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- その13 下風呂-大間-佐井と進み、山越えで薬研へ -



津軽海峡の安全は俺が守る!と言わんばかりの精悍さ(笑)。

(2021年7月-8月 その13)

大間港からはこの日のお宿である下風呂温泉へと進みます。下風呂温泉の宿泊はこれで4度目ですが今回はつぼた旅館さん。これまで「まるほん旅館」 「北明館」 「かどや旅館」と泊まってきたわけですが(宿名クリックでその時のページが開きます)、「北明館」「かどや旅館」はすでに廃業してしまい、「北明館」のあった場所には新しい共同浴場である「海峡の湯」がオープンしています。マシンガントークの北明館女将さんも亡くなられたそうですが、次の世でもトークレベル満開でおられることでしょう。



大間港の到着が18:00のため、下風呂温泉に向かう途中でもすでに左上画像のような時間です。よって予約時には「到着したらそのまま夕食で大丈夫です」と伝達しておきました。われわれだけ時間をずらしてもらうのは申し訳ないですし(時間を選べるわけではなかったようでした)。



温泉街を進み、旧新湯の隣にあるお宿へ。ああ、かどやさん‥。




(画像は翌朝に撮影したものです)

「旅館つぼた」「つぼた旅館」のどちらが正しいのか微妙ですが、たぶんどちらも正しいのでしょう。さて夕ごはんです。



プラン的にも高いものではないので案外普通に感じましたが、普段なら夕食にこれだけの品数と量を食べることはまず絶対にないので、食事後腹パンになったのは言うまでもないことです。

食後は部屋でしばし休憩なのですが、この日の下風呂温泉界隈も暑かった!そのため室内も熱気が籠もっていて夜になっても暑く‥え、ええ、こちらのお宿にはエアコンがありませんので。

ちなみにここまでのお宿のエアコン設置はといえば、「1日目○(塩原)、2日目×(駒の湯山荘)、3日目×(ニセコアダージョ)、4日目×(見市温泉)、5日目○(知内温泉)」でしたから、こちらを合わせると、



というのも、この旅行中はとにかく暑い日々が続いており、「エアコン要らず」の日などなかったわけなのです。まぁ北海道や北東北では仕方のないことなのでしょうが(覚悟はしていましたし)。

ではお風呂に行ってきましょう。考えてみればこの日は船に2回乗り、山の上にも行ったにもかかわらず立ち寄り湯はありませんでしたから、汗はしっかりかいてます。





かなり以前に立ち寄り入浴した際、この「ストッキングキャッチャー」に心時めいた?記憶があります(別に変態ではありません)。というか何だか同病相憐れむというか微妙な親近感というか負け犬根性というか(やめなさいって)。



新湯系のお湯で(すでに利用を終了されていましたがすぐ隣は旧新湯共同浴場)、投入源泉はなかなか驚きの72.1度。新湯源泉は近年湯温が下がっているという話をどこかで耳にしていたような気がしますが、気のせいだったか勘違いだったのでしょう。

そして浴槽表面部の湯温もやや高めですが別に入れない温度ではありません。大湯源泉に比べて案外あっさり感のある新湯ですが、じっくりどっぷりとタンノーいたしました(これが先人の苦闘のおかげだと知ったのは翌朝のことでした)。

暗くなりアブもいなくなったので湯上がりにはちょっとだけお散歩。とはいえすぐ前のあたりだけですが。



何度もお世話になった「新湯」。静かに眠りについておりました。

さて翌朝です。一番湯をと早起きしてお風呂に向かったその心意気やヨシ!しかしですね‥





あえて申し上げれば、浴槽の大きさに比べて湯揉み棒が非力サイズでしたので、このあたりは何とかしていただけないかなと存じます(笑)。昨晩は先客さんたちが「格闘調整」したあとだったからあの湯温で済んでいたのだとしっかり理解しました。

さて朝一番からひと汗かいたあとは、温泉街を少し歩いてみましょう。まだ早い時間ゆえアブも出てきておらず快適なお散歩でした。



2019GWに宿泊したかどや旅館さんですが、もはや住んでもおられないご様子です。残念だなぁ、お宿関係の皆さまはどこへ?

