の受け入れを念頭に準備し始めたという話を田村屋さん若旦那から伺い「おお!」という感じです。でも、かつてわれわれが泊まったときにイノシシ飼育の小屋などを見せて下さった先代のご主人が亡くなっていたということを知り、時の流れをしみじみ実感。そうだよな、自分たちがたきた館さんに泊まってからもう10年だもんねぇ(その時のページはこちら=2008年)。



朝ごはんは適量なので問題なく完食(牛乳だけお持ち帰り)。さすが温暖ないわき、12月に入ったというのにお宿裏山の木々は今が紅葉の盛りでありました。ありがとうございました、またおじゃまします!

このあとは勘違いでいわき市中心部に向かったりもしましたが途中で気づいて方向転換。再び内陸に入って北上です。



途中白鳥が川で寛いでいました。右上画像の柿は収穫されないままで終わるのかな?

最初R399を北上しましたが、ナビが「道路情報によりルートを変更しました」というのを無視して走っていたら「この先通り抜け不可」というあまり目立たない掲示があり、どうなの?と思いましたが、まぁしょうがないかと来た道を戻り、一つ西側の県道287経由で川内村中心部を目指すことに。今考えれば地元の人に聞けばよかったなと。

ちなみに県道287に向かうまでの県道41号も細い道なんですが、夏井川渓谷沿いなのでここは走ったこともあり特に問題はなし。凍結したらヤバそうな道ですけれどね。



ちなみに両上画像の場所にはおしんこどんとともに2011/11にも来ており、まぁ見事に同じ場所で写真を撮影しておりました。両上画像マウスオンで2011画像に変わりますが、元画像のサイズが小さいのでちょっと荒れた画質になっていることはお許し下さい。しかしその時に比べ今回は滝の水量が少なくてびっくり。ちなみに当時のページはこちらですが、当時の掲示標語「よごすはかんたんもどすはたいへん」とはまさにその通りだよなとしみじみしたんですよね。もちろん現在進行形の話ではありますが。



磐越東線の線路を何度か渡り、「あ、この先に前に立ち寄った蕎麦屋があるはず!」と直感したらその通りだったというようなことにこっそり嬉しがりながら県道287の分岐へ。しかーししかし!


(右上画像はエグイ区間を通り抜けたあとで撮影したものです。)

「こりゃ川内村の役場近くまでこんな感じなのかなぁ」と覚悟しつつ先に進むと、どうやら阿武隈の高原エリアの縁まで上がったようでいきなり地形が穏やかになり、それに伴い道路も片側1車線ずつの立派なものになってびっくり。

このあとは順調に川内村の中心部を目指します。そしてやってきたのは‥




(右上画像拡大で看板画像拡大、なお発音は「アマゾン」ではなく「アメィゾン」です念のため。)



内部は広々、かなりの遊び心も感じる造作なのですが、訪問2回目にしてお客さんが少ない‥(まだお昼前でしたが)。



この界隈の帰還人数等を考えれば明らかにオーバーする席数ですし、これは自治体がそこそこの資本投下(補助金)をしているのかなと思います。いやそれはそれでやむを得ないとは思いますが。何よりもこの地にこれだけのカフェがあることこそびっくりだし、そしてあり続けて欲しいのです!(平日は役場の方々も利用されているのかなと)。



だってね、復興途中のここ川内村で「正社員募集」ってある意味すごいことですから!

まぁ待遇の詳細についてはわからないのでありますが、雇用があるということは何よりも大切なことです。早く採用が決まるといいですね。

ちなみにこちらではカレーメインで食事をとることもできます。お隣の席の方々が注文していたのをチラ見したところ、なかなか本格的でおいしそうでしたよ。自分たちもここで食べればよかったなぁとあとになって思いました。このあとは富岡町方面へと進むのですが、いかんせん食事をとれるところがまだかなり限られているエリアですからねぇ。ただこの時はまだお腹が減っていなかった!



