思い立ってお出かけ‥飯舘、飯坂、鳴子、肘折編

- その3 飯舘のお社巡り+ワークショップのあと飯坂温泉 -



なるほど、パワースポットゆえ‥なのでしょうか?



昼食後は比曽稲荷神社へ。バスを降りて参道というか農道を歩いていきます。このあたりの田んぼにも再び稲穂が頭を垂れる日が早く来るといいなぁ、やっぱり全体的に景色が淋しい感は否めないところですからね。

最後はやや急な階段を上って社殿に到着となるのですが、なぜかこの時稲荷神社社殿の画像を1枚も撮影していませんでした(苦笑)。その代わりに撮っていたのは‥



周囲に各種生えまくっていたキノコでした(笑)。

ちょうどシーズンだったのでしょうが、残念ながらキノコは土壌に残る放射性物質を吸収しやすいようで、村内では2022の調査でもまだ高い放射線量が計測されていたそうです。まぁそもそもこのキノコが食用になるかすら知らない自分ですが、まだしばらく飯舘産のきのこが市場に出回ることはなさそうです。

ま、そもそも2011のわらび収穫シーズンに(まだいろんなデータが出揃う前に)猪苗代界隈のスキー場でわっせわっせと収穫に励んでいた自分ですからねこちら(2011)とこちら(翌年の2012も)、全然気にしていなかったわけです(笑)。

続いて最後の訪問神社である田神社へ。



おお、ピカピカだと思ったら「令和の鳥居」でした。



ふだんは開けられていないという社殿もこの日は扉が開かれていて(まさにこのツアーのために!)内部を拝見することができました。壁にはかつての比曽地区の生活ぶりを示す写真が張られておりまして、現在の周辺の風景を見ると切なくなるところもありますが、なぁに、今後はさらに変わっていくはずですしね。

ところでこのページトップの画像はここ田神社社殿の脇にあるご神木たる神杉なのですが、なぜかこのご神木正面だけが「放射線量値が高い」のだそうです。



直前(前日)の計測によるとご神木正面の線量値は0.88μSv/h、でもすぐ脇の社殿前だと0.33μSv/hと一気に下がります。当日渡された資料をあらためて確認してみると、昼食前に配管した愛宕神社境内の十三仏正面も同じく0.88μSv/hだったのだとか。除染の手が届かないところの線量値は今もやはり「多少」高いところがあるのですね。





上画像の2枚は2019/8にウクライナ北部のチェルノブイリ原発警戒区域内で撮影したものですが(この時のページはこちら)、左上画像ではミルクポットに思いきり線量計を近づけて計測したところ58.87μSv/hを記録しました(ちなみにこれは明らかに間違った計測法で、線量値計測については「地上1mでの測定」とすることで数値の比較ができるようにしています)、数m離れた場所ではたったの2.12μSv/hしか示していません。

このことは「放射線物質の放射パワー(能力)」がどれほどのものなのかを実感するいい機会になりました。つまり飯舘村の場合でいえば、



前にも書きましたが、世界各地には自然放射線量値がこのスコアをはるかに上回っている場所があり、そこに長年住んでいる人にも有意の影響はみられないわけです。もうこのお話(放射能云々)はいったんおしまいにしたいと思います。



このあとは交流センターへ。エントランスすぐのところにはつい先ほどまで見学していた獅子舞を描いた石板像がありましたのでついついパチリ。というかこれは撮りたくなるでしょ。で、通された部屋には‥




(いやもちろんすでに知っていたのですが)

震災被災後しばらくして知った話ですが、ここ飯舘村では花卉(かき=花の)栽培も盛んであったようで、現在も村に戻った花卉農家さんが花屋さんに卸すさまざまな花の栽培を手がけているそうです。その縁もあって、今回はワークショップとして「ドライフラワーによるハーブ入浴剤製作」がツアーに組み込まれていたというわけです。

ハーブ。自分にはこれまで縁のなかった世界で、そもそも欧米系の「香水」は大嫌いだと思ってきた自分です。ただアレは「きついニオイを以てきつい体臭を制するというかごまかす」というのがスタートですし、そもそも日本では古来においても「香を衣にたきしめる」くらいのことしかやってきませんでしたよね。江戸時代の銭湯初期はいわゆるスチームサウナだったということですが、それも西洋人にとっては驚きだったといいますし(西洋人はそもそも身体を洗う習慣がなかったらしい)