公民館の向かいには相当昔からありそうな「下の道に続く階段」があります。冬の積雪と凍結を考慮しての屋根付きとなっていますがなかなか味があります(右上画像マウスオーバーで拡大画像に変わります)。



で、下の道に下りてくるとそこには「新湯と大湯を閉鎖した代わりに新開業した『海峡の湯共同浴場』」がありました。ええっとここにはその昔自分が泊まったお宿「北明館」、そして長谷旅館があったんですよね。何だか朝からしみじみしちゃいました。まだ営業時間前でしたがすでに玄関前には1人の男性が待っているようでした。

さてコンビニ的なかねもりさん店舗前で少し休憩というか一服(携帯灰皿は常時携帯しています)。と、少し手前のお店から出てきた女性が‥







思わず近くに進みお話を伺うことに。こういう時のTakemaは案外物怖じしないたちでずんずんいきます(笑)。

Takema
女性

という感じの僅かな会話でしたが、とってもほのぼの気分にさせていただきました。そんなわけで旧大湯共同浴場の前を通ってお宿に戻りましょう。そろそろ朝食の時間です。



こちらもお世話になりました。あつ湯にはいつも苦しまされました(笑)。



というわけでお宿に戻り朝食です。うん、自分にとってはこれくらいの量が適量でありがたい!(普段の朝食はタマゴかけご飯と納豆かお新香に果物(必須)、秋冬はそこにプラスしてお味噌汁くらいです)。以前対岸の北海道恵山温泉旅館に泊まった際、最初に出された朝食膳がそこそこ質素で「よしよし」と思っていたら、あとから右上画像の3倍くらいのイカ刺身が出てきてたまげたことを思い出します。まぁちゃんと全部食べられましたが(その時のページはこちら)。



ちなみに宿泊時に車を駐めていたのは旧新湯共同浴場の隣の空き地でして、朝になって(塀越しに)すぐ上を見てみると、まさに源泉施設が並んでいました。ただ、われわれがチェックアウトしたのは2021/8/5だったわけですが‥



ちなみにここ新湯の源泉地にも土石流が流れ込んだようで、となるとこの撮影地(自分の車のすぐ後ろ側で撮影)にも土石流‥Takema車は大破していたかもしれません(つぼた旅館前の駐車場だったら何とかなったかと)。この夜、温泉宿の宿泊客は高台避難所へ退避したようで、たまたま当日宿泊していた自分のSNSフォロワーさんも避難、数日後に倒壊した橋を徒歩で渡り(自衛隊による確保あり)、地域に車を置いたまま(車は無事のようでした)いったん帰宅なさったようでした。

その後、むつ市大畑側からのメインルートを閉ざしていた小赤川橋は9月2日から一般車両の通行が可能となり、その後大間方面からの土砂崩れ区間も通れるようになりました(ただし片側通行区間多し)。また8月10日から続いていた地域の断水は26日にようやく解消。約1ヶ月(以上)にわたり地域の孤立を含む大災害が起こったわけですが、全国ニュースで伝えられていたのは最初の一時期だけだったような気がします。

このページをタイプしている2021/10/9の2日前の夜に起きた関東圏震度5強の地震には、都内23箇所で水漏れ=数時間内に全部処置完了、鉄道運行停止=翌日私鉄はほぼ平常運行、JRは朝こそ乱れたが昼には平常運行です。緊急時にはどの国どの都市や地方であれインフラの機能は一時的に止まります。大切なのはその復旧のペースであり、日本はありがたいことにそのスピードが実に早いのです。少なくとも欧米の比ではないと思います。それだけその分野に携わる方々の意識と技術、そしてそれらを活用するシステムがうまく機能しているということでしょう。

(だからそのようなインフラを民営化しようとする一部の地方公共団体の動きには不満を感じます)

話がそれました。この日は豪雨被災の5日前、たった5日前ではありましたが実に穏やかで(くそ)暑い夏の1日だったのです。旅の話を続けましょう。

ちなみにこの時「どうしようかなぁ」と逡巡しつつ「まあいいか」と訪問をやめた小赤沢中流部の湯、もう車で楽勝に行かれることもなさそうですし、そもそも源泉エリアはとんでもないことになってしまったのではと思います。行っておけばよかったなぁ(持ち主のお宅も知っていたのに。なお前回訪問時のページはこちらです)。



