思い立ってお出かけ‥飯舘、飯坂、鳴子、肘折編

- その5 肘折温泉の夜&朝市を楽しむ -



やっぱりこの風情がいいじゃないですか。



そんなわけで村営のマイクロバスがやってきました。つい数年前(2017/3)までは山形交通バスが運行していたのですが(右上画像マウスオーバー)、現在は大蔵村営マイクロバスでの運行です。いずれにせよ、バスで肘折入りをするのって初めてです。

新庄駅前出発時のお客さんは4人で、途中で2名が下車していきました。三連休最終日午後の下り便ですから仕方ないかも知れません。



終点までは乗らず、手前の「温泉口」バス停で下車し、温泉街を眺めながら歩いての肘折入りです。決してバス代をケチったわけではありません(新庄駅前から温泉口までは500円、次の温泉街バス停以降終点までは600円)。



というわけで温泉街を進み、今宵の宿である西本屋さんに到着です。肘折温泉に泊まるのはこれで4回目かな、葉山館(現存せず)、村井六助、そして松屋旅館と泊まってきて今回の西本屋さんということになります。

こちらは「金魚湯」が名物?ということですが、日帰り入浴は受け付けていないため宿泊客だけが湯を楽しめます。そしてこの日のお客は‥ほかにいなかったようですので全館貸し切り?(1部屋だけ部屋の入口にスリッパが置かれていましたが、到着時からチェックアウトまでスリッパの位置は微動だにしていなかったので‥無人だった?)。



こちらのお宿はネットで予約したのですが、そのあと何とお宿から直伝が入り「うちは湯治宿ですから設備とかは‥」と確認のお電話が。どうやらお宿デフォルトの流れらしいようです。口コミの総合評価が高いことから、「設備の立派なお宿」と勘違いして予約する人もいるのでしょうか(宿泊料金を考えればそんな勘違いはしないはずだとは思いますが)。

案内されたお部屋は階段を上がった正面で、エアコンはありませんから扇風機で、ほかのお客さんの気配もなかったので部屋の入口もずっと開放したままで過ごしました(部屋を離れる時は閉めましたが)。さて、まずはお風呂へと向かいましょう。



金魚風呂は女湯タイムでしたので岩風呂へ。





温度計測はしませんでしたが体感で間違いなく48度オーバー!というわけで無念ながら加水しました。あとで知ったことですがここ西本屋さんはデフォルトで熱め設定なのだとか。

先客さんがいなかったこともありずっと熱々になっていたようです(なお湯揉み棒は見た限りありませんでした)。ただ、何とか入れるようになってから気づいたのは、





ゆえに加水&全身を使って湯の攪拌運動に励んだ結果、まぁなんとか落ち着いて入れるようになりました(それでも47度近くはあったと思いますが)。うん、なかなかに「勝負をかける」お湯ですね(笑)。

湯から上がったあとは当然のごとく汗が引きません。今や肘折で唯一入れる共同湯である上の湯は案外冷え湯なのかと思いましたが(案外ぬくまりが続かない=これはこれでいい)、源泉自体は微妙に違えど同じような泉質の肘折温泉各源泉ですから、この湯上がり大汗はとにかく湯の熱さによるものなのでしょう。それにしても熱い湯でした。



湯上がりには、これも一度はやりたかった「角打ち」へ。カネヤマ商店でいただきました。カウンター席はそこそこ混んでいたのであまりお話はできませんでしたが‥。



お宿に戻ってしばし休憩(相撲観戦)。そうこうしているうちに夕ごはんが運ばれてきました。湯治プランですから豪華ということもなく品数も控えめですが、少食の私には十分です。ご飯が盛りきりで出されてきたので、「あのぉ、明日の朝食ではご飯は半分くらいでいいですので」とお願いした次第です。

でも美味しかった!変にぐつぐつ系の鍋とかはそもそも要らない派なので(だって普段の自宅夕ごはんに鍋といったらどう考えてもそれメインであとのおかずはちょっとだけですよね)、これで十二分です。肘折のお宿が好きなのはこういう湯治食が選べるところなんですよね。なお自分としては、「品数がだいたい同じでもそれぞれの量を減らす」プランがあれば料金が同じであっても全然構いません主義です。なかなかないんですけれどねぇ。

右上画像でいけば焼き魚は半分にするのは難しいとしても豆腐や煮物はもっと小鉢にちょこっとでもいいくらい、先付けは1-2品でもいいかな、豆腐は半分でOKです。だってこの夕食でさえ完食後には苦しかったですし。なおこの感覚は20歳台からのものですので、Takemaがジジイ化して食べられなくなったわけではありません(苦笑)。そもそも「一気にたくさんを食べきるのが苦手」なだけです。



夕食後は腹ごなしに温泉街を‥うーむ、歓楽系温泉ではありませんし誰もいませんね。左上画像の居酒屋さん画像も実は夕食前に撮ったもので、そのあと程なくして明かりが消えておりました。経営的にはなかなかキビシイのかな?でも「今後の課題」とさせていただきます(笑)。多少雑然としているそうですが望むところです!(そういうの好き)。

このあとは誰も歩いていない温泉街をちょこっとね。






灯籠にはそれぞれ製作者および灯籠についての説明が記載されています。夏の灯籠は前年のものらしく、この9-10月のものは新作なのだとか(そして来夏にも吊られる)。地味ではありますがいい企画ですね。ただ、出歩いている人が多くもなく、宿泊客にもう少しアピールしてもいいのではとは思いましたが(自分も知らなかった)。

再び宿に戻って‥うん、再びのお風呂です!