で、各種ハーブをちらっと嗅いだところ、香りはあっさりで悪くないなぁというのが第一印象でした。キツイのはいやなのよとにかく。自分は喫煙者ですが、煙草の臭いが苦手な人にとってはあの臭いはキツイでしょう?自分も臭いのきつい香料は苦手なのです。その意味でも「全然問題ない範囲」です。



それをオイルと塩でまぜまぜしていきます(あくまで作るのは入浴剤です。ただ香り袋としても有用とのことで自分はそっちでいきます)。



そうしたら袋に入れて口をぎゅっと締めて完成です。この袋の中には右上画像のようなドライフラワーと岩塩とオイルが入っているというわけです。お持ち帰り後当面は香り袋でいくにしろ、いつかお風呂で使うことがあるかも知れませんね。



ワークショップ終了後は「寸暇を惜しんで」一服しました(苦笑)。交流センターの裏には川が流れており一瞬ながらのんびりとしましたが、昨今のゲリラ豪雨を考えるとこの川幅で大丈夫なのかなとふと不安になったりもしましたが。

このあとは最後の立ち寄り地である道の駅へと向かいましたが、その途中には飯舘牛を扱っていた施設があり、2023現在も閉鎖されていました。こちらの再開にはまだしばらくかかるのかなとも思いますが、いまだ食べたことのない飯舘育ちの牛肉、いつか食べてみたいものです。その時は村内で是非食べさせて下さい!



道の駅までいに到着。ここで最後の「お買い物」タイムというわけです(ここまで村内では一切お金を使っていませんので)。いつもなら飯舘産のお米を買ったりしていたわけですが、いかんせん今回はソロでの鉄移動というわけで最小限のデイパックはほぼ満杯。というわけで右上画像に見えている「飯舘てぬぐい」(かさばらない)だけを購入しました。



道の駅付近では灌漑設備が復旧しているらしく、田んぼにはみっちりと稲穂が頭を垂れていました。バスは出発後小さな峠を越えて川俣町、そして福島市へとぐんぐん下っていきました。そして福島駅へと戻って解散というわけです。

さてところでバイザウェイ、今回のこのツアー(第4回らしい)なのですが、ちょっとびっくりするお話です。実はこの日ここまでお世話になってきた飯舘村ツアーなのですが‥


(福島駅までの交通費は各自負担=当然)


そもそもバスを仕立ていただいててのツアーですし、わざわざ特別に獅子舞も見学させていただき、お昼ごはんもいただいて地元の皆さんとお話もできたし、地域のお社も巡れたし、そしてさらにワークショップ体験までさせてもらって‥無料とは!びっくり!

このツアーを主催する村としては「少しでも飯舘村のことを知ってほしいし訪ねてきてほしい(できれば定住も)、そのためにはまず飯舘村のファンを増やしたい」という目論見なのでしょう。その意味では自分がこうしてこのツアーの内容を紹介しているというのは少しだけお役に立てているのかな?ということろでもあります。

というわけでほぼ定刻に福島駅西口に到着して解散しました。というわけで‥





阿武隈急行線と福島交通飯坂線は一面のホームを使い分けています。このように別々の私鉄路線がホームを共有しているのは珍しい例ではないでしょうか(阿武隈急行は旧国鉄丸森線の三セクからスタートした鉄道ですが)。

ただ、ホームは一緒でも「うち本来のホームがいっぱいだからちょっと隣のホームを貸してよ」とはいきません。



架線柱を見てもらうとわかるのですが、左上画像阿武隈急行の架線柱は左側の東北本線との共用です。いっぽうで福島交通飯坂線は独自の架線柱から集電しています。

どちらも電化路線ではあるのですが、阿武隈急行はJR東日本の東北本線と同じ交流20,000V(私鉄唯一らしい)、一方の飯坂線は首都圏のJRほかと同じ直流1500Vですから全く素性の違う車両で、お互いの車両が相手側の線路に乗り入れた瞬間にぶち壊れます(笑)。まぁ「万が一」もないように接続線もないのだとは思いますが。