というわけで昨日に引き続き大間にやってきました(昨日はフェリーを下りて通過しただけ)。







この日は実に穏やかなお天気でありました(暑かったけれど)。カモメも何やらご馳走を見つけた様子です。



大間崎までやってくればここでの定番撮影はこちらですね。



この日この時は訪問客も少なくご覧のとおりでありました。




ちなみに大間崎の沖合に浮かぶ弁天島の灯台はまさにロケット発射台と化しておりました。2019GWの尻屋崎灯台も同じようにメンテナンス中でしたし、ここ数年でこの界隈の灯台は一気に手が入れられているようです。

イカ釣り漁船?が沖合を進んでいきます。風もなくほのぼのとした岬の光景でした。まさかこの数日後にこの近隣地域が地獄絵図に襲われるとは思いもしませんでしたよ(ちなみに大間地区には大きな被災がなかったようですが、むつ市方面に抜けるメインルートが遮断され、「半孤立」のような状況に陥ったようです)。



大間からは佐井に南下し、県道284号経由で薬研温泉方面へと向かいます。下北半島内陸を行くこのルート、県道とはいえ未舗装区間も残る「ヤバイ道」だと理解していましたが、まぁわがフォレスターなら大丈夫のはず。この日は時間的にも余裕がありましたし、せっかくだから未踏のルートを通り抜けてみたかったわけです。

というわけで佐井から県道284号へ。入口はわかりにくいですねぇ、ナビが正しかったのかどうかはわかりませんが「え、ここ?」という細道を通りました(左上画像は広い区間です)。

集落を抜けて進んでいくと、確かにダートではありますが「コレハ舗装するでしょもうすぐに!」という感じの路盤工事完了区間に。そして画像はないのですがまさに舗装工事の現場に出くわしまして作業中のしばし待機となりました。



車の外にはキミたちが一杯(当然)。なお山岳部に入ると全区舗装路に。

ただし佐井側から峠に上がる区間は古い整備ゆえ線形が急で幅も狭く、いかにも「昔の林道をそのまま舗装した」という感じでした。もちろん山の中ゆえ携帯電話も通じないはずです。でもね、


(看板を撮影しなかったのは大失敗でしたが)。

まぁそのくらいの山奥ではありますけれどね。しかし、峠を越えて薬研側に下り始めると路面状況は一変!





まさに昨年から今年にかけて整備を終えたばかりとおぼしきペッカペカの舗装路が続いておりました。しかも右上画像のような車両交差帯も設けられていまして、これはすごいぞ!(ただし決して車線区分ありの2車線路ではありません。しかし普通車同士のすれ違いはまったく問題なしです)。




(あ、運転は慎重にね>ALL)。



というわけで薬研温泉側のゲートまで下りてきました。この日は8/5でしたが、実はこの県道284号‥





となる予定だったのです。しかしその前日8/9からの集中豪雨により海沿いのR279ルートが甚大な被害を受けて通行止めとなった中、この山越えの県道284号は大きな支障もなく(小さな支障は当然あったことでしょうが)、何と「国道の迂回路」として大間町や佐井村とむつ市を結ぶルートとして利用されたのだとか。もっとも山岳ルートですし1-1.5車線区間が続きますから大型車の利用は少なかったでしょう(県道46号は道がよいので)。

おそらくはこの工事、佐井村側の道路の再整備を行う予定だったのでしょう。以前は薬研側のこのゲートから先は全線未舗装の林道ルートでしたが、早くから手を入れた佐井村側(それは佐井村の整備意欲によるものだったのではないかと)、でもその道路状況が陳腐化してしまったことによる再整備ということだったのではないかと思います。

さて薬研までやってきたならやっぱり温泉ですよね♪でもどうにも気になる場所があったのですよ、そう、原状復帰を余儀なくされたあそこの湯界隈はどうなっているのかというわけです。というわけで次ページではそちらの現状確認をば。

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