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- その4 うねうねR352は2度目(1度目はピー通行)、そして駒の湯山荘へ -



うねうねのクネクネ、何というか「国道の水平歩道@魚沼編」というべきか?

(2021年7月-8月 その4)

というわけで檜枝岐方面へと進んでいきます。とはいえ、まだお昼ごはんには早い時間なので名物の裁ち蕎麦はパスしました。職場の同僚が「(裁ち蕎麦なら)あそこが一番!」とお墨付きを出していた山びこ山荘もランチ営業をやめてもう数年になりますなぁ。結局一度しか食べられなかったけれど確かに美味しかった。宿としてはまだ営業していますから、泊まりで行ってみるのもいいかな。



「真夏の雪まつり」用の雪ストック、まだありましたね。」



さて、檜枝岐村の中心部を抜けてR352をキリンテ、七入と進むと一気に狭く急な山岳ロードとなり、そして御池(沼山峠)分岐へ。ここまでは直近だと2018/6におしんこどんと来ています。が、ここから銀山平方面へはこれまで一度しか通ったことがありません。長い長い長い山岳ロードが続きます。しかもこのあたりから一気にどしゃ降りの雨が降り出しました!



まずいなぁ、この区間は大雨だと通行止めになるんですが、そうなったら逃げ道なく戻るしかないし(最悪戻れないかも)と思っていましたが、小沢平(こぞうたいら)近くまで来たところで雨雲の領域から抜けたらしく小止みになりました。ふぅ‥おっと、ここ小沢平といえう゛ぁ!




(その時の様子はこちら

というわけで、せっかくなので登山口入口を懐かし見学することに。あ、この2017の時は来なかったおしんこどんでしたが、いやぁ来なくてよかったと思うわ。ちなみに翌年2018に沼山峠in鳩待峠outの時は同行@この時です。



「魚沼から行く尾瀬」を標榜するなら、このルートにせめて仮設でも橋は架けておくべきではないかと思うんですけれどね。ただこのルート、実際のところは全区間が福島県側にありますから魚沼(新潟)側が資金を出せるわけでもなく、福島側だって、この不人気ルートを積極的に整備しようとは思わないようですから‥(いかんせんアプローチが遠すぎる)。

整備してくれるとすれば檜枝岐村ですが、いかにお金を出したとしても実際に整備作業を行うのは山小屋の方々であることが多く、現に渋沢温泉小屋が廃業して数年で、「天神田代-渋沢温泉小屋」の登山道は廃道化しましたし。





もっともその一方で「尾瀬レベルの整備」を断念して(いわゆる「過剰とも思える整備」=橋などはそれに該当)、「尾瀬にあって尾瀬にあらずのバリエーションルート」として最低限のレベルで維持していく方策もありかも知れません。初めから「徒渉ありますよルート探しも時にはありますよ」と案内しておけばお気楽な方々はすぐさま選択肢から外すでしょうし、それでお互いWinWinです。

ただしお役所サイドが「だからもう整備の費用も節減して」という流れになるとほんの数年で廃道になっちゃいます。この登山口でさえ、すぐ先の踏み分けが見えなくなっています(左上画像にマウスオーバーで2017画像に変わります)。本当に人が入っていないということです。

ただ上のほうで「アプローチに時間が」と書きましたが、実は福島側のメインエントランスである沼山峠だって、決して峠までのアプローチ時間が短いわけではないですよね。奥只見小沢ルートの場合は新幹線が使えるし、バスはしっかり接続しているし、遊覧船にだって乗れるし(乗るしかないのですが)、その先のバスもしっかり接続しているし、何と言っても「出発初日に三条の滝や平滑の滝を眺めたあと尾瀬ヶ原の山小屋(温泉)に入れる」というのはこのルートの大きな売りなのだと思います。

現在魚沼サイドは「バラエティに富んだアクセスで沼山峠へ行かれる」ことをアピールしていますが、この小沢平ルートは福島(檜枝岐村)側とタッグを組んでもう一度日の目を見させる価値はあるような気がするのです。どんなものなのでしょうか?(確かに渋沢温泉小屋がなくなったのはイタイですが)。

大幅に話がそれましたんで(このお出かけでは尾瀬に行くわけではないので)今回の先へと進みましょう。そろそろ山ん中でお昼ごはんです。ん、集落すらほぼないこのエリアのいったいどこで?