というわけで飯坂線に乗車です。地方私鉄とはいえ県都福島から飯坂温泉を結ぶそう長くもない路線(9.2km)ですから、地元の方々の利用者も多いようでした(立ち客もあり)。富山地鉄や長野電鉄のように超大路線でもなく、かつ全区間にわたってそこそこの人口がありますから経営的にはまだ逼迫しているわけではないでしょうが(輸送密度でいえば阿武隈急行のほうが低いですし)、でも利用者はやはり減少しているようです。



電車の先頭部と車両貫通部にそれぞれ暖簾が掛けられているというのがいかにも飯坂線らしいです(右上画像マウスオーバーで画像が変わります。福島駅側車両は女湯ということか?)。



というわけで終点飯坂温泉駅に到着。ここからは歩いて本日のお宿へと向かいます。これまで飯坂温泉には3回宿泊し、そのいずれもが鯖湖湯隣の「ほりえや旅館」(右上画像)さんだったのですが、三連休の中日ゆえ予約しようとしたらすでに満室でした。

よってちょっと検索して良さそうなお宿‥うん、ここだなと思って電話で予約しておいたお宿へ(ネット予約不可)。





ちなみに左上画像をよく見てみると奥のほうにほりえやさんの建物が見えています。立地で選んだわけではなかったのでたまたまだったのですが、当然こちらのお宿も鯖湖湯源泉を引いている宿ですし、うーん今回は本家鯖湖湯はパスしてもいいかな?(三連休中日の夕方から夜なので混んでるはずだし)。



飯坂温泉で一番小規模なお宿だということでこちらを選びましたが、エントランスにはしっかり「温泉むすめ」の飯坂真尋ちゃんが。ちょっと街の娘っぽくすかした感じなのが案外飯坂っぽいのかも知れません?



さて次々と夕刻の鯖湖湯に吸い込まれていく方々を横目に、自分は駅の方面へ。飯坂温泉の夕食といえば一般的には「円盤餃子」が名物ですし自分も以前食べましたが(その時のページはこちら、また同じものというのもなということでちょっと冒険してみたわけです。というわけで駅近くの居酒屋「源」さんへ。




ええっと、料理画像がほぼなくてゴメンナサイ(食い散らかした後の画像はありますが)。こちらのお店では1人客ゆえカウンターに座ったわけですが、先客さんお2人と大盛り上がりモードとなりましたんで撮影している間がほとんどなかったのであります(大笑)。

盛り上がった話の内容については個人情報を大いに含みますのでここでは割愛させていただきますが、唯一挙げるとすれば、「お父さん、この国の女性をわたしは『おかあさん』と呼びたくないからね」で全員爆笑したことですかね。わたしより十数歳年上の男性でしたが、今もバリバリ現役でパワフルな常連の先輩でした。

ちなみにお店を出る頃、お店のマスターから「お客さん、お酒強いねぇ」と言われてしまいました(笑)。いや確かによく飲みましたわ。お店の雰囲気は「客を選ぶ」系かもしれませんが、わたしは次回も「源」さんに行きますよ!あ、一般的には「餃子を軽く食べて一杯引っかけてから」でもいいかも。



お宿に戻ってお風呂です(この行為は危険パターン死の行進一直線なのでご注意を@各位)。源泉かけ流しにこだわりがあるからなのでしょうか、熱い鯖湖湯系の湯はほんのちょろちょろの投入でした。



オーバーフローは「目玉オヤジ系」での排出でしたが、それもご覧のとおり僅かなものでした。この日は三連休中日ゆえ小規模な宿とはいえそこそこの宿泊客がありまして、朝もソロ入浴はできませんでした。週末は多少加水して湯の鮮度を高めてもいいのではと思った次第です。



開けて朝湯の上で朝ごはん。うんこれで適量ですというかこれ以上はいりません。さてこのあとは飯坂電車で福島駅へ戻りますが、世間はともかく(最終日)、わたしの三連休はこの日が二日目なのです。というわけでもうちょっと北上します!

[みちのく行脚編へ戻る] [この旅行記トップへ] [次へ]