そんなわけで阿武隈山地を下ってきて富岡町夜の森地区へ。いつも立ち寄るのは夜ノ森駅西側の桜並木なんです。ここに最初に来たのは2014/3この時です)。そのころ駅を挟んで西側のこちらは居住制限区域、駅の東側は帰還困難区域に指定されており、当時駅舎周辺の放射線量は6.46μSv/h(地上1m、以下同じ)となっていました。

現在西側の居住制限等避難指示は解除されていますが、東側は帰還困難区域のままです。駅舎付近の線量は1.03μSv/hにまで低減していますが、この低減がすべて自然減衰によるものかどうかはわかりません。現在夜ノ森駅は常磐線再開通に向けた工事が行われており、その関係により駅周辺で除染が行われた可能性もある気がします。

いっぽうで、夜の森地区内で一番線量値が高いのは新夜ノ森地区の2.33μSv/h(すべて富岡町測定)。一時の高線量値からは随分減衰しましたが、避難指示が解除された側が高くても0.3-0.4μSv/hであることを考えるとやはり高い数値です。

で、夜ノ森駅を俯瞰してみると‥




(右上画像マウスオンで、2014/10当時の富岡駅画像に変わります。該当ページはこちら

現在不通となっている富岡~浪江間は2020年3月を目途に再開通の予定だそうで、再び浜通りの鉄路がつながることになりますが、特急ひたちは相双地域までの直通運転は‥やっぱりないのかな?震災前から「東京-いわき」と「いわき-仙台」区間に分割して運行する流れだったし。でもなぁ‥(未練)。あ、でも案外「Jヴィレッジ」行き臨時特急とかが運行されそうな気もしてきた!(希望)。今調べてみたら新設「Jヴィレッジ」駅(2019/4開業予定)は10両編成列車が停車できるホーム長&2面2線で建設されているらしいし。



このあとは桜並木を通って富岡町中心部へと向かいます。何度も通っている道ですが、実はまだ桜の時期に来たことがないんですよね。来春は何とかして訪問したいものです!日帰りだとそこそこ遠いんですが(往復約500km)、今の仕事のシフトだと土曜日出勤がデフォルトなので‥(ちなみにこの訪問時は土曜日がたまたま休めたので来られたわけです)。

そして中心部へ。実はこのお出かけ直前に耳にした情報があり、是非訪問したかった施設があります。その施設とは‥





この日は12/2でしたからまだオープン3日目、これは見ておきたいというわけで時間を取っていたわけです。



1Fそのものを見学することは基本的にできませんから(機会があれば見学したいですが)、こちらで少しでも現状について知りたいと思うわけです。

内部は一部に撮影禁止の展示もありますが、担当の方に伺ったところ、画像等の中に外部から借り出している(東電に画像等の著作権がない)ものがあり、それら一部(撮影禁止の掲示あり)以外は自由に撮影して構わないとのことでした。


最初にビデオを見てから館内を見学します。展示の詳細についてはここでは書きませんが、原発についてどのような思いを持っている方でも、一度は見学する意味があるように感じます。何しろ、類似の施設はほかに1つとしてないのですから‥。



富岡駅前のKINONEでちょっとお土産を買い込みR6へと向かいますが、あれ、道路が付け替わってます。この現道部分には駅前通りの家並みが並んでいたはずですが、もうその情景は自分の記憶の中にしか残っていません。残念ですが。

このあとは楢葉町に向かって南下します。途中、手持ちのマップル(2014年度版)に「破壊された堤防越しに福島第二原発を見る(ことができる)」と書かれた場所があったので寄り道してみることに。



手前には「楢葉町仮設焼却施設」がありました。放射性廃棄物の減容化施設じゃない?帰宅後調べてみたら除染で出た可燃性廃棄物「も」扱う施設で(そのほか解体家屋の災害廃棄物、片付けで出たごみも扱うが一般ごみは扱っていない模様)、見にくいですが左上画像に「環境省」と大書されているとおり国の施設です。

この施設が稼働したのは2016年10月だそうで、その当時いわゆる「可燃性のがれきほか廃棄物」はフレコンバッグにしておよそ20万袋あったようで、それをここで処理しているわけです。処理終了予定は2019年4月、その後は1年以内に更地に戻すのだとか。炉の火を落とすわけにもいかないからか建物内からは運転中であることを示す「ゴー」という音が聞こえていましたが、もうこの姿を再び見ることはないだろうなぁ、好きこのんでやって来ない限り(苦笑)。

さて肝心の「壊れた堤防越しに‥」の件ですが、ご覧のように堤防は当然のごとく改修というか新造されておりまして、でもまだ周辺工事が終了していないようで立ち入り禁止(たぶん)。残念、工事終了後の課題となりました(というわけでいつかの再訪決定)。

おっと気がつけばイカンぞお昼ごはんまだ食べてない!幸いまだ13時半頃、ランチ営業終了までに何とか間に合わせようと竜田駅すぐ近くに2018年8月に再開店した「武ちゃん食堂」を目指します!かくして時間的には間に合ったものの‥


(次回平日などに出直します!)

となるともう残るは震災後新たに復興拠点として整備された「笑(えみ)ふるタウンならは」の食堂街しか選択肢がありませんので、そちらへと向かいます。



とはいえこちらも日曜休業のお店が多く、結局ラーメン屋さんへ。お互いラーメンという感じではなかったので定食を注文しましたが、量が多くてびっくり。ゆえにそれぞれ食べきれないぶんをパックに詰めてもらい持ち帰ることに。お客さんの半分ちょいはソロの男性だったので、もしかしたら本日お休みの作業員の方々だったのかなと。それぞれのお仕事、よろしくお願いします!



続いて天神岬公園へ。何だか「入浴」という気が起きなかったので(混んでるはずだと思ったので)ビューポイント「みるーる天神」から広野火力発電所方面を眺めることにしました。うん、この案内板画像はとてもわかりやすい!あの日ここで何が起きたか、それをあまりにもわかりやすく見せてくれている画像が掲示されています。もちろん福島のみならず東日本太平洋岸を悲劇の場に変えた「悲しい画像」なのではありますが‥。ちなみにこのページの背景画像は左上画像の元画像です。このページの背景画像は左上画像を加工したものですが、解像度の関係で一部しか見えていない場合もあると思います。その場合はスミマセン。

ちなみにこの周辺には広場や遊具があり、それこそ小さなお子さん連れのご家族がたくさんおられ、「よくここまで戻ったなぁ」と個人的に思いました。2011/6、まだ広野町までしか入れなかった当時、地域に漂っていた悲壮感はもう感じられません。そういえば田村屋さんの若旦那さんも「おかげさまでお客さんも戻ってきてくれています」とおっしゃっていたっけ。



この日最後にやってきたのは「J-VILLAGE」。自分は2018/8末にやってきていますが(この時です)おしんこどんは今回初めてだし、それに自分も前回は「施設内におみやげ屋さんとかがあって自由に入退場できる」とは思っていなかったので、今回本館内に入ったのは初めてのことでした。ちなみに宿泊施設はサッカー関係者に限らず誰でも泊まれます(90室)。原発事故後急遽1Fに向かう拠点として機能したのはもはや昔の話、J-VILLAGEはほぼ本来の姿に戻っています!



やや暗くてナニですが、「駐車場」だったピッチは再び緑の芝に覆われました!









あらためて思うに、福島第一原発から絶妙な位置に(たまたまほぼ20kmエリア)このような大規模かつ整備された施設があったというのは本当に幸運だったのだろうと思います。原発事故後最初期においてここでさまざまな一元的管理(入退場者の管理や被曝線量調査など)ができたのは、ここにこれだけの施設があったからにほかなりません。

2019/4、J-VILLAGEは全ての再整備を終えてグランドオープンする予定だということです。サッカーのみならずラグビーほかさまざまな競技に対応しているそうで、これからが楽しみです。



建物を出ると、ロータリー中央の植え込みに「ルンバ」と同じような自動制御の刈り込み機が作業中でした。細かくあちこちを移動していますが何だかじれったい感じもします(笑)。でもバッテリーパワーがある限りはずっと動き続けるんだろうなと思うと何だか複雑な気分でもあります。それこそアヤシゲな近未来映画のようで‥。

このあとは一気に常磐道を南下して千葉の自宅まで。利根川の橋上で事故った車がいた関係で多少遅くなりましたがまぁ何とかね。次のお出かけは年末年始かなぁ?これから考えます。

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