またまたアチチかなと危惧していましたが、右上画像の通り湯尻でこれなら快適入浴OK牧場です(ちなみに岩風呂とは別源泉を利用しているそうです)。で、なんで「金魚湯」なのかといえば(もう皆さんご存じの通り)‥













ただ、上の画像(3枚)は実は朝方の撮影画像でした。夜は眠いのか一箇所に固まって浮きながら眠っているのか、全然見られなかったのですよ。









それにしてもちょっとすごいなと思ったのが浴槽と金魚水槽との接点でした。普通に考えれば水槽と浴槽とは接点なしに別にした方がよさそうにおもいますが、こちらでは水槽と浴槽が同じガラスにて共用されています(単層ではなく複層の断熱ガラスなのでしょうが)。



と心配にもなりましたが、金魚水槽に引き込まれているのはまず間違いなく地下水でしょうから、その冷たい水(ただし地下水なら年間を通して一定温度でほぼ固定)を温泉からの伝導熱と上手くバランスを取り、金魚が快適に生きていかれる水温に保っているのかも知れません(多分そうなのでしょう)。

この金魚湯は先代さんが設置したということですが、そこまでお考えになっての設置かと思うと実にすごいなと。あと、水槽に藻の付着や糞の舞いなどが一切見られないのに金魚が元気ということは、清掃と金魚の健康管理が絶妙な形で行われているということですからこれもまた地味ながらすごいことだと思います。



お湯をタンノーしたあとは夜更けのお散歩へ。温泉街中心部にある旧肘折郵便局はエントランスドアの片側が板で塞がれていました。このあと訪問なさった方によると「反対側も板で塞がれていました」ということでしたが、どうやら扉のメンテナンスが行われるようです。付け替えは雪解けあとになるのかな。



というわけで肘折の朝は早く、お早うございますの帽子屋さんです(意味不明の方はスルーして下さい)。まだ朝6時を少し過ぎたばかりだというのに、浴衣姿の宿泊客が朝市の買い物に出てきています。

秋のキノコシーズンには微妙に早い時期でしたから「まさに旬」というものはないようでしたが、畑のものや干し山菜、またしそまきや餅などが売られておりました。数年後に退職したらホントの自炊湯治で1週間くらい滞在してみたいなぁ。その時は野菜も買いたいな。



なおこの日は三連休明けの朝でしたので、とち大福を買ったところでうかがったところ「今朝は(昨日に比べて)お客さんもぐんと少ないですよ」とのことでした。まぁこの日は三連休明けの平日なのでそりゃ当然ですが、



というわけで2店で購入しました。なお、肘折初訪問の20年前に比べて、売り子の方々の見た目平均年齢がだいぶ自分たちに近くなっているなと感じました(笑)。まぁ当然の助動詞べし。一部の方々は明らかに自分よりも年下だったし(苦笑)。



このあとは最上流の源泉公園へとお散歩です。そのすぐ手前にある羽賀だんごさんはしばらく前にお店を閉めてしまいましたが、まだ看板はそのままで嬉しい限り。初訪時には店内でお餅を食べ、お団子をテイクアウトしたんだっけ(その時のページはこちら=2006。2013にも買ってました=こちら)。で、その先には‥





ぐっと幅を広げての落水により倒木や(1本見えてますが)流れの詰まりを抑止する狙いがあるのでしょう。ただ肘折温泉の流水のネックはここではなく、温泉街の少し下流にある小松淵あたりにあるようです。急峻ではあっても幅が細ければ水量をさばききれないのは当然のことで、近くは2020/7末にも一部浸水の被害が出たわけです。やっぱり山あいの地は大変です。



さて公園の一番奥には源泉の垂れ流しと足湯施設がありました。以前より何だか放置プレイ感が?せっかく造った足湯も中途半端にしか湯が張られていませんし(ちなみにその半端湯は適温なのです)、余り湯はそのまま界隈を流れるがままにされているし?こういうの、いろんな意味で(意味深)きちんとしたほうがいいと思うんですけれどね。



このあとは川沿いの細道を下り(「対岸のあそこに葉山館があったんだよなぁ」などと感慨に耽りつつ)、郵便局脇の橋のところで折り返して温泉街へと戻ります。この橋も2020夏の水害で一部が落橋寸前までやられたんですよね(現在はもちろん修復完了)。

今はジモ専共浴となった施設(清掃中なのか扉は開いていましたが)の前を通りお宿に戻ります。あ、こちらともう1つの共浴も以前に浸かっていますので無理に入浴を乞うことはありませんでした(この時です)。

お宿に戻って朝ごはん。盛りきりご飯は右上画像の通りぐんと減らしていただきましたので適量でありました。

さてこの日はもう帰るだけなのですが、12:00発のバスで新庄に戻るつもりなのでまだまだ時間はたっぷりあります。というわけで!(以下次ページ)。

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