このR352の福島新潟県境エリアの只見川沿いには「比較的(相対的にともいいますが)平らな地域」が広がっていて、そこには古くから檜枝岐村の人々が春から秋にかけて「出作り」に出てきていました。それは春から秋にかけてこの平地を利用して作物を栽培し、冬になると(道路が閉鎖される前に)里に戻るという生活様式です。

檜枝岐が尾瀬の玄関口として観光の村になってからはこのような出作りをなさる方々も随分減ったようですが、それでもこのような出作り系の建物はいくつも見られます。こちらの食事処もそのような歴史の中で「ここでの喫茶営業」に至ったのでしょう。



それにしても、この場所で「食事処」を維持しているのはすごいです。

朝8:00から営業とのことで、釣り客メインなのかな(ネット情報によると朝3時ころから釣り券購入可能とか)。あとは登山客(平ヶ岳かな)、そして奇特な観光客車両、おっと忘れちゃいけない道路維持作業に携わる方々も(長距離路線ですから常時手入れが必要)。



「なめたけ蕎麦が絶品(あれば)」ということでしたが、時期柄叶いませんでしたので山菜定食と山菜そばを注文。間違いなく地元で収穫した山菜を出して下さっているわけで、これはいいなぁ。あ、山菜そば、撮り忘れました(苦笑)。

「こ、コレハ!」とセンセーショナルに訴える感じではありませんが、どちらも美味しかった。ピラフなどもあるしもちろんコーヒーも。この場所でこういうメニューを普通にオーダーできること自体がある意味奇跡ですし。

あ、どこかに似た場所があったかもと脳内記憶をひっぺ返してみると‥ああ、北海道は上士幌町の「三股山荘」ですね。ただし「今の」ではないというか(今もいいんですが)その昔、まだ十勝三股から北側の峠越えが旧道のダートだった時代の三股山荘のほうがよりフィットするかも。拙サイト開設前、90年代半ばのバイクツーリングでしたが、糠平で8/上旬のキャンプなのに朝の気温は4度&雨、三股までは現在と同じく立派な舗装路でしたがそこからはダート。雨の中斜面をへずり登る旧道ダート路を当時の250ccゼルビス荷物満載系でよく越えたよなぁ。その頃の三股山荘の佇まいによく似ている気がするのです。辿り着こうとする者のみにドアが開かれるというか(ちょっと大げさですね)。



このすぐ先で新潟県へと入ります。前のどこかで「この区間を通るのは2回目」と書きましたが、実は前回(1999年)は「掟破り」でありまして、当時このR352新潟区間は「二輪車完全通行止め」だったのです。詳しくはこのページ(とてつもなく若いTakema画像あり)にありますが、尾瀬沼でテント泊のあと沼山峠に戻ってきたところで係員さんが「枝折峠は駄目だけれどあとはバイクもOK」とおっしゃって下さり、「よっしゃー!」と走ってきたところ清四郎小屋の先に「この先バイク通行禁止」の横断幕を見て愕然としたんだっけ。

で、上記リンク先には書いていませんがもう時効とさせてもらって書きます。実際にはこの時は枝折峠は二輪通行可能(時間帯による一方通行)だった気がするんですが(沼山峠の係員さん、全然事実と違う情報提供)。ただこの時の銀山平到着時にはもう何というかここまでのR352に疲れちゃって、もう時間も時間だったしで枝折峠を越える根性もなく(翌日は出勤だし)‥



2006年には全線で二輪車通行解除となったR352ですが、上記たる過去のことなのでR352の通行については時効といわずともお許し下さいませ。なお、2021年現在もシルバーラインは二輪車通行止めです。今さらながらですがお許しくださいませ@関係者各位。

さて十二山神社。この界隈にはその昔の鉱山があったそうであちこちに坑道跡が存在するようですが、下調べが甘くてよくわかっていませんでした。



鳥居とお社がありますが、正確にはここは別社かと。本殿は今や奥只見湖サイドからしかアプローチ出来ないはずです(ただし本当の本殿は銀山湖の水底です)。で、ここから急な坂道(!)を下っていった先に坑道跡があるのは確かなのですが(数分らしい)‥



いや、めったに来られない場所なのになぜ?とお感じになる御仁も多いかと思いますが、とにかく暑さとアブでしたね。秋だったら間違いなく下りていったことでしょう。というかこのルートの真骨頂は間違いなく秋の紅葉の時期のはず(自分がかつてバイクで不法通行したのは10月後半でしたが、当時のページでも「この年の紅葉はスカ」と書いておりました。紅葉自体が遅かったようです(さすがに尾瀬沼湖畔のキャンプはマイナス気温でしたが=この時@1999/10)。



供養塔ほかは2度移設されこの場所に鎮座することになったのだとか。合掌。

さてここからは「うんざりルート」のスタートです。このR352銀山湖区間は湖の中腹を忠実に巻いていくわけですが、そもそもダム湖ですからかつての沢が入り組んで流れ込んでいたわけで‥





ここ、バイクだと本当に「体力・気力ともに疲れる」ルートです。めったに対向車は来ないとはいえ道は狭くてカーブミラーも(特に湖岸エリアでは)少ないですし、ほぼ全区間にわたってバイクをバンクさせ続けねばならない=カーブの連続、さらには「洗い越し」(後述)も幾つもあるし(雨のあとは特に増水に要注意)、そしてとにかく長いですからね。初心者ライダーは入らないことをお勧めします(特にマスツーリングは駄目です)。

あ、この国道の「こういうルート取り」に酷似した区間を思い出しました。それは「黒部湖下流~欅平」の水平歩道。自分は「黒部湖~仙人ダム」の通称「下の廊下」は歩いていないのですが(時期超限定+必要日数を考えるに自分には無理)、仙人ダムから下流の水平歩道は歩いたことがあります。こちらこそまさに「水平に沢を巻く」わけで、先を見たら気持ち的にきつかったなぁ(その時のページはこちら)。



ああ、ここに橋があれば‥と思いつつ、沢奥まで律儀に詰めていくわけです。



標高1000mちょいでも沢沿いにあれだけの残雪が。

道は国道とはいえご覧のとおり1-1.5車線で、ツーリングライダーには辛い道です。「国道352 バイク」で検索してみると先人のコメントが見られるはずです(わたしのページは古すぎて未確認)。もう一度バイクで走りに来てみようかなぁ(大馬鹿)。ただし天気があやしい場合はルート変更を強く推奨!六十里越のほうがはるかに安全です!



なおこの道の特徴として、左上画像のような「洗い越し」があるので二輪四輪とも注意しなければなりません。橋や暗渠を造らず、沢水を道路上にオーバーフローさせる形でメンテナンスの手間を低減させているわけですが、そもそも見た目以上に段差があり、また常時通水している場合は苔が付着している可能性もあります。バイクの場合は徐行&定速直進が必須だと思います。

とまぁ、最近全然遠乗りせず通勤グに徹している自分が申し上げるまでもないアドバイスでしたが、ようやく銀山平まで辿り着きました。とはいえ特に用事はないし(食事するわけじゃないし温泉は特筆すべきほどでもないし=昔々はポリバス軍団があったらしいですがそれも今は昔)、おまけに再び雨がポツポツ降ってきたのでまぁいいかと通過することに。と‥





これは残念でした。とはいえ、どういう事情かはわかりませんがこればっかりはどうしようもないので、2回目の、かつ「今回は合法通行」でのシルバーラインを利用することに。



で、どんどん雨が強くなってきましたよ。この画像、まだ14時台の撮影だったにもかかわらずもうすっかり夕刻の趣です。ぐっはぁすんごい雨、早いとこ宿に入らねば!



というわけで15:30前に本日のお宿「駒の湯山荘」に到着です。画像は雨がほぼ止んだ時に撮影したものですが、到着時は「うっひゃーキビシー!」系の大雨で、最低限の荷物をまとめてダッシュでピットイン!という感じでした。

長くなったのでこの続きは次ページにて